岩木山を考える会 事務局日誌 

事務局長三浦章男の事務局日誌やイベントの案内、意見・記録の投稿

Tさんが写した追子森下部からの岩木山 / 祝日「新嘗祭(勤労感謝の日)」考

2008-11-25 05:32:27 | Weblog
(今日の写真は、昨日、岩木山追子森尾根を登ったTさんが写したものだ。1枚目は12時59分に「無事下山しました。11時に目的地点に到着しました」というコメントと一緒に携帯電話からのメールで送られてきた。この写真は午後3時過ぎにホームのコンピュータから送られてきた3枚の内の1枚である。
 写真の説明をしよう。断っておくがこれは「白黒写真」ではない。カラー写真なのだ。初冬の鉛色の空が、明るいトーンを消去して「モノクローム(単色画、単彩画。白黒の写真や映画)」の世界を演出しているのだ。
 左側奥の山稜は大鳴沢右岸尾根である。その中の左の山を地元の人は烏帽子岳と呼んでいる。
 その手前「前景」は山頂に連なる稜線である。その稜線を下から辿って見える山が西法寺森であり、その上部が西法寺平である。直下は大白沢の源頭で、旧い爆裂火口だ。
 Tさんは大白沢左岸尾根の稜線に沿った追子森下部の鞍部から、この写真を撮ったのである。まだまだ、山は「初冬」だ。真冬、厳冬期になるとここから見えている稜線に沿った「黒っぽい」もの以外はすべて「真っ白」になってしまうのだ。この「黒っぽい」ものはコメツガだ。
 晴れていると、この場所からは、右側上に山頂が見えるのだが、昨日は見えなかったと、Tさんはコメントしている。)

        ◆◆ 祝日「新嘗祭(勤労感謝の日)」を考える ◆◆

 今月の23日は国民の「祝日」である。「勤労感謝の日」とされているが、本来は「秋の恵みに感謝する新嘗(にいなめ)祭」であった。「…であった」と書いたのは、この「秋の恵みに感謝する」という「国民的な祈り」が戦後どんどん希薄になり、昨今では日本人の心情からは完全に消え果てているかのように見えるからである。
 それは、そうだろう。日本人は自分たちが食べる穀類、野菜、果実などを自給出来ない状態になっているからである。自分たちが食べるものを自分たちで栽培するという「自然的な事実」があってこそ「自然が恵んでくれるものに対する感謝」の気持ちも生まれるのだ。
 だが、「日本」の政府は「自国民が食べる穀類、野菜、果実などを自給しない」という方向で舵取りをし、「工業優先」「工業生産品目の輸出優先」でずっと走ってきた。つまり、それは「農業」の切り捨てであり、「棄農する人の増加」であり、「棄農地の拡大」でもあった。
 「農地」は宅地となり、「農地」を捨てた農民は都市部に集中し、「工業生産労働者」や「サービス業労働者」となった。「農業人口」はどんどんと減り、「農民」は年ごとに減少し、自分たちが食べる穀類、野菜、果実などを栽培しない国民の割合が拡大していったのである。
 その結果が「自給率30数パーセント」という、いわば「死に体」同然の「国」となったのである。どこかの「国」に助けられないと生きていけない国に「堕した」のである。これが「大国」か。政府与党はこの現実を知ろうともしないし、仮に知っていても「自給自足」に向けた政策をとろうともしない。
 2兆円を使い国民一律に12.000円をばらまく前に、この「死に体」的な国を「農業主義」的な「国家」とするための政策を考え、即刻、実施するべきだろう。
 「自給自足」という行為のない国が「新嘗祭」の意義的な伝統を持つこの日を「祝日」と制定していることが、どれほどの矛盾を抱えていることなのかについて、私たち国民は今は冷徹に再考すべきだろう。
 「輸入食品」に頼った生活からの反省を、国民に「厳しく」迫ったものが「メタミドホス混入」の餃子事件であろう。また、農業政策の要として機能していない農水省に同様の視点で激しく迫ったものが「輸入米」問題なのだろう。

 話しが脇道に逸れたが、私は40数年前から岩木山とつきあっている。毎年11月23日には岩木山に登ってきた。1年も欠かしたことはないだろう。だが、今年初めて「帯状疱疹」に罹患したために23日には行けなかったし、Tさんから誘われた昨日の山行にも行けなかった。非常に悔しい。何だか自分史に汚点を残してしまったような気分なのだ。
 昨年はTさんと一緒に、「11月23日」に、この「松代登山道尾根」を登った。だが、その日は、その数十年に渡る「11月23日」登山での体験とは明らかに違っていた。その違いは「異常」なほどに多くて深い「新雪」であったということである。私はこのような雪をこの時季に「体験」したことはなかったのである。
 松代登山口近くの標高は600mほどだ。樹高が2m近くまでになるヒメモチが雪面すれすれに、実を見せていた。積雪は1.5mを越えていた。まだ、11月23日だというのにである。大変な「積雪」であった。
 さて、今年はどうだったのであろうか。次にTさんの写真に添付されていたコメントを「概略」で紹介しよう。

 …(途中)シールの留め金が千切れてなくなるというトラブルが発生した。応急処置をして無事下山できた。目的地「大白沢左岸稜線」まで行ってきた。途中シールの留め金部分、無事だった片方も、ゴムの劣化でとれてしまった。紐でゆわえて処置は万全。
 雪は結構(積もって)降っており、しかもこの数日の天候で、幾分しまっていたため、歩く「登行」は楽だった。ただし、スキーを外して休むと、たちまち「腰まで抜かるような状態」で、スキーを持って行ったことは正解。
 追子森側の斜面には取り付かず、そのまままっすぐ登って、断崖まで出て戻ってきた。山頂は残念ながら見えなかったが、海岸線が望めて、絶景を楽しむことが出来た。…

 昨年と同じように「積雪」は多かったようだ。やはり、異常気象は今年も続いているのだ。

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