岩木山を考える会 事務局日誌 

事務局長三浦章男の事務局日誌やイベントの案内、意見・記録の投稿

「赤倉登山道」ガイドマップ・岩木山登山と花々、25日夕方6時台にNHKテレビで放映!

2009-06-21 05:36:52 | Weblog
 (今日の写真、いや写真ではなかった。図版である。正式には「赤倉登山道」ガイドマップだ。)

 19日にNHK青森放送局の報道カメラマンYさんと助手のS君、それに私と3人で岩木山赤倉登山道を登った。恐らく、この「赤倉登山道」に報道機関のクルーが入るのは初めてのことではないだろうか。
 Yさんと一緒に岩木山を「紹介」するために登ることはこれで2回目である。初回は昨年の10月、「岩木山の紅葉」を撮影するためだった。
その時は長平登山道を登った。
 標高1200m付近から大鳴沢を挟んだ対岸の烏帽子岳や1396mピークに沿って生える濃緑のコメツガ林とその下部に広がる、いわゆる「紅葉」や「黄葉」との対比の美しさをテレビで紹介したいと思い、この登山道を推薦して、実際の登山となったものだ。
 何しろ初めてなので、どのような形で撮影するのかもまったく知らなかった。そして、その撮影の仕方には驚いたし戸惑った。
 つまり、こうなのだ。「登山者の私が主人公であり、私の目を通しての被写体を撮影する」ということなのであった。
 小型マイクを襟元に付けられもした。これでますます「当惑」した。映像に「私の話す、説明する、感想を述べる」ことが音声となって付加されるのである。
 当然、「紅葉」が撮影の主題ではあるが、その撮影を、そして、その映像を確乎たるものにするための中心には「私」がいたのであった。
 今回の撮影の主題は「青森・夏の山」とかである。Yさんから聞いたのだが思い出せない。何だかそのようなテーマだったような気がする。
 今回の撮影も前回と同じだった。私が登りながら、「道々に咲いている花の科名と名前やその特性」、「地名の謂われ」、「石仏の名前やその謂われ」、「赤倉登山道の歴史」などについて語っていくというのが撮影の流れであった。
 Yさんから、この撮影の案内「依頼」があった時、真っ先に思いついたのが、この「赤倉登山道」であった。
 赤倉登山道は岩木山にある他の登山道に比べると「特異」な性格を持っている。
1つには「もっとも古い登山道」であることだ。百沢登山道よりも古い。今から1300年も前から存在していたと言われている。
 2つには歴史的に最初の「岩木山遙拝道」であることだ。「百沢登山道」も「遙拝道」とされるが、それよりも以前から人々は「遙拝」のために登っていたのだ。
 3つには「修験道に裏打ちされた修験者たちの道」であることだ。伯母石岩稜帯に続く道は険しく、まさに「修験者」道である。
 4つには「赤倉大権現信仰」に基づいて33体の石仏「観音像」が標高500m地点から1450m地点まで、その間隔はまちまちであるが、並んでいることである。この観音像に手を合わせながら、登っていくと1450mの高みに知らないうちに到達しているのである。
 5つには登山口周辺には「赤倉講」の社屋が数軒建っていて、非常に信仰的かつ宗教的な雰囲気を漂わせていることである。
 この2つから5つまでを総ずると「赤倉登山道」は「山岳信仰の道」と言えるのである。
 6つには「旧岩木山」の尾根を登るということである、これによって百沢や岳から登る道では見られない「植生」に出会えるのである。「コメツガのトンネル」などがそれである。
 7つには「夏の花、ミチノクコザクラ」にもっとも長い期間出会えるということである。
 因みに、赤倉御殿の付近の風衝地では5月の上旬に咲きだして、遅いものは大鳴沢の源頭部で、これは8月の中旬まで咲いている。何と、3ヶ月間も継続して「ミチノクコザクラ」に出会えるのだ。
8つには総じて「花々」の多い登山道であるということだ。

 以上の特異性を持っているのが、「赤倉登山道」である。私はこの「赤倉登山道」を是非、映像で紹介したいと思ったのである。いや、これは思いつきではない。ずっと以前から、このようなチャンスがあれば、まず「赤倉登山道」を取り上げたい考え続けていたのである。

 今日、提示した「赤倉登山道・ガイドマップ」も『チャンスがあれば、まず「赤倉登山道」を取り上げたい考え続けていた』ことの現れに他ならない。
これは3年前に青森県の観光課が「青森の観光地を紹介」するために、全国向けに配布したものである。
 青森県観光課から委託されたあるプリント会社が、私に依頼してきて出来たものである。最初は「岩木山の紹介」ということであったのだが、私は恣意的に「信仰の道」である「赤倉登山道」に絞って、構成を考えたのである。そして、プリント会社から快諾を得たのであった。
 この「赤倉登山道・ガイドマップ」で使用されている写真や資料、それに文章はすべて、私が提供したものである。だが、これが完成するまでにはさまざまな、行政的な「不都合」なことがり、それクリアするために、間に入った「プリント会社」の編集社員には大変辛い思いをかけなければならなかった。このことについては、そのうちに書くことにしよう。
 この「赤倉登山道・ガイドマップ」は、「赤倉登山道」を知る上では大いに役立つものだろうと自負している。しかし、このままでは小さくて、細部まで見ることは不可能だ。
大きくして細部まで見たい人は「ホームページ」左欄の「登山道情報」をクリックして、画面にある「あおもりの春を歩く 其の3 岩木山編より(赤倉コース) pdfファイル603kb」をクリックすると2ページ構成の図版を見ることが出来る。これを使うと「家庭用のA4プリンタ」で2枚印刷が可能であるだろう。

 題にも書いたが、25日夕方6時台にNHKテレビで、私が案内する「岩木山赤倉登山道」その花々と石仏、植生や歴史の名残が放映される。興味のある方は、どうぞ「ご覧になって」下さい。