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●斎藤美奈子さん《菅は安倍よりたちが悪い。…先代のレガシーを継承しつつ、番頭時代そのままのコワモテの政治を、今度は表でやる》

2020年12月25日 00時00分31秒 | Weblog

[※《自助》大好きオジサン・最低の官房長官と学商 (日刊ゲンダイ 2020年9月7日)↑]


(2020年12月10日[木])
Webちくまのコラム【斎藤美奈子 世の中ラボ/【第126回】「安倍辞任」でも気分が晴れない理由(わけ)】(http://www.webchikuma.jp/articles/-/2185)。

 《下手すると、菅は安倍よりたちが悪い。番頭は所詮番頭、イメージを取り繕う必要がないからだ。先代のレガシーを継承しつつ、番頭時代そのままのコワモテの政治を、今度は表でやる安倍時代のほうがマシだったという話にもなりかねない》。

   『●さようならアベ総理、そして、こんにちはアベ様…数々のアベ様案件に
        ついて真相を解明し、真の「責任」を果たしていただきましょう
   『●アベ様案件…(武田砂鉄さん)《近場から放たれる「病人なんだから」
       という、勝手に設けられた除外規定を素直に受け止め過ぎでは》?
   『●《「その後、体調は」と問われた安倍前首相は、こう答えているのだ。
            「新しい薬が効いている。もう大丈夫だ。」》(リテラ)…仮病?
   『●《…ほどの体調に何ら問題ない余裕ぶり…体調不良の辞任理由は、いったい
         何だったのか》? アベ様には、数多のアベ様案件解決に全力を!

 仮病・ウソつき首相辞任 ――― あれから数カ月、壊れたニッポンがさらに酷いことに…。
 真の「悪夢のような」政権だった《安倍時代のほうがマシだったという話にもなりかねない》…つまり、スカスカオジサンの政は地獄のようなものということだ。あれから数カ月、「悪夢」は覚めず、ホントに「地獄」の中…。特に、COVID19禍の最中の無為無策な《自助》オジサンぶり…《「静かなマスク会食」と呼び掛けるばかり…》。《「アベノマスク」や「GOTOトラベル・キャンペーン」などのトンチキな対策を粛々とこなしながら、ついに「ポスト安倍」の座を射止めた》。真に困っている市民に対して、意図的に何もしない陰湿冷酷ぶりは、目を覆いたくなる。

   『●東電核発電人災汚染水放流に反対…(筆洗)《取り除くべきは
     放射性物質に加えて、地元の心配であり、悩みである。簡単には水に流せぬ》
   『●「原子力災害伝承館」《批判…口封じ》…《安倍政権では「被災地
      切り捨て」政策がつづけられてきたが、それを菅政権も「継承」》
   『●バッハ会長とニッポン人だけで金(カネ)色の五つの輪を「人類が
      新型ウイルスに打ち勝った証し」「コロナ克服五輪」として開催?
   『●第2波が高止まりのまま、無謀なGoTo強行。そして、いま、第3波の
        ほんの入り口かもしれない…懸念通りの感染拡大。市中感染拡大
   『●金子勝さん《無症状者のPCR検査をしない方針を変えず、東京五輪
       開催と「GoToキャンペーン」に突き進む。感染再燃は当然の結果》
   『●斎藤貴男さん《もう二度と、コロナ禍を奇貨とした利権漁りはやめろ。
        卑しい。で、次は一刻も早く東京五輪の中止を決めることだ》
   『●《政府や組織委はまだ五輪を開催する気満々》…《稀代の“嘘つき総理”》、
            勲章貰ってご機嫌なアベ様はバッハ会長と何を約束したの?
    「《政府や組織委はまだ五輪を開催する気満々》…息吐く様にウソをつく
     《稀代の“嘘つき総理”》、「老人のワッペン」勲章貰ってご機嫌な
     アベ様はバッハ会長と何を約束? 《ようするに、「桜を見る会前夜祭
     問題と同様、安倍前首相の国民を欺く大ウソがまたまた明らかになった
     わけだ》」

   『●アベ様「ここ1、2週間が極めて重要な時期」、《自助》大好き政策
     スカスカオジサン「この3週間が極めて重要な時期」…無為無策無能
   『●《ああ、すべては東京五輪のために。…国威発揚と利権漁りの国策
     サーカスが、人間の生活にも生命にも優先されるのが、現在のこの国だ》

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http://www.webchikuma.jp/articles/-/2185

世の中ラボ
斎藤美奈子
【第126回】「安倍辞任」でも気分が晴れない理由(わけ)

 八月二八日、安倍晋三首相が突然、辞任を表明した。持病の潰瘍性大腸炎が悪化したというのが理由。二四日に連続在職日数が佐藤栄作内閣を抜いて歴代最長を記録した直後の発表だった。第二次安倍政権が発足して七年八か月。長かった!
 とはいえ、やれやれやっと解放される、という気分には全然なれない。解釈改憲、公文書の改ざん、官僚の忖度体質「負の遺産」があまりにも多すぎて、壊れたものをどうやって修復したらいいのか見当もつかない。しかも安倍は第一次安倍政権のときと同様、持病で辞任するのである。「こころざし半ばにして倒れた悲劇の宰相」という美しいイメージすらひきずって
 案の定というべきだろう。辞任発表後の九月二~三日に行われた朝日新聞の世論調査では、安倍首相の実績を「評価する」が71%で、「評価しない」の28%を大きく上回り、また読売新聞九月四日~六日の世論調査では、安倍政権の支持率が前回調査の37%から52%に跳ね上がった。
 気分が晴れないもうひとつの理由は、次の宰相の問題である。形ばかりの総裁選には、菅義偉官房長官、岸田文雄政調会長、石破茂元幹事長の三人が立候補したものの、党員投票は行われず、最初から菅の当選は確実という出来レース。テレビのニュースやワイドショーはさっそく菅の「素顔」を紹介すべく、秋田の農家に生まれ、ダンボール工場で働きながら大学を出た苦労人だとか、じつはパンケーキ好きな好人物だとかいうヨイショ報道をくり広げた
 その結果、同じ読売の世論調査の「次の首相には誰がふさわしいか」という質問では、菅がトップで46%、石破は33%、岸田は9%。共同通信が八月二九・三〇日に行った世論調査では、石破が34%、菅が14%(以下、河野太郎13%、小泉進次郎10%、岸田7.5%)だったのだから、たった一週間で菅は石破を抜きさったことになる。おそるべき宣伝効果である
 この菅内閣の元で秋からの日本は歩みだすのである。安倍から菅への権力の委譲ははたして何を意味するのだろうか。


三代目の若社長とコワモテの番頭

 まず安倍政権とは何だったのかを思い出してみよう。
 適菜収『国賊論』のサブタイトルは「安倍晋三と仲間たち」。こんな表題の本だけあり、適菜の安倍批判は激烈である。

安倍晋三は、国を乱し、世に害を与えてきた。文字どおり、定義どおりの国賊である〉と彼は書きだす。〈安保法制騒動では憲法破壊に手を染め、北方領土の主権を棚上げし、不平等条約締結に邁進。国のかたちを変えてしまう移民政策を嘘とデマで押し通し、森友事件における財務省の公文書改竄、南スーダンPKOにおける防衛省の日報隠蔽、裁量労働制における厚生労働省のデータ捏造など、一連の「安倍事件」で国の信頼性を完全に破壊した。/安倍は、水道事業の民営化や放送局の外資規制の撤廃をもくろみ、皇室に嫌がらせを続け、「桜を見る会」問題では徹底的に証拠隠滅を図った。/要するに悪党が総理大臣をやっていたのだ〉。

 あらためて列挙されると、すごいよね。
 適菜の批判はさらに安倍の「仲間たち」に及ぶ。

この究極の売国奴・国賊を支えてきたのが産経新聞をはじめとする安倍礼賛メディアであり、カルトや政商、「保守」を自称する言論人だった。「桜を見る会」には、統一教会の関係者、悪徳マルチ商法の「ジャパンライフ」会長、反社会的勢力のメンバー、半グレ組織のトップらが呼ばれていたが、そこには安倍とその周辺による国家の私物化が象徴的に表れていた〉。

 安倍政権の「罪」は三つに分類できるだろう。
 ①無体な法律(特定秘密保護法、安保法、共謀罪を含む改正組織的犯罪処罰法、IR法、水道民営化法、改正種子法ほか)の制定、二度の消費増税、沖縄県辺野古の新基地建設、米国からの武器の爆買いなど、平和憲法軽視や生活破壊に通じる数々の政策
 ②数を頼んだ強行採決、メディアへの圧力、電通や吉本興業と結託した政治宣伝など、官邸主導の独善的な政権運営
 ③森友問題、加計問題、「桜を見る会」問題に代表される政治の私物化と、それに伴う公文書の隠蔽や改ざん

 ①については賛否が分かれるとしても、②は民主主義の原則にもとる専制だし、③に至っては犯罪ないし犯罪すれすれの大スキャンダルである。それでも安倍政権は野党やメディアや追及をかわし、まんまと難局を乗り切った。ひとえにこれは、官邸の要たる官房長官・菅義偉の手腕によるところが大きい
 「アベ政治を許さない」というスローガンに象徴されるように、左派リベラルは首相個人を最大の敵と見定めてきた。でも、もしかしたらそれは買いかぶり、幻想だったのかもしれない

大事なことは、安倍には悪意すらないことだ。安倍には記憶力もモラルもない善悪の区別がつかない人間に悪意は発生しない。歴史を知らないから戦前に回帰しようもない。恥を知らない。言っていることは支離滅裂だが、整合性がないことは気にならない。中心は空っぽ。そこが安倍の最大の強さだろう〉と適菜はいう。

 もしもこの通りなら、安倍は祖父の遺産を継いだ、無能な三代目の若社長である。自分の手で憲法を変えたい、日本を「美しい国」にしたい。そんなファンタジーはあるけど、実現の仕方はわからない。それで失敗したのが第一次安倍政権だった。
 そんな失意の安倍に再起を促したのが菅だったというのは有名な話。菅という人事権をにぎったコワモテの番頭が、裏で議員や官僚に睨みをきかせ、メディアを牛耳り、三代目のスキャンダルをもみ消し、毎日の記者会見で追及の矢面に立つ。いわば裏の「汚れ仕事」を一手に引き受ける番頭がいたからこそ、三代目若社長は、国政は側近や官僚に任せて、外遊だ、オリンピックだ、有名人との会食だと、浮かれていられた……。もしそうだとしたら、道半ばで倒れた三代目に代わって、権力の座につく番頭がどんな政治をやるかは想像がつく


番頭が権力者になるとき

 九月二日の会見で、菅は「安倍総裁が全身全霊を傾けた取り組みをしっかり継承し、さらに前に進めるために全力を尽くす覚悟だ」と述べた。「番頭として先代のレガシーをしっかり受け継いでいく」という従来の顧客(財界・産業界・富裕層など)に向けた宣言にほかならない。一般の国民? 眼中にあるわけないっしょ。
 彼の手腕の一端は『伏魔殿――菅義偉と官邸の支配者たち』という本の中でも垣間見ることができる。

2019年9月の内閣改造後、菅氏の周辺で、まるで狙い打ちにされたかのようなスキャンダルが続発した。/河井克行法相(当時)、菅原一秀経産相(同)の大臣辞任と、河井氏の妻・案里参議院議員の公選法違反疑惑。河井氏、菅原氏はいずれも菅氏の側近で、入閣は「菅人事」と呼ばれた。また、同時に入閣した小泉進次郎環境相についても、就任以降の発言が「意味不明」と酷評され、私生活上のスキャンダルも報じられている。小泉氏もまた〝菅派〟の1人だ〉。さらに、〈菅氏の懐刀と呼ばれる和泉洋人首相補佐官と、厚労省の女性幹部官僚の「京都不倫旅行」〉、一二月には伊藤詩織さんが民事裁判で勝訴して、〈かつて菅官房長官の秘書官をつとめた中村格警察庁官房長が、山口敬之氏(元TBSワシントン支局長)の「逮捕を止めた」一件がクローズアップされた〉。さらにまだある。やはり一二月に、IRをめぐる汚職事件で秋元司衆院議員が逮捕された一件も、〈IRの旗振り役をつとめてきた菅氏にも「火の粉」が降りかかる可能性は十分にある〉。

 ちなみに河井夫妻はその後、逮捕されている。剛腕な番頭のほころびが目立ちはじめたことを指摘した記事ではあるが、逆にいうと菅はそれほど強引な人事をやってきたってことである。
 官邸の初期のコロナ対策を批判した、乾正人『官邸コロナ敗戦』では、安倍と菅の間の「すきま風」について書く。

 菅は〈一度たりとも「ポスト安倍」に明確な形で意欲を示したことはな〉かったが、〈とはいえ、永田町では権力のあるところ門前市をなす〉。新元号の発表会見で人気が出た「令和おじさん」との握手を求める人々で、一九年四月の「桜を見る会」では首相より長い列ができた。これによって〈「ポスト安倍」の有力候補に菅が躍り出たことを強烈に印象づけた〉。

