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●癒(ゆ)党・《菅義偉の別動隊がいよいよ動き出した》―――《部分連合》などと言わずに、スッキリと自公お維で一体化してほしいもの

2021年09月04日 00時00分46秒 | Weblog

[※《自助》大好きオジサン・元最低の官房長官と学商 (日刊ゲンダイ 2020年9月7日)↑]

カースーオジサンは総裁選に出馬しないそうです。
 東京新聞の記事【菅首相が辞意固める 「コロナ対策に専念したい、総裁選に出馬しない」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/128670)によると、2021年09月03日(金)、《菅義偉首相は3日、辞任する意向を固めた。自民党臨時役員会で「新型コロナウイルス対策に専念したいので総裁選に出馬しない。任期は全うする」と述べた。関係者が明らかにした。(共同)》…そうだ。アベ様に続き、政権放り投げ。どこまでも無責任。
 自民党総裁? 誰でも同じ ――― 野党による政権交代を! 数多のアベ様案件の解明、公文書の開示だけでも、十分に政権交代の意義はある


(20210901[])
日刊ゲンダイのコラム【適菜収 それでもバカとは戦え/スガ別動隊の維新支持は「愚の骨頂」だ…菅、安倍、橋下松井ズブズブの関係】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/293936)。

 《日本維新の会幹事長の馬場伸幸がテレビ番組に出演し、次期衆院選の結果を踏まえ、自民、公明両党と政策ごとに連携する部分連合に含みを持たせた(8月22日)。菅義偉の別動隊がいよいよ動き出したようだ》。


【↑ 『適菜収 それでもバカとは戦え真相究明と責任追及を“大阪ノーサイド”なんて冗談じゃない』 (2020年11月14日、日刊ゲンダイ)】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/281280

   『●「広域行政一元化」なんて言い始めた《大阪の3バカが活動拠点を
     国政に移せば、日本は目も当てられなくなるだろう》(適菜収さん)
   『●リコール対象はコチラなのでは? 大阪市廃止「ト」構想の《関連経費
      として投入された公金は100億円を超える》、さらに公明党と密約
   『●大阪「ト」知事三代が大阪破壊 … 「身体が痛いおばあさんに手術を
      待ってもらう知事が、先の万博を胸にぶら下げてる…」(坂本篤紀氏)
   『●組織的な署名不正など無く公正な条件下でリコールされるべきはお維
          ――― 吉村洋文大阪「ト」知事「厳正に処罰されるべきだ」と宣う
   『●大阪「ト」知事三代の重大な責任 ——— 大阪市廃止大阪「ト」構想、
     カジノ、万博、お維関係者の数多の問題、そして、リコール不正署名
   『●《巨額の税金を“言い値”でフンだくられ、リターンは「遅さ日本一の
      命綱」…まるでパソナ支援金》(日刊ゲンダイ)…大阪「ト」知事三代
   『●《「中等症以下は自宅療養」の方針。…そんななかこれを「菅首相の
     大英断」と褒め称えた人物がいる。橋下徹・元大阪市長だ》(リテラ)

 癒 (着) 党・ゆ党・《菅義偉の別動隊がいよいよ動き出した》。《部分連合》などと言わずに、スッキリと自公お維で一体化してほしいものです。《ズブズブの関係菅政権がダメだから維新の会に投票するというのは愚の骨頂》《…「(立候補は)2万%あり得ない」と言っていた嘘つきである。次の選挙では同じ罠に引っかかってはならない》(適菜収さん)。大阪のお維支持者の皆さんもスッキリするでしょうし、選挙に行かない大阪の《眠り猫》な皆さんも目覚めて選挙に行ってくれるかもしれません。投票率が少しでも上がれば、#投票倍増委員会 会員としてはうれしい限りです。

   『●五輪貴族から《菅総理と小池都知事に功労章が贈られるなんて、
     「儲けさせてくれてありがとう」っていうこと》(ラサール石井さん)
   『●自民党総裁? 誰でも同じ ――― 野党による政権交代を! 数多の
     アベ様案件の解明、公文書の開示だけでも、十分に政権交代の意義はある

 村上誠一郎氏あたりがならない限りは、自民党の誰が総裁になっても同じこと。野党による政権交代を! COVID19対策は当然として、数多のアベ様案件の解明、公文書の開示だけでも、十分に政権交代の意義はある。
 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/なんでもあり?主導権は菅首相に】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202108280000065.html)によると、《★政界関係者が言う。「感染拡大で9月中の解散、その後の総裁選挙が難しくなったとの報道があるが、本当だろうか。20日の朝日の1面には『緊急事態 基準見直し検討 政府、宣言常態化避ける狙い』との見出しが躍る。新規感染者が1週間で10万人当たり25人を超えれば『ステージ4』。感染爆発だ。これにあてはめると今はかなりの都道府県がその対象になる。基準を変えれば緊急事態宣言は外すことができる。ゴールポストが動くわけだがそれができるのは首相だけだ。この後もさまざまな動きが水面下で起こるだろうが、主導権はいまだに首相にあるのだ」。今の流れだけで政局を見通すことは難しい。感染拡大の定義すら変えられるなら、この数カ月、選挙が総裁選だけでなく、政府はなんでもありの時代に突入する》。

 日刊ゲンダイの記事【安倍晋三氏が自民党総裁選で異様に元気なワケは“胸中ビクビク”の裏返し 首相は誰でも構わない?】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/294118)によると、《「彼(安倍氏)は細田派というが、派閥内で支持している有力議員は誰もいないし、キングメーカーなんて話も聞いたことがない。おそらく彼にとっては、総裁・首相は誰でも構わない目的はただ一つ次の総裁が『あの問題から自分を守ってくれるのかどうか』という一点に尽きるだろう」 中原氏が指摘している「あの問題」とは、2019年の参院選広島選挙区を舞台にした大規模買収事件のことだ》。

 《従来から選挙に行く五割の人々のなかでの変化をあらわしている》《自民党支持層の自民党離れ》…であるのならば、「2/4」の選挙に行かなかった《眠り猫》の皆さんが選挙に行けば、ますます雪崩が起きて自公お維は壊滅的に瓦解する。《眠り猫》だった皆さん、目覚めて、選挙に行きましょう!
 長周新聞の記事【横浜市長選の結果が示す自民党基盤の瓦解 コロナが炙り出した統治の腐敗 衆院選の大荒れは必至】(https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/21629)によると、《菅首相のお膝元で 自民支持層の自民離れ…野党候補がとくに強いわけでもないのに、それ以上に自民党離れが加速度的に進行しており、しかもそれらの自民党支持層が棄権ではなく対抗馬に投票していることが結果を劇的に変化させている。いわゆる選挙に行かない五割の無党派層が覚醒してひっくり返したものではなく、従来から選挙に行く五割の人々のなかでの変化をあらわしているのである。IR利権の暴走を巡って地元ボスの逆鱗に触れ、その影響力によって動いた力もさることながら、そうはいっても自民党に入れてきた層すら見離している状況が、改めて顕在化したといえる。これは広島における先の参議院再選挙でも同じで、自民支持層のおよそ2~3割が野党候補に投票し、8年にもわたった安倍私物化政治やその象徴にもなった河井案里事件に辟易として見切りを付け、コロナ禍における政府対応への批判世論とも合わさって保守地盤を揺るがした。そうして、河井案里が当選した参議院選挙よりも投票率は下がり、無党派層はそっぽを向くという状況のなかで、同じように「自民離れ」によって野党候補が当選することとなった。こうした「自民党支持層の自民党離れ」が秋の衆院選でも各地で共通現象となってあらわれるのは必至といえる》。

 なぜ検査検査検査…・追跡・保護をしないのか、さっぱり分からない。弱者や生活・経済を支えている労働者、中小の会社や個人営業者、医療関係者に十分な補償・経済的人的物的支援をすること以外に打つべき手はないというのに、COVID19での無為無策無能ぶりも含めて、何もできない政府や東京都など…。
 マガジン9のコラム【立憲政治の道しるべ 第169回:日本人は、ハードなロックダウンに耐えられるのか?(南部義典)】(https://maga9.jp/210901-3/)によると、《むしろ、方々で主張されていることですが、「お願い」ではなく「命令(罰則による規制)」によって移動制限の実効性を確保しようとするのであれば、その前提条件として一律の現金給付等を定期的に行うことが必要です社会的に弱い立場、環境にいる人ほど、移動制限の法的効果が厳しく、重い負担になるからです。また、政府の側が「強いロックダウンも憲法上可能」と解釈を変更してしまうと、これも厄介な話です。およそコロナ禍のような緊急時には、個人の自由・権利を制約するハードルを下げていいという感覚に陥ってしまいます。例えば、ワクチン接種を一定の対象者に強制的に行うことを可能とするなど、人権侵害を容易に導いてしまうのです。個人の尊厳と幸福追求権、移動の自由、集会の自由、営業の自由、生存権、教育を受ける権利といった憲法上の権利を常に念頭に置く必要があります。NZのジェシンダ・アーダーン首相は会見で “Team of 5Million” という表現を多用しますが、日本の菅総理がこのような表現を用いたら、国民から顰蹙を買うだけでしょう。日本は字義どおりの “Team” となりえ(てい)るのでしょうか。今後、自民党の総裁選挙、臨時国会、衆議院議員の総選挙を通じ、ロックダウンの是非も争点となりうるところですが、用語のイメージや先入観をいったん捨てて、「ロックダウンとは何か、何がしたいのかという中身の議論を掘り下げるべきです。専門家の間で「空気感染」対策にシフトすべきとの意見も強まってきており、そうなれば当然、議論の優先順位が変わります。言うまでもなく、「コロナ禍に便乗して憲法改正を狙う」のは、すでに時機を逸しています》。

 違憲な壊憲? 緊急事態条項の導入?? まずやることをやんなさいよ。ドサクサ紛れに、壊憲など許されるはずもない。
 マガジン9のこらむ【この人に聞きたい 永井幸寿さんに聞いた(その2):緊急事態条項は、「国民を守る」ための定めではない。大きすぎる濫用の危険】(https://maga9.jp/210901-1/)によると、《全国で、新型コロナウイルスの感染拡大が続いています。最初に国内での感染が報告されてから1年半あまりここまでの間に、もっと効果的な策を打つことはできなかったのかと感じる一方、政治家からは「憲法に緊急事態条項がないことが、対応のスピードを鈍らせている」といった声も聞こえてきます。菅義偉首相も、「コロナ禍を機に緊急事態への備えに対する関心が高まっている」などと発言したと報じられました。緊急事態条項とは、災害などの「緊急事態」において一時的に政府に権限を集中させる規定のことですが、果たして本当にそれが、有効なコロナ対応に必要なのでしょうか。そして、コロナ以外の「想定外の事態」への対処を考えたときには──? 阪神・淡路大震災以降、被災者支援に長く携わり、緊急事態条項に関するご著書も多い、弁護士の永井幸寿さんに詳しく解説いただきました》。

   『●まだまだ続くのか、ウルトラ差別主義者の失言・暴言
         …福岡8区の皆さん、いい加減に落選させてください
   『●《この人にそういう羞恥心はない。…山口4区の有権者に聞きたい。
     「投票用紙にまた安倍晋三と書くのですか」と。》(前川喜平さん)



