若草物語

妻と二人で愛車プリウスに乗って、あちこち出かけ、デジカメで撮った写真が中心のブログです。

横浜 三渓園

2011年02月12日 | 旅行




1月28日(金)横浜・馬車道のホテルに泊まった翌日、妻と二人で横浜市街と三渓園を散策しました。

横浜市街散策につきましては2009年1月20日、1月21日、1月24日のブログ「横浜に遊ぶ」とほぼ同じですので割愛させていただき、今回は三渓園について書かせていただきます。






三渓園は、生糸の貿易によって成功した実業家「原 三渓(はら さんけい)」によって、1906年(明治39年)5月1日に公開された日本庭園です。

広大な敷地内には、原三渓によって集められ、京都や鎌倉などから移築された、歴史的にも価値のある建物が、四季折々の自然の景観の中に、全体との調和を考えて、巧みに配置されています。







正門を入ってしばらく歩くと、右手に見えてくるのが「鶴翔閣(かくしょうかく)」と言う原家の旧宅で、原三渓が明治30年代に自邸として建てたものです。

横山大観など、三渓と交流のあった多くの文化人らが出入りした場所としても知られています。







三渓園は「内苑」と「外苑」に大別されますが、「御門」をくぐると、そこからが「内苑」となります。

「内苑」は昭和33年の公開まで、原家の私邸であったエリアです。

花を楽しむ「外苑」に対して、「内苑」では古建築で構成された瀟洒な庭のつくりが楽しめます。

中でも、江戸時代初期の紀州徳川家ゆかりの「臨春閣(りんしゅんかく)」の景観は、京都・桂離宮と対比されるものです。







「臨春閣」は紀州徳川家初代・頼宣が和歌山・紀ノ川沿いに建てた数奇屋風書院造りの別荘建築です。

屋内には狩野派の襖絵や、数奇屋風の意匠が残っています。







これは「旧天瑞寺寿塔覆堂(きゅうてんずいじ じゅとうおおいどう)」です。

豊臣秀吉は母の病気平癒を祈って京都の大徳寺山内に塔頭・天瑞寺を創建しました。

そして母のさらなる長寿を祈願して、同寺内に寿塔を建て、これを覆堂内に納めました。

天瑞寺は明治7年に廃寺となり、この覆堂は明治35年に三渓園に移築されました。







「臨春閣」の後方にあるのが「月華殿(げっかでん)」です。

初代徳川家康により、京都伏見城内に建てられ、諸大名伺候(しこう)の際の控室に当てたものと伝えられています。

1918年(大正7年)に「春草廬(しゅんそうろ)」と共に移築されたそうです。







更に登ると「天授院(てんじゅいん)」。

もとは、鎌倉の建長寺の近くにあった心平寺の地蔵堂で、1916年(大正5年)に移築されました。

建築様式は禅宗様(ぜんしゅうよう)を主体としているそうです。








内苑の中でも「臨春閣」とともにひと際目立つのが、この「聴秋閣(ちょうしゅうかく)」です。

徳川家光が京都の二条城内に建て、後に春日局が賜ったと伝わる建物です。

江戸時代はじめの上流武士階級の風流な文化が伝わってきそうです。







内苑の最後は「春草廬(しゅんそうろ)」。

織田信長の弟・有楽斎の作と伝わる三畳台目の茶室で、茶室内に九つの窓があることから、かつて「九窓亭」と呼ばれていたそうです。







海岸門を出て山に登ります。

ここからが「外苑」となります。

「外苑」は明治39年の開園にあたり一般に公開されました。

「松風閣」(展望台)から横浜港を眺めた後、山を下る途中に「旧燈明寺三重塔(きゅうとうみょうじさんじゅうのとう)」があります。

京都燈明寺にあったもので、関東地方では最古の塔だそうです。

園内のほぼ全域から、その姿を見ることができる三重塔は、三溪園を象徴する建物です。







山を下ると「旧東慶寺仏殿(きゅうとうけいじぶつでん)」です。

縁切寺として名高い鎌倉の東慶寺にあった仏殿で、1907年(明治40年)に移築されました。

禅宗様(ぜんしゅうよう)の特色を色濃く残す、数少ない建物です。







その隣にある大きな合掌造りの家は「旧矢箆原家住宅(きゅうやのはらけじゅうたく)」で、岐阜県白川郷にあった江戸時代の庄屋の家を移築したものだそうです。

園内で唯一内部を公開している古建築です。







三渓園最後の建物は「旧燈明寺本堂(きゅうとうみょうじほんどう)」です。

三重塔と同じ京都燈明寺から移築されたもので、中世の密教寺院の姿が復元されています。







観心橋(かんしんばし)を渡って正門にもどり、見残した「三渓記念館」を見学して、帰路に着きました。

素晴らしい庭園でしたが、「もう一度、紅葉シーズンに来れたら最高だろうね」と妻と話しながら我が家に向かって愛車プリウスを走らせました。



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