人生論:「生涯発展途上」を目指して

消化器内科医になった起業家・弁護士・会計士、岡本武士による人生論や新たな視点の提供、身の回りの出来事に対するコメント等。

競争が激化した?

2007-09-14 22:44:49 | ビジネス
「○○業界の競争が激化している」という記述を、幾つの有価証券報告書でみてきたでしょうか。もしかしたら全上場企業の1割ぐらいは、その記述を毎年の有報に記載しているかもしれません。

そこで、「競争の激化って何だ?」と考えてみました。競争が激化したということは、競合が以前より相対的に強く感じるようになったということですが、実は「今までダラけてた競合が頑張り始めてしまった」という状況もあるのではないでしょうか。

外資系に買収されたり、妙に熱いコンサル会社が入ったりしたら業績があがったり、逆にリストラがあっても売上が下がらないのは尻を叩かれているから、ダラけている人がいたからです。市場原理があまり届かない中小企業などを見れば、給料ドロボウはまだまだ日本に存在していそうです。

格差社会の批判もあるでしょうが、がんばっている人とがんばっていない人が同じように儲けて報われる方がおかしい話です。「親の金」でも、親ががんばって、親の幸せである子の幸せを得た結果なので、子がラッキーといっても仕方ありません。親の努力の賜物です。そんなことを言っている暇があったら、もう一社に営業回りすればいいのです。そして自分の子にラッキーな思いをさせてあげてください。

頑張りたいけど頑張れない人はかわいそうに思えるかもしれませんが、それだけでは「かわいそう」に値しません。かわいそうなのは、頑張りたいけど頑張れない人で、いざ頑張れる状況になったら本当に頑張る人です。こういう人は意外と少ないと思います。人生には色々あるので「こうなったらこうするのに・・・」というセリフの信憑性は一般的にあまり高くないと考えています。

有言実行はそれだけ難しいということですね。

ダーリン(?)にどれだけベタベタ甘えてもいいと思うのですが、自分だけには甘えてはいけないと強く思います。競争が激化したのは、少し頑張ったぐらいの敵に追随を許した自分の責任です。

町の繁栄

2007-07-11 02:06:10 | ビジネス
あまり意識したことがなかったのですが、地域の繁栄の裏に企業などの機関があることが多いですよね。「東京」というと色んな機関が集まっていますが、ひとつの会社や大学で成り立っている町もたくさんあります。

今私が住んでいる「本厚木」がある程度繁栄しているのは、ソニーと日産が数千人単位で人を送り込んでいることが大きく貢献しているといわれています。アメリカでもNew Haven (エール大学)、Ithaca(コーネル大学)など1万人程度の学生によって支えられている町もあります。

このように、ひとつの機関が地域に大きい影響を与えることは稀ではありません。そして、たとえば新たな工場を地方に建てようと考えるとき、その場所の決断を下すのは本社の部長・課長クラスかもしれません(それ以上は承認するだけのケースが多いと思いますので)。

そこで、そんな選択権を持つ部長が、工場の最寄り駅近辺に不動産を買ってしまったら大もうけできてしまうのではないかと考えています。倫理的な問題があるというのなら、関連するプレスリリースの発表後でも問題ないでしょう。というか、こうなると一般人でもOKですね。

そして、個人レベルではそう簡単に数億円だせるわけではありませんが、比較的小さい投資ファンドが新聞やプレスリリースだけを頼りに投資するのもアリなのではないでしょうか。

そう、「イベントドリブン地方不動産投資ファンド」というものが作れるのではないでしょうか。

もう存在するかもしれませんが、少なくても私は聞いたことがありません。しかし、作られる工場やオフィスの規模さえわかれば地価への影響のモデル化はできるはずですし、鉄道会社に電車の本数や急行駅への格上げについて聞き込んだり、スーパーなどに支店を出すように交渉したりすることもできるはずです。ローリスクでハイリターンの達成も夢ではないと思います。

たとえば、営業圏内に3千人いたコンビニの近くに3千人の社員がいる工場ができたら、売上は倍になり、利益は数倍になり、地価もかなり上がるはずです。リースして固定収入を得つつ、3年後倍で売却することも可能であるはずです。