 品格羞恥心も無し、ミーン》ばかりだ。典型例 ⇨《この人にそういう羞恥心はない》アベ様や、ウルトラ差別主義者の副首相・財務相だ。福岡8区山口4区の彼らの支持者や投票者の皆さんの民度も疑うね。
 マガジン9のコラム【言葉の海へ 第178回:「品格」ということ(鈴木耕)】(https://maga9.jp/210901-5/)によると、《そう、「品格」がお墓にも表れるのだから、生きている人間の場合にはもっとあからさまに出てくる。ことに、最近の政治家たちを見ていると、やたらに品格のない人たちがこの世を動かしている。いまさら、あの人とかこの人とか名指しするつもりもないけれど、新聞を開くたびに、ニュース番組を見るたびに、この「品格」という言葉を思い出す。どうしても、卑しい顔が浮かんで来てしまう。卑しさに引きずられて政治がないがしろにされ、このコロナ禍でたくさんの人たちが苦しめられ、終えなくていいはずの生を失った。…米軍は沖縄・普天間飛行場から、発がん性物質を含んだ消火剤を平気で下水に放出した。薄めたからいいだろうと、福島原発処理汚染水と同じケツのまくり方米軍の植民地の宗主意識は抜けていないらしい。『粗にして野だが卑ではない』という本があった。ふと、そんな本のタイトルが頭に浮かんだ》。



 《とにかく選挙に行くこと、もちろん、その前に「忘れないこと」。それが今国民に求められている一番大事なことだ》(古賀茂明さん)。何度でも、何度でも、何度でも、#投票倍増委員会 会員として強く訴えます、自公お維トファに投票してはいけない。主権を取り戻しましょう。主権者として、必ず選挙に行きましょう。

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/293936

適菜収 作家
近著に「日本人は豚になる」「ナショナリズムを理解できないバカ」など。著書40冊以上。購読者参加型メルマガ「適菜収のメールマガジン」も始動。詳細は適菜収のメールマガジンへ。

それでもバカとは戦え
スガ別動隊の維新支持は「愚の骨頂」だ…菅、安倍、橋下、松井はズブズブの関係
公開日:2021/08/28 06:00 更新日:2021/08/28 06:00
菅義偉 安倍晋三 橋下徹 松井一郎

     (同じ罠に引っかかってはならない(菅首相と橋下氏)
      /(C)日刊ゲンダイ)

 日本維新の会幹事長の馬場伸幸がテレビ番組に出演し、次期衆院選の結果を踏まえ、自民、公明両党と政策ごとに連携する部分連合に含みを持たせた(8月22日)。菅義偉の別動隊がいよいよ動き出したようだ。

 しかし、菅と維新の関係を知らない人もいる。

 先日、私が〈一応、念のために書いておくけど、維新のバックに菅義偉や竹中平蔵がいることを知らない人はいないですよね。橋下(徹)「基本的には竹中さんの価値感、哲学と僕らの価値感、哲学はまったく一緒〉とツイートすると100万インプレッションを超える反応があったが、「初めて知った」という内容のリプがいくつもついていた。

 菅本人が語っているとおり、橋下を政界に呼び込む説得をしたのは菅である。

 都構想」=大阪市解体の住民投票の裏にいたのも菅だ。当時、官邸は維新が流した大阪市はなくさないというデマと戦う大阪の自民党の動きを徹底的に妨害した。

 馬場は「(都構想に向けた法整備の)議論をリードしたのが菅首相だ」(2020年10月29日)と言っていたが、実際、菅は12年に「大都市問題に関する検討プロジェクトチーム」の座長を務め、東京都以外の大都市が特別区を設置できるようにする大都市地域特別区設置法の成立を推進した。また、大阪・関西万博誘致をバックアップし、カジノを含む統合型リゾート(IR)の大阪誘致でも連携してきた。

 菅、安倍晋三、橋下、松井一郎の4者での会食は年末の恒例行事になっているが、要するにズブズブの関係菅政権がダメだから維新の会に投票するというのは愚の骨頂である。

 内閣支持率が落ち、求心力を失った菅にとって維新の存在はますます重要になってきた。維新側も菅がコケたら元も子もない。そこで、自公維連立の危険性も高まってきた。そこで橋下を民間大臣に登用ということになったら目も当てられない

 これは杞憂ではない。20年に菅が総裁選に立候補した際も、橋下が総務大臣として入閣する危険性が取りざたされた。橋下は繰り返し政界復帰を否定しているが、07年には大阪府知事選への出馬の準備を進めながら「(立候補は)2万%あり得ない」と言っていた嘘つきである。次の選挙では同じ罠に引っかかってはならない
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コメント
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●前川喜平さん《本来は自由で自律的でなければならない分野にまで政治支配が及ぼうとしている…新聞やテレビ…教育、文化や学問…》

2021年01月24日 00時00分01秒 | Weblog

[※ ↑【夕食会5年間900万円分の領収書破棄か 安倍前首相の政治団体宛てに発行<桜を見る会問題>】(東京新聞 2020年11月26日)]


 (2021年01月03日[日])
マガジン9のインタビュー記事【伊藤塾 明日の法律家講座レポート/憲法と教育〜1947年教育基本法から安倍・菅政権まで〜講師:前川喜平氏】(https://maga9.jp/201223-5/)。

 《7年8ヶ月続いた安倍政権から菅政権へと続く官邸一強体制は、本来自由であるべきメディア、文化、学問、そして教育の分野にも影響を及ぼしています。憲法と教育をめぐる問題について、また、これからの日本の政治教育がどうあるべきかについて、元文部科学事務次官の前川喜平氏にお話しいただきました》

   『●小田嶋隆さん《行政の担当者としてのあたりまえの習慣を、
     安倍晋三氏とその追随者たちは…この8年の間に完膚なきまでに破壊》
   『●息吐く様にウソをつく《稀代の“嘘つき総理”》による7年8カ月に
      及ぶ《憲政史上最悪と名高い安倍政権》…漸く「前夜祭」の真相が
   『●息吐く様にウソをつくアベ様の政の下、この7年8カ月で社会は
     どんどんと壊れていった。さらにスカスカオジサンにも《ビジョンはない》…
   『●《No1 募っているが募集しているという認識ではなかった …
     No39 私が言っている方がおかしいと思う方、手を挙げてください》
   『●【中村敦夫/…嘘もひどいが答弁拒否は度が過ぎている】《Go Toの
      正体は、オトモダチで税金をむさぼり、衆院選挙の準備へGo!》?

 息吐く様にウソをつくアベ様の政の下、この7年8カ月で社会はどんどんと壊れていった。スカスカオジサンにも《この国の未来を見据えたビジョンはない》。
 教育においても、「教育再生」「教育改革」という名の教育破壊。「子育て支援など社会保障の充実を据える1億総活躍社会」の推進」・「子育ての党」を詐称する与党・自公。癒着党・お維もハタやウタの推進が大好きだ。「教育再生」という名の下で、教育破壊してきた皆さんに投票し、支持している「1/4」の皆さんや、投票に行かないことで間接的に自公お維を支持しておられる「2/4」の皆さんの気が知れません。
 この教育破壊までも、無《責任政党》総裁・スカスカオジサンも《継承》するつもりでしょうかね?

   『●「日本教育再生機構大阪」という「教育破壊」つながり… 
         「安倍首相を中心とする異様な翼賛と癒着の構造」
   『●ハタやウタを強制し内心をかき乱す…「良心か職か」、
       そんな冷たき「強制の発想」を支持する最「低」裁
   『●「教育再生」という名の教育破壊…「子どもから変えていこう
                  という動きは実に悪賢い」(小澤俊夫さん)
    「教科書検定や「ト」な歴史教科書の採択強要 ハタやウタの強制
     道徳の教科化(文科省道徳教育教材『わたしたちの道徳』)、
     教育勅語の復活、古くは忠魂碑訴訟現代の教育破壊は着実に
     進む…。大変に憂慮すべき現状なニッポンの教育環境」
    「《戦争屋》のアベ様らには、侵略戦争への反省も無く、壊憲して再び
     「戦争のできる国」へ…、《自分たちの加害をはっきり残し
     『もう絶対にやらないと世界に約束している》ドイツと彼我の差。
     そして今、「教育再生」という名の教育破壊が進む。札束で頬を
     打つように、最高学府の研究・教育にまで侵食」

   『●「教育再生」という名の教育破壊…《二つの流れには共通する
         底流があるように思う。要は「安上がり」なのではないか。》
   『●【NNNドキュメント カネのない宇宙人 信州 閉鎖危機に揺れる
     天文台】…《「経済的利益」を重視する国の政策によって…資金》大幅減
    「2005年から運営費交付金を年1%削減し続ける文科省。人件費が
     どんどんと削られ、研究者が減らされていく。文系どころか、理系に
     対しても未来に投資しない国。一方、巨額の軍事研究費で研究者の
     良心を釣る。おカネ儲けのことしか考えていない独裁者・アベ様ら。
     この国ニッポンの科学の未来はトンデモなく暗い…。」

 アベ様やカースーオジサンによって、如何にニッポンは壊されていったかのか? 《本来は自由で自律的でなければならない分野にまで政治支配が及ぼうとしている》(前川喜平さん)。

   『●偶然は通用しない、アベ様のオトモダチ獣医学部開設…
      前川喜平さん「規制緩和ではない。特権の付与です」
   『●大見得・啖呵「議員辞職」を有言実行しない
       《病的な嘘つき》アベ様…前川喜平氏の人間性と彼我の差
   『●前川喜平前文科次官、「本来、できてはいけないものが
             完成した。見たくないものを見たという感じだ」
   『●前川喜平さん授業…検閲と恫喝、《意に沿わない人物は潰す――。
                 …安倍政権のやり口は、まさに恐怖政治》
   『●隗より始めよ: 「この国をガタガタにし、
      支持率3割は取れる」高プロとして、「自分らができてから…」
   『●霞が関: 「佐川になるな前川になれ」…
      《佐川のような官僚ばかりだったら絶望するしかないだろう》
    「日刊ゲンダイの佐高信さんによる書評【週末オススメ本ミシュラン/
     「面従腹背前川喜平著/毎日新聞出版】…。《落語家の立川談四楼が
     ツイッターで、いま霞が関では<佐川(宣寿前国税庁長官)になるな
     前川になれ>が合言葉になっているとつぶやいたらしい。
     もちろん皮肉である。/…佐川のような官僚ばかりだったら
     絶望するしかないだろう》」

   『●〝前川喜平になるな佐川宣寿になれ〟!?
       「官邸べったり」藤原誠官房長の文科事務次官への昇格人事
   『●「しなやかな反骨」をテーマに東京新聞のシリーズ対談:
      城南信金顧問・吉原毅さん×元文科次官・前川喜平さん
   『●前川喜平さん《社会全体が子どもたちを支えられるように、子どもたちに
        税金を使う仕組みを作らなければいけない》…逆行するアベ様政権

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https://maga9.jp/201223-5/

伊藤塾 明日の法律家講座レポート
憲法と教育〜1947年教育基本法から安倍・菅政権まで〜講師前川喜平
By マガジン9編集部 2020年12月23日

7年8ヶ月続いた安倍政権から菅政権へと続く官邸一強体制は、本来自由であるべきメディア、文化、学問、そして教育の分野にも影響を及ぼしています。憲法と教育をめぐる問題について、また、これからの日本の政治教育がどうあるべきかについて、元文部科学事務次官の前川喜平氏にお話しいただきました。[2020年11月28日@渋谷本校]
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官邸一強体制による政治支配の広がり

 安倍政権が7年8ヶ月続いて退陣し、いま菅政権になって3ヶ月です。この安倍・菅政権の大きな特徴は、官邸が非常に強い政治権力を握っていることです。「官邸一強」体制という状況です。強い権力は続けば必ず腐敗すると言われますが、そういう状況が現に起こっていると私は思っております。

