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小宮一慶『M&A大再編で消える会社、伸びる会社』

2007-08-19 10:20:58 | 経営戦略
流通業界の大再編の原因は消費財の供給過剰にある。その最大の理由は巨額の設備投資らしい。たとえば液晶パネルではシャープ、ソニー・サムソン連合などがコストを下げるために市場シェアを競い、大規模工場を建設している。大規模投資し、価格競争が高まり、コストを下げるために、さらに生産を増やすという悪循環が起こり、供給過剰になっている。消費財の供給過剰が、流通業界の価格競争を促し、規模の拡大によるコスト削減を狙うイオンやダイエー、西友などの競合を巻き込み、業界再編が起きているという。国内医薬品業界の再編は、外資メーカーに買収されないように時価総額を増やすためらしい。会社だけでなく、塾業界もベネッセなど教育産業の大手を巻き込んだ再編が起きている。これは少子化などを背景としている。
スティールパートナーズが買収のターゲットにするのは自己資本率が高く、株主資本利益率(ROE)が低い会社だ。自己資本率が低いと借金しやすいので、負債が増やしやすい。つまりLBOによる買収のターゲットになりやすい。またROEが低いのは、資産を有効活用できていないので、株主から批判を受けやすい。買収をかければ成功する確率が高い。しかし著者は株主利益だけを優先するM&Aには疑問があると言っている。数々の会社を吸収しているジョンソン・アンド・ジョンソンでは、顧客、従業員、社会、株主の順で優先的に利益を考えてM&Aを実施するという。M&Aを考えるとき、誰の利益になるのが重要だろう。


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