岩木山を考える会 事務局日誌 

事務局長三浦章男の事務局日誌やイベントの案内、意見・記録の投稿

ミソハギの花に寄せる想い(1) / 市長との談話…わずか30分、その結果を持って船沢公民館へ

2010-08-15 04:26:07 | Weblog
 (今日の写真は、いわゆる初期の「弥生スキー場建設予定地」に許可のないまま「建設した」管理棟と機械棟が残されたままの「弥生跡地」である。
 直前の道は「弥生いこいの広場」にアクセスしている旧道である。「スキー場」開設を見越して立派な2車線「アクセス」道路を、これら建造物の建築と併行して敷設したのである。その道路の右端が、写真下端の白い「ライン」である。この幅の広い新道は、弘前市が敷設した。今になっては「弥生いこいの広場」へのアクセス道路としてしか使われていない。まさに分不相応な立派な道路である。
 「管理棟と機械棟を含んだ跡地」は「弘前リゾート株式会社」が「復元した」上で、弘前市が買い取ったのであるが、この「復元」が「マユツバ」ものだった。弘前市が出資している会社から弘前市が買い取るという構図、いくらでもごまかしは可能だろう。ただ、その土地を見せかけ上、「均した」だけというもであったのだ。もちろん、地下に埋設したものは、そのままである。
 
 ただ、植物は健気である。扇状地形故に「水の染み出している」個所は多い。そこには真っ先に、「ミソハギ」が生え始め、毎夏、花を咲かせるようになった。
 総じて、背丈は低いし、数も多くはないが、それでも、今夏も「薄紅色」の6弁花を元気に咲かせている。)

◇◇ ミソハギの花に寄せる想い(1) ◇◇

 <ながれの岸のみそはぎは、誰も知らない花でした。/ながれの水ははるばると、とおくの海へゆきました。/大きな、大きな、大海で、小さな、小さな、一しずく、誰も、知らないみそはぎを、いつもおもって居りました。/それは、さみしいみそはぎの、花からこぼれた露でした。>…金子みすゞの詩「みそはぎ」。
  2010年8月13日付毎日新聞電子版「余録」の「盆花ミソハギ」から引用…
 私は、何だか、わけも分からず、じ~んとした。そして、次のようなことを感じた。
…「露」は亡くなったご先祖様の御霊なのかも知れない。そして、その「露」をつけた「ミソハギ」は岩木川が日本海に注いでいる「十三湖」岸まで、延々と咲き誇ってるのだ。
 そして、日本海という「大きな、大きな、大海」に、「小さな、小さな、一しずく」となって消えるのである。と…。
 今もそうであるかも知れないが、昔は、旧暦のお盆の時に、この「ミソハギ」の枝を水に浸して仏前の供物に禊ぎをした。お盆の精霊花だといった方が分かりやすい。
 長野県などではお盆の日に花に水をつけて玄関先でおはらいをして祖霊を迎えるという。
 供物に水をかける風習について、江戸中期の国学者「天野信景」は、「昔の医書にミソハギが喉の渇きを止めるのに効くとあるので、亡者の渇きをいやすために、この草で水をかけるのではないか」と述べている。(明日に続く)

◇◇ 市長との談話…わずか30分、その結果を持って船沢公民館へ ◇◇

 7月30日(金)に「弥生ネット」と葛西市長との懇談を行った。出席者は、市側が葛西市長、高木企画課長、五十嵐氏 以上3名である。
 弥生ネット側は「岩木山を考える会」、「弘前市民オンブズパーソン」、「コープ青森弘前地域」、「市民が主人公のみんなの会」、「弘前市を考える会」、「津軽保健生協」合計12名であった。それに、マスコミが陸奥新報、東奥日報の2社であった。

 今回の市長との懇談内容を伝えるために、船沢公民館長のところに12日(木)10時に、私と竹浪さんが出向いた。

 市長との懇談の振り返り、今後の取り組みは?
今回の懇談内容は次のように評価される。○は評価していい。△はやや評価できる。×は評価できない。

1.報告書に沿った形で今後の整備計画を策定していくことが表明される。○
2.懇談会の発足・稼働の方向性が示される。△
3.この間の新たな知見を受けて現地調査、資源調査が実施される方向性が示される。×
4.船沢地区住民の参加に道筋がつけられる。○

今回の懇談で、どのような点まで「到達」出来たか?
1.葛西市長の冒頭の答弁、利活用をめぐる今後の市の方針については、「報告書」の基本的な考え方5項目をそのまま引用し、「これまで市に要望はよせられていない」「関係者地元住民の意見を引き続き聞きながら検討していきたい」「危険があるので立ち入らないようにバリケードをし注意看板を設置したい」とした。内容的には目新しいものはなかった。
2.船沢地区での説明会の開催の要望については、「地元住民の意見を聞くことは当然のことなので、要望があれば実施したい」との立場を表明した。本来ならば、要望がなくとも実施すべきなのだが、地元住民の意見を良く聞く、という立場で実施することを表明したことは一歩前進と言える。
3.危険なので立ち入り禁止措置をすることについては、松原氏より公有地入会権の観点が指摘され、「地元の立ち入りをどうするかについて、話し合いをしながら検討していく。」とした。これも一歩前進である。
4.跡地に残されているマンホール、排水管などの工作物については、工学的見地から機能上必要なものは残さなければならないし、検討しなければならない、とした。
5.高木課長から、懇談会の設置のメドについて、今後弘大の山下教授と相談しながら、懇談会のあり方について検討していきたい、との見解が出された。
6.岩木山を総合的に所管する課の設置については、「現段階ではその考えはなく、関係する課がより連携を取りながら対応していく。」とした。
7.最後に、市長が「地域住民と十分話し合いをしながら進めていく。箱物建設はせず市民の森として育てていく方向で前に進めていきたい」との見解を表明した。

 なお、懇談終了後に、高木課長より竹浪に対して、「市長がこういう考え方なので、進めていくことになると思いますがよろしくお願いします。」との挨拶があった。

 以上のことを交えて、船沢公民館館長と親しく話し合いをしたことはいうまでもない。地域の大勢の人たちが集いやすい時季を考え、まずは「報告書」の説明会を、そして、それを「懇談会」へとつなげていくことを確認しあって、私たちの話し合いは終わったのである。

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