 こうして菅の存在感が増すにつれ、安倍は菅を遠ざけ、コロナ対策でも菅を外して畑違いの西村康稔経産相を担当大臣に起用した。
 〈コロナ禍の水面下で、「ポスト安倍」をめぐる静かな、そして激しい駆け引きが始まった〉というのだが、コロナ対策で安倍のストレスが限界に達し、ひいては持病の悪化につながったとも考えられる。そして菅はその間、「アベノマスク」や「GOTOトラベル・キャンペーン」などのトンチキな対策を粛々とこなしながら、ついに「ポスト安倍」の座を射止めたわけだ。
 今日の事態を見こしたかのように、〈この先「安倍政権にはずっと疑問を感じていましたが、立場上、発言できなかったんです」と言い出す人間のクズがたくさん出てくるはずだ〉と『国賊論』は予言する。〈しかし、安倍に見切りをつけて、泥船から逃げ出したとしても、一件落着という話にはならない。社会の空気が腐っている限り、同じようなものが担がれるだけ〉。
 その通りだろう。下手すると、菅は安倍よりたちが悪い。番頭は所詮番頭、イメージを取り繕う必要がないからだ。先代のレガシーを継承しつつ、番頭時代そのままのコワモテの政治を、今度は表でやる安倍時代のほうがマシだったという話にもなりかねない


【この記事で紹介された本】

『国賊論――安倍晋三と仲間たち』
適菜収、KKベストセラーズ、2020年、1600円+税
〈バカがバカを担いだ結果わが国は3流国に転落した……これは「第2の敗戦」だ!〉(帯より)。保守としての独自の視点から安倍政権を一貫して批判してきた著者による、「日刊ゲンダイ」連載のコラムなどを中心にまとめた本。〈今は左右で小競り合いをしている時間の余裕はない。日本人は決起すべきだ〉とし、安倍政権とその周辺を痛罵する。口は悪いが主張は真っ当。

『伏魔殿――菅義偉と官邸の支配者たち』
別冊宝島編集部ほか、宝島社、2020年、1500円+税
〈「国政私物化」10のスキャンダルを暴く! 「ウソつき政権」の検証〉(帯より)。複数の論者の論考、編集部記事、インタビュー記事で構成された雑誌風の本。桜を見る会、ジャパンライフ、ポスト安倍、NHK会長人事、山口敬之「性暴力裁判」など、安倍政権下の疑惑を検証。菅については「『陰謀論』まで渦巻く菅義偉官房長官『急失速』の深層」で詳しく書かれている。

『官邸コロナ敗戦――親中政治家が国を滅ぼす』
乾正人、ビジネス社、2020年、1400円+税
〈新型ウイルスで迷走する安倍政権の内幕!〉(帯より)。著者は産経新聞の論説委員長。中国からの入国拒否が遅れたなどの水際作戦の失敗を痛烈に批判。緊急事態宣言発令までの初期の対策の話に限られ、また新型コロナを「武漢ウイルス」と呼ぶなど「反中」意識が鼻につく本だが、安倍礼讃報道の本丸である産経の記者でさえ官邸に苛ついていたとわかる点では興味深い。

PR誌ちくま2020年10月号
2020年10月22日更新
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●縁故主義の塊のようなアベ様と昭恵夫人…《「モリ・カケ・サクラ」…いずれも「身内」の優遇で、国政の私物化が疑われた案件だ》

2020年09月19日 00時00分13秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]



東京新聞の【社説 検証「安倍政治」 国政の私物化 疑惑の解明なお必要だ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/53893?rct=editorial)。

 《しかし、忘れてはならないことがある。安倍晋三首相にまつわる複数の疑惑だ。うやむやのままに放置すれば、社会を支える倫理観が損なわれかねない。首相は自らの健康問題で辞任表明した。だが、七年八カ月の在任期間のうち、この三年ほどは立て続けに進退に結びついても不思議ではない疑惑に直面した。モリ・カケ・サクラ」。妻が名誉校長に就いていた森友学園への国有地売却問題、「腹心の友」が理事長を務める加計学園獣医学部新設問題、公的行事に後援者らを多数招待していた「桜を見る会」問題がそれらである。いずれも「身内」の優遇で、国政の私物化が疑われた案件だ》。

   『●【金子勝の「天下の逆襲」/野党は「消費減税で戦う」ではなく
      ニューディール議論を】…最悪な税制なんかを導入したが故に…
   『●さようならアベ総理、そして、こんにちはアベ様…数々のアベ様案件
       について真相を解明し、真の「責任」を果たしていただきましょう
    「2020年8月28日(金)午後、漸くこの日を迎えました
     アベ様が首相辞任を表明しました

   『●斎藤貴男さん【二極化・格差社会の真相】《法令を順守しなければ
     ならないのは、誰よりも貴君ら自身、警察権力なのだと自覚したまえ》
   『●前川喜平さん《数々の政策の失敗…行政の私物化について、納得できる
       説明をし、ちゃんと謝罪し、その責任をとってから、辞めてほしい》
   『●《官邸職員による“腕つかみ質問阻止”》事件…南彰さん《ついに
     質問妨害が、実力行使に発展…安倍晋三首相の記者会見での出来事だ》
   『●浜矩子さん《日本をこの狂った道から正しい道に戻さなくては
     ならない。安倍政権はそれほど激しい歪みを日本経済に遺したのです》
   『●アベ様や財務相は、赤木さんが《残したファイルとか、いま黒塗りに
     なっている夫がうつ病になった経緯であるとか、出すのは簡単なことだ》
   『●《権力をほしいままにし、国家を私物化してきた安倍首相も官邸を
      出てしまえば“ただの人”…司直の手に落ちることになるのか》?
    《「密室談合」による菅官房長官の次期総理就任を許していいのか!
     GoTo、沖縄いじめ、公文書改ざん、メディア圧力の最大の戦犯 
     …まさに、菅官房長官が陰に陽に繰り広げてきたメディア工作により
     忖度が広がり、スキャンダルや疑惑が持ち上がっても批判的な報道が
     徹底してなされず、安倍政権は約8年もの長期政権となったわけだが、
     当然、菅官房長官が次期総理となれば、メディア圧力はさらに激しさを
     増し、安倍政権以上に批判が封じ込められることは必至だ

   『●アベ様広報紙・産経《むしろ記者たちの質問する権利を奪おうとする、
        目を疑うような記事が出た》…《メディアコントロール》の成果
   『●《「安倍総裁をしっかりと継承する」「安倍政権が進めてきた改革の
     歩みをけっして止めるわけにはなりません」》…より陰湿・悪質・強権
   『●《「安倍総裁をしっかりと継承する」「安倍政権が進めてきた改革の
     歩みをけっして止めるわけにはなりません」》…より陰湿・悪質・強権
   『●《悪夢…民主党》総裁選では「全国で遊説することなく、国民に広く
      考えを示さず、政策論争を深めなかった」と当て擦っておきながら…
   『●アベ様案件…(武田砂鉄さん)《近場から放たれる「病人なんだから」
       という、勝手に設けられた除外規定を素直に受け止め過ぎでは》?

 縁故主義の塊のようなアベ様と昭恵夫人…《「モリ・カケ・サクラ」…いずれも「身内」の優遇で、国政の私物化が疑われた案件だ》。ウンザリするほどのアベ様案件だらけ。アベ様の「政」の本質の一つは、《「身内」の優遇》《国政の私物化》。こんな醜悪な縁故主義までも、次の無《責任政党》総裁、次期首相も《継承》するつもりか? 《「モリ・カケ・サクラ」のけじめは社会の倫理を守るのに不可欠だ。新政権は政治的な利害にとらわれず、疑惑の再調査に着手してほしい》が、当事者でもある最低の官房長官にその気があるとは思えない。その気が無いからこその次の無《責任政党》総裁、次期首相なのでしょう。…そして、2020年9月16日、元・最低の官房長官が首相となりました。大惨事アベ様政権です。

   『●『「非国民」のすすめ』読了(2/6)
    《行政私物化と縁故主義(ネポティズム)の跳梁跋扈》

   『●主犯A…『A Few Good Men』のように
      ネイサン・R・ジェセップ大佐を証人台に座らせろ!
    《加戸氏は美談調で語ったが、これはたんなる縁故主義で、
     こういった縁故を優先させる感覚を当然と考えることが、
     「“腹心の友”に便宜を図ったのでは」「安倍晋三記念小学校
     特別な計らいをしたのでは」という一連の疑惑の根底にはある。
     これでは味方が内幕の意識を暴露したようなものではないか》

   『●《カタストロフィーが来ないよう「おかしいことはおかしい」》と
     《国民とメディアに制限をかけるというフリーハンドの権限を得た》アベ様に
    《青木さんは、大勢の前で話すのは苦手と言いながら言葉は流れるように
     止まらない。いびつなナショナリズムが強まったのが森友問題と捉え、
     安倍政権の本質であるネポティズム縁故主義をヤリ玉に挙げた》

   『●国会からトンズラ総理・アベ様の縁故資本主義およびCOVID19
     無能無為無策…《火事場泥棒によるピンハネで日本は滅びてしまう》
   『●金子勝さん《コロナ対応で失敗続きの小池…東京が感染のエピセンター
      (震源地)と化してしまうのではないか》? 「ト」政によって既に…
    「その根っ子は、壊憲な新自由主義に由来する医療費削減自己責任論だ。
     しかも、アベ様のネポティズム、《クローニー(縁故)資本主義》な
     腐敗した政権。COVID19人災《アンダーコントロール》演出のための
     検査数抑制へとつながり、さらには、
     《火事場泥棒によるピンハネで日本は滅びてしまう》」

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/53893?rct=editorial

社説
検証「安倍政治」 国政の私物化 疑惑の解明なお必要だ
2020年9月7日 07時40分

 世間の関心は後継首相選びに移っている。しかし、忘れてはならないことがある。安倍晋三首相にまつわる複数の疑惑だ。うやむやのままに放置すれば、社会を支える倫理観が損なわれかねない

 首相は自らの健康問題で辞任表明した。だが、七年八カ月の在任期間のうち、この三年ほどは立て続けに進退に結びついても不思議ではない疑惑に直面した。

 モリ・カケ・サクラ」。妻が名誉校長に就いていた森友学園への国有地売却問題、「腹心の友」が理事長を務める加計学園獣医学部新設問題、公的行事に後援者らを多数招待していた「桜を見る会」問題がそれらである。いずれも「身内」の優遇で、国政の私物化が疑われた案件だ。

 私物化の直接の対象は税金や国有財産などだろうが、影響はそこにとどまらない。なにより、憲法の三大原則の一つである国民主権がゆがめられたのではないか。

 そう考える根拠は複数の疑惑の解明を妨げた共通の手法にある。前代未聞ともいえる公文書の隠蔽(いんぺい)改ざん廃棄である。森友問題では、改ざんを強いられた財務省近畿財務局の職員が自殺した

 公文書が不可侵であることは国民主権の前提といえる。国民全体で政治を進める以上、意見の相違があるのは当然だ。だから議論が欠かせない。それには事実認識の共有が必要だ。その認識の要が公文書である。憲法で国民全体の奉仕者と規定された公務員には公文書を保全する義務がある。

 しかし、そんな当たり前の前提が改ざんによって崩された。事実より為政者とその周囲にとって都合のよい物語が優先されるようになった。この時点で政治は国民全体のものではなくなった。

 深刻なのはこうした禁じ手が拡散していることだ。森友問題とほぼ同時期に、神戸市では市教育委員会がいじめ事件の調査メモを隠蔽したことが発覚している。

 社会に流れる空気にも危うさを感じる。「勝てば官軍倫理や正義を振りかざしても自分が損をするだけ」という冷笑的な姿勢が人々の間に広まっていないか。こうした倫理の軽視は健全な共同体の存続を断ち切りかねない

 六月には森友問題の真相究明を求め、内閣官房などに約五十万筆の署名が届けられた。「モリ・カケ・サクラ」のけじめは社会の倫理を守るのに不可欠だ。新政権は政治的な利害にとらわれず、疑惑の再調査に着手してほしい。
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●《民主主義などの「価値観」を共有する国々の仲間だと胸を張れるのか。このまま、うやむやにしていい話ではない》

2020年01月20日 00時00分09秒 | Weblog

[※ 自公選挙公約「子育て…」小躍りするアベ様日刊ゲンダイ(2017年12月19日)↑]



リテラの記事【「桜を見る会」を海外メディアが「Cherry Blossom party」と名付け一斉に批判!「身内優遇」「安倍政権が組織ぐるみで情報隠蔽」】(https://lite-ra.com/2019/12/post-5148.html)。
熊倉逸男記者による、東京新聞のコラム【【私説・論説室から】/真実を救う国 葬る国】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2019121802000154.html)。

 《「桜を見る会」問題をめぐって、13日の講演で「国会では政策論争以外の話に多くの審議時間が割かれている」などと発言した安倍首相。国会でもまともに説明せず、文書を破棄し、強引に幕引きを図ろうとしているお前が言うなという話だ。年を越して、安倍政権は「桜を見る会などいつまでやっているのか」「重要法案が進まない」などと連呼することで、疑惑から逃げ切るつもりだろうが、そんなことを許したら、日本国民とメディアは完全に海外からバカにされるだろう》。
 《トランプ米大統領が破り捨てる書類を拾い集め、復元するホワイトハウススタッフの苦労が紹介されていたが(六日付本紙「本音のコラム」)、ドイツでも地道な取り組みが続けられている。…トランプ氏の書類復元を紹介したワシントン・ポスト紙は、対比する形で、安倍首相主催「桜を見る会」の招待者名簿廃棄を、あきれ顔で報じている。民主主義などの「価値観」を共有する国々の仲間だと胸を張れるのか。このまま、うやむやにしていい話ではない。 (熊倉逸男)》。

   『●トランプ大統領《映り方が気に入らぬと特定の鏡を選んで
      割ってしまいたい…米国という鏡にその姿はより醜悪に映る》
   『●《全ての権力は国民に由来する》(韓国映画『弁護人』)…
      憲法で保障されている主権在民をニッポンで大声で叫べるか?