 たとえば安倍政権時代には、憲法9条のもとでは集団的自衛権は認められないという見解を持っていた内閣法制局長官をクビにして、その代わりに集団的自衛権は認められると解釈する人を据え、解釈改憲を断行しました。また、菅政権になってからは、極めて高い独立性と自律性を持った国家機関である日本学術会議にまで政治支配を及ぼそうとしています。

 この官邸一強体制が国家機構の中での三権分立の仕組みまで壊してきています。それだけではなく、国家権力の外にあって、本来は自由で自律的でなければならない分野にまで政治支配が及ぼうとしているのです。その一つはメディア、新聞やテレビですね。それから教育、文化や学問といったところにまで政治の支配が及ぼうとしていて、非常に危ない状況があると思います。

 本日の講演は「憲法と教育」というタイトルですけれども、教育との関係でも危ないことが起きているというお話をさせていただこうと思っております。


教育基本法と日本国憲法

 今から73年前の1947年、教育基本法戦前の日本の教育に対する深い反省のもとに作られました。戦前の日本教育は、国の言うことをなんでも信じ込んでしまう子どもたちを育ててしまった。そうではなく、一人ひとりがちゃんと自分で考えて行動できる、そんな健全な市民を育てよう――こういう考え方で教育基本法ができたわけです。現在ではこの教育基本法は「改正」されていますが、ここでは改正前の法のことを単に「教育基本法」と呼んでお話ししていきます。

 この教育基本法はGHQが日本に押し付けたものだと言う人がいるのですが、当時、戦後の教育の在り方を考える学者たちを集めた教育刷新委員会と文部省との間で、非常に緻密な協議を行った上で作られた法律なんです。当時の文部省では、文部大臣、次官や局長もみんな学者でした。そして教育刷新委員会も学者や教育者で作られていた委員会でした。少なくとも、この教育基本法を作ったメンバーの中に、いわゆる「政治家」はいないんです。

 そして、内容を議論する上で、日本国憲法との関係が非常に強く意識されていました。このことは、教育基本法の前文に非常にはっきりと記されております。

 〈われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである

 憲法の理想にある民主主義や平和、こういうものを実現するためには教育の力が必要だということを言っていたわけです。逆に言うと、戦前のような全体主義軍国主義のような教育に戻ってはいかんという、戦前の教育に対する痛切な反省がここにはあります。日本国憲法の一番大切な価値は「個を尊重する」ということです。一人ひとりの人間をかけがえのない存在として尊重する。教育基本法は、この根本に立ってつくられたのです。


自分で考えて行動できる独立した精神を育てる

 教育基本法は、その第一条で「教育の目的」を打ち出しています。教育の目的には2つあり、第一は「人格の完成」です。人間にとって一番大事なものは何かといえば、私は自由だと思います。つまり自由で独立した人格を持った人間、その人格の完成というのが第一の目的です。そして第二の目的は「平和的な国家及び社会の形成者として」の国民の育成です。これら2つの目的が相まって、民主主義の担い手を育てるということになるわけです。

 つまり自分で考えて行動できる独立した人格と精神を持った自由な人間が、まず存在しなければいけない。この教育基本法の中に出てくる「形成者」という言葉が非常に大切で、最初から国家や社会が存在しているのではなく、国家や社会は我々が作り上げていくものなのです。こういう思想がこの「形成者」という言葉の中に含まれているのです。

 一方、あらかじめ国が存在しているというのが戦前の考え方でした。神武天皇から始まる国体というのがあって、日本人は世界に冠たる国体を持つ日本という国に生まれた宿命を持つという考え方です。教育勅語もそういう考え方に基づいていたのですが、教育基本法では、まず人間がいて、その人間が社会や国家を作る。「市民社会の担い手である自由な市民を育てる」ことが目的だといえます。


天皇制と家制度による戦前の教育方針

 ところが、この教育基本法を制定当初から快く思わない人たちがいました。それは主に教育勅語との関係からです。1890年に作られた教育勅語は、その後五十数年の間、日本の教育を支配したわけです。特に最後の1930年代以降は、教育勅語がファナティック(狂信的)なカルト教団の教義みたいになってしまいました

 実は、教育勅語そのものは、戦後に教育基本法ができた後もしばらく残っていました。教育基本法が制定されたのは1947年3月ですが、翌年1948年6月になってから、教育勅語をこのままにしてはいけないと衆院参院それぞれで決議を行っています。衆議院の決議では、これは憲法に違反する文書であるから排除すると宣言しました。参議院では、教育基本法ができたので教育勅語は失効したという確認をしました。これで教育勅語の命は絶たれたと思われていたのですが、復活させたいと思う人、教育勅語に代わる国民道徳が必要だと考える人が結構いたわけです。

 たとえば、1950年代に文部大臣だった天野貞祐さんという人は、「国民実践要領」という教育勅語に代わる国定道徳というものを作ろうとしました。あるいは1966年に中央教育審議会から「期待される人間像」という答申が出されました。これもある意味、「国が国民の道徳を作る」という試みでした。国民実践要領にしても、「期待される人間像」にしても、最終的には「天皇に対する敬愛の念を持て」というものだったんです。最後に天皇が出てくるあたりが戦前とつながっているわけですね。

 天皇については、日本国憲法第1条に〈日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く〉とあります。国民の道徳として「天皇を敬いなさい」と設定することは、私はこの憲法の規定を逸脱すると思います。しかし、それが戦後も言われてきたわけです。

 もともと教育勅語では、「忠」と「孝」が道徳の柱です。「忠」というのは天皇に対して忠誠心を持てというもの。「孝」というのは家の中でお父様に対して忠誠心を持てというものです。つまり大日本帝国における天皇への忠誠心と、家制度のもとでの家長である父親への忠誠心というのは、一本でつながっている。国は大きな家であり、大きな家のお父様に当たるのが天皇である。そして、国は個人ではなく家を単位とし、家の集合体として作られている。その家長が父親であり、家というものは男系で継がれていくという考え方です。これは天皇が縦の男系家系で相続していくのと相似を成すものです。

 忠と孝というのは一本でつながっていて、「天皇に対する敬愛の念を持て」ということを国民の道徳として定義しようとする動きがずっとあったのです。


「主体的に学ぶ」という視点と学問の自由

 この教育勅語を復活させようとする時に、壁となるのが教育基本法でした。それで、教育基本法の改正をすべきだという議論がありました。教育基本法改正を最初に本気で目論んだ内閣総理大臣が中曽根康弘さんです。教育基本法の改正というのは、最終的には憲法改正につながり、その前段階といった位置付けで考えられていました。

 中曽根さんが書いた回顧録を読むと、日本国憲法について非常に悪し様に言っています。特に個人を大事にするというところに反対だったわけです。国家あってこその個人だと。彼は、こういう非常に強い国家主義の方向で教育基本法の改正を目指しました。

 ところが、中曽根さん主導のもとで1984年に設置された臨時教育審議会自体は、その方向に行きませんでした。臨時教育審議会には幅広い方たちが参加していました。必ずしも中曽根さんと同じような考え方の人ばかりではなかった。そこが今と違うんですね。安倍さんが閣議決定で設置した教育再生実行会議の委員は、全部「お友達」なんですよ自分と同じようなことを考えてる人しか集めていない。中曽根さんの偉いところは、ちゃんと法律で審議機関を作って、自分と意見の違う人も入れたところです。そこで侃侃諤諤と議論をして、結局は中曽根さんの意に反して個人を重視する方向の改革を打ち出したわけです。

 臨時教育審議会が打ち出した3つの視点のうち、第一が個性重視の原則でした。これは個人の尊厳を基礎にする考え方で、日本国憲法の立場と一緒です。さらに第二の視点が、生涯学習です。それまでの学校中心教育ではなく、生涯を前提とした教育システムに変えていこうというものでした。「生涯教育」と言わずに「生涯学習」としたところに非常に大事な意味があります。教育という言葉は学ぶ人が客体になるわけですが、学習というのは学習者が主体、学ぶ人が主語になります。しかも、その学習というのは、時も場所も選びません。いつでもどこでも、学校の中でも外でも、幸福追求のためには生涯を通じて学び続けることが大事だという考え方です。学習者が主体的に学ぶことが大事なのです。

 この視点は、「学問の自由」と一体を成すものだと私は思っています。憲法第23条に〈学問の自由は、これを保障する〉とありますが、学問の自由というのは基本的人権であるから、学者だけではなくすべての人が学問の自由を持っている。臨時教育審議会が打ち出した個性重視や生涯学習という理念は、学問の自由に含まれるものだとも言えるでしょう。

 この臨時教育審議会に基づくと、学校教育も知識を詰め込むのが目的ではなく、自分で学ぶ力をつけることが大切だということになります。自ら学び、自ら考える力こそが本当の学力だという風に、学力の定義が変わっていくわけです。日本の学校教育の問題点は、学校にいる間に知識をたくさん詰め込むのだけれども、学校を出たらそれが不要になってしまうところにある。「自ら学ぶ力」を見つけることができれば、学校の外でも自ら学んでいけます主体的な学びこそが本当の学びだということなんです


2006年の教育基本法改正で何が変わったか

 教育基本法改正を、正式に政治課題にあげようとしたのは森喜朗内閣です。2000年12月に教育改革国民会議の報告の中で、教育基本法の改正や道徳の教科化を打ち出しました。これまで正式の教科ではなかった道徳を、教科にして成績をつけるという提言を出したわけです。

 その森さんの後を継いだ小泉純一郎内閣で、教育基本法改正のための中央教育審議会の答申がまとめられました。その結果として、2006年の第一次安倍内閣のときに教育基本法の改正が行われたわけです。この改正教育基本法には、「道徳心を培う」とか「公共の精神」、「学校生活を営む上で必要な規律を重んじる」など、教育勅語を復活させたい、戦前に戻りたいという傾向を持った人たちが好むような言葉が、かなりちりばめられたことは確かです。なんと言っても「我が国と郷土を愛する」態度を養う、といった愛国心教育が教育の目標に掲げられました。

 一方で、1947年の教育基本法が持っていた大事な部分は「かろうじて残った」と言っていいと思います。たとえば「日本国憲法の精神に則り」というのはそのまま残っています。また「個人の尊厳」や「学問の自由を尊重」するという言葉も残っています。それからもう一つ非常に大事な言葉として「教育は、不当な支配に服することなく」というのも残っています。「不当な支配というのは、政治によって教育の自律性・主体性を歪められるということです。

 1947年に最初の教育基本法が制定された時は、まだ国会がありませんでした。帝国議会でできたのです。帝国議会の審議の中で「不当な支配」の主体は何かと問われ、当時の文部省は政治家や官僚だと答えています。要するに権力を握っているものが一番危ないと言っているわけです。

 ただ、もともとの教育基本法では、〈(教育行政) 教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負つて行われるべきものである〉という文言でした。この「直接」というのが非常に大事だったわけです。間接民主制ではなく、教える者、学ぶ者の直接性を大事にするということです。

 しかし、改正法では「国民全体に対し直接に責任を負つて」という部分は削除されて、代わりに〈この法律及び他の法律の定めるところにより〉という言葉が加えられました。つまり、法律の根拠さえあれば、いくらでも政治が教育に介入できるかのような条文になってしまっています