広げていくと街づくりファンドみたいなイメージになってしまいますが、大儲けしながらシムシティ(?)の感覚で楽しむことができ、更に地域に大きく貢献することができます。会社を安く買う→2000人の首を切る→会社を高く売るというハゲタカのイメージが嫌な人でも、これなら納得が行くかもしれませんね。

一応宝の持ち腐れ的な宅建免許を持っていますので、これを一緒にやりたい!と真剣に思われる方は是非ご連絡ください。もちろんブログに書いているということは、ほかの人がこのアイディアで勝手に実行して勝手に儲けたとしても全くかまいません。こんなことで地方が栄えるのなら大変嬉しいことです。

人各有任

2007-05-27 02:26:18 | ビジネス
聖徳太子の十七条憲法の第八条の一部です。「人にはそれぞれ得手不得手がある」ということだと思います(違ったら教えてください)。

これを見極めて適材適所を目指すのが今日の経営者の役目のひとつ。7世紀に言われていたことが、今でも当てはまるわけです。

しかしアメリカではあまりこのようなことは言われません。なぜなら、これは主に部下の役目だからです。部下の方が自分をアピールし、しっかりとしたコミュニケーションの中で自ら適所へと移行していくことが要求されます。

日本で部下が上司に意見をするときは、ある程度溜め込んでから「ものを申す」という形になってしまっているケースが多いように思われます。コミュニケーションは原則一方通行。これは一流企業でも外資でもある程度あてはまることであり、「オープンな会社」「フラットな組織」「ベンチャー」などといっても結局はそうなのではないでしょうか。文句言えるのがオープンな会社じゃなく、良かったことを良かったといえることが重要だと思います。もちろん、TPOを心得ていることは大前提ですが。

仕事を知っている上司と、自分を知っている部下が知恵をあわせてはじめて、適材適所が生まれます。とすると部下からのインプットは最低条件です。人事評価があっても、「あなたはこういう評価をうけている」だけでは全く意味がありません。それでは高校の成績表と一緒です。高校では生徒だけがよくなればいいのですが、会社では会社自体がよくならなくてはならないのです。

前述のとおり、適材適所には「悩み」を聞くこと以上に、「何が楽しかったか、やりがいがあったか、何がやりたいか」を聞くのが重要だと思います。もちろん「わからない」というケースが多いのですが、「聞いてくれるんだ」と思えば、1年後、2年後には意見が出てくるかもしれません。それでいいのだと思います。

人各有任といえども、コミュニケーションを不得手としている人には生き辛い世界となってきています。海外でも、日本でも。自分が上司であっても部下であっても、これだけは早急に身に付けたいものです。

一番辛抱強い時期

2007-01-08 04:46:41 | ビジネス
社会における日本人が一番辛抱強い時期はいつだろう、と考えてみました。もちろん個人差がかなりあるところだと思いますが、一般的に実は社会人1年目なのではないかと思えてきました。

環境に慣れることも大変ですが、無能でも窓際族でも中卒でも痴呆症でも会社の誰もが自分より偉い。そして実際、偉そうに振舞ったりする。命令する。一発芸を意味のないタイミングで求めてくる。それを笑顔で対応しなくてはならない新卒の社員は、営業より社内接待で苦しむケースも多いのではないでしょうか。

人間、年をとるに連れて辛抱強くなるのかと思いきや、そうでもないかもと思ったわけです。必要があるから耐えるだけであって、ある程度慣れるにしろ、根本的には辛抱強くなるわけではないのでは。一般的な上司はその上役より部下に甘えるし、自分が部下として理不尽だと思ったことを部下にさせてしまうことも多い。

・・・これはなぜだろう。

人間は基本的にわがままで、わがままが通る環境だったらわがままになってしまえ、という心理が働くのかもしれません。また、年をとればプライドも高くなるだろうし、取引先、後輩、メディアなど周りがチヤホヤしてくれることが多いでしょう。調子にのってしまい、オレガオレガ症候群になってしまうだけでなく、ちょっとしたことでも腹を立たせてしまうのではないでしょうか。

20代後半と40代後半、レストランで店員のミスにどなっているのはどちらが多いでしょう。

優しかったり尊敬できたりする役員も、敬意を払っているからそうであって、対等に話そうとしたら嫌な顔をするかもしれません。優位だからこそ優しくできるのかもしれません(なんだか書くにつれてかなり悲観的になってしまいましたが)。