 アベ様による《メディアコントロール》なニッポン…。《民主主義ならぬ「ご都合主義」国家》ニッポン…。

   『●《民主主義ならぬ「ご都合主義」国家》…《私人》、《調査・
      研究》自衛隊中東〝派兵〟などデタラメ閣議ケッテェ~を乱発

 熊倉逸男記者の仰る通り、《民主主義などの「価値観」を共有する国々の仲間だと胸を張れるのか。このまま、うやむやにしていい話ではない》。モリカケサクラ問題などを「いつまでやっているのか?」なんて答えは簡単。アベ様らが無罪の証拠をさっさと出せばよいだけの話。なぜに証拠を隠蔽し、抹消していくのですか? もはや、アベ様らは犯罪者だと思いますよ。《不正をただし歴史に真実を残そうとする志は尊い》…アベ様らや取り巻き連中にはそのような高き《志》など、これっぽっちも感じられない。このままでは、世界中の笑いものが続く…。

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https://lite-ra.com/2019/12/post-5148.html

「桜を見る会」を海外メディアが「Cherry Blossom party」と名付け一斉に批判!「身内優遇」「安倍政権が組織ぐるみで情報隠蔽」
2019.12.17 12:37

       (The Washington post 公式サイトより)

 「桜を見る会」問題をめぐって、13日の講演で「国会では政策論争以外の話に多くの審議時間が割かれている」などと発言した安倍首相。国会でもまともに説明せず、文書を破棄し、強引に幕引きを図ろうとしているお前が言うなという話だ。年を越して、安倍政権は桜を見る会などいつまでやっているのか」「重要法案が進まないなどと連呼することで、疑惑から逃げ切るつもりだろうが、そんなことを許したら、日本国民とメディアは完全に海外からバカにされるだろう。

 というのも、この「桜を見る会」をめぐる一連の問題は、すでに海外メディアも「Cherry Blossom party」などと呼んで報じており、“安倍首相による私物化”や“政権の隠蔽体質”を象徴する事件として、国際的に大きな注目を浴びているからだ。

 たとえば米紙ワシントンポストは11月27日、「日本の首相の奇妙な話、公文書と巨大シュレッダー」(The strange tale of Japan’s prime minister, official documents and a very large shredder)と題して報じた。記事冒頭から、これまで安倍政権が行ってきた数々の公文書の隠蔽を皮肉めいた調子で振り返っている。

〈物議を醸す公金を使った政府主催パーティの招待リストは? シュレッダーされた
 首相官邸への来訪者リストは? シュレッダーされた
 スーダンやイラクでの任務中に自衛隊が遭遇した危険を物語る日報は? 後に出てきたが、当初はシュレッダーされたとの話だった。
 安倍政権が倒れる恐れのあった森友学園スキャンダルをめぐる数々の重要文書は? ある文書は改ざんされ、ある文書はシュレッダーされた。〉

 さらにワシントンポストは、野党が「桜を見る会」に反社会勢力マルチ商法の会長が招待されていると追及していることなどにも触れたうえで、米国や西側先進諸国と比較しながら安倍政権の隠蔽体質を指摘している。

〈米国では、大統領記録法で大統領が扱った全文書を歴史的記録として保管し、国立公文書館に届けなければならないと規定している。〉
〈日本は長い間、情報公開においてアメリカはじめ西側の民主主義国家に遅れをとってきたが、1999年には情報公開法が制定された。評論家たちが指摘しているように、問題は2012年に安倍氏が政権に返り咲いて以降、安倍政権がこの法律を組織ぐるみで破り、法律の条項を押し戻していることだ。〉

 ロイター通信は12月4日に「日本の首相がスキャンダルで文書をシュレッダーしたオペレーターが障害者であると説明し批判」(Japan PM slammed for revealing operator of document shredder in scandal was disabled)と報道。記事では、安倍首相が破棄したとする招待者リストを処分したのは障害者雇用職員だったと明かしたことにSNSで非難が殺到したことを伝えた。〈障害者を盾に使ったことで安倍を批判するコメントがある〉とTwitter上のコメントをとりあげ、相模原の障害者施設連続殺傷事件や政府の障害者雇用水増しの件と同様に障害者への態度を象徴しているという声や、安倍首相の発言は障害者はミスをするという偏見の現れであり人を差別して見下しているという声などを紹介している。

 また、米国の公共ラジオ局NPR(ナショナル・パブリック・ラジオ)では、共産党の田村智子参院議員が国会で「桜を見る会」問題を追及する場面を放送されたほか、同メディアのアンソニー・クーン特派員が、田村議員や複数の日米研究者のインタビューを交えて疑惑をレポートしている(12月4日「Japan's Cherry Blossom Party Grows Into A Political Scandal For Prime Minister」)。特派員は「これは、身内優遇との指摘と安倍政権ぐるみの隠蔽を含む大きなスキャンダルで、同様の問題はこの3年間で3度目にあたる」と語った。


■ワシントンポストやロイターだけでなく、英BBC、仏AFP、独紙も

 英国のBBCも「えこひいき批判のなか、桜を見る会が中止」(Japan cancels cherry blossom party amid cronyism accusations)と題して報道(11月13日)。ガーディアン紙も「派手すぎるという抗議のあと、日本の首相が桜を見る会を中止に」(Japan's PM cancels cherry blossom party after outcry over florid spending」とのタイトルで記事にしている(11月14日)。floridは「華麗」「派手」「けばけばしい」のほかに「桜色」という意味があり、皮肉を込めてひっかけているのかもしれない。

 同じく英国のテレグラフ紙は11月20日に「安倍晋三は日本の歴代最長総理大臣となったが桜を見る会スキャンダルで泥沼にはまった」と伝えた。桂太郎を超える安倍氏の首相最長在位の節目は「桜を見る会」のスキャンダルで影が薄くなったとしたうえで、このように安倍政権を総括している。

〈第一次政権は2007年の1年で終わり、第二次政権は2012年に政権を奪還してから続いているが、その2度にわたる総理在位期間中、安倍氏はちょっとした“スキャンダル風化の専門家”になっている。第二次政権発足以降、安倍首相は6度の国政選挙で連立与党を勝利させたが、その長期政権の理由のひとつは野党がバラバラだからだ。そうしたなかで、えこひいきへの批判からデータ偽造問題、さらに9月の内閣改造で任用した大臣2人が最近、公選法違反で辞任したことに至るまで、安倍首相は一連のスキャンダルを生き延びてきた。〉

 フランスでもAFPが「桜で日本の首相のスキャンダルが満開に」(Cherry blossoms prompt full-blown scandal for Japan's PM)が報道(12月9日)。「桜を見る会」問題について〈不祥事企業の会長は過去に一度ゲストになったが、日本の悪名高いヤクザマフィア(反社会勢力)のメンバーが招待されたのは今年のことだ〉などと伝えつつ、安倍政権が倒れることはないだろうと専門家が予測していることに関して〈中道左派の民主党による2009年から2012年までの政権が悲惨なパフォーマンスにおわった後も有権者は不信感を持ち続けており、野党に対する幻滅の余韻から安倍は恩恵を受けている〉と書いている。ドイツではフランクフルターアルゲマイネ紙が、加計学園問題にも触れながら「腐敗した桜に非難」(Vorwurf der Kirschblütenkorruption)と題して報じている(11月13日)。

 欧米メディアに共通しているのは、「桜を見る会」が“身内びいき”と批判されていることをストレートに伝え、安倍政権にはこれまでも森友・加計問題など“身内びいき”の疑惑が浮上していたことに言及していることだ。データの隠蔽や改ざんなど公文書管理を問題視する報道も多く、政府が招待者リストを公開しないもの「桜を見る会」問題をごまかすためと見ている。また、「桜を見る会」問題に加え、閣僚の不祥事などスキャンダルが続出しながら長期政権を維持していることについては、決して有権者が積極的に安倍政権を支持しているわけではないとの分析が目立つ。

 いずれにしても、安倍首相は年内で「桜を見る会」問題への追及を強引に終わらせるつもりだが、国際社会はこのスキャンダルを“安倍政権で起こるべくして起きた”と捉えているはずだ。日本の国際的評価を地に堕としている安倍首相を、このまま総理の椅子に座らせておくことはできない。

(編集部)
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2019121802000154.html

【私説・論説室から】
真実を救う国 葬る国
2019年12月18日

 トランプ米大統領が破り捨てる書類を拾い集め、復元するホワイトハウススタッフの苦労が紹介されていたが(六日付本紙「本音のコラム」)、ドイツでも地道な取り組みが続けられている。

 東西統一が目前に迫ると、旧東ドイツの秘密警察「シュタージ」は市民の監視などの記録を廃棄しようとした。手で破りシュレッダーで細断したが、焼却は間に合わず、約一万五千もの袋に詰めたままにした。

 ドイツ政府は公文書として保存することを決め、紙片の復元を進めている。最近では、「Eパズラー」というソフトで、紙の形状や文字を照合して手作業以上に効率を上げている。それでも気が遠くなるような作業だ。

 膨大なシュタージ文書の公開は、家族や友人までが密告者だった現実を知らしめる悲劇も招いた。しかし、一党独裁の恐ろしさを具体的に明らかにした意義は大きい。

 紙切れを拾い集めジグソーパズルを作る作業は見栄えはしないかもしれないが、不正をただし歴史に真実を残そうとする志は尊い

 トランプ氏の書類復元を紹介したワシントン・ポスト紙は、対比する形で、安倍首相主催「桜を見る会」の招待者名簿廃棄を、あきれ顔で報じている

 民主主義などの「価値観」を共有する国々の仲間だと胸を張れるのか。このまま、うやむやにしていい話ではない。 (熊倉逸男
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●中曽根康弘元首相や「産経のドン」故・鹿内信隆氏らは、あの時、何をしていたのか? …《検閲国家》へと一歩一歩

2019年08月29日 00時00分59秒 | Weblog

[※ 『国民のしつけ方』(斎藤貴男著、インターナショナル新書010)…《それは調査報道…「番犬(ウォッチ・ドッグ)」としての役割》↑]



日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/政治家に封殺された表現の自由】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201908060000073.html)。
リテラの記事【八代弁護士が「慰安婦問題は史実に基づかない」とネトウヨ並みのデマ! 中曽根の証言など日本軍慰安所設置の証拠は山程あるのに】(https://lite-ra.com/2019/08/post-4885.html)。

 《★政治家が先導して表現の自由を封殺する時代が戦後70年もたって起こるとは思わなかった。…表現の自由が政治によって追い込まれるのは少女像だけではない。すべての表現、ゲーム、アニメ、マンガの世界でも時の権力がけしからんと言えばまかり通る前例になりかねない。今回のことで留飲を下げている人たちもところ変われば検閲の対象になる》。
 《立川志らく…「…日本人にとっては多くの人が反日の像だと思ってるわけでしょ?…」…とくに聞き逃せないのは、八代弁護士が発した「慰安婦問題っていうものが史実に基づかないものである」とのセリフだろう》。

   『●《平和なアジアという井戸…先人の掘った
     井戸の水を濁らせている》人々…企画展「表現の不自由展・その後」を破壊
    《憲法が保障する表現の自由に不寛容な現在の日本の空気を映し出すことに
    《▼名古屋市の河村たかし市長には不快だったようだ。作品の評価は人それぞれ、
     自由である。しかし、芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」会場から撤去を要求する
     のは鑑賞や議論の機会を根こそぎ奪う行為で、間違いだった…そして
     表現の自由は、圧迫にあらがう者がいる限り死なない何度でも声を上げよう
     生きるために。(阿部岳)》

 21世紀のこの現代に、《検閲国家》とは呆れる。お隣のアジアの国々を嗤えない。ヨーロッパの国々から見れば、ニッポンは一体どんな国なのか、といったところかな。

 リテラの記事【大村知事が「公権力こそ表現の自由を尊重」の真っ当主張に、杉田水脈や維新の松井・吉村が醜悪な“圧力正当化”】(https://lite-ra.com/2019/08/post-4887.html)によると、《開幕からわずか3日で中止に追い込まれてしまった問題。ところが、ネットやテレビのワイドショーでは、テロ予告をした人間や圧力をかけ攻撃を煽った政治家を非難するのでなく、“慰安婦像”を展示した「あいちトリエンナーレ」や芸術監督の津田大介氏への非難が渦巻くという異常な事態》。
 《平和なアジアという井戸…の水を濁らせている》人々がデッカイ顔をしているって、どんな国?