学習指導要領も教科書検定も「学問の自由」に則るべき

 文部科学省の教育現場に対する関与というのは、教育内容に関しては大きく2つあります。その1つは「学習指導要領」という法的拘束力がある規範を作り、これに従って指導・授業をしなさいというものです。もう1つは教科書使用義務です。文科省の検定を受けた教科書の使用義務を学校に課しています。この2つには、それぞれ法律の根拠もありますが、だからといって文部科学大臣が自分に都合のいいように関与していいわけではありません。

 今の政権にいる人たちの中には、明らかな歴史修正主義者がたくさんいます。たとえば南京虐殺事件はなかったと言ったり、従軍慰安婦の問題をあれはただの商売だったと言ったり、沖縄戦におけるいわゆる集団自決は軍の強制ではなかったと言ったり……。こういう考えを持った人がたくさんいるわけです。これは歴史学という学問からすると否定される考え方です。学問という世界に立脚するかぎり、このような歴史教育をするわけにはいきません

 学校で教える教科の背景には、何千年にもわたって蓄積してきた学問や文化の体系があります。学問や文化というものは、人間の自由な精神が生み出してきた遺産です。学問の自由、思想の自由、表現の自由といったものの積み重ねの上に、学問や文化があって、その上に学校の教科があるのです。そのことを無視して捻じ曲げて教えることは許されないわけです。それは「不当な支配」であって、いかに法律上、学習指導要項を定める権限が文部科学大臣にあるからと言って、学問の世界で検証された事実と異なることを教えることはできないはずです。つまり学習指導要領に関しても、教科書検定に関しても、全て学問の自由に則っていなくてはいけないのです。


自由権、社会権、参政権の側面をもつ「学習権」

 憲法には、第26条に「教育を受ける権利」は出てきますが、「学習権」という言葉は出てきません。教育を受ける権利というのは社会権です。自由権として「学びたいことを学ぶ権利」というのは、むしろ第23条の「学問の自由」に根拠を求めた方がいいと私は思います。第13条の幸福追求権(包括的基本権)に根拠を求めることも可能だと思います。もともと学習権という人権は、複合的な権利だと私は考えていて、自由権としての側面と社会権としての側面、そして参政権という側面も持っていると思っています。

 社会権としての学習権は、第26条にはっきりと明示されています。〈ひとしく教育を受ける権利〉と「ひとしく」という言葉が入ってきます。これを「教育の機会均等」と言いますが、この「ひとしく」という言葉の意味するところは、憲法14条の「法の下の平等」というだけではないんですね。憲法14条は、〈人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、〉差別されないと言っているんですが、「教育を受ける権利」における平等性というものは、それに留まらず経済的地位による差別も禁じています。

 現在の教育基本法の第4条〈すべて国民は、ひとしく、その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならず、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない〉を憲法第14条と照らし合わせると分かるのですが、教育基本法の第4条にだけ「経済的地位」という言葉が入っています。経済的な地位により教育を受ける機会を差別されることは許さないという思想が「ひとしく」という中に入っているんです。しかし、これは実現されておりません。経済的な理由で進学を諦めるという人たちは今でもたくさんいます。それをなくしていくのが国の責任であり義務ですが、まだ果たしていないというわけですね。奨学金制度などが少しずつ進んできてはいますが、全く不十分です。

 そして、憲法第26条の第2項には〈すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする〉とありますが、私は立憲主義の考え方からすれば、憲法に国民の義務の規定はいらないと思っています。この「普通教育を受けさせる義務」というのは、国民ではなく、むしろ国が義務を負うという形で書き直した方がいい。私なりにこの憲法第26条2項の改正草案を考えるなら、〈国はすべての人に無償の普通教育の機会を与える義務を負う〉としたらいいと思います。

 「義務教育」という言葉をやめて「無償普通教育」とし、その権利を保障するのが国の義務だという風に書き換えると、その無償普通教育の権利を保障されていない人たちが実は世の中にたくさんいるということが分かります。それは、国が十分な責任を果たしていないということです。

 そして学習権は参政権でもあります。学ぶことは政治に参加することに不可欠の営みです。知る権利というものが、主権者が主権者たるために必要なのは間違いありませんが、知るだけでは賢明な主権者にはなれません学ぶことが参政権を実質化するのです


日本の政治教育の問題点

 最後に、主権者として政治に参加するために必要な政治教育について話します。2015年10月に、選挙権年齢や国民投票権年齢が18歳以上に引き下げられることに対応して、文部科学省が「高等学校等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等について」という通知を出しています。この通知で、「現実の具体的な政治的事象」を授業として取り上げなさいとあります。これは文部科学省としては良いことを言っているなと思いました。

 しかし、一方で「教員は個人的な主義主張を述べることは避け、公正かつ中立な立場で生徒を指導すること」「学校の内外を問わず……不用意に地位を利用した結果とならないようにすること」とも言っているんですね。これは教師を過度に萎縮させるものです。

 たとえばドイツの政治教育における考え方は、教師は自分の考えを述べてもいいけれど、その反対の考え方もちゃんと生徒に伝えて、生徒自身に考えさせなさいというものです。日本の考え方は、教師が右と言ったら生徒が右を向いてしまう、左と言ったら左を向いてしまうような影響力を教師は持っているから、そういうことを言うなと言うものです。

 この文科省の通知の決定的な問題点は、生徒が批判的精神を持っていないとしている点です。生徒というのは、教師の言うことを鵜呑みにしてしまうような存在だという前提に立っているんです。そこが根本的に間違っています。

 生徒自身が自分自身で考えることが大事なのですから、そういう生徒を育てるために「先生はこう思っているが、君たちは君たちで考えなさい。先生を批判するのは自由だ」と教えるべきなんですね。日本の学校での政治教育が不十分なのは、過度な政治的中立性を求めているからではないかと思います。

 学校という「部分社会」において、教師は権力側にいるんだという考え方をする人がいますが、生徒には教育を受ける権利や学習権があります。小学生であっても学問の自由は保障されている。そういう認識をもつことが、主体的な教育の場をつくるために、とても大事なことだと思います。


                *

奈良県出身。1973年、東京大学文科一類入学。法学部へ進学し、故芦部信喜氏に憲法を学ぶ 。1979年、文部省(現・文部科学省)に入省。初等中等教育局教職員課長、大臣官房総括審議官、官房長などを経て、2016年に文部科学事務次官。2017年に退官。現在は、日本大学文理学部教育学科講師 (非常勤)。現代教育行政研究会代表。自主夜間中学のスタッフとしても活動する。著書に『面従腹背』、『官僚の本分』(柳澤協二氏との共著)など多数。
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●《1995年9月4日…あれから25年…沖縄の「負担軽減」といいながら、日本政府は事件が起こった沖縄島北部東海岸に新たな基地…》

2020年11月12日 00時00分50秒 | Weblog

[※ 辺野古は破壊「損」 【米軍飛行場の移設先として工事が進む沖縄県名護市の海岸】(東京新聞 2020年4月3日)↑]



琉球新報の【<社説>県民大会から25年 不条理の放置を許さない】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1211138.html)。

 《米兵による少女乱暴事件に抗議する県民総決起大会が開かれて、きょうで25年となった。8万5千人の県民が参加した戦後沖縄の中でも歴史的大会の一つである。その原点をあらためて見詰め、今も続く米軍駐留の矛盾をただす機会としたい。3人の米兵が1人の少女の人権を蹂躙(じゅうりん)する。戦後50年の節目の年に発生した、この事件は個人の尊厳や幸福追求権などを保障した日本国憲法の下にあっても、法の支配が全うされない沖縄の矛盾をあらわにした》。

 琉球新報の記事【10・21県民大会から25年 命脅かされ続けている 当時登壇した玉寄哲永さん 続く基地重圧 苦しみ今も】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1211163.html)によると、《1995年10月、米兵3人による少女乱暴事件に抗議するため8万5千人(主催者発表)が集まった県民大会から、21日で25年がたった。事件は県民の人権が侵害される状況や沖縄の過重な基地負担を浮き彫りにしたが、四半世紀たってなお米軍絡みの事件事故は後を絶たない。当時、県子ども会育成連絡協議会会長として登壇した玉寄哲永さん(86)=那覇市=は「21世紀に向けて基地の固定化はあってはならないと訴えたが、状況は変わっていない」と話す》。

   『●遺族の願いとはほど遠い現実…「沖縄に米軍基地が
       あるゆえに起こる。一日でも早い基地の撤去を…」
    《<社説>米軍属事件半年 小手先の策では防げない
     …恩納村の雑木林で若い女性が無残な姿で見つかった
     米軍属女性暴行殺人事件で、元米海兵隊員の軍属…被告が
     逮捕されてから半年が過ぎた。半年で何かが変わったのだろうか。
     事件は沖縄の人々に大きな衝撃と怒りを与え、そして自責の念を生んだ。
     若い女性の命を守れなかったつらさと、1995年の
     少女乱暴事件以降も繰り返される米軍関係者による事件を防げなかった
     ことへの悔いだ。6月19日の県民大会には主催者発表で
     約6万5千人が集まり、海兵隊の撤退や、米軍関係者に特権的地位を
     与える日米地位協定の抜本的改定を要求した》

   『●辺野古破壊のために美ら海に土砂投入…
     その翌日も現地で抗議が続く中、アベ様はのんびりとゴルフを満喫
    《辺野古の問題の源流は1995年の少女乱暴事件にさかのぼる。
     大規模な県民大会など事件への抗議のうねりが沖縄の負担軽減に向けて
     日米を突き動かし、米軍普天間飛行場の返還合意につながった》

   『●《国はプライバシー侵害(リスト作成)を止めさせる
      憲法上の義務…閣議決定で隠蔽…内閣が吹っ飛ぶ大問題》
    《発端は1995年の少女乱暴事件だ。過重な基地負担ゆえの悪辣な
     犯罪に県民の怒りが頂点に達する。同年10月21日の県民大会には
     8万5000人(主催者発表)が参集した。事態を重く見た
     日米両政府は96年4月、普天間飛行場を5年から7年かけて
     全面返還することで合意し、当時の橋本龍太郎首相、
     モンデール駐日米国大使が共同記者会見で発表した》

   『●普天間返還…《県民の合意のない県内移設に固執し、
      住民を危険にさらしている日米両政府の責任は重い》
    《当時の橋本龍太郎首相とモンデール駐日米国大使が共同で記者会見し、
     普天間全面返還を発表したのは1996年4月12日だった。前年の
     95年に起きた米兵による少女乱暴事件で、県民の怒りのマグマが
     噴き出し、日米両政府は沖縄の基地返還に真剣に取り組まざるを
     得なくなっていた》

   『●《人権を軽々に扱っている…。合憲違憲が争われた
     戦後の重要な民事裁判の記録多数を全国の裁判所が既に廃棄処分》
    《米軍用地への土地提供を拒む地主の代理で署名を求められた知事が
     拒否したため、国が提訴した。1995年12月、
     当時の大田昌秀知事が代理署名を拒否した背景には同年9月に
     起きた米兵による少女乱暴事件があった》

   『●《沖縄が切り捨てられた日であり、名護市出身の女性が米軍属の男に
     殺害された日でもある。いまも沖縄にとって「屈辱の日」は続いている》

 2016年4月の米軍属女性暴行事件後、遺族の願いとはほど遠い現実がずっと続いている。さらに遡ると、1995年の少女乱暴事件から四半世紀が経過した。《辺野古の問題の源流》である。25年が経過し、美ら海に土砂をぶちまけ続けている愚かな政権。出来もしない新基地建設のためにドブガネし、1億歩譲って完成したとしても、普天間は返還されない。つまり、辺野古は単なる破壊「損」である。二度と原状回復することは不可能。豊かな生態系の破壊・抹殺は不可逆的だ。愚かな自公お維の議員や独裁政権。《なお是正されない不正義の横行》が沖縄では。そして、いまや、沖縄イジメの張本人・元最低の官房長官が首相となり、大惨事アベ様政権という強化された独裁状態に。陰湿・悪質・強権化、沖縄でも例外なく。

