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菅原潤『京都学派』講談社現代新書

2019-12-21 13:37:32 | 哲学・宗教
「世界史的立場」と「近代の超克」という二つの座談会に参加した京都学派の哲学者たちが戦争責任を問われた。だが、実質的には欧米を基軸としたインターナショナルリズム(現在の言い方であればグローバリズム)に対抗してナショナリズムを言い立てても、すでに日本は世界的な市場に巻き込まれていた。ゆえに、ナショナリズムを主張し続けることは原理的に不可能であった。京都学派の構想する歴史哲学がそのようなアポリアを身をもって示した。京都学派の戦争責任を言い立てるのではなく、より建設的な議論を求めて京大四天王たちの足跡をたどることにしよう。
(p.117一部文章を改編)

西田幾多郎を起点とする京都学派。その後の田辺元、三木清。座談会に参加した四天王と呼ばれる哲学者たち。
当時は小林多喜二の拷問による獄中死、佐野・鍋山らの転向など穏やかではない時代だった。
上山春平の徴兵、人間魚雷体験。鶴見俊輔は敵国での戦争体験で、二度と戦争を起こさないことを誓った。そんな新京都学派の哲学者もいる。
京都学派以外の哲学者も正面から戦争を批判した者はいなかった。西田幾多郎らの論説は戦争の波に巻き込まれたにすぎない。今、京都学派を等身大でとらえることが重要である。

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