   『●『朝日新聞』が「アベ様の犬HK」化しないことを望む:  
           相対的に「大変にマシな報道機関」はどこか?
    《…太平洋戦争時、日本陸軍経理課の軍人として慰安所設置の
     任務に就いた「産経のドン」故・鹿内信隆。産経新聞からリベラル色を
     一掃し、極右タカ派の論調でこの新聞を塗り固め自民党政権と
     深く結びつくことでマスコミ業界の大物として君臨した鹿内が、
     さらに驚くべきことを「自慢話」として得意げに語っていたことが
     判りました…》
    《もちろん、こうした事実を産経新聞をはじめとする右派、保守派が
     知らなかったわけはない。少し前に中曽根康弘元首相が
     「土人女を集め慰安所開設」していたという戦時記録を紹介したが、
     今回は自分たちが中興の祖とあおいでいる人物が自社の単行本で
     軍の組織的な関与を認めていたのだ》

   『●沖縄差別・沖縄破壊の「やりたい放題」…
      「歴史的暴言」から想起されるナチソネ氏や「産経のドン」等々
   『●「業界の失いつつある信頼」の回復への第一歩: 
       NNNドキュメント’15『南京事件 兵士たちの遺言』
    《『NNNドキュメント』(日本テレビ系)が、自民党が「否定」する
     「南京事件」を検証したのだ。その内容は、元日本軍兵士の証言や
     当時の日記といった“一次資料”を取りあげ、さらに矛盾や
     不自然な点がないか、番組取材班が徹底的に裏取りを試みる
     というものだった》

   『●加害者性と被害者性…「私たち一人一人が被害者となり、
              加害者となり得る戦争。戦争はどこかで今も…」
    「【記憶の澱/NNNドキュメント’17】…。
     《先の大戦の記憶を、今だからこそ「語り、残したい」という人々がいます。
     …心の奥底にまるでのようにこびりついた記憶には「被害」と「加害」、
     その両方が存在しました》」
    「リテラの記事【明石家さんまが「戦争のために税金を
     納めてるんじゃない!」「武器に金使うなら税金収めない」と
     国税局に抗議】…証拠隠蔽・虚偽答弁で昇格された佐川宣寿
     国税庁長官殿に聞かせてやりたいよ、全く」

   『●【南京事件Ⅱ―歴史修正を検証せよ】…
     「「公文書」がいかに重要な意味を持つかを、社会に毅然と示した」
    《番組を通じて「公文書」がいかに重要な意味を持つかを、
     社会に毅然と示した
    《戦中の軍による戦争犯罪・残虐行為を記録した日本側の公文書は、
     敗戦の1945年8月15日の前後に、その多くが焼却されている。
     証拠隠滅のためだ》
    《翻って現在、安倍政権下の日本では、公文書のあり方が問われている
     政府が、存在するものを「ない」と平気で嘘をつく役人が国民の
     知らぬところで文書を改ざんするあるいは「特定秘密」と言って、
     人々の目の届かないところに葬り去ろうとする。こうした政府による
     公文書の隠蔽や改ざんは現代社会の根底を揺るがすと同時に、
     のちの“事実の検証”を著しく困難にさせるものだ

   『●「戦争に関する資料が隠ぺいされたことにより、
       子孫たちに正しい歴史を伝えることができなくなった」

 《平和なアジアという井戸…の水を濁らせている》人々は、中曽根康弘元首相や「産経のドン」故・鹿内信隆氏らは、あの時、何をしていたのか、を調べてみては如何か? 《歴史修正主義丸出しのデマを口》にする愚かさ、《歴史的な事実》《客観的事実》《歴史学的にも議論の余地はない》こと、《歴史事実として裏付けされたもの》《軍主導であった事実》を消し去り、一方、歴史修正主義を許さない市民に対して《反日の○○》という刷り込みに躍起。醜悪で、見苦しい。
 《ワイドショーをはじめとするマスコミには、自分たちが取り返しのつかない状況を作り出しているという自覚はないのだろうか》…アベ様の政で〝唯一上手く行っている〟メディアコントロールの極致か? 《政府が先月実施した「ホワイト国除外」に関するパブリックコメントには、寄せられた4万666件の意見のうち、「除外」に賛成が実に約95%で、反対はわずか約1%…。…FNNと産経新聞…世論調査でも、「ホワイト国除外」を「支持する」が67.6%に登り、「支持しない」は19.4%にすぎなった》…壊れた国ニッポン。

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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201908060000073.html

コラム
政界地獄耳
2019年8月6日8時7分
政治家に封殺された表現の自由

政治家が先導して表現の自由を封殺する時代が戦後70年もたって起こるとは思わなかったあいちトリエンナーレ表現の不自由展-その後」だ。展示にテロ予告や脅迫が相次いだという。県警はその捜査は行っているのか。その展示を行政が受け止め中止にしたという。だが、表現の不自由展実行委員会は一方的な中止の判断に対して抗議する声明を出した。表現の不自由展は過去に発表し、中止に追い込まれた作品を集めて表現の自由を改めて感じたり、かみしめる意味があったろう。

★ことの発端は名古屋市長・河村たかしがそりの合わない愛知県知事・大村秀章にケチをつけたい程度から始まったのか。日本維新の会代表で大阪市長・松井一郎が少女像の展示について「どうなってんだ」と電話があったという。松井は記者団に「日本で公金を投入しながらわれわれの先祖がけだもの的に取り扱われるような展示物が展示されるのは違うのではないか」とほえたが、松井の想像力豊かな感情論も表現の自由に含まれていることを理解しないといけない。

政治や行政が表現の自由に介入することの恐ろしさを松井や河村は「こちらの言うことが正しい」とか「正義」だと思っているようだが、それが検閲国家につながり、自分は検閲する側にいるという勘違いが一番恐ろしい。官房長官・菅義偉も「事実関係を精査し補助金を交付するかどうか慎重に検討する」と発言。こちらも今後の芸術家や展示を考える主催者を萎縮させるにたるガイドラインを示したといえる。表現の自由が政治によって追い込まれるのは少女像だけではない。すべての表現、ゲーム、アニメ、マンガの世界でも時の権力がけしからんと言えばまかり通る前例になりかねない。今回のことで留飲を下げている人たちも、ところ変われば検閲の対象になる。(K)※敬称略
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https://lite-ra.com/2019/08/post-4885.html

八代弁護士が「慰安婦問題は史実に基づかない」とネトウヨ並みのデマ! 中曽根の証言など日本軍慰安所設置の証拠は山程あるのに
2019.08.06 06:57

     (ネトウヨなみのデマ!  (『ひるおび!』より))

 安倍政権による韓国への輸出規制と「ホワイト国」除外、あいちトリエンナーレでの「平和の少女像」などの展示中止……。国交正常化以来最悪と言われる日韓関係のなか、日本中がグロテスクな嫌韓ムード歴史修正主義に染まっている。

 それは安倍政権周りの政治家やネット、右派メディアだけではない。地上波のワイドショーでもネトウヨとなんら変わらないヘイトや歴史修正主義が堂々と語られるようになった

 5日放送の『ひるおび!』(TBS)でも、慰安婦問題など含む作品を展示した「表現の不自由展・その後」が中止に追い込まれた件をとりあげるなか、八代英輝弁護士がこんな発言をしていた。

「当然、この社会的風潮のなか、この慰安婦像。この慰安婦問題っていうものが史実に基づかないものであること。あるいはこの慰安婦像に対して嫌悪感、反感をもつ方っていうのは多くいるってことは、当然認識した上での展示ですから。ある程度の反感というのは想定されたんでしょうけど、それが、私は『想定を超えてしまった』って認識は甘いんでないかというふうに思うんですよね」

 八代弁護士は「表現自体をさせないという風潮は危険だなと思う」などとエクスキューズをいれつつも、「私自身はこれ(少女像)を置いて、こんなものあってはならないと議論するということはアリだと思いますけどね」と続けるなど、嫌韓煽りを剥き出しにしていた。

 さらには、落語家の立川志らくも、いつもの物知り顔でこうコメントした。

「結局、こういうことをやると、日本人の多くは不愉快に思って許さないという結果が出た。これを『平和の少女像』って言う人がいることが、私は不思議でしょうがない。平和の少女像って言うなら、日本人の誰もが見て、これは平和だなって思えるならいいんだけれども。そりゃ韓国の人はそうかもしれないけど、日本人にとっては多くの人が反日の像だと思ってるわけでしょ? 本来、芸術ならば、これを反日像だと思っている人が見ても、思わず感動して涙を流す、そういうものを私は展示してほしい」

 本サイトでも解説した(https://lite-ra.com/2019/08/post-4880.html)ように、「平和の少女像」が「反日」だというのは完全にネトウヨの論理であり、歪曲した解釈だ。それを「みんなが思ってるんだから反日に決まってる」と言い張り、表現の自由を踏みにじる卑劣なテロ予告者ではなく、議論を換気しようとした展示や作品のほうを問題視する。その倒錯ぶりと付和雷同には、呆れ果てるしかない

 とくに聞き逃せないのは、八代弁護士が発した「慰安婦問題っていうものが史実に基づかないものである」とのセリフだろう。八代弁護士は、つい先日も朝日新聞を韓国の中央日報、ハンギョレ新聞と並べて反日三羽ガラスと揶揄するなど、テレビの全国放送ネトウヨぶりを全開していたが、今度は慰安婦それ自体がなかったかのような発言をしたのだ。

 はっきり言っておくが、慰安婦の存在は捏造でもなんでもなく。歴史的な事実だ。弁護士の資格を持つ人間が、地上波の昼間の番組で、保守派の学者でさえ言わないような歴史修正主義丸出しのデマを口にしていいのか。

 いや、八代弁護士だけではない。「平和の少女像」展示に圧力をかけ、「表現の不自由展」への攻撃を煽った河村たかし名古屋市長も、今日の会見で「やっぱり慰安婦ってあったのかと、そういうふうに見られる」などと発言していた。つまり、河村市長も慰安婦は存在しないと信じ込んでいるのだ。


■中曽根康弘元首相が海軍主計長時代に「土人女を集め慰安所を開設」の記録

 こうした連中の妄言の根拠は、2014年、朝日新聞が慰安婦関連記事の虚偽を認め、訂正・謝罪したことだ。朝日が訂正したのは、とっくのとうに虚偽であることが分かっていた吉田清治証言に関するものだけだったが、当時、ネトウヨや極右メディアがこの謝罪を意図的に拡大解釈し、あたかも戦中に「慰安婦」自体の存在がなかったのようなデマを喧伝しまくった。意図的かどうかは知らないが、八代弁護士や河村市長らはこのネトウヨ歴史修正の詐術に丸乗っかりしているということだろう。

 だとしたら、本サイトとしては何度でも、その欺瞞と詐術を明らかにしておく必要がある。戦中の日本軍が各地に慰安所をつくり、現地の女性たちや朝鮮半島の女性たちを慰安婦にして、兵士の性暴力の相手にさせられたのは客観的事実だからだ。

 日本軍が侵略したアジアの各地に慰安所をつくったことは残された軍の記録や通達からも明らかであり、歴史学的にも議論の余地はない。軍が斡旋業者を使って騙して女性を連れ出した証拠や、現地の支配者や村長に命じて女性を差し出させた証拠もいくらでもある。そして、慰安所で現地の女性や朝鮮半島から連行した女性を軍が性的搾取したことは、多くの被害女性だけでなく、当時の現地関係者や元日本兵、元将校なども証言していることだ。

 たとえば、海軍出身の中曽根康弘元首相は、回想記『終りなき海軍』のなかで、当時、設営部隊の主計長として赴任したインドネシアで〈原住民の女を襲う〉部下のために〈苦心して、慰安所をつくってやった〉ことを自慢話として書いている。この中曽根証言は、防衛省のシンクタンク・防衛研究所の戦史研究センターが所蔵している当時の文書「海軍航空基地第2設営班資料」において、〈気荒くなり日本人同志けんか等起る〉ようになったところで〈主計長の取計で土人女を集め慰安所を開設 気持の緩和に非常に効果ありたり〉と記されているように、歴史事実として裏付けされたものだ。


■産経の総帥も自著で軍時代の慰安所設立を自慢「女の耐久度とか消耗度も決めていた」

 また、陸軍出身の鹿内信隆・元産経新聞社長は、桜田武・元日経連会長との対談集『いま明かす戦後秘史』(サンケイ出版)のなかで、慰安所と慰安婦が軍主導であった事実をあけすけに語っていた。

「(前略)軍隊でなけりゃありえないことだろうけど、戦地に行きますとピー屋(引用者註:慰安所のこと)が……」
「調弁する女の耐久度とか消耗度、それにどこの女がいいとか悪いとか、それからムシロをくぐってから出て来るまでの“持ち時間”が将校は何分、下士官は何分、兵は何分……といったことまで決めなければならない(笑)。料金にも等級をつける。こんなことを規定しているのが『ピー屋設置要綱』というんで、これも経理学校で教わった」

 実際、靖国偕行文庫所蔵の『初級作戦給養百題』(1941年)という陸軍主計団記事発行部が発行した、いわば経理将校のための教科書の記述にも〈慰安所ノ設置〉が業務のひとつとされており、この鹿内証言も軍の資料と完全に一致する。

 朝鮮半島の女性たちを慰安婦にした証拠も枚挙にいとまがない。

 日本はアジア・太平洋戦争で東南アジア各国を侵略、傀儡政権を樹立したり、軍の統治下に置くなどの支配を進めていったが、たとえばシンガポールでは現地の華僑を粛清した後に、日本軍の宣伝班の下で刊行された新聞に“慰安婦募集の広告”が出ている。そうした慰安所に大勢の朝鮮人女性も動員されたことは「16歳の時にシンガポールの慰安所に連れて行かれた」という朝鮮人元慰安婦の証言だけでなく、近年発見されたビルマ(現・ミャンマー)とシンガポールの慰安所で帳場の仕事をしていた朝鮮人男性の日記からも明らかになっている。また、独立自動車第四二大隊にいた元日本軍兵士も「トタン塀」と呼んでいた慰安所には「娼妓は朝鮮人が多かったが、マライ人もいた」と証言している。


■米朝会談の舞台となったセントーサ島では朝鮮人女性が騙されて慰安婦に

 昨年、米朝会談の舞台となったシンガポール南端のセントーサ島(旧称・ブラカンマティ島)でもまた、朝鮮人女性たちが慰安婦として働かされていた。しかも、彼女たちは別の仕事だと騙されて連れてこられたのだ。

 当時、東南アジアで通訳として従軍していた永瀬隆氏が証言している。永瀬氏は、日本が戦中につくらせたタイとビルマを結ぶ泰緬鉄道で陸軍の通訳をしていたことで知られる日本人男性だ。日本軍による泰緬鉄道建設にあたっては、数万人のアジア人労働者や連合国軍の捕虜が非人道的な扱いを受け犠牲となっている。永瀬氏は戦後、反戦平和の立場から個人でその慰霊と償いの社会活動を続け、2011年に亡くなった。