そして反発する若者を「かわいい」「元気がいい」と思える頃には、それは別に辛抱しているわけではありません。とすると、やはり一番辛抱する時期は新卒社員なのかもしれません。

だとしたら、それを理解し、大人同士の接し方で接するようにすれば、若手が楽に能力を発揮でき成長するだけでなく、その後輩たちにも同じような接し方ができるようになるのではないでしょうか。このような好循環が社内文化になっている会社は、日本で何割あるのでしょう・・・自分がいる会社は、そのような社内文化があるようなところにしたいものですね。

会社を経営していて驚いたこと(5)

2006-07-19 03:29:47 | ビジネス
会社を経営していて驚いたこと、第5弾です。

理論と実務の差についてです。

大学で経営を学んだとき、大企業でも教科書やケーススタディどおりに運営されていないことに驚き、「私が社長だったらもっといいキャノンやトヨタを作れるはずだ」なんて思ったことがあります。しかし現実は違う。理論だけでは会社は回らない。そしてケーススダディは、大きすぎる会社のごく一部を見た、羽のない孔雀のようなもの。これは当然です。

しかし経営は、経営学を学んでいない人が思うよりずっと教科書どおりに行われていて、状況判断にも役立つのものだと思います。「新しい企業を作ったら、酒と度胸で勝負するしかない」とか「○○業界では普通の経営理論は通用しない」などと耳にし、思ったりもしましたが、そんなことはなかったのです。

この理論と実務の差の大きさを測ることがいかに難しいことかを理解できる人には理解できると思います。理論が通用しちゃうからこそ、言い訳ができないし、逆に怖いこともあります。複雑な理論を使ってきたから逆に単純なあてはめができないケースなどもあります。「こんな簡単にいくはずがない」と思ってしまったり。

結局は、「原則通用する・しない」というルールを頭の中で作ってしまいたいのですが、それができないから動揺してしまうのかもしれませんね。「ときには○、ときには×」ではなく、「ときには、ときには○でときには×といえる」などということになってしまうのでしょうか。

グーは原則チョキに勝つが、後出しなどの場合には負けとなりうる。この世の中、突き詰めていくと広く深いものですね。

会社を経営していて驚いたこと(4)

2006-07-18 11:43:05 | ビジネス
会社を経営していて驚いたこと、第4弾です。

経営者になっても、学ぶことが多いこと。

起業したら上司がいないので自分が持っている知識と技術で戦わねば、と思っていたのですが、会社勤めのときより成長が著しいことに気付きました。本などを読むというだけでなく、色んな人と接する機会があり、文字通り命がかかった契約に名前を記し、色んな状況に置かれ、自分の無知を知り、そして色んなミスを犯すからでしょう。

「何かの手続きをするときに、まずは○○をして、その後△△をして、最後に□□をする」と学んでも、ミスをすると「なぜ△△を○○より先にしてはいけないのか」などがとってもよくわかります。しかも、一生忘れません。この繰り返しで、寝言の中でも作業を語れるようになるわけですね。

そして会社を経営する以上、必ず上を目指すもので、結局新しい分野に踏み込んでいき、また新次元の発見があるわけです。これだからおもしろいし、これだからやめられない。

会社を経営していて驚いたこと(3)

2006-07-17 07:14:49 | ビジネス
会社を経営していて驚いたこと、第3弾です。

今回はポジティブな点。意外と飛び込み営業でも仕事がとれることです。

最初のうちは難しいのですが、ある程度実績を身につければ話を聞いてくれるか、少なくても資料は受け取ってくれて忘れかけたときに依頼が入ったりします。

考えてみれば、どんな一流企業でも最初はコールドコールから入っているケースが多いんですよね。偉そうな営業部長さんがしていることは、結局これ。でもいざ自分が自分の会社名の下で動くとなると、最初は「こんなんで仕事がとれるはずがない」と思ってしまうんですよね。

結局最初はツテを頼るか、がむしゃらにやるかしかないのかもしれませんが、1年後には飛び込みでも少しは仕事がとれるようになるのではないでしょうか。「ダメもと」から「獲れて当然」の道は、以外と短いものなのかもしれません。