 目取真俊さんブログ【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊/10・21県民大会から25年。辺野古ゲート前での座り込みが続く。】(https://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/543bd52a76ab85f412d68d050afd466d)によると、《1995年9月4日に発生した3人の米兵によるレイプ事件のあと、10月21日に宜野湾市海浜公園で8万人余を集めて県民大会が開かれた。あれから25年が経った。沖縄の「負担軽減」といいながら、日本政府は事件が起こった沖縄島北部東海岸に新たな基地を建設中だ。事件の被害者とその家族は、今の沖縄の状況をどのように見ているだろうか。この25年間、そのことを考えながら自分なりに基地問題に取り組んできた。しかし、新基地建設を止めきれないまま、ここまで工事が進んでしまった。ゲート前に座り込んでいる沖縄人の中には、25年前の県民大会に参加した人も多かっただろう。今日は海上行動がなかったので、何もしないではいられない気持ちで、ゲート前の抗議行動に参加した》。

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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1211138.html

<社説>県民大会から25年 不条理の放置を許さない
2020年10月21日 06:01

 米兵による少女乱暴事件に抗議する県民総決起大会が開かれて、きょうで25年となった。8万5千人の県民が参加した戦後沖縄の中でも歴史的大会の一つである。その原点をあらためて見詰め、今も続く米軍駐留の矛盾をただす機会としたい。

 3人の米兵が1人の少女の人権を蹂躙(じゅうりん)する。戦後50年の節目の年に発生した、この事件は個人の尊厳や幸福追求権などを保障した日本国憲法の下にあっても、法の支配が全うされない沖縄の矛盾をあらわにした。

 警察が容疑者の身柄を確保できず、適正な捜査もままならない国内法が及ばず、特権に守られた米軍駐留の矛盾に対する怒りや不安、恐怖を増幅した。1995年の県民大会は、そうした矛盾への県民のわだかまりが凝縮した。日米軍事同盟が、日本国民であるはずの沖縄の人々の安全や基本的人権を侵害している不条理を訴えたのである。

 大会は日米両政府に(1)米軍人の綱紀粛正と米軍人、軍属の犯罪の根絶(2)被害者に対する謝罪と完全補償(3)日米地位協定の早急な見直し(4)基地の整理・縮小を促進―の4項目を決議した。

 しかし25年前の県民大会の決議は今も実現していない

 日本への施政権返還後に発生した米軍関係者の犯罪は昨年末までに県警が摘発しただけでも6029件に上る。うち580件が殺人や性的暴行、強盗などの凶悪犯だ。米軍人、軍属の犯罪はいまだに根絶には至っていない。最近の事件でも2016年に元海兵隊員で米軍属の男が女性を殺害昨年4月には海兵隊所属の海軍兵が女性を殺害した

 こうした米軍関係者の犯罪は起訴に至らなければ、容疑者の身柄を米側は日本の警察に引き渡さなくてもいい。そう定めるのが地位協定だ。少女乱暴事件後の日米合同委員会では地位協定の「運用改善」が合意されたが、「改善」は法的拘束力がない字句修正に終始したと言うほかない。

 身柄の引き渡しに関して「殺人、強姦(ごうかん)(強制性交)という凶悪な犯罪に限定し「好意的考慮を払う」などとする。強盗や放火など凶悪犯全般ではない。米軍の裁量権が維持され、特権は保持したままだ

 米軍基地の整理縮小どころか伊江島を含む本島北部の基地機能は強化されている。国土面積の0・6%の沖縄に全国の米軍専用施設面積の70%が集中する。

 県民大会から約6カ月後の96年4月、日米両政府は普天間飛行場の返還を発表した。しかし合意から24年たった今も返還は実現しておらず、代替施設とする名護市辺野古の新基地建設工事の強行が続く

 各種選挙や県民投票で新基地への反対の民意を何度示しても政府は一顧だにしない無理を通して道理を引っ込める25年ではなかったか。県民大会の原点に立ち返り、なお是正されない不正義の横行を食い止めなくてはならない
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●司法判断放棄な内藤正之裁判長、大飯核発電所《危険性は社会通念上、無視しうる程度にまで管理・統制》?

2018年07月19日 00時00分37秒 | Weblog


東京新聞の記事【大飯差し止め 取り消し 高裁金沢支部「危険性無視しうる」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201807/CK2018070502000155.html)と、
社説【大飯原発控訴審 司法は判断を放棄した】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018070502000183.html)。

 《関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の運転差し止めを住民らが求めた訴訟の控訴審判決が四日、名古屋高裁金沢支部であった。内藤正之裁判長は「新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断に、不合理な点は認められない。大飯原発の危険性は社会通念上、無視しうる程度にまで管理・統制されている」と述べ、運転差し止めを命じた一審福井地裁判決を取り消し、住民側の請求を棄却…「…その当否の判断はもはや司法の役割を超え、国民世論として幅広く議論され、立法府や行政府による政治的な判断に委ねられるべきだ」」》。
 《住民の人格権を尊重し、関西電力大飯原発3、4号機の運転差し止めを認めた一審の判断は、いともあっさり覆された。「原発の是非は政治に委ねる」という裁判所。一体誰のためにある?》


   『●「「慰安婦」問題と言論弾圧」 『週刊金曜日』
         (2014年11月14日、1016号)について
    「伊田浩之氏【「短期決戦」確実となった大飯原発差し止め控訴審】、
     《福井地裁(樋口英明裁判長)…大飯原発…の運転差し止めを命じた…。
     …控訴審が…名古屋高裁金沢支部(内藤正之裁判長)で始まった…
     司法は、「安全神話」の復活に二度と手を貸してはならない》」

   『●関電による執行停止の申し立てを却下:  
     相変わらず「「安全より効率、命より経済」を優先」を関電は主張
   『●普通の社会通念: 「安全性の立証責任は電力会社側にあり…
                   原発の安全性の欠如が直ちに人格権侵害」
    「「地元」市民「命」より「経済性、経済神話」」を優先、
     「安全より効率、命より経済」を優先、そう云った「社会通念」で
     良いのでしょうか? 今回も、大津地裁山本善彦裁判長は、
     「「安全より効率、命より経済」を優先」という関電の主張を退けました。
     《安全性の立証責任は電力会社側にあり現実に起きた東京電力
     福島第一原発事故と被害を目の当たりにした国民の社会通念は、
     原発の安全性の欠如が直ちに人格権侵害を推認させるものになっている》。
     関電の「社会通念」を明確に否定。山本善彦裁判長の
     至極真っ当な判断で、ここまでは期待通りです。問題はここからでしょう。
     大阪高裁で、骨のある裁判官に恵まれるか? 期待薄

   『●予想されたこととはいえ、大津地裁山本善彦裁判長の
       「国民の命を守る司法からの重いメッセージ」を破棄…

 司法判断を放棄するとはねぇ。沖縄同様、ここでも政治判断を乱発するつもりかね。なんのための裁判所なのか? しかも、内藤正之裁判長どのは、大飯核発電所の《危険性は社会通念上、無視しうる程度にまで管理・統制されている》…だってさ? 一体どんな社会通念なの? 《普通の社会通念》すら持ち合わせていないらしい。
 福井地裁樋口英明裁判長)の判決があ~ぁ…。内藤正之裁判長は司法判断を放棄し、政治判断しちゃったョ。

   『●今頃ようやく福島第二原発の廃炉を決断、
      一方、「あとは野となれ山となれ」な玄海原発4号機の再稼働…

 以下のつぶやきに同意します。

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 
https://twitter.com/shiikazuo/status/1014740028289716224

志位和夫@shiikazuo
大飯原発の運転差し止めを認めなかった名古屋高裁の判決は読めば読むほど酷い
当否の判断は司法の役割を超え」と言って判断放棄。「原発の危険性は社会通念上無視しうる」というが、そんな「社会通念」はどこにある?
福島の大事故を忘れ、関電言いなりに、新たな安全神話を作るその罪は重い
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201807/CK2018070502000155.html

大飯差し止め 取り消し 高裁金沢支部「危険性無視しうる」
2018年7月5日 朝刊

 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の運転差し止めを住民らが求めた訴訟の控訴審判決が四日、名古屋高裁金沢支部であった。内藤正之裁判長は「新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断に、不合理な点は認められない。大飯原発の危険性は社会通念上、無視しうる程度にまで管理・統制されている」と述べ、運転差し止めを命じた一審福井地裁判決を取り消し、住民側の請求を棄却した。

 二〇一一年三月の東京電力福島第一原発事故後の原発訴訟で、高裁判決が出たのは初めて。

 控訴審の争点は、安全対策の前提として関電が想定している地震の揺れの大きさ(基準地震動)だった。元規制委員長代理の島崎邦彦東大名誉教授(地震学)が住民側の証人として出廷し「過小評価の可能性がある」と主張したが、内藤裁判長は「活断層の断層面積は詳細な調査を踏まえ大きく設定しており、過小であるとは言えない」と退けた。

 一四年五月の福井地裁判決は「生命を守り生活を維持するという根幹部分に対する具体的な侵害の恐れがあるときは、差し止めを請求できる多数の人格権を同時に侵害する性質があるとき、差し止めの要請が強く働くのは当然だ」と指摘。関電の地震対策には構造的な欠陥があるとして住民側の主張を認めていた

 内藤裁判長は、現状の法制度が原発の利用を認めていることに触れ「福島原発事故の深刻な被害に照らし、原発を廃止・禁止することは大いに可能であろうが、その当否の判断はもはや司法の役割を超え、国民世論として幅広く議論され、立法府や行政府による政治的な判断に委ねられるべきだ」と述べた。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018070502000183.html

【社説】
大飯原発控訴審 司法は判断を放棄した
2018年7月5日

 住民の「人格権」を尊重し、関西電力大飯原発3、4号機の運転差し止めを認めた一審の判断は、いともあっさり覆された。「原発の是非は政治に委ねる」という裁判所。一体誰のためにある? 