 その永瀬氏が生前、月刊誌「MOKU」(黙出版)1998年12月号での高嶋伸欣琉球大学教授(現・名誉教授)との対談のなかで、セントーサ島での体験を語っていた。シンガポールでも数か月の間、陸軍の通訳として勤務しており、その時、慰安所の女性たちや軍の部隊長と話をしたことをこのように振り返っている。

「(セントーサ島には1942年の)十二月中旬までいました。十一月になって隊長が僕を呼んで、『実は朝鮮の慰安婦がこの部隊に配属になってくるんだが、彼女たちは日本語がたどたどしいから、日本語教育をしてくれ』というんです。僕は『嫌なことをいうな。通訳はそこまでしなきゃいけんのか』と思ったけど、その隊長はもう島の王様気取りでおるんです。仕方がないから、慰安婦の人たちに日本語を三、四回教えました」

 永瀬氏は「そのうちに、僕は兵隊じゃないから、慰安婦の人も話がしやすいんだな」と思ったという。そして、朝鮮人女性たちに慰安所にきた理由を聞くと、騙されて連れて来られたというのだ。

「それで僕も『あんたたちはどうしてここへ来たんだ』と聞いたら、『実は私たちは、昭南島(シンガポール)の陸軍の食堂でウエイトレスとして働く約束で、支度金を百円もらって軍用船でここへ来たんだけど、着いた途端に、お前たちは慰安婦だといわれた』というんです」
「それを聞いて、ひどいことをするなと思った。いま考えてみても、強制的に連行して慰安婦にするよりも、そうやって騙して連れてきて慰安婦にするほうが、僕は罪は深いと思います。
 とにかく、それから島の中に慰安所ができたんですが、隊長が慰安所の兵隊にくだしおかれる前に、慰安婦を毎晩代わりばんこに次から次へ味見しているという話を聞きました」


■「慰安婦は存在しなかった」の嘘が堂々とまかり通る恐ろしさ

 つまり、日本軍は、彼女たち朝鮮人女性に性的労働をさせることを告げず、まして嘘の説明で騙して慰安所に連れて行ったケースが明らかに存在した。そして、前述した中曽根元首相らの証言や当時の軍資料のように、日本軍が従軍慰安婦に積極的に関与していたことも歴史的な事実なのである。

 八代弁護士が言うような「慰安婦問題は史実に基づかない」というのが、いかにフェイクであるかが分かるだろう。歴史修正主義者たちは、こうして慰安婦問題を矮小化しているのだ。

 恐ろしいのは、こうした歴史的な事実を否認する発言が、当たり前のようにワイドショーで飛び出し、他のマスコミが検証を放棄した結果、少なからぬ視聴者が何ら疑念をもたないでいることだ。実際、八代弁護士の発言の嘘を検証したり、批判的に取り上げるマスコミは、いまのところ皆無。それどころか、Twitterでは「よくぞ言ってくれた!」というような賞賛まで受けている。

 繰り返すが、安倍政権が煽動する“嫌韓”を、応援団やマスコミが増幅し、それがごく当たり前のように社会に蔓延しているのが、いまの日本社会だ。その結果起きたのが、平和の少女像などの展示に対する異常なバッシングであり、放火テロまでほのめかす脅迫だった。歴史的事実や、それに向き合うための表現まで「反日」と糾弾され、封殺されてしまう状況は、もはや“嫌韓ファシズム”と呼ぶべきかもしれない。

 しかも、こうしたメディアの扇動によって、国民の世論じたいもどんどん冷静さを失っている

 政府が先月実施した「ホワイト国除外」に関するパブリックコメントには、寄せられた4万666件の意見のうち、「除外」に賛成が実に約95%で、反対はわずか約1%だったという。これは、安倍応援団やネトウヨの組織票の可能性が濃厚だが、他方、FNNと産経新聞が3、4日に実施した世論調査でも、「ホワイト国除外」を「支持する」が67.6%に登り、「支持しない」は19.4%にすぎなった

 ワイドショーをはじめとするマスコミには、自分たちが取り返しのつかない状況を作り出しているという自覚はないのだろうか。

(編集部)
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●「戦争に関する資料が隠ぺいされたことにより、子孫たちに正しい歴史を伝えることができなくなった」

2018年08月24日 00時00分28秒 | Weblog

[【NNNドキュメント’18/南京事件Ⅱ ―歴史修正を検証せよ―】(2018年5月13日)↑]



リテラの記事【『報道特集』が日本軍の戦犯証拠隠滅の実態を明らかに! 安倍政権の歴史修正主義と公文書改ざんの原点】(http://lite-ra.com/2018/08/post-4190.html

 《日本の加害戦争責任の全貌を見えづらくした要因は、日本にこそある。それは、敗戦直前、日本政府や軍が責任逃れのために戦時資料の焼却処分を行ったからだ》。

   『●『朝日新聞』が「アベ様の犬HK」化しないことを望む:  
           相対的に「大変にマシな報道機関」はどこか?
    《…太平洋戦争時、日本陸軍経理課の軍人として慰安所設置の
     任務に就いた「産経のドン」故・鹿内信隆産経新聞からリベラル色を
     一掃し、極右タカ派の論調でこの新聞を塗り固め自民党政権と
     深く結びつくことでマスコミ業界の大物として君臨した鹿内が、
     さらに驚くべきことを「自慢話」として得意げに語っていたことが
     判りました…》
    《もちろん、こうした事実を産経新聞をはじめとする右派、保守派が
     知らなかったわけはない。少し前に中曽根康弘元首相が
     「土人女を集め慰安所開設」していたという戦時記録を紹介したが、
     今回は自分たちが中興の祖とあおいでいる人物が自社の単行本で
     軍の組織的な関与を認めていたのだ》

   『●「業界の失いつつある信頼」の回復への第一歩:
       NNNドキュメント’15『南京事件 兵士たちの遺言』
    《『NNNドキュメント』(日本テレビ系)が、自民党が「否定」する
     「南京事件」を検証したのだ。その内容は、元日本軍兵士の証言や
     当時の日記といった“一次資料”を取りあげ、さらに矛盾や
     不自然な点がないか、番組取材班が徹底的に裏取りを試みる
     というものだった》

   『●加害者性と被害者性…「私たち一人一人が被害者となり、
              加害者となり得る戦争。戦争はどこかで今も…」
    「【記憶の澱/NNNドキュメント’17】…。
     《先の大戦の記憶を、今だからこそ「語り、残したい」という人々がいます。
     …心の奥底にまるで「」のようにこびりついた記憶には「被害」と「加害」、
     その両方が存在しました》」
    「リテラの記事【明石家さんまが「戦争のために税金を
     納めてるんじゃない!」「武器に金使うなら税金収めない」と
     国税局に抗議】…証拠隠蔽・虚偽答弁で昇格された佐川宣寿
     国税庁長官殿に聞かせてやりたいよ、全く」

   『●【南京事件Ⅱ―歴史修正を検証せよ】…
     「「公文書」がいかに重要な意味を持つかを、社会に毅然と示した」
    《番組を通じて「公文書」がいかに重要な意味を持つかを、
     社会に毅然と示した
    《戦中の軍による戦争犯罪・残虐行為を記録した日本側の公文書は、
     敗戦の1945年8月15日の前後に、その多くが焼却されている。
     証拠隠滅のためだ》
    《翻って現在、安倍政権下の日本では、公文書のあり方が問われている
     政府が、存在するものを「ない」と平気で嘘をつく役人が国民の
     知らぬところで文書を改ざんするあるいは「特定秘密」と言って、
     人々の目の届かないところに葬り去ろうとする。こうした政府による
     公文書の隠蔽や改ざんは現代社会の根底を揺るがすと同時に、
     のちの“事実の検証”を著しく困難にさせるものだ


 彼・彼女らの御望みの証拠(証拠隠蔽にもかかわらず、実際には証拠は存在)が無いことが、〝歴史〟が無かったことになる訳がない。いま、アベ様政権の下、過剰な「忖度」などの滅公奉僕精神により、証拠隠滅を図ったとしても、アベ様御夫妻案件やオトモダチ・取巻き連中の悪事が歴史上無かったことにはならない。決して忘れることなく、指摘し続けるだけだ。

 《戦争に関する資料が隠ぺいされたことにより子孫たちに正しい歴史を伝えることができなくなった》…《この廃棄処分が歴史を歪め歴史修正主義を生み出す温床》。
 《公文書は言うまでもなく、為政者の私物などではなく市民の共有財産だ。それが改ざんされたり、破棄されるということは、同時代の社会の根幹を揺るがす問題であると同時に、さらに後の世代がのちに振り返って事実を検証することを阻害するものであり、これは人類史において多大な損害だ。そう考えると、安倍政権の公文書改ざんと歴史修正主義は根っこのところでつながっている
 『●【南京事件Ⅱ―歴史修正を検証せよ】…「「公文書」がいかに重要な意味を持つかを、社会に毅然と示した」』でのリテラ記事でも同様な指摘がなされている…《こうした政府による公文書の隠蔽や改ざんは現代社会の根底を揺るがすと同時に、のちの“事実の検証”を著しく困難にさせるものだ》。

   『●『ペンタゴン・ペーパーズ』: 「報道の自由を守るには
        報道しかない」、でも、沖縄密約と西山太吉記者…
   『●広報…「livedoor NEWSも産経ニュースも、
      記事のタイトルがおかしくネ? ……腐ってんな」
   『●自衛隊PKO日報問題…「森友捜査ツブシ」選挙の
       ドサクサに紛れて人治主義国家ニッポンの人事考査が再び

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http://lite-ra.com/2018/08/post-4190.html


『報道特集』が日本軍の戦犯証拠隠滅の実態を明らかに! 安倍政権の歴史修正主義と公文書改ざんの原点
2018.08.15

     (TBS公式HPより)

 戦後73年が経ち、今年も8月15日を迎えた。今夏も各メディアで戦争を振り返る企画が組まれているが、8月11日に放送された『報道特集』(TBS)の「戦争と記録 大量焼却のワケ」はまさに、現在につながる問題を鋭くえぐった特集だった。

 第二次世界大戦における日本の加害事実や戦争責任について言及すると、歴史修正主義にまみれた安倍応援団ネトウヨは、アメリカやソ連の一方的な主張や資料に基づくでっちあげなどとがなり立てる。実際は日本兵の証言などもありそれ自体ウソなのだが、しかし日本の加害や戦争責任の全貌を見えづらくした要因は日本にこそある

 それは、敗戦直前、日本政府や軍が責任逃れのために戦時資料の焼却処分を行ったからだ。

 ポツダム宣言受諾後の8月14日に閣議決定された焼却命令は、東京だけではなく、地方にまでおよんだ。『報道特集』ではその一例として、広島県福山市に残されていた8月17日に焼却された書類を記したリストを紹介。そこには、徴兵関係や日中戦争に関する書類が焼却されたと記されており、また、番組では軍人名簿が焼かれたことで、恩給の給付に支障をきたした地方自治体があるとも紹介されていた。

 『報道特集』は加えて、実際に焼却に携わった人からの証言も複数紹介している。

 まず、逓信省航空局で暗号を翻訳する業務についていた前沢正己氏は、上司の命令によりありとあらゆる資料を防空壕のなかに入れて焼却処分したと語る。それは電話帳まで燃やすという徹底ぶりで、焼却には2日ほどの時間をかけ、防空壕のなかの空気が足りなくなってなかなか燃えずに大変だったと振り返る。

 戦争に関係する書類を燃やしていたのは、役所だけでなくメディアも同様だった。同盟通信の写真部に勤めていた渡辺清氏は、上司からの命令があり、日比谷公園で書類を焼却するよう言われたと証言している。ちなみに、焼却する理由について上司から説明はなかったという。

 終戦当時内務省の官僚だった故・奥野誠亮元法相は後年、公文書焼却の指示についてこう明かしている。

   「ポツダム宣言は「戦犯の処罰」を書いていて、戦犯問題が起きるから、
    戦犯にかかわるような文書は全部焼いちまえ、となったんだ。
    会議では私が「証拠にされるような公文書は全部焼かせてしまおう
    と言った。犯罪人を出さないためにね。会議を終え、公文書焼却
    指令書を書いた」(読売新聞2015年8月11日)

 番組でも「戦犯処理されたら気の毒だから、犯罪人を出さないようにするために公文書を焼けと言った」と会見で語る奥野の映像を紹介している。

 ようするに、終戦直後に各所で急きょ書類が燃やされたのは、戦争責任の追及を免れるためであり、戦争犯罪に関する証拠を隠ぺいしようとする意図からだった(1946年1月3日にはGHQから復元命令を出されている)。

 ノンフィクション作家の保阪正康氏は番組内のVTRに出演し、終戦直後に行われた公文書の焼却は、自らの保身や責任逃れのために行われた「後世の人間に対する侮辱」とこう評価した。

   「後世の人間に対して、この戦争を客観的に検証しろということの放棄
    私たちの世代への侮辱だと私は思っています。次の世代への侮辱
    ですね。次の世代は、戦争について歴史的な検証をする必要が
    ありますね。そこから逃げたわけですね。
    僕はこの罪のほうが大きいと思う」


■安倍政権の公文書改ざんと歴史修正主義は同根でつながっている

 現在82歳で、戦争を知る世代の毒蝮三太夫氏も怒りを滲ませた。戦争に関する資料が隠ぺいされたことにより子孫たちに正しい歴史を伝えることができなくなったからだ。

   「戦争っていうのはこんなに悲惨で、こんなにむごいもので、
    狂ったように相手を殺すんだということをね、いま我々は
    言っていかないと。運が良かっただけですよ、知らなかったのは。
    自分の歴史というのを糧として生きてるんだもんね。だから、
    書き残すとか振り返るというのはとっても大事ですよね。それが
    正しくなければ、非常にゆがんだ報告が残るわけでしょ」