会社を経営していて驚いたこと(2)

2006-07-16 20:53:48 | ビジネス
会社を経営していて驚いたこと、第2弾です。

支払い関係でかなりルースな会社や個人が多いことです。

振込みが遅れるだけならともかく、支払いをしようとしない会社もかなり多く、履行後に契約内容を再交渉しようとされる場合もあります。ビジネスマンとして当然だと思っていたことがされていないのを見て、非常に残念に思いました。

これは日本に限ったことではなく、外国のお客様からもそのような経験が数件ありました。悪意はないのだと思いますが、ちょっと忘れてしまったり、面倒で後回しにするといつの間にか長い時間が経っているのでしょう。

皆様も起業をされる場合キャッシュフローに困ることがあると思いますが、「今月末に○○万円の振込みがあるはずだから大丈夫だ」と安易に考えると危険です。かといって最初はギリギリの経営だと思うのでどうしようもないのですが・・・。

会社を経営していて驚いたこと(1)

2006-07-15 16:24:56 | ビジネス
会社を経営していて驚いたことは多々ありますが、まずは法人としての手続きについて。

① 想像以上に面倒であるが、
② 当局は細かい所までアドバイスしてくれる

しかし問題なのが

③ 誰もどのような手続きが必要か教えてくれないし、
④ 各種手続き間の連携もほとんどない。更に、
⑤ 設立○○日以内に○○手続きしなさいといわれても、かなりルーズであり事後的に手続きしてもあまり問題はない。

そして、

⑥ ネット上でできる手続きが極めて限られていて
⑦ 郵送ではなく足を運ぶ必要がある場合が多い。

社会保険、労働保険、国税、都税、登記、その他諸々の手続きを個別に理解し、別々の機関とやりとりをしなければならない。仕方ないことかもしれないが、だとしたらわかりやすい流れを作るか、相互に連携をとりあって、少なくても「じゃあ次は○○してくださいね」などと一言声を掛けてもらえるといいですね。

会社設立コンサルタントなどを雇っている余裕がない小企業にとってハードルを減らすというのであれば、答えは中小企業診断士を増やすことや、理解不能な条件をつける補助金やローン200種類を作り出すことではないような気がします。ちょっとネット化を進めるだけで良いのでは?と感じました。

窓口

2005-10-21 16:31:07 | ビジネス
外部の会社などとのコンタクトを継続的にとる場合、ひとつしか窓口がないとその人が出張したりするだけで仕事が止まってしまいます。ボトルネックとはこのことです。

では、窓口を増やせばいいのか。

そうでもないですよね。別にひとりに絞らなくてはいけないというわけではないのですが、ひとつの法人からの声には整合性がなければいけません。法人を観念的に「人」と捕らえるのなら、2つのコンタクトパーソンが異なる注文を出したり、異なる約束をしてしまっては自己矛盾していることになります。

窓口を2つ以上持つのであれば、窓口間のコミュニケーションと合意が必要なのです。外注をする場合、「ベンダーのためにそこまでするのは面倒だ」などと思っていては大間違いです。逆にベンダー側が混乱したり、一方が期待していたアウトプットと異なったりします。

たしかに面倒なのですが、窓口を1つにするのも難しいときがありますね。結局、ビジネスのボトルネックはコミュニケーションの効率性。これは結局ちゃんと社内で話をしたりメールをしたりしているかということですね。これが意外と難しい。最初は「色んなプロセスを学びたい」と思っても、やっぱりルーティンになってくると飽きが来てしまうものではないでしょうか。

とすれば、究極的には「飽きに克つ」ことがビジネスの成功のひとつの形なのではないでしょうか?日本の職人はこのスキルを習得しています。水泳選手や陸上選手など、一見似たような練習を何年も繰り返している人も同じでしょう。新しいことを学ぶことも大事なので、なんとかバランスを作り出さねば成りませんね。

ということで、ちょっと時間をとって「職務刺激度計画」を作ってみてはいかがでしょう?

