岩木山を考える会 事務局日誌 

事務局長三浦章男の事務局日誌やイベントの案内、意見・記録の投稿

小さな小さな花、キュウリグサ(胡瓜草)とハナイバナ(葉内花)その2

2007-05-10 05:09:47 | Weblog
 岩木山を考える会主催「岩木山自然観察会・後長根沢ぞい」への参加申し込みは本日の21時ごろで締め切りとなる。それ以降は受け付けない。
 定員は30名。今朝の時点ではまだ、定員に達していない。参加希望の方は本日21時までに0172-35-6819本会事務局・三浦あてに「氏名」「年齢」「住所」「電話番号」を述べて申し込んでほしい。

 昨日、この観察場所の下見を本会幹事のTさんとしてきた。その報告は明日このブログに書くが、今朝も少しだけ…
「林道の両側沿いに、延々とカタクリが咲き乱れ、野生のオオヤマザクラがカエデやミズナラの木々の中で、今や満開。濃淡の桃色花が鮮やか。」だった。


 小さな小さな花、キュウリグサ(胡瓜草)とハナイバナ(葉内花)その2
(承前)
 
 それでは一体このキュウリグサに似ている花は何なのだろう。「そうだ、あれしかない。非常に似ている花、花だけ見ては小さいので違いがはっきりしない。あれだ。」
 私はキュウリグサの特徴・特性を項目的に暗唱しながら…
「葉を揉むとキュウリの匂いがしない。」「花穂が渦を巻いていない。」「花の先端がくるりと巻いていない。」「花の形はキュウリグサそっくりだが中心が黄色くない。」「さそり状花序にはならず茎の上部の方まで葉がついている。」「葉の脇に小さな花がつく感じである。」と…その花の様子をキュウリグサと比較してみたのである。

 やはり、それはもはや疑いもなく、ハナイバナ(葉内花)であった。
それにしても、ハナイバナとは妙な名前である。カタカナ表記だけではまったくその意味が分からない。漢字書きにしても定かでない。
 ところが、実物を実際に見てみると、その意味がかなり明らかになるから面白い。
 名前は、「葉の脇に小さな花がつく感じ」に見え、茎の上部の葉と葉の間に花をつけることに由来して、「葉内花(ハナイバナ)」というのだ。

 雑草と一般的に呼ばれている「草花」の中には可憐な姿で咲くものが多い。このハナイバナもそうである。しかし、畑や道端に咲いているのだが普通の速さで歩いていても、気がつかないで通り過ぎてしまうほど小さく目立たない花なのだ。
 散歩のついでに、土や草の匂いのする場所で、しゃがみ込んで草花を見てほしいものだ。足元には沢山の雑草の「花」が咲いているのである。
 桜もすばらしい。散りゆく桜にも風情があろう。しかし、気づかずに通り過ぎてしまいそうな小宇宙的な雑草の世界もまさに生気にあふれ、色彩に充ち満ちている。
 この花、ハナイバナはまさに小宇宙としての天空に煌めく、星々に等しい。
 薄紫の小さな花は、蕊(しべ)の部分が円形に白みがかっていて、それが艶やかさを打ち消して、質素な高貴さを漂わせている。
 このハナイバナの風情は、仰々しく咲き誇る「ソメイヨシノ」とは異質の春の美であるように思えるのだ。

 ハナイバナはムラサキ科ハナイバナ属の一年草(または越年草)で、日本全土の畑や道端などにごく普通に生える雑草である。
 茎は細く上向きの伏毛があり10~15cmになる。やや地面に伏したように斜めに伸びるが、次第に立ち上がって伸びる茎が増えてくる。
 葉は長楕円形又は楕円形で長さ2~3cm、幅1~2cmあり、表面にしわがある。
葉の形は、決まった形があるわけではなく、縁は波打つことが多い。葉や茎、萼片などにやや長めの毛が多く生えているが、これが白くて茎にはりついたように上向きについている。
 枝の上部の葉の脇に淡い青紫色の花をつける。花冠は直径は2~3mm程度のごく小さい花で花冠の先は五つにさけている。萼は5枚である。花期は4~11月ととても長い。

 昨年の11月末に田んぼのあぜ道に咲いていたのを確認しているが、春先など、早めに咲いた個体にできた種が、芽を出して夏や秋には花をつけ、全体として花期が長くなっているのだろう。小さくて可憐な花だが気をつけて見ると、花期が長いので必ず発見できる花だと思う。
 雪が消えて、暖かくなってから伸びはじめた目の前の根生葉は、秋遅くは褐色を帯びているのに、とても明るくて瑞々しい彩りで「葉内の花」を支えているように見えた。

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