 まさに、この廃棄処分が歴史を歪め歴史修正主義を生み出す温床となっている。実際は、日本軍の残虐な行為を証明する旧日本軍兵士の証言や、戦時記録も僅かに存在するが(たとえば、中曽根康弘や故・鹿内信隆元産経新聞社長の日本軍による慰安所運営に関する証言など)、公文書がほとんど残されていないのをいいことに、歴史修正主義者たちは「証拠がない」などと主張しているのだ。

 繰り返しになるが、日本の戦争責任や加害の実態の全貌を見えづらくしている最大の要因は責任から逃れるために公文書という一級の第一次資料を破棄するという、日本のあまりに卑怯な行為だ

 しかも、この都合の悪いものは捨ててしまえという卑怯なやり口は現在にもつながっている。毒蝮氏は先の発言のあと、こう付け加えていた。

   「改ざん。よくいま平気でやるような時代になった。怖いね

 毒蝮氏が指摘している通り、安倍政権下の日本では、終戦前後の日本で行われたことと、そっくりな文書破棄や改ざんが次々と起きている自衛隊の日報隠ぺい森友学園に関する決裁文書の改ざんなど、公文書に関する前代未聞の不正行為が発覚している。

 また、終戦直後の日本と現在の日本とでは、上に立つ人間が自らの保身や責任逃れのために公的文書を不正に扱うという点以外にも、もうひとつ共通点がある。TBS報道局の金平茂紀氏は、実際に公的書類焼却の現場に立たされたのは、組織のなかでも下のほうにいた人間であったことを指摘しながらこのように語った。

   「破棄に関わっていた人たちが自分たちのことを『下っ端、下っ端』って
    言ってたでしょ。上の人が下の人に対して汚いことを押し付ける
    という構造は、まったくいまと同じ構造だと思うんですよね。
    森友のときも自殺した人というのは、いちばん現場に近い人だったんですよね」

 公文書は言うまでもなく、為政者の私物などではなく市民の共有財産だ。それが改ざんされたり、破棄されるということは、同時代の社会の根幹を揺るがす問題であると同時に、さらに後の世代がのちに振り返って事実を検証することを阻害するものであり、これは人類史において多大な損害だ。そう考えると、安倍政権の公文書改ざんと歴史修正主義は根っこのところでつながっている

 安倍政権によっていまも現在進行形で“歴史の改ざん”が行われているという事実。戦争責任から逃れるために戦争の記録を焼き捨てたという事実。この2つの事実を私たちはもっと重く受け止めるべきだろう

(編集部)
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●【南京事件Ⅱ―歴史修正を検証せよ】…「「公文書」がいかに重要な意味を持つかを、社会に毅然と示した」

2018年05月19日 00時00分18秒 | Weblog

[【NNNドキュメント’18/南京事件Ⅱ ―歴史修正を検証せよ―】(2018年5月13日)↑]



リテラの記事【日本テレビが南京検証番組の第2弾! 虐殺否定派の「自衛発砲説」に緻密な取材で徹底反論】(http://lite-ra.com/2018/05/post-4014.html)。

 《2015年10月5日に初回放送されるやいなや、大きな反響を呼んだドキュメンタリー『NNNドキュメント 南京事件 兵士たちの遺言』(日本テレビ系)。その続編が、5月14日(13日深夜)に放送された》。

   『●「業界の失いつつある信頼」の回復への第一歩: 
       NNNドキュメント’15『南京事件 兵士たちの遺言』
   『●【NNNドキュメント/南京事件Ⅱ歴史修正を検証せよ
                 …「消し去られた事実の重み…現代に警鐘」


 《消し去られた事実の重み…現代に警鐘》も非常に大事なポイントだった、貴重なドキュメンタリーでした。
 《番組を通じて「公文書」がいかに重要な意味を持つかを、社会に毅然と示した》…《戦中の軍による戦争犯罪・残虐行為を記録した日本側の公文書は、敗戦の1945年8月15日の前後に、その多くが焼却されている。証拠隠滅のためだ》…《翻って現在、安倍政権下の日本では、公文書のあり方が問われている政府が、存在するものを「ない」と平気で嘘をつく役人が国民の知らぬところで文書を改ざんするあるいは「特定秘密」と言って、人々の目の届かないところに葬り去ろうとする。こうした政府による公文書の隠蔽や改ざんは現代社会の根底を揺るがすと同時に、のちの“事実の検証”を著しく困難にさせるものだ》。
 本ドキュメンタリーは、《愛僕者》(©浜矩子さん)らの粉飾国家のやっている種々の問題・事件における証拠隠滅等の行為を、《歴史修正》を助ける愚行として厳しく指弾していると感じた。《僕難》ではなく、真の意味での《国難》が目の前で進行中。

   『●ウヨクが「揶揄」した《赤い宮様》の死…、 
      血で「赤」く汚れた歴史修正主義者は、いま、何を思う?
   『●加害者性と被害者性…「私たち一人一人が被害者となり、
              加害者となり得る戦争。戦争はどこかで今も…」
    「【記憶の澱/NNNドキュメント’17】…。
     《先の大戦の記憶を、今だからこそ「語り、残したい」という人々がいます。
     …心の奥底にまるで「」のようにこびりついた記憶には「被害」と「加害」、
     その両方が存在しました》」

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http://lite-ra.com/2018/05/post-4014.html

日本テレビが南京検証番組の第2弾! 虐殺否定派の「自衛発砲説」に緻密な取材で徹底反論
2018.05.17

     (日テレ公式HPより)

 2015年10月5日に初回放送されるやいなや、大きな反響を呼んだドキュメンタリー『NNNドキュメント 南京事件 兵士たちの遺言』(日本テレビ系)。その続編が、5月14日(13日深夜)に放送された。
 チーフディレクターは引き続き日本テレビ報道局の清水潔氏。桶川ストーカー事件や北関東連続幼女誘拐殺人事件など、警察発表に頼らない独自の調査報道によって真相を追及してきた事件記者だ。
 1937年、日本軍による南京攻略戦の際に繰り広げられた、捕虜・民間人に対する大量殺戮や略奪、強姦、放火。その総称が、南京事件ないしは南京大虐殺と呼ばれる戦争犯罪である。前作『南京事件 兵士たちの遺言』は、元日本軍兵士の肉声や当時の日記などを中心に、取材班が現地取材も含め、矛盾点がないか徹底的な裏取りを試みる内容だった。
 イデオロギー論争の絶えない南京事件を扱いながら、丹念な調査報道で“事実”を浮かび上がらせた同作は、放送後、日本テレビにも大きな反響が寄せられた。その約9割が賛意を示すものだったという。また、専門家のあいだでも高い評価を集め、ギャラクシー賞テレビ部門優秀賞など数々の賞を受賞。ギャラクシー賞受賞式での清水氏の「忖度の“そ”の字もない番組をつくりたかった」という言葉も話題になった。
 しかし一方で、案の定というべきか、「南京虐殺はなかった」と主張するネット右翼や歴史修正界隈からは、格好の攻撃の的にされてしまった。たとえば産経新聞は放送から約1年後、例の「歴史戦」なる歴史修正シリーズにおいて番組を名指しで批判。「南京事件で虐殺はゼロかごく少数」と主張して大多数の歴史学者から白い目で見られている「まぼろし派」(虐殺否定派)の学者らの言葉を借りながら、「中国の謀略宣伝のやり方と酷似」などと難癖をつけまくり、“偏向番組”のレッテルを貼ろうとしたのだ。
 そうしたネガティブキャンペーンの効果もあってか、放送から2年以上が経った今も、相変わらずネット上では「南京虐殺は中国の創作」「虐殺はなかった」なるデマが絶えない。いや、ネトウヨだけではない。中国による南京虐殺の世界記憶遺産への登録に猛反発してきた日本政府・安倍政権を中心に、南京事件を否定しようとする政治的な動きもますます強くなっている。
 そんななかで公開された続編。タイトルは『南京事件II 歴史修正を調査せよ』だ。そう、番組は、一次資料や裏付け取材に基づいて、リビジョニズムに対し真正面から回答するとともに、その“根源”がいかなるものであるか、現在の社会全体へ突きつけたのである。


■南京虐殺否定派、ネトウヨたちが主張する「自衛発砲説」を徹底検証!

 たとえば放送では、あえてネット上で〈(『南京事件 兵士たちの遺言』は)プロパガンダでしょう〉〈虐殺ではなく、自衛行為に相当します〉なるカキコミが目立つと紹介。さらに「事件に対して異論を唱える人たちのなかには現職の国会議員までもふくまれています」というナレーションとともに、昨年12月開催の「外務省 目覚めよ!南京事件はなかった」と題された集会のパンフレットを映した。
 この集会には稲田朋美元防衛相も登壇し、「日本の名誉を守るとは、いわれなき非難や事実と違うことに断固として反論することだ」などと語ったという。こうした外務省の見解とも相反する否定論に政権の有力政治家が積極的に参与していることを示したうえで、番組では後半、否定派の論拠を徹底検証。なかでも、捕虜の大量殺戮を正当化しようする「自衛発砲説」への検証取材は、極めて力の入ったものだった。
 「自衛発砲説」とは、簡単に言うと、1937年12月17日、陸軍第十三師団山田支隊(歩兵第103旅団)の基幹だった歩兵第65連隊による揚子江沿岸での数千〜数万人の捕虜銃殺・刺殺を、「捕虜を解放するため沿岸に連れていったが、暴動を起こしたためやむなく制圧した」と読み換えるもの。「捕虜が計画的に収容所へ放火し混乱を引き起こした」「対岸の中国兵が発砲、捕虜が勘違いをして暴れだした」「国際条約上、逃亡中の兵士の処刑は正当である」(東中野修道・亜細亜大学教授など)との主張とセットで語られることが多い。ようするに、捕虜の殺害は偶発かつ正当であり、「虐殺」には当たらないというストーリーである。
 なお、前述した産経新聞による『南京事件 兵士たちの遺言』に対するバッシング記事も、この「自衛発砲説」に番組は踏み込んでいないとして批判材料に使っていた(実際には番組中で紹介及び説明をしていたので、明らかな言いがかりだが)。
 ところが、この「自衛発砲説」は軍の公式記録として残っているわけでもなんでもない。それがなぜ、否定論者やネトウヨの間で“定説”であるかのように流布しているのか。番組はその根拠を検証するため、説のルーツを辿っていく。
 番組によれば、ネットを中心に広がる「自衛発砲説」のほとんどが、近年発行された書籍からの引用だったという。具体的には「まぼろし派」である前述の東中野教授らの著書だ。そこからさらに情報を遡ると、最終的に、1964年に出された『郷土部隊戦記』という本にいき着く。捕虜殺害を実行した歩兵65連隊の出身地である福島県の地元紙・福島民友新聞社が発行したもので、このなかに「南京虐殺事件の真相」と題された章がある。
 番組取材班は、会津若松に向かった。同書が出る二年前には、福島民友新聞でその元となった記事が書かれていた。番組によれば、これが「自衛発砲説」を世に初めて伝えたものだという。


■「自衛発砲説」は部隊の責任者の主張にもとづいたもの、その信憑性は…

 本サイトも『郷土部隊戦記』を確認したが、要約するとこうなる。歩兵65連隊は12月15日に幕府山砲台付近で大量の捕虜を得て〈非戦闘員をただちに釈放〉したが、残りの〈約八千人の捕虜の処置に困った〉山田栴二旅団長が南京の軍司令部に部下を派遣して指示を仰いだところ、〈軍司令部の考えは「みな殺せ」という驚くべき意向だった〉。そして15日夜の9時すぎ、捕虜が夕食の炊事中に〈計画的放火〉を起こし、その混乱に乗じて約半数が逃亡したという。
 16日にも山田旅団長は部下を軍司令部に派遣して〈捕虜を殺すことはできぬ〉などと掛け合ったが〈「捕虜は全員すみやかに処置すべし」という軍命令〉が出された。そして問題の17日、〈軍命令を蹴って連隊長の独断専行〉で、部下の大隊長に〈今夜暗闇に乗じて揚子江対岸に解放しろ〉と指示があったという。以下、核心部分がこのように続く。

しかし思わぬ事態が発生した。夜十二時ころ、十数隻の小舟にのって1回目に渡河した二、三百人が中流までいったところ、対岸の中国軍が日本軍の渡河と見誤ってにわかに発砲してきたのだ。この銃声にこちらの岸に集結していた捕虜は「日本軍がわれわれを江上にひき出して銃殺する」と誤解してしまった。たちまち大混乱が起こった。彼らは猛然と警戒のわが兵たちを襲い出した。約四千人近い大集団が死に物ぐるいで一度に、いきり立ったのだからたまらない。いくら制止しても聞かず、恐怖を感じた兵は発砲するほかはない。部隊でも将校一人、兵六人が捕虜の群にひきずり込まれて死亡した。
 翌朝、江岸には不幸な捕虜の死体が残った。しかしその数は千人を上回った程度で、ほとんどは身のたけはゆうにある江岸のアシを利用し、あるいは江上にとび込んで死亡したのである。これが事実のすべてである。全員解放というわが方の意図は突発事故のために結局実らないでしまい、遂にわが方も人的損害を出してしまった。国際法によれば、逃亡する捕虜は射撃して差し支えないことになっているが、両角部隊の場合は、当然これに該当するものと思われる。もしこれが戦犯部隊であるとするならば連隊長らはとうに処断されているはずだ。〉

