人生論:「生涯発展途上」を目指して

消化器内科医になった起業家・弁護士・会計士、岡本武士による人生論や新たな視点の提供、身の回りの出来事に対するコメント等。

思い込み=押し付け?

2007-12-20 02:20:34 | Afia
自分の意見を人に押し付けるのはあまり良くないというイメージはありますが、自分の中で思い込みがあるぐらいでは人を傷つけないのではないかと考えてしまうことは自然だと思います。

しかし、人は思い込みに基づいて行動を取ってしまう。自分だけは「内心に全く影響されずに行動できる」と思っている人も一部いると思いますが、そういう人こそ危険です。思い込みに基づく行動、それは結局自分の意見を押し付けることになるのではないでしょうか。

これは意図することがよいことでも生じることです。例えば、「こうすれば相手が喜ぶだろう」と思って何かをしてあげたとします。彼女にバラを買っていったことにしましょう。以下のシナリオの場合、それは良いことだったのでしょうか?

① 重度のバラ花粉症→呼吸不全に陥る
② 持って帰ったら親に怒られる
③ 花より団子(花には興味なし)

①はかなり迷惑、②は嬉しくてもやっぱり迷惑ですが、ここで検討したいのは③です。「女の子は花が好きなはずだ。だから喜ぶはずだ」と考えて、実際プレゼントしてみると相手があまり喜ばず、「なんだよ、せっかく買ってやったのに」とちゃぶ台返しをお見舞いしてしまうパターンです。

一週間ほど福祉施設を経験させて頂いたことがありますが、そのときに「緊急時以外は入所者さんを助けるな」と指導されました。助けていたら、たとえ人助けを意図していたとしても、相手のリハビリや自立心の妨げになってしまっていたでしょう。やはり結果は思わしくありません。

自分の価値観は人それぞれで大きく異なるもの。共有するのは○、押し付けるのは×。そしてすべての行動は、一定の価値観に基づいています。それが自分特有のものであったらなおさらですが、社会的に一般的と思われている考え方であっても相手には当てはまらない場合も多いと思います(花の例のように)。

だからといって何もしないとか、毎回相手の視点を確認しながら行動するのも難しいことです。少しでも価値観の相違があることを理解し、容認し、相手の反応を見ながら調整していくことが重要なのではないでしょうか。

重大なことでない限り、自分は一度のミスを限度とし、相手の二度までのミスを受け入れるようにしたいですね。