たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

『ちひろのアンデルセン』より『絵のない絵本』第5夜

2015年05月27日 22時50分46秒 | いわさきちひろさん
「ルーブル宮に射しこんで、月は見ていました。
 みすぼらしい身なりの老婆が、
 誇りにしていた息子の最期の場所を
 一目見ようと、玉座に近づくのをー。

 その少年は、
 フランス革命の勝利の日、
 勇敢に戦った末、美しい玉座に横たえられて
 息をひきとったのです。」


(いわさきちひろ美術館編『ちひろのアンデルセン』1994年発行、講談社文庫より。)


渇いた心がちひろさんの絵を求めています。
モノクロの、ただ明るいとかやさしいとかだけではなく、残酷なほどに切なさも秘めている絵が、渇いた心にしみます。
混乱の前とはすっかり違う、信じられないようなことをたくさん知ってしまった私で、
どうやってそれらと一緒にこれから生きていけばわからない。
わからなくて孤立したまま日々は過ぎていっています。

久しぶりに都心に出て、当事者の分かち合いの会に参加させていただきました。
本当にいろんな方がいらっしゃって、それぞれみんな違います。
生きていくことはどろどろでこれが正解だということはどこにもない、むずかしいこと。
いろんなお話を聴かせていただくと、自分の中にもまた
いろんな思いがわきおこってきて、やっぱり終わりません。
家族ってなんだろう、血のつながりってなんだろう。
なぜ私の家族なのだろう。
のたうちまわるような思いで、どこかに答えがあると思って探し続けてきたけれど、
どこにも答えはありませんでした。
正解のない問いかけを、これからも私は続けていくんだろうと思います。

苦しみの先に、希望の光はみえてくるのかな。
みえてくるって信じたいですね。

絵のない絵本 (若い人の絵本)
アンデルセン
童心社