 まさに虐殺否定派が唱える「自衛発砲説」である。だが実は、この記述は、主に両角連隊長への取材に基づいていた。つまり、部隊の責任者の主張がまとめられたものだったのだ。
 それだけでも保身のための証言ではないかとの疑念が浮かんできて当然だが、しかし、番組は即断しない。この記述の信憑性を別の複数の資料や証言と重ねることで慎重に検証するのだ。


■両角連隊長メモの矛盾、現場の兵士たちの日記や証言と食い違いが多数

 たとえば、両角連隊長が残したというメモ。15日から18日にかけては、ごく簡潔にこう書かれていた。

〈十五日 俘虜整理及附近掃蕩
 十六日 同上、南京入城準備
 十七日 南京入城参加、Iハ俘虜ノ開放準備、同夜開放
 十八日 俘虜逸脱ノ現場視察、竝ニ遺体埋葬〉

 これに従えば、両角連隊長は17日に捕虜の解放を準備したことになる。一方、16日には捕虜に全く触れられていない。なぜか。
 実は、番組が明らかにしたように、16日にも揚子江沿岸での捕虜虐殺が行われていた。ある上等兵の日記にはその模様が克明に記されている。

〈12月16日、捕虜せし支那兵の一部五千名を揚子江の沿岸に連れ出し、機関銃をもって射殺す〉
〈その後、銃剣にて思う存分に突刺す〉
〈自分もこのときばかりと支那兵を三十人も突き刺したことであろう〉
〈山となっている死人の上をあがって突刺す気持ちは鬼をもひがん勇気が出て力いっぱいに突刺したり〉
〈うーんうーんとうめく支那兵の声。一人残らず殺す。刀を借りて首をも切ってみた〉

 この証言は前回の『南京事件 兵士たちの遺言』でも取り上げられたものだ。1994年に、在野の研究者・小野賢二さんがこの上等兵にインタビューしたときの映像も放送されており、はっきりとした口調でこう語っていた。

「機関銃を持ってきてバババーッと捕虜に向かって撃っちゃったんだ。捕虜はみんな死んだけれども、『なかに弾に当たんねえみたいなのがいるかもしれないから着剣して死骸の上を突いて歩け』と。ザッカザッカ突いて歩いた。おそらく30人くらい突いたと思うが。何万という捕虜を殺したのは間違いねえ」

 まだ終わらない。取材班は、上等兵の証言とさらに複数の別の元日本兵による日記とを重ね合わる。すると〈一万七千二十五名の三分の一を引き出し射殺す〉(歩兵第65聯隊第八中隊少尉の日記)、〈揚子江畔にて銃殺〉(山砲兵第19聯隊第八中隊伍長の日記)など、小野さんが所有する日誌やコピー合わせて31冊の多くが捕虜の銃殺に触れており、なかには、不自然にも12月16日の記述だけが消されていた日記もあったというのだ。つまり、現場の兵士たちによれば、16日にはすでに数千人規模の銃殺が行われていたことになる。


■両角メモの真相とは?65年前両角連隊長に直接取材した元新聞記者が証言

 しかし、繰り返すが、なぜか両角連隊長はそのことに全く触れていない。それどころか、不可解にも翌17日になって「俘虜開放準備」をしたというのである。明らかな矛盾だ。しかもメモによれば、両角連隊長は17日に南京入城式に参加しており、番組が紹介した第65連隊の第四中隊少尉の映像ではこんな証言がなされている。

「現地には誰もこないですね」
「そういう職業軍人はいないですよ」

 両角連隊長は自分で銃殺現場を見ておらず、現場にいた責任者は別の大隊長だった。そして、大隊長の護衛として現場にいた上等兵の日記には、12月16日に〈二千五百名 殺す〉とあり、加えて、両角連隊長が自衛のための発砲を主張する17日には〈今日は南京入城なり〉〈俺等は今日も捕虜の始末だ〉〈一万五千〉と記されていた。さらに、別の少尉はその大隊長から「箝口令がありました」と証言し、このようにも語っていた。

「(捕虜を)解放しようなんてね、船もなしに。よくそんな偉い人はぬくぬく言うなあと思いました。戦後記事になったでしょう。捕虜を解放しろなんて言ったなんてね。とんでもない詭弁ですよ」

 はっきりと浮かび上がる食い違い。そして番組は、決定的な証言を得る。65年前、両角連隊長に取材し記事を書いた福島民友新聞の元記者を探しだして、清水ディレクターが直接、インタビューをしたのだ。
 元記者の阿部輝郎さんは、85歳になっていた。取材当時、両角連隊長の自宅に2回訪問し、2日にわたって長い話を聞いたという。阿部さんもまた清水氏の質問に対し、両角連隊長は現場におらず、捕虜殺害を見ていなかったと答えた。そして、両角連隊長によるメモは「戦後になって、昭和30年代になって書いたものである」と証言したのである。
 現場の兵士たちの証言等と多く点で矛盾した、両角連隊長の「自衛発砲説」は、もはや完全に崩れたのだ。番組では、こうした裏付け取材を経て、否定派の唱える「自衛発砲説」の根拠は「軍の責任者たちが戦後に言い出した弁明だった」と結論づけたが、実際、そういうことだったとしか考えられない。


■歴史学的に見ても、戦後に書かれた両角メモの信憑性は極めて低い

 言っておくが、番組の結論は歴史学的手法としても正当なものだ。たとえば、南京事件をめぐる論争では「中間派」を自称する保守派の近代史家・秦郁彦氏は、『南京事件 増補版』(中央公論新社)のなかで、各種資料の評価基準をAからEの順で解説している。
 それによれば、最も確度が高いのは、事件に関わった日本軍の司令部や実働部隊の作戦命令、陣中日誌などの公的記録等、すなわち「A 公文書記録」。続いて「B 指揮官クラスの業務日誌・メモ類」、その下に「C 一般従軍者の私的日記・メモ類」として、これらを「第1次資料」と分類する。一方、そうした第1次資料よりも信頼性が劣る「第2次資料」として「D 戦後の研究所・論文」、その下に「E 従軍者の戦後における回想記・回想談」と並べている。
 番組が取り上げた資料・証言に照らし合わせると、複数の現場の兵士が従軍中に記した日記等はC=第1次資料に分類されるだろう。一方、「自衛発砲説」を主張した両角連隊長のメモ、あるいはその回想をまとめた記事は戦後になってつくられたものなのでE=第2次資料となる。なお秦氏は、Eは〈玉石混交〉だが〈第一次資料と照合しつつ裏付けの聞きとりをすれば有益な場合がある〉としている。番組では、両角連隊長のメモや回想録を第1次資料を含む複数証拠と付き合わせることで、その信頼性のなさを明らかにした。お見事としか言いようがない。
 なお、両角連隊長のメモは、陸軍の元幹部らによる組織である偕行社がまとめた『南京戦史資料集II』にも、前述の阿部元記者が筆写したものとして所収されている。通称「両角日記」で、番組はこの“幻”とも言える原本を示したわけだ。また、同資料集には「両角業作手記」と題した文書も収録されており、本稿でも引用した『郷土部隊戦記』の内容と似たものとなっている。
 偕行社の『南京戦史資料集』は南京事件研究の基礎文献と位置付けられており、虐殺否定派もしばしば引用してきた。だが、同資料集冒頭の解説には「両角日記」及び「両角手記」の性質についてこう断言されていることに、なぜか否定派はあまり言及しようとしない。

〈『両角業作大佐の日記』は、メモと言った方がよいかも知れぬ簡単なもので、問題の幕府山で収容した捕虜の処置については、その全体像を明らかにすることはできない。〉
〈『手記』は明らかに戦後書かれたもので(原本は阿部氏所蔵)、幕府山事件を意識しており、他の第一次資料に裏付けされないと、参考資料としての価値しかない。〉


■戦争犯罪を記録した「公文書」の多くは焼却……番組が突きつけた「公文書」の意義

 どうだろう。もっとも、清水ディレクターを始め番組取材班もこの資料集を熟読していないはずがないが、そこからさらに裏取り取材を徹底したことは、率直に言って感服する。いま、ネット上ではまたぞろネトウヨが〈産経に色々指摘され悔しくて反論番組作ってみたつもりなんだろう〉〈本当か?日本のイメージダウン作戦?〉などとほざいているが、もはや話にならないだろう。
 ちなみに、前作『南京事件 兵士たちの遺言』に対する産経の攻撃については、本サイトで当時いかにインチキであるかを詳報したので、ぜひ、そちらもご一読いただきたい(http://lite-ra.com/2016/11/post-2680.html)。
 いずれにしても、丹念な調査報道によって、またもや南京における虐殺の客観的事実を突き止めた『南京事件II』だが、もうひとつ、特筆すべきことがある。それは、番組を通じて「公文書」がいかに重要な意味を持つかを、社会に毅然と示した点だ。
 戦中の軍による戦争犯罪・残虐行為を記録した日本側の公文書は、敗戦の1945年8月15日の前後に、その多くが焼却されている証拠隠滅のためだ。南京攻略戦に関する軍の資料も、やはり敗戦前後に、市ヶ谷の陸軍省で燃やされていた。番組では冒頭、焼却され、埋められた公文書の一部が、焦げた紙の束として防衛省の敷地内から出てきたことの紹介から始まる。その現物は、ところどころ焼け跡があり、記録の全体を読むことは、もはや不可能となっている。
 南京事件の全貌がかくも見えづらく、もっぱらイデオロギーに利用される原因のひとつは、こうした公文書つまり一級の第1次資料が、意図的に処分されてしまったことにあるのは言うまでもなかろう。
 翻って現在、安倍政権下の日本では、公文書のあり方が問われている政府が、存在するものを「ない」と平気で嘘をつく。役人が国民の知らぬところで文書を改ざんする。あるいは「特定秘密」と言って、人々の目の届かないところに葬り去ろうとするこうした政府による公文書の隠蔽や改ざんは、現代社会の根底を揺るがすと同時に、のちの“事実の検証”を著しく困難にさせるものだ
 『南京事件II』の副題は、「歴史修正を調査せよ」だった。これは、南京事件だけの話ではない。私たちは、いま、安倍政権によって、現在進行形で“歴史の修正”がなされているという事実を、もっと深刻に受け止めるべきではないか。

(編集部)
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●オトモダチ「利権」塗れ…「この国でもっとも「利権」から遠い生活保護受給者の暮らしがまた脅かされる」

2018年03月30日 00時00分39秒 | Weblog

[※ 自公選挙公約「子育て…」小躍りするアベ様日刊ゲンダイ(2017年12月19日)↑]



マガジン9の鈴木耕さんのコラム【言葉の海へ/第26回:壊れゆく国の片隅に(鈴木耕)】(http://maga9.jp/180321-5/)。

 《政治がひどいことになっている。次から次へと、公文書の隠蔽だの、改竄文書だの、データのデタラメだの、政治家の圧力だの、官僚のごまかし答弁だの、政権幹部の開き直り放言だの、頭は下げない謝罪だの、疑惑のあの人の逃亡だの、与党議員の目も当てられないヨイショ質問だの、もう何が何だか分からない。…困った国になってしまった。各社の世論調査が出てきた。そろって、安倍内閣支持率の急落を告げている。街には安倍退陣」「麻生辞めろ」「安倍内閣総辞職の風が吹き始めた。ぼくも、そう叫ぶ》。

 《警官隊の異常な警備が抗議参加者たちを抑圧》《安倍政権が危うくなると警備が危険なほど横暴になる》…沖縄では、それがずっと続いている、相当に異常な状況。「本土」は見て見ぬふり。

 五月雨式に起こっている、アベ様に係わる諸問題。鈴木耕さんのによるそのまとめ。結論は、《街には安倍退陣」「麻生辞めろ」「安倍内閣総辞職の風が吹き始めた。ぼくも、そう叫ぶ》。「2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」が公文書「書き換え」という名の「捏造」=犯罪の引き金たなった訳ですが、この1年間の何という酷さ。

   『●有印公文書偽造=決裁文書書き換え…
       「行政府の長」と財務相が責任をとるべき大変な犯罪

   『●決裁文書書き換えという犯罪…「最低の官房長官」が
          沖縄に向けて言い放った「法治国家」を取り返さねば

   『●「有印公文書偽造=決裁文書書き換え」朝日新聞大スクープ
                     …その直度にアベ様らのやっていたこと
    《意に沿わない人物は潰す――“人格攻撃”された前川前次官が
     いい例だが、安倍政権のやり口は、まさに恐怖政治ではないか
    《結局、目的は “犯人”を黙らせることでしょう。内部告発者を潰すことは、
     国民の知る権利を侵害し、民主主義を破壊する行為

   『●「2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」からの 
         この1年間の無駄…泥縄で有耶無耶にするつもり?
   『●「2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」が
        公文書「書き換え」という名の「捏造」=犯罪の引き金
   『●元祖?・有言実行されない大見得・啖呵
      《報道がそれで抑圧される、そんな例があったら私は辞める》
   『●「国が壊れ、どんどん落ちぶれていく…
       「国難」を叫ぶ人こそが、「国難」の中心にある…」(久原穏さん)
   『●辺野古高江裁判とヒラメ…《「人権のとりで」としての司法が
                 その役割を果たさず、行政と一体化すれば…》
   『●それぞれの「面従腹背」…《官僚は…政治家は
      尊重しなければならないが、魂までは明け渡してはならない》
   『●「粉飾された「美しい国」」…
    「「夫人、ひいては首相の顔をつぶすわけにはいかない」という恐怖政治」