 「福島原発事故の深刻な被害の現状に照らし、原発そのものを廃止・禁止することは大いに可能であろうが、その当否を巡る判断はもはや司法の役割を超え、政治的な判断に委ねられるべきだ」と名古屋高裁金沢支部。結局は判断の放棄であろう。

 福島の悲惨な現状を認めた上で、判断を放棄するのであれば、「司法の役割」とは何なのか

 二〇一四年の福井地裁判決は、憲法一三条の幸福追求権などに基づく人格権を重んじて「具体的危険性が万が一でもあれば、差し止めが認められるのは当然だ」と言いきった。

 福島原発事故のあと、初めて原発の運転差し止めを認めた画期的な判断だった。

 高裁はこれを「内在的な危険があるからといって、それ自体で人格権を侵害するということはできない」と一蹴した

 内在する危険に対して予防を求める権利は認められないということか。あまりにも不可解だ

 控訴審では、耐震設計の目安となる揺れの強さ(基準地震動)の妥当性、すなわち、原発がどれほどの揺れに耐えられるかが、最大の争点とされていた。

 元原子力規制委員長代理で地震学者の島崎邦彦東大名誉教授は法廷で「基準地震動は過小評価の可能性があり、大変な欠陥がある」と証言した。

 それでも高裁は「高度な専門知識と高い独立性を持った原子力規制委員会」が、関電側がまとめたデータに基づいて下した判定をそのまま受け入れた。そして「危険性は社会通念上無視しうる程度にまで管理・統制されているといえるから、運転を差し止める理由はない」と断じている。

 ここでも規制委と関電の主張を丸のみにした判断の放棄である。

 それにしても、今や原発の危険性を測る“ものさし”になってしまった「社会通念」。その正体は何なのか

 避難計画の不備や核のごみ問題などどこ吹く風と、政府は再稼働に前のめり司法が自らの責任を棚に上げ、政治に委ねるというのならもはや「追従」と言うしかない

 「内在する危険」に対する国民の不安は一層、強まった。
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●オトモダチ「利権」塗れ…「この国でもっとも「利権」から遠い生活保護受給者の暮らしがまた脅かされる」

2018年03月30日 00時00分39秒 | Weblog

[※ 自公選挙公約「子育て…」小躍りするアベ様日刊ゲンダイ(2017年12月19日)↑]



マガジン9の鈴木耕さんのコラム【言葉の海へ/第26回:壊れゆく国の片隅に(鈴木耕)】(http://maga9.jp/180321-5/)。

 《政治がひどいことになっている。次から次へと、公文書の隠蔽だの、改竄文書だの、データのデタラメだの、政治家の圧力だの、官僚のごまかし答弁だの、政権幹部の開き直り放言だの、頭は下げない謝罪だの、疑惑のあの人の逃亡だの、与党議員の目も当てられないヨイショ質問だの、もう何が何だか分からない。…困った国になってしまった。各社の世論調査が出てきた。そろって、安倍内閣支持率の急落を告げている。街には安倍退陣」「麻生辞めろ」「安倍内閣総辞職の風が吹き始めた。ぼくも、そう叫ぶ》。

 《警官隊の異常な警備が抗議参加者たちを抑圧》《安倍政権が危うくなると警備が危険なほど横暴になる》…沖縄では、それがずっと続いている、相当に異常な状況。「本土」は見て見ぬふり。

 五月雨式に起こっている、アベ様に係わる諸問題。鈴木耕さんのによるそのまとめ。結論は、《街には安倍退陣」「麻生辞めろ」「安倍内閣総辞職の風が吹き始めた。ぼくも、そう叫ぶ》。「2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」が公文書「書き換え」という名の「捏造」=犯罪の引き金たなった訳ですが、この1年間の何という酷さ。

   『●有印公文書偽造=決裁文書書き換え…
       「行政府の長」と財務相が責任をとるべき大変な犯罪

   『●決裁文書書き換えという犯罪…「最低の官房長官」が
          沖縄に向けて言い放った「法治国家」を取り返さねば

   『●「有印公文書偽造=決裁文書書き換え」朝日新聞大スクープ
                     …その直度にアベ様らのやっていたこと
    《意に沿わない人物は潰す――“人格攻撃”された前川前次官が
     いい例だが、安倍政権のやり口は、まさに恐怖政治ではないか
    《結局、目的は “犯人”を黙らせることでしょう。内部告発者を潰すことは、
     国民の知る権利を侵害し、民主主義を破壊する行為

   『●「2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」からの 
         この1年間の無駄…泥縄で有耶無耶にするつもり?
   『●「2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」が
        公文書「書き換え」という名の「捏造」=犯罪の引き金
   『●元祖?・有言実行されない大見得・啖呵
      《報道がそれで抑圧される、そんな例があったら私は辞める》
   『●「国が壊れ、どんどん落ちぶれていく…
       「国難」を叫ぶ人こそが、「国難」の中心にある…」(久原穏さん)
   『●辺野古高江裁判とヒラメ…《「人権のとりで」としての司法が
                 その役割を果たさず、行政と一体化すれば…》
   『●それぞれの「面従腹背」…《官僚は…政治家は
      尊重しなければならないが、魂までは明け渡してはならない》
   『●「粉飾された「美しい国」」…
    「「夫人、ひいては首相の顔をつぶすわけにはいかない」という恐怖政治」


 オトモダチ「利権」まみれ…《この国でもっとも「利権」から遠い生活保護受給者の暮らしがまた脅かされる》(雨宮処凛さん)。壊れた国、非民主主義国、《日本国憲法が規定する…などを実現していく政治》を否定するアベ様。

 同誌のコラム【雨宮処凛がゆく!/第441回:金沢市役所の刺傷事件と、生活保護打ち切り。の巻】(http://maga9.jp/180321-2/)によると、《どのような理由があろうとも、人を傷つける行為は決して許されることではない。そのようなことを前提にしつつも、一方で思うのは、生活保護打ち切りは、当人にとっては死の宣告に等しいということだ…生活保護打ち切りが当事者にもたらす絶望の深さ森友問題では「首相夫人」の一声があれば魔法のように巨額のお金が動くらしいのに対し、この国でもっとも「利権」から遠い生活保護受給者の暮らしがまた脅かされる》。

   『●弱い者イジメ…「『低所得世帯の生活水準が下がった』なら、
                  『貧困は改善』は嘘で、アベノミクスは失敗」
    《志位委員長の質問が、素晴らしかった…「今回の生活保護削減予算は
     160億円。米軍への『思いやり予算』など米軍経費の来年度の
     増加分195億円をあてればおつりがきます
     政府がまず思いやるべきはどちらなのか?」》
    「《誰のための政治なのですか。誰のための税金なのですか。
     税金は安倍総理のポケットマネーではありません》! 
     《日本国憲法が規定する生存権表現の自由幸福追求権
     個人の尊重法の下の平等などを実現していく政治》を否定する
     アベ様ら、与党や癒党を支持する人達って、一体何を考えているの?
     《政府がまず思いやるべきはどちらなのか?》、
     彼/彼女らは答え得るのか?」

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http://maga9.jp/180321-5/

言葉の海へ
第26回: 壊れゆく国の片隅に鈴木耕
By 鈴木耕  2018年3月21日


異常警備の裏で

 政治がひどいことになっている

 次から次へと、公文書の隠蔽だの、改竄文書だの、データのデタラメだの、政治家の圧力だの、官僚のごまかし答弁だの、政権幹部の開き直り放言だの、頭は下げない謝罪だの、疑惑のあの人の逃亡だの、与党議員の目も当てられないヨイショ質問だの、もう何が何だか分からない。

 そりゃ怒るよ、みんな。だから国会前は言わずもがな、新宿駅前デモでも人が溢れ、全国各地で続く安倍抗議集会やデモの数は日増しに増えて盛り上がっている。だが、それに呼応するように、警官隊の異常な警備が抗議参加者たちを抑圧している。

 どうも、安倍政権が危うくなると警備が危険なほど横暴になる、という相関関係があるらしい。あの安保関連法秘密保護法のときにそうだったように、いやそれ以上に、このところの警備のやり方はひどい

 沖縄の高江ヘリパッド反対運動のときも、その高揚を抑えつけるために全国各地の機動隊を動員して、抑圧や暴言(例の「土人発言」はこのときのもの)を繰り返した、という例がある。

 国会前では、意味もなく参加者の列を分断し、狭い場所へ無理やり押し込める。国会議事堂前の地下鉄駅のほとんどの出入り口を封鎖し、せっかく来た人たちを外へ出さない。やっと外へ出ても、デモの場所(官邸前や国会正門前)にはたどり着けないように、大まわりの道へ無理やり誘導する。当然ながら参加者数は減る。

 ではタクシーでと、国会前に乗り付けても、なんだかんだと妙ないちゃもんをつけて直接デモ会場へは通さない(これは、ジャーナリストの山崎雅弘さんと布施祐仁さんのツイートだが、同じような報告がツイッター上には溢れている)。

 なんとしてでも、デモ参加者数を少なく見せたいという魂胆なのだろうが、それは安倍官邸からの指示なのか、それとも警察官僚による「安倍忖度」なのか? デモ参加者に恐怖感を植え付けて、もう参加しないという気持ちにさせるのが目的なのか?

 もはや、この国にはデモの自由さえなくなりつつある

 国会前など、行ってみればよく分かるけれど、初めて来ましたと言う若者や、仕事帰りのスーツ姿のサラリーマン、いても立ってもいられなくてと言うママ連、それにとても屈強な警官隊になど太刀打ちできるわけもない高齢者など、強権で抑えつけなければならないような集団では決してない。それでも巨大な参加者数を報じられるのを、安倍政権は恐れているのだろう。ひたすら警備による分断と押し込めで、参加者数を少なく見せようとしているのだ。支持率にひびくからだ。

 異論を許さない。反対する者は叩き潰す。最後は暴力を持ってでも押し通す。これがこのところの安倍首相のやり方ではないか。

 許しておいては「民主主義」など死ぬ。亡くなった俳人の金子兜太さんが揮毫してくれたように「アベ政治を許さない」を実現しなければ、民主主義どころか、この国は壊れてしまうだろう。

 『この世界の片隅に』という映画をもじっていえば、ぼくらはいま「壊れゆく国の片隅に」生きている。なぜ「壊れゆく国」なのか? 最近の事例は枚挙にいとまがない。


◎自衛隊日報隠蔽事件

 ジャーナリスト布施祐仁さんが掘り起こした、南スーダンの自衛隊PKO(国連平和維持活動)の日報が、なぜか隠蔽されていたという事実。これは2017年2月に問題化し、稲田朋美防衛相のトンチンカンな釈明とウソが火に油を注いで、収拾不能に陥った。安保関連法で、むりやり「駆けつけ警護」をPKO任務に追加したことも、問題を複雑にした原因だった。

 稲田氏は日報にあった「戦闘行為」をなんとか「武力衝突」と言い換えて逃げようとしたが、ことは収まらず、ついには安倍首相も初の女性首相候補ベタ可愛がりしていた稲田氏を更迭せざるを得なかった。

 文書隠蔽とか改竄などが表沙汰になったのは、このころからではないだろうか。


◎働き方改革と裁量労働制

 これもそうとうにメチャクチャ。しかも、きっかけは安倍首相本人。安倍氏が裁量労働制をとにかく成立させようとして「裁量労働をなさっている方のほうが、そうでない方たちよりも労働時間が短いというデータもある」と言い放ってしまったのが発端だった。

 野党が「裁量労働では、かえって労働時間が長くなるのではないか」と詰め寄ったのに対し、「自分の裁量で労働時間を決めることができるような働き方になれば、労働時間短縮につながるというデータがある」とデータを示して突っぱねた。だが、このデータがまったくのデタラメだった。

 「1日15時間の残業」などというデータまで出てきてしまった。これでは1日23時間働いたことになる。いつ寝るのか、と詰め寄られて厚労省は真っ青。こんなデタラメデータがつぎからつぎへと暴露され、安倍首相、ついには今国会の目玉法案のひとつだった「裁量労働制」を働き方改革法案から削除してしまった。だが、財界が固執する同じような制度の高度プロフェッショナル制度だけは、なんとしてでも通したいらしい。

 デタラメ文書大売り出しの始まりである。


◎加計学園問題

 これはいわゆる「安倍お友だち優遇の最たるものだろう。加計孝太郎氏と安倍晋三氏は同じ留学仲間、今でも「腹心の友」の関係だという。その加計孝太郎氏が計画した「獣医学部」認可に、妙な配慮が働いたのではないか、という疑惑だ。「首相のご意向」なる文書が出たが、菅官房長官は「怪文書みたいなもの」と一蹴。自分たちに都合の悪いものは「怪文書」と切り捨てるという菅氏の定番記者会見