一寸法師のごとく

2005-08-10 23:45:32 | ビジネス
前回に引き続き、起業のお話です。

私は大学を卒業した後、東証一部上場企業以外はほとんど顧客としない外資系の投資銀行と、一時世界最大の会社であったソフトウェア会社にいました。そしてその後、当時日本一小さい企業のひとつであるアフィアに移ったわけですが、色んな意味で視点が変わったことは言うまでもありません。

その日本一小さな会社でコンサルティングを行うということは、世界中のどんな会社でも顧客になりうるということです。とすると、すべての会社に興味を持てる。すべての人の業務についてヒアリングをしたくなる。とにかく、地上のサラリーマンすべての話が魔笛のアリアような旋律を奏でるようになるのです。

それまでも好奇心旺盛の方でしたが、やはり細かいことについては限度がありました。確かにどの会社のどの部門がどうなっているかは知りたいと思っても、例えばどのような過程でコピー機を選んだかなんて知ろうと思ったことはありませんでした。正直、「そんなの秘書さんor管理部門にやってもらえばいいじゃん」と思う部分もありました。しかし、それはコンサルタントとして知っておいて損な知識ではなく、ネタになる可能性もわずかにあり、自分の会社がコピー機を購入することになるかもしれない。起業し、一寸法師になったからこそ興味が持てることです。

投資銀行時代では、○○億円以下の売上しかない会社は顧客にならなかったので、そのときの仲間の中で「え、○億円の会社を相手してんの?意味ないじゃん。」などという人もいました。しかし起業直後数ヶ月のアフィアの売上高は、わずか数万円程度。1億円の売上があったらどんなに素晴らしいか。「この人はその素晴らしさを理解できないんだ・・・」と残念に思いましたが、その次の瞬間、私も「数ヶ月前までは理解できなかったんじゃ・・・」と逆に怖くなりました。

もちろんそれを知った上で、日々成長はしていかなくてはいけません。しかし、わずかな売上でも感謝しながら、どんな小さな作業でも念入りに行い、どんな小さな企業にでも興味を持つということは素晴らしいことだと思います。この世の最大の魅力は、望遠鏡ではなく顕微鏡の中にあるのかもしれない。答えはどうあれ、その可能性に気付くことができてよかったと思います。

皆さんも、起業家になったつもりで擬似的な一寸法師の体験をしてみてはいかがでしょうか。一日だけでも、周りのすべてに興味を持ってみましょう。

起業リスクの盲点

2005-08-09 22:15:33 | ビジネス
起業することには多くのリスクが伴います。お金や地位、家族の理解などの面でとても大変です。特に前のキャリアが凄いほど、そして立ち上げる会社の規模・資本が小さいほどハードルは高いものでしょう。

しかし、起業家は命がかかっていると言っても過言でない選択肢を採るため、これらの要素をすべて考慮し、解決します。そして、レベニューモデルなど基本的なところを抑え、一生懸命会社を盛り立てようとします。

にもかかわらず、というかこれらのせいで、最も見落とし易い盲点が生じてしまうのです。それは、起業家自身のモチベーション。

当然最初はやる気満々です。しかし人は飽きっぽいし、長期に渡って売上・知名度・評価が低いなどという状況があるとモチベーションを維持できない人が多いのです。3年続くベンチャーは1割にも満たないといいますが、それは資金や事業の成功率だけでなく、こういった精神面も影響してくるものではないでしょうか。

これから起業する方にも、事業計画を作るにあたって是非ひとつの変動値として考慮してほしいところです。「社長」「青年実業家」などと呼ばれて嬉しいのはほんの数ヶ月です。芸能人と会って嬉しいのは最初の数分だけなのと同じことです。結局は楽しめる事業に成長させることができなければモチベーションは下がっていくものです。

これは逆に、楽しめる事業を思うように展開させることができればヤミツキになるということでもあります。この場合、モチベーションは無限大にもなるでしょう。一回軌道に乗れば無限の可能性が広がります。

ということで、このような形を目指しつつも原則としてモチベーションには限度があることを認識してください。「やる気さえあればなんとかなる」という言葉は誤りではないと思いますが、ではそのやる気をいつまで持続できるのか?起業するということは雑務の嵐であり、辛抱であり、不安と不知の連続です。覚悟しましょう。そして、頑張ってください。

あなたの日給は?

