人生論:「生涯発展途上」を目指して

消化器内科医になった起業家・弁護士・会計士、岡本武士による人生論や新たな視点の提供、身の回りの出来事に対するコメント等。

賢者の石

2004-12-02 00:07:03 | 出来事
ロゼッタストーンでもハリー・ポッターの話でもありません。

小学4年生のときの、ウクライナ人の親友からもらった石があります。というか、ポーカーの賭けで奪い取った石です。大きさは親指の爪程度で、とてもきれいだと思って見た瞬間「ほしい」と思った記憶があります。大事な友達の大事な石だったことを知りつつ、やっぱりほしいと思ってしまったのです。そして、それでケンカになり、その友達の兄が「じゃあポーカーで決めろ」と言って、その結果その石を手に入れたのですが・・・。

友達には悪いことをしたと思いつつも、とても嬉しく思いました。冷静になってから、返そうかなと思ったりしましたが、結局その機会もなく、私が引っ越してしまいました。そのとき、「この石を、彼より大事にできれば、僕が持っていてもいいのかもしれない」と思いました。それ以来、その石は一種のお守り的存在になりました。別に身につけていたわけではないのですが。

その石は未だに大事に持っています。何の証なのか、何の価値があるのかはわかりませんが、自分の中では大切なものです。それで充分ですよね。いつかまたその友達に会えたら、そのときは返すのか返さないのかはわかりません。でも、あのときのことを覚えててくれて、一緒に笑えたらいいなと思います。

物には何ら価値もありませんが、自分にとって貴重なものによって呼び起こされる感情は、まさにpriceless. だから人は物を求め、罪も起こるのでしょう。そんな感情を、日常の中で呼び起こすこともできるはずなのに・・・。