 同じように獣医学部を申請しようとしていた京都産業大学が諦めた経緯も不可解であり、そこに何らかの政治的力学が働いたのは確実だ。

 権力者と近しいものが事業上での利益を得るということになれば、そこに腐敗が生じるのは歴史上の真理である。それなのに、利益を得たと疑われる加計孝太郎氏は一切出てこない。もし何もやましいことがないのなら、さっさと出てきて事実を淡々と語ればいいだけの話。それをまったくしないのだから、疑われても仕方ない。

 森友の件に加えて、次はここが火元になる。


◎山口敬之レイプ事件のもみ消し

 これも「安倍お友だち案件」である。いまさら言うまもないが、山口元TBS記者は、安倍ベッタリ番としてよく知られていた。一緒に飲み食いはもちろん、結婚式にまで出席していたともいう。安倍ヨイショ本の著者としても有名で、問題発覚以前はテレビの政治コメンテーターとして各局で引っ張りだこだった

 そのベッタリ友だちが、伊藤詩織さんレイプ事件の犯人として逮捕状まで出されていたのに、なぜか拘束寸前で中村格警視庁刑事部長(当時)の命令で逮捕は免れた。実はこの中村氏は、かつて菅義偉官房長官の秘書官を務めており、安倍首相とも親しかったことが分かっている。つまり、安倍首相のお友だちジャーナリストが起こした事件を、安倍首相の子分の警察官僚がもみ消した、という構図なのだ。


◎森友学園事件

 もう連日の報道で、耳タコだろうけれど、これはほんとうにひどい“事件”だ。300カ所にもわたって重要書類、公文書が勝手に改竄されていたなどということは、前代未聞の大政治スキャンダルだろう。いつもは威丈高に朝日新聞の悪口を国会の場でも言い募る(まことに下品な)安倍首相も麻生財務相も、さすがに朝日批判を封じてしまった。それだけ朝日新聞のスクープの信憑性を認めざるを得なかったわけだ。

 この疑惑・事件の中身は連日の報道でよく分かっているだろうけれど、ここで露呈したのは、自民党議員たちの劣化の凄まじさだ。19日の参院予算委員会で質問に立った自民党の青山繁晴氏と和田政宗氏の呆れるほどの壊れっぷりが壮絶だった。

 青山氏は「文書の中で安倍昭恵さんの『倍』の字が『部』に間違っていた。これは昭恵さんが客観的に見て重要じゃなかった証拠何が何でも昭恵さんをかばう。一方、和田氏は太田理財局長に対し「太田さんはかつて民主党の野田総理の秘書官だった。だから安倍総理を貶めアベノミクスを潰すために答弁している」ととにかくすべてを財務省に押しつける。さすがにこれには太田氏、真っ赤になって語気を荒げ「いくらなんでもそれは、いくらなんでもそれは」と悲鳴のような声を挙げた。

 自民党、上から下まで壊れている


◎崩壊は司法にも

 森友事件に関していえば、籠池夫妻の長期勾留も常軌を逸している。事の発端は、籠池氏の超右翼教育に安倍昭恵氏がいたく感激、感涙にむせんだというところから始まったのだ。それが安倍首相にも伝わり「籠池さんの教育理念には共鳴する」と、同じ極右同士の親近感を持ち、結果、安倍昭恵氏は新設予定の森友学園の小学校の名誉校長に就任した。それが近畿財務局や本省理財局の「忖度」に繋がっていったとしか考えようがない。

 多分、籠池氏はもっと詳細な昭恵氏についての記憶を持っているに違いない。それをペラペラしゃべられたらたまらない。何が出てくるか分からない。籠池氏を、こんな混乱の渦中で釈放するわけにはいかない。それは安倍内閣がもっとも恐れることだ。だから籠池夫妻は、今の段階で釈放するわけにはいかない。

 これが、2017年8月21日の逮捕以来、7カ月にも及ぶ籠池夫妻の長期勾留の理由であるに違いない。彼らの家も幼稚園も徹底的な捜索を受けており、いまさら証拠隠滅の恐れも逃亡の理由もない。政治的理由の拘束をそのまま受け入れる司法もまた、壊れている

 同様の前例として、沖縄の辺野古米軍新基地反対運動のリーダー山城博治氏の長期勾留もある。彼もまた微罪で逮捕、5カ月間、拘留された。政治的弾圧であるとして、各国の人権団体や国連でも問題視され、ようやく釈放されたのだ。

 政府に都合の悪い人を獄につなぐ。ネット右翼たちが口を極めて罵る中国や北朝鮮とどこが違うのか


前川喜平・前文部事務次官の授業

 これもイヤなニュースだった。2月に名古屋市の中学校で行われた授業の一環で、前川氏が講演したことについて、文科省がきわめて執拗な内容の問い合わせを、市教委にしたという“事件”だ。

 しかもそこでは、前川氏の出会い系バーへの出入りだとか天下り人事の責任者だったことなどをあげつらっており、そういう人物の講演自体が問題であるかのような記述もあったという。まさに、教育への公権力の介入である。ほんの少し前まで自分たちの上司であった人物について、こんな内容の照会をするとは、官僚組織の冷たさを実感させられる“事件”だった。

 ただし、少しだけホッとしたのは、この問い合わせに対する名古屋市教委と当該中学校の校長の態度だった。両者は毅然として「録音テープの提供要請は断った」としており、「前川さんとは事前にお会いして立派な方だという認識を持っていた」と語ったのだ。文科省の役人たちより、よほど立派だ。

 この“事件”には背景があった。自民党のこれもネット右翼系議員2人(赤池誠章氏、池田佳隆氏)が、数回にわたって文科省に照会(要するに圧力)したのが原因らしい。文科省は「省自らの判断での問い合わせだった」と言い訳しているが、そんなこと誰も信じない。ここにも、安倍極右一強政治の最悪な影響が出ている。安倍内閣に刃向かうものは許さない。それを下っ端議員が行動に移した、という喜劇だ。

 困った国になってしまった。

 各社の世論調査が出てきた。そろって、安倍内閣支持率の急落を告げている。

 街には安倍退陣」「麻生辞めろ」「安倍内閣総辞職の風が吹き始めた。


 ぼくも、そう叫ぶ。
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●弱い者イジメ…「『低所得世帯の生活水準が下がった』なら、『貧困は改善』は嘘で、アベノミクスは失敗」

2018年02月24日 00時00分47秒 | Weblog

[※ 自公選挙公約「子育て…」小躍りするアベ様日刊ゲンダイ(2017年12月19日)↑]



週刊朝日のコラム【室井佑月「問題はやはりアベよ」】(https://dot.asahi.com/wa/2018020700012.html)。

 《志位委員長の質問が、素晴らしかった…「今回の生活保護削減予算は160億円。米軍への『思いやり予算』など米軍経費の来年度の増加分195億円をあてればおつりがきます政府がまず思いやるべきはどちらなのか?」》。


   『●「誰のための政治…誰のための税金なのですか。

        税金は安倍総理のポケットマネーではありません」!
    「でも、最も呆れたのは「安倍政権の、諸外国に対する援助について」の質問。
     第2次アベ様政権のサツタバ害遊・害交のその推計総額。
     弱い者いじめで160億を削る一方で、サツタバ害遊・害交は
     「35億」ならぬ「54兆」。福島瑞穂さん(福島みずほ議員)は、
     《誰のための政治なのですか。誰のための税金なのですか税金は
     安倍総理のポケットマネーではありません》…仰ること、御尤もです」

 《誰のための政治なのですか。誰のための税金なのですか。税金は安倍総理のポケットマネーではありません》! 《日本国憲法が規定する生存権表現の自由幸福追求権個人の尊重法の下の平等などを実現していく政治》を否定するアベ様ら、与党や癒党を支持する人達って、一体何を考えているの? 《政府がまず思いやるべきはどちらなのか?》、彼/彼女らは答え得るのか?

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https://dot.asahi.com/wa/2018020700012.html

室井佑月 問題はやはりアベよ
連載「しがみつく女」
2018.2.8 11:30 週刊朝日 #安倍政権 #室井佑月

 室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中


この記事のイラストはこちら】(https://dot.asahi.com/print_image/index.html?photo=2018020700012_2
(c)小田原ドラゴン

 国会で行われた安倍晋三首相に対する各党の代表質問。作家・室井佑月氏は、共産党・志位和夫委員長の質問を称賛する。

*  *  * 

 1月25日に行われた衆議院本会議での代表質問。共産党の志位委員長の質問が、素晴らしかった。40分間足らずという短い時間に、国政私物化、暮らしと経済、原発、沖縄、憲法について、すべてをわかりやすく取り上げた。

 難しい言葉なんて一切使わない。例題にあげる話も、一般国民の目線に沿ったもの。ほんとうに頭の良い人なんだなぁと思う。

 矛盾をつくときに、これは言い訳できないだろ、というような、高度に意地の悪い質問の仕方も素敵。

 たとえば、政府は生活保護費の削減を決めたが、その理由を「生活保護を利用していない低所得世帯の生活水準が下がったから」としている。

 そのことについて志位さんがつっこんだ。

   「総理は『安倍政権になって貧困は改善』と宣伝してきたが、
    『低所得世帯の生活水準が下がった』なら、『貧困は改善』は嘘で、
    アベノミクスは失敗と自ら認めることになりませんか?」

 そして、こうつづける。

   「今回の生活保護削減予算は160億円。米軍への『思いやり予算』など
    米軍経費の来年度の増加分195億円をあてればおつりがきます
    政府がまず思いやるべきはどちらなのか?

 安倍政権は米国の顔色ばかりみているトランプ大統領にいわれるまま武器の大人買いをしたりして。その結果、この国の弱者の救済がおろそかになっているといわれても、反論できなかろう。高齢化で社会保障費が増えているといっても、防衛費もありえないくらい増えているのだ。

 そして、この国の弱者の命と生活を守る生活保護費を削るといえば、あれだけうまくいっていると豪語していたアベノミクスがうまくいっていないことを吐露することになる。

 いやぁ、志位さん、見事。蟻地獄のような質問だわ。

 ズバッということはズバッというしな。政府の進める「働き方改革」は、労働者側ではなく、財界側の立場に立った働かせ方大改悪」だ、とかさ。廃炉の費用、「核のゴミ」の処理費用など子々孫々まで巨額の費用を押し付けるのが原発だ、とか。

 年明けに立てつづけに起きた沖縄での米軍機事故については、学校、保育園、病院などの上空は一切飛行しないことを厳重に約束させるべき、そうはっきり言い切った。米軍の言い分をうのみにし、飛行再開を容認しつづけてきたことに対しては、「総理、これで主権国家の政府といえますか!」と。

 志位さんの質問に対し、安倍総理は始終、ごまかし回答。ま、いつものこと

 NHKは安倍さんと仲良しなんだから、安倍さんに登場していただいて、質問にきちんと答えさせる番組をやってよ。国民のために。

 その際、今回の志位さんの質問は、短くて的確で、使いやすいと思う。使わせてとお願いしたら、気軽に「どうぞ」といってくれるんじゃないか。……問題は、やはりアベだな

※週刊朝日 2018年2月16日号
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●「誰のための政治…誰のための税金なのですか。税金は安倍総理のポケットマネーではありません」!