2005-08-06 08:23:37 | ビジネス
あなたの日給はいくらでしょうか。年間250日働くとして、年給から0を3つ落として4で掛ければいいわけですね(税引前)。1000万円だったら、日給4万円ということです。そして、手取りで年間1000万円を稼ごうとしたら、日給5万円は必要でしょう。

黙っていても日給が入ってくるサラリーマンとは違い、ベンチャー企業のオーナー経営者は日々この日給計算を念頭に置く必要があります。しかも、税引前純利益ベースで毎日5万円でやっと自分に1000万円入るのです。一日休めば、挽回するために1日で10万円。(皮肉にも、サラリーマンの方が休みをとると逆に日給があがるんですよね。)もちろん電気代から賃借料まで、すべて引いた後でです。

ということでベンチャーは大変なのですが、サラリーマンの皆さんにもこのような計算を意識してほしいと思うのです。本当に自分は、今日会社に(自分の席のスペース分の賃借料など諸々を含めて)5万円の付加価値を与えたのか。できていなければ、会社にとって負債でしかありません。もちろんこの分の売上を上げよ、というわけではなく、管理部門等でも同じことが言えます。付加価値が大事なのです。

上記の話は、最低限の付加価値の話です。会社に税引前純利益ベースで5万円の付加価値を与えてやっと、あなたがいてもいなくても会社にとって同じということになります。むしろ、「なんなんだこの安日給は」と文句を言えるぐらい付加価値をつけてほしいですね。

最後に、営業をなさっている方は、1億の案件をとったら1億の付加価値を足しているわけではないことをご理解ください。当たり前です、あくまで(管理部門の給与等も含む)純利益ベースで考えなきゃいけないですし、会社はあなたなしでもその案件を取れたかもしれません。「俺が研究、開発、管理部門などをすべて賄ってるんだ」というのは検討違いですね。

ということで、会社に更なる付加価値を。日本経済を盛り上げましょう。そして、謙虚に行きましょう。それが日本人の長所のひとつなのだから。

形式の変換

2005-05-17 03:50:49 | ビジネス
クライアントのご要望に応えるため、アフィアでスキャナーを購入しました。

前から契約をPDFにしたり、写真をホームページに載せたりするという意味では必要だったのですがなんとかうまく凌いでいたという感じでした。今回は写真をスキャンすることになっていたのですが、10枚以上あってDTP会社に行ったら「1枚1000円です」と言われました。

・・・中レベルのスキャナーが15,000円程度からの値段で買えるのに、なぜ・・・。

ということで、気に入ったスキャナーを購入してしまいました。もう、大満足です。

スキャナーというものは、アナログなものをデジタルなものに変えるという意味では電話や録音機、ビデオカメラやデジカメに似ているものだといえます。そして、広く「物の形式を変換するもの」という意味では、更に多くのものと共通点が出てきます。

形式を変えるだけでは何も作ってないじゃないか、と思った時期もありました。確かに、「形式」と「実質」のうちどっちが大事か、と聞かれたら「実質」でしょう。男は外見か、中身か?プレゼントはラッピングペーパーか、箱の中身か?

しかし、考えてみると、「形式の変換」のビジネスというのはこの世の中でかなり多いのです。我々コンサルタントの仕事の半分以上は形式に関わるものである、といえるでしょう。アパレルもそう。ワープロソフトもそう。結婚式もそう。画家も弁護士も作家も税理士も歌手もそうです。発想を、意思を、外部に表示する手段であるにすぎないのです。しかし、これが重要なわけですね。

もちろん実質も重要ですが、両方考えることがこの頃一段と重要になってきたのではないかと思います。

そして人は、舌が良い料理に肥えるように、形式が整ったものに順応してきています。商品もサービスも、恋愛についてもです。だからダイエットしたりヒゲを添ったりプラダったりヒップホップったりメールをちょくちょくしたりすることが大事なのですね。これが進化なのか退化なのかわかりませんが・・・。

名刺の仕訳

2005-05-10 03:34:12 | ビジネス
名刺の費用は、消耗品費?と思っていたのですが、実は広告宣伝費みたいです。確かに、言われてみればそんな気がするのですが、言われるまでは気付かないものってありますよね。

もっというと、「あの人奇麗だよね」と言われてはじめて「奇麗な人だ」と思うことありませんか?不思議ですよね。