ある私立大学の児童教育シンポジウムに出ていたら、教師をめざす大学生から教育の鉄人と呼ばれるパネラーの現役小学校教師たちに「教材をつくるためには日頃どんなことをすればいいのか」という質問があった。パネラーの多くが、テレビでは「エンタの神様」、雑誌では「少年ジャンプ」を推薦していた。こどもにものを教えるにはこどもと文化を共有する必要があるのだそうだ。教材開発のヒントを得ることもあるとか。そのためにトレンディなテレビ番組を見て、はやりのマンガを読むらしい。話題が合うとこどもとの距離がぐっと縮まるとの意見。話題のテレビゲームもしなくっちゃいけないという話だ。しかし、これはビジネスマンでもある意味では似ているともいえる。下着開発担当者なら、男性でも女性の下着売り場にしょっちゅう通うだろう。便器の開発者ならお尻や肛門に日頃からただならぬ関心を示すかもしれない。その世界に浸って、問題意識を常に持っていることが、教育でもビジネスでも重要なのだ。
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