
企業理念、社是、社訓、行動指針、ミッションステイトメントなど会社にはいろんな行動規範となるべき言葉が作られている。これらは必ずしも会社によっては系統だって使われているわけではないようだ。この本では社是・社訓をその会社の歴史から納得感のあるものが拾われている。日本電産の社訓には「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」というのがある。学歴関係なしの大声試験、早飯試験、マラソン試験などを行う永守社長らしい社訓だ。友好的買収で23社を傘下に収めたのもこの社訓と常識破りの発想からだろう。そのほか、ダスキンの社是には一燈園の思想が反映されているらしい。というのもダスキンは一燈園の教えに感銘を受け、一時は一燈園の幹部にまでなった社長が起こした会社だからだ。白洋舎はキリスト教の布教のために作られたから聖書の教えが社是になっているとか、社是・社訓と社史の関係は面白い。楽天は「スピード、スピード、スピード」というのが社訓にあるらしい。いかにも今風だ。