 オトモダチ「利権」まみれ…《この国でもっとも「利権」から遠い生活保護受給者の暮らしがまた脅かされる》(雨宮処凛さん)。壊れた国、非民主主義国、《日本国憲法が規定する…などを実現していく政治》を否定するアベ様。

 同誌のコラム【雨宮処凛がゆく!/第441回:金沢市役所の刺傷事件と、生活保護打ち切り。の巻】(http://maga9.jp/180321-2/)によると、《どのような理由があろうとも、人を傷つける行為は決して許されることではない。そのようなことを前提にしつつも、一方で思うのは、生活保護打ち切りは、当人にとっては死の宣告に等しいということだ…生活保護打ち切りが当事者にもたらす絶望の深さ森友問題では「首相夫人」の一声があれば魔法のように巨額のお金が動くらしいのに対し、この国でもっとも「利権」から遠い生活保護受給者の暮らしがまた脅かされる》。

   『●弱い者イジメ…「『低所得世帯の生活水準が下がった』なら、
                  『貧困は改善』は嘘で、アベノミクスは失敗」
    《志位委員長の質問が、素晴らしかった…「今回の生活保護削減予算は
     160億円。米軍への『思いやり予算』など米軍経費の来年度の
     増加分195億円をあてればおつりがきます
     政府がまず思いやるべきはどちらなのか?」》
    「《誰のための政治なのですか。誰のための税金なのですか。
     税金は安倍総理のポケットマネーではありません》! 
     《日本国憲法が規定する生存権表現の自由幸福追求権
     個人の尊重法の下の平等などを実現していく政治》を否定する
     アベ様ら、与党や癒党を支持する人達って、一体何を考えているの?
     《政府がまず思いやるべきはどちらなのか?》、
     彼/彼女らは答え得るのか?」

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http://maga9.jp/180321-5/

言葉の海へ
第26回: 壊れゆく国の片隅に鈴木耕
By 鈴木耕  2018年3月21日


異常警備の裏で

 政治がひどいことになっている

 次から次へと、公文書の隠蔽だの、改竄文書だの、データのデタラメだの、政治家の圧力だの、官僚のごまかし答弁だの、政権幹部の開き直り放言だの、頭は下げない謝罪だの、疑惑のあの人の逃亡だの、与党議員の目も当てられないヨイショ質問だの、もう何が何だか分からない。

 そりゃ怒るよ、みんな。だから国会前は言わずもがな、新宿駅前デモでも人が溢れ、全国各地で続く安倍抗議集会やデモの数は日増しに増えて盛り上がっている。だが、それに呼応するように、警官隊の異常な警備が抗議参加者たちを抑圧している。

 どうも、安倍政権が危うくなると警備が危険なほど横暴になる、という相関関係があるらしい。あの安保関連法秘密保護法のときにそうだったように、いやそれ以上に、このところの警備のやり方はひどい

 沖縄の高江ヘリパッド反対運動のときも、その高揚を抑えつけるために全国各地の機動隊を動員して、抑圧や暴言(例の「土人発言」はこのときのもの)を繰り返した、という例がある。

 国会前では、意味もなく参加者の列を分断し、狭い場所へ無理やり押し込める。国会議事堂前の地下鉄駅のほとんどの出入り口を封鎖し、せっかく来た人たちを外へ出さない。やっと外へ出ても、デモの場所(官邸前や国会正門前)にはたどり着けないように、大まわりの道へ無理やり誘導する。当然ながら参加者数は減る。

 ではタクシーでと、国会前に乗り付けても、なんだかんだと妙ないちゃもんをつけて直接デモ会場へは通さない(これは、ジャーナリストの山崎雅弘さんと布施祐仁さんのツイートだが、同じような報告がツイッター上には溢れている)。

 なんとしてでも、デモ参加者数を少なく見せたいという魂胆なのだろうが、それは安倍官邸からの指示なのか、それとも警察官僚による「安倍忖度」なのか? デモ参加者に恐怖感を植え付けて、もう参加しないという気持ちにさせるのが目的なのか?

 もはや、この国にはデモの自由さえなくなりつつある

 国会前など、行ってみればよく分かるけれど、初めて来ましたと言う若者や、仕事帰りのスーツ姿のサラリーマン、いても立ってもいられなくてと言うママ連、それにとても屈強な警官隊になど太刀打ちできるわけもない高齢者など、強権で抑えつけなければならないような集団では決してない。それでも巨大な参加者数を報じられるのを、安倍政権は恐れているのだろう。ひたすら警備による分断と押し込めで、参加者数を少なく見せようとしているのだ。支持率にひびくからだ。

 異論を許さない。反対する者は叩き潰す。最後は暴力を持ってでも押し通す。これがこのところの安倍首相のやり方ではないか。

 許しておいては「民主主義」など死ぬ。亡くなった俳人の金子兜太さんが揮毫してくれたように「アベ政治を許さない」を実現しなければ、民主主義どころか、この国は壊れてしまうだろう。

 『この世界の片隅に』という映画をもじっていえば、ぼくらはいま「壊れゆく国の片隅に」生きている。なぜ「壊れゆく国」なのか? 最近の事例は枚挙にいとまがない。


◎自衛隊日報隠蔽事件

 ジャーナリスト布施祐仁さんが掘り起こした、南スーダンの自衛隊PKO(国連平和維持活動)の日報が、なぜか隠蔽されていたという事実。これは2017年2月に問題化し、稲田朋美防衛相のトンチンカンな釈明とウソが火に油を注いで、収拾不能に陥った。安保関連法で、むりやり「駆けつけ警護」をPKO任務に追加したことも、問題を複雑にした原因だった。

 稲田氏は日報にあった「戦闘行為」をなんとか「武力衝突」と言い換えて逃げようとしたが、ことは収まらず、ついには安倍首相も初の女性首相候補ベタ可愛がりしていた稲田氏を更迭せざるを得なかった。

 文書隠蔽とか改竄などが表沙汰になったのは、このころからではないだろうか。


◎働き方改革と裁量労働制

 これもそうとうにメチャクチャ。しかも、きっかけは安倍首相本人。安倍氏が裁量労働制をとにかく成立させようとして「裁量労働をなさっている方のほうが、そうでない方たちよりも労働時間が短いというデータもある」と言い放ってしまったのが発端だった。

 野党が「裁量労働では、かえって労働時間が長くなるのではないか」と詰め寄ったのに対し、「自分の裁量で労働時間を決めることができるような働き方になれば、労働時間短縮につながるというデータがある」とデータを示して突っぱねた。だが、このデータがまったくのデタラメだった。

 「1日15時間の残業」などというデータまで出てきてしまった。これでは1日23時間働いたことになる。いつ寝るのか、と詰め寄られて厚労省は真っ青。こんなデタラメデータがつぎからつぎへと暴露され、安倍首相、ついには今国会の目玉法案のひとつだった「裁量労働制」を働き方改革法案から削除してしまった。だが、財界が固執する同じような制度の高度プロフェッショナル制度だけは、なんとしてでも通したいらしい。

 デタラメ文書大売り出しの始まりである。


◎加計学園問題

 これはいわゆる「安倍お友だち優遇の最たるものだろう。加計孝太郎氏と安倍晋三氏は同じ留学仲間、今でも「腹心の友」の関係だという。その加計孝太郎氏が計画した「獣医学部」認可に、妙な配慮が働いたのではないか、という疑惑だ。「首相のご意向」なる文書が出たが、菅官房長官は「怪文書みたいなもの」と一蹴。自分たちに都合の悪いものは「怪文書」と切り捨てるという菅氏の定番記者会見

 同じように獣医学部を申請しようとしていた京都産業大学が諦めた経緯も不可解であり、そこに何らかの政治的力学が働いたのは確実だ。

 権力者と近しいものが事業上での利益を得るということになれば、そこに腐敗が生じるのは歴史上の真理である。それなのに、利益を得たと疑われる加計孝太郎氏は一切出てこない。もし何もやましいことがないのなら、さっさと出てきて事実を淡々と語ればいいだけの話。それをまったくしないのだから、疑われても仕方ない。

 森友の件に加えて、次はここが火元になる。


◎山口敬之レイプ事件のもみ消し

 これも「安倍お友だち案件」である。いまさら言うまもないが、山口元TBS記者は、安倍ベッタリ番としてよく知られていた。一緒に飲み食いはもちろん、結婚式にまで出席していたともいう。安倍ヨイショ本の著者としても有名で、問題発覚以前はテレビの政治コメンテーターとして各局で引っ張りだこだった

 そのベッタリ友だちが、伊藤詩織さんレイプ事件の犯人として逮捕状まで出されていたのに、なぜか拘束寸前で中村格警視庁刑事部長(当時)の命令で逮捕は免れた。実はこの中村氏は、かつて菅義偉官房長官の秘書官を務めており、安倍首相とも親しかったことが分かっている。つまり、安倍首相のお友だちジャーナリストが起こした事件を、安倍首相の子分の警察官僚がもみ消した、という構図なのだ。


◎森友学園事件

 もう連日の報道で、耳タコだろうけれど、これはほんとうにひどい“事件”だ。300カ所にもわたって重要書類、公文書が勝手に改竄されていたなどということは、前代未聞の大政治スキャンダルだろう。いつもは威丈高に朝日新聞の悪口を国会の場でも言い募る(まことに下品な)安倍首相も麻生財務相も、さすがに朝日批判を封じてしまった。それだけ朝日新聞のスクープの信憑性を認めざるを得なかったわけだ。

 この疑惑・事件の中身は連日の報道でよく分かっているだろうけれど、ここで露呈したのは、自民党議員たちの劣化の凄まじさだ。19日の参院予算委員会で質問に立った自民党の青山繁晴氏と和田政宗氏の呆れるほどの壊れっぷりが壮絶だった。

 青山氏は「文書の中で安倍昭恵さんの『倍』の字が『部』に間違っていた。これは昭恵さんが客観的に見て重要じゃなかった証拠何が何でも昭恵さんをかばう。一方、和田氏は太田理財局長に対し「太田さんはかつて民主党の野田総理の秘書官だった。だから安倍総理を貶めアベノミクスを潰すために答弁している」ととにかくすべてを財務省に押しつける。さすがにこれには太田氏、真っ赤になって語気を荒げ「いくらなんでもそれは、いくらなんでもそれは」と悲鳴のような声を挙げた。

 自民党、上から下まで壊れている


◎崩壊は司法にも

 森友事件に関していえば、籠池夫妻の長期勾留も常軌を逸している。事の発端は、籠池氏の超右翼教育に安倍昭恵氏がいたく感激、感涙にむせんだというところから始まったのだ。それが安倍首相にも伝わり「籠池さんの教育理念には共鳴する」と、同じ極右同士の親近感を持ち、結果、安倍昭恵氏は新設予定の森友学園の小学校の名誉校長に就任した。それが近畿財務局や本省理財局の「忖度」に繋がっていったとしか考えようがない。

 多分、籠池氏はもっと詳細な昭恵氏についての記憶を持っているに違いない。それをペラペラしゃべられたらたまらない。何が出てくるか分からない。籠池氏を、こんな混乱の渦中で釈放するわけにはいかない。それは安倍内閣がもっとも恐れることだ。だから籠池夫妻は、今の段階で釈放するわけにはいかない。

 これが、2017年8月21日の逮捕以来、7カ月にも及ぶ籠池夫妻の長期勾留の理由であるに違いない。彼らの家も幼稚園も徹底的な捜索を受けており、いまさら証拠隠滅の恐れも逃亡の理由もない。政治的理由の拘束をそのまま受け入れる司法もまた、壊れている

 同様の前例として、沖縄の辺野古米軍新基地反対運動のリーダー山城博治氏の長期勾留もある。彼もまた微罪で逮捕、5カ月間、拘留された。政治的弾圧であるとして、各国の人権団体や国連でも問題視され、ようやく釈放されたのだ。

 政府に都合の悪い人を獄につなぐ。ネット右翼たちが口を極めて罵る中国や北朝鮮とどこが違うのか


前川喜平・前文部事務次官の授業

 これもイヤなニュースだった。2月に名古屋市の中学校で行われた授業の一環で、前川氏が講演したことについて、文科省がきわめて執拗な内容の問い合わせを、市教委にしたという“事件”だ。

 しかもそこでは、前川氏の出会い系バーへの出入りだとか天下り人事の責任者だったことなどをあげつらっており、そういう人物の講演自体が問題であるかのような記述もあったという。まさに、教育への公権力の介入である。ほんの少し前まで自分たちの上司であった人物について、こんな内容の照会をするとは、官僚組織の冷たさを実感させられる“事件”だった。

 ただし、少しだけホッとしたのは、この問い合わせに対する名古屋市教委と当該中学校の校長の態度だった。両者は毅然として「録音テープの提供要請は断った」としており、「前川さんとは事前にお会いして立派な方だという認識を持っていた」と語ったのだ。文科省の役人たちより、よほど立派だ。

 この“事件”には背景があった。自民党のこれもネット右翼系議員2人(赤池誠章氏、池田佳隆氏)が、数回にわたって文科省に照会(要するに圧力)したのが原因らしい。文科省は「省自らの判断での問い合わせだった」と言い訳しているが、そんなこと誰も信じない。ここにも、安倍極右一強政治の最悪な影響が出ている。安倍内閣に刃向かうものは許さない。それを下っ端議員が行動に移した、という喜劇だ。

 困った国になってしまった。

 各社の世論調査が出てきた。そろって、安倍内閣支持率の急落を告げている。

 街には安倍退陣」「麻生辞めろ」「安倍内閣総辞職の風が吹き始めた。


 ぼくも、そう叫ぶ。
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