2018年02月02日 00時00分37秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]



福島瑞穂さん(福島みずほ議員)のブログ(http://mizuhofukushima.blog83.fc2.com/)から【参議院本会議で代表質問】(http://mizuhofukushima.blog83.fc2.com/blog-entry-3102.html)。

 《安倍政権の、諸外国に対する援助についても質問します。第2次安倍内閣以降、安倍総理が外遊した際…543,621億円は、あまりに膨大ではないですか。社会保障を削って、なぜこの大盤振る舞いなのですか。誰のための政治なのですか。誰のための税金なのですか税金は安倍総理のポケットマネーではありません》。

 壊憲など、言いたいことがてんこ盛り。でも、最も呆れたのは「安倍政権の、諸外国に対する援助について」の質問。第2次アベ様政権のサツタバ害遊・害交のその推計総額。弱い者いじめで160億を削る一方で、サツタバ害遊・害交は「35億」ならぬ「54兆」。福島瑞穂ん(福島みずほ議員)は、《誰のための政治なのですか。誰のための税金なのですか税金は安倍総理のポケットマネーではありません》…仰ること、御尤もです。
 《日本国憲法が規定する生存権表現の自由幸福追求権個人の尊重法の下の平等などを実現していく政治》を否定するアベ様ら、与党や癒党を支持する人達って、一体何を考えているの?

   『●「財政危機を叫び、国民に大増税を強行しながら、 
             この財政規律の欠如は何なのか」!?
   『●消費税と朝日新聞: 
      大企業の代弁者のようなことをマスコミがすべきではない
    「それに、消費税などと言う選択は全く必要ないし、「人殺しのオモチャ」を
     止めれば済む話。「「アメリカのために戦争できる国」へということで、
     超高額な「人殺しのオモチャ」を買う金などは最たる無駄である、
     とブログ主は思います」」

   『●「ズ」抜けたバ「ズ」ーカ達による永遠の「道半ば」…

        「この国の未来や将来が見通せず不安があるから」
   『●自公選挙公約「子育て…」…その結果、
     「日本の子供の貧困は「途上国並み」と断じられたのに等しい」
   『●室井佑月さん、《税収が足りなくば、法の抜け道を閉ざし、

              適正に課税して金持ちからお金をとったらいい》
    「教育無償化は反故、その一方で、イージス・アショアのような
     無駄な武器をボコスカと購入(しかも言い値であるが故に、
     どんどんと値が吊り上っている)。そして、相変わらずの害遊での
     バラマキ害交。増税分は、やがてはそれらに消えていくだけ」

   『●与党自公によるデタラメな《行う必要のない政策》の羅列に加えて、
                    国費160億円削減で弱い者イジメ

    《★自民党による荒っぽい政策が続く。「法人減税」「賃上げ要請
     「サラリーマン大増税」という、アベノミクスが成功していれば
     行う必要のない政策が、脈絡なく羅列される。それに加えて貧困問題が
     重大課題となりつつある中、財務・厚労両省は生活保護費のうち食費や
     光熱費などに充てる「生活扶助」について、国費約160億円を削減
     することを決めた》。

   『●憲法25条「健康で文化的な最低限度の生活」が保障されない、
                       血も涙も無い「国費…160億円削減」
    「弱者をイジメ、《弱者を切り捨て》て、《国費を約160億円削減》。
     血も涙も無いとはこのことだ。人殺しのオモチャを買うお金は有っても、
     人々を「思いやる」お金、弱者を気遣うお金は無し、ということらしい」

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http://mizuhofukushima.blog83.fc2.com/blog-entry-3102.html

参議院本会議で代表質問
2018年01月26日(Fri)

 本日1月26日、参議院本会議で代表質問を行いました。質問文を掲載しますので読んでください。

 社民党の福島みずほです。自由党・社民党の統一会派、希望の会を代表して、質問をします。

第1 まず、 森友学園加計学園問題について質問をします。
財務省は、森友学園への国有地売却問題に関して「価格交渉はしていない」と答弁してきました。しかし、その後、音声データが出てきて、財務省側が「ゼロに近い額まで努力する」と言っていたことが明らかになりました。虚偽答弁であることを、総理は認めますか。
2 今治市に獣医学部を作ることについて、事業の主体が加計学園であることを安倍総理が知ったのは「2017年1月20日である」という答弁は、それ以前の答弁や、私の質問主意書に対する答弁書において「構造改革特区のときから知っていた」旨 答えていることと明らかに矛盾をしています。「2017年1月20日に初めて知った」というのは虚偽答弁ではないですか。
3 事実の究明をするために、安倍昭恵さん、加計孝太郎さんの証人喚問が必要だと考えますがいかがですか。


第2 次に、税金の取り方と使い方の問題について質問をします。
1 まず、税金の取り方です。
 逆進性の強い消費税ではなく、所得税の累進課税について1980 年代の税率を目指すことを、なぜやらないのですか。収益を上げ、内部留保をため込む大企業にこそ税金を払ってもらうべきと考えますが、いかがですか。
 税制改正において、個人所得課税は730億円増、消費課税は1,600億円増であるのに対し、法人課税は10億円の減税です。とりやすい個人には増税、家計への増税をし、法人税は減税というのは不公平ではないですか。
 公平な税制の実現こそ必要であると考えますが、いかがですか。
2 そして、税金の使い道の問題です。
 2018年度の防衛予算は5兆1,911億円と過去最高であり、補正予算分を加えると5兆4,256億円にもなります。
 また、当初予算案で社会保障費の自然増分を1,346億円も削減をしました。
 総理、防衛費は青天井の一方で、社会保障が削減ありきというのでは、税金の使い道として間違っているのではないですか。
 生活保護基準の見直しをすることによって67パーセントの世帯で減額になるのは、命綱である生活保護の切り捨てではないですか。
 また、母子加算の減額も大問題です。
 母子で、子ども一人の場合、現行の平均月2万1,000円から平均月1万7,000円への減額、年間で4万8,000円の減額です。これは全体で20億円の圧縮です。20億円の予算の減額で、なぜ弱い者いじめをするのですか。削るのはここではない、と思いますがいかがですか。
 安倍政権の、諸外国に対する援助についても質問します。
 第2次安倍内閣以降、安倍総理が外遊した際に、諸外国に対して約束をした援助の合計額はいくらですか。外務省に問い合わせたところ、総理が表明した額を機械的に加算した場合、円借款や一部重複部分を含め54兆3,621億円になるという回答が昨日ありました。これでよろしいですか。54兆3,621億円は、あまりに膨大ではないですか社会保障を削って、なぜこの大盤振る舞いなのですか誰のための政治なのですか。誰のための税金なのですか。税金は安倍総理のポケットマネーではありません。総理の答弁を求めます。

第3
 貧困の固定化と中間層の没落は、大きな問題です。この問題は、まさに政治が作ってきました。
 労働者派遣法をはじめとした労働法制の規制緩和で、雇用を壊しました非正規雇用が4割を突破し、年収が200万円以下の人の数は、通年勤続者と1年未満勤続者を合わせると1,833万人に上ります。年金、介護、医療、生活保護の切り捨てと負担増は人々の暮らしを疲弊させています。
 今、やるべきことは、社会民主主義的な政策の実現であり、雇用の立て直しと社会保障の充実ではないですか。
 そもそも、雇用政策を論ずる時に「人づくり革命」や「生産性革命」という言葉が使われることに、大きな違和感を感じます。
 人々は、生活を、人生を、政治が応援して欲しいとは思っていますが、政府に、上から目線の人づくりなど頼んではいません。労働政策を論ずるのに、生産性の向上が第一なのではなく、持続可能な社会、安心して生きられる社会こそ望んでいます。
 なぜ「働き方改革一括法案」の中に、この2年間国会に提出されながら、多くの人たちの反対によって廃案になったホワイトカラー・エグゼンプション残業代ゼロ法案裁量労働制の対象の拡大が盛り込まれているのですか。「混ぜてしまえばわからない」ということでしょうか。
 労働時間規制が一切ない労働者を誕生させてはなりません。
 なぜこれが「働き方改革」なのですか。繁忙期には月100時間未満まで残業することを認めることは、過労死を促進することになりますが、いかがですか。

第4
 沖縄では、この13ヶ月の間、34件もの米軍航空機関連事故が起きています。
 度重なる事故が起きているにもかかわらず、直後に学校の上を米軍機が飛行しています。沖縄では、1959年、宮森小学校に米軍機が墜落し、17人もの人が亡くなりました。このような人命軽視が、いつまで続くのですか。
 沖縄県議会は昨年11月、海兵隊の沖縄からの撤退を求める決議を採択しました。総理はこの声をどう受け止めますか。
 また、貴重なサンゴ礁の海を壊し、ジュゴンのいる海を潰して、なぜ辺野古に新基地を建設するのですか辺野古への新基地建設は、直ちに中止すべきと考えますが、いかがですか。

第5
 日本国憲法、とりわけ憲法9条は、日本人の300万人以上、アジアでの2,000万人以上の犠牲者の上に獲得をしたものだという理解はありますか。総理の見解を求めます。
 安倍総理は憲法9条3項に自衛隊を明記すると言います。
 この9条3項に明記する自衛隊が行使する自衛権には、集団的自衛権が入るということでよろしいですか。
 安倍総理は、予算委員会の私の質問に対する答弁で、「憲法9条1項2項の解釈を変えて、集団的自衛権の一部を行使できるようにしました。そのままです」と答弁をしました。
 つまり、9条3項に明記する自衛隊とは、災害救助のための自衛隊ではありません。国土防衛のための自衛隊でもありません。集団的自衛権の行使をする自衛隊の明記です。これは、憲法9条1項2項の完全な破壊です。安倍総理が9条3項に自衛隊を明記すると言っていることは、戦後の出発点と戦後の72年間を否定するものです。
 集団的自衛権の行使は憲法違反です。歴代の自民党政権は、そう明言してきました。安倍政権のもとで、憲法9条1項、2項の解釈を変えて、違憲の集団的自衛権の行使ができるように安保関連法戦争法を成立させました。その後に明文改憲をして集団的自衛権の行使ができる自衛隊を憲法に書き込もうとすることは、立憲主義に対する重大な侵害であり、冒涜ではないですか。

第6 女性などの人権についてお聞きします。
 性暴力は魂の殺人です。
 野党で性暴力被害者支援法案を国会に提出しましたが、廃案になりました。病院拠点型の性暴力被害者支援センターなどは必要です。
 総理、性暴力被害者支援法の必要性についてどう考えますか。
 選択的に別姓を認めるべきだと考えますがいかがですか。
 また、子どもに対する全ての暴力をなくす政策を取るべきだと考えますがいかがですか。
 野党でLGBT差別解消法案を提出をしましたが、廃案になりました。法案は必要だと考えますがいかがですか。

第7 脱原発と核兵器廃絶についてお聞きします。
 核と人類は共存できません
 原発の稼働の差し止めを認める広島高裁決定などの判断を総理はどう受け止めますか。
 電源構成の最新データでは、原発の占める割合は1.7%でありすでに事実上の脱原発状態です
 原発ゼロは可能です。原発ゼロを決定すべきではないですか。
 日本企業がイギリスに輸出する原発について、事故が起きたとき、1.5兆円もの債務保証を日本政府が行うことはやめるべきです。いかがですか。
 また、唯一の戦争被爆国である日本がなぜ核兵器禁止条約に賛成しないのですか被爆者の思いを裏切るものではないですか。

 最後に、社民党は憲法9条改悪を許さず、日本国憲法が規定する生存権表現の自由幸福追求権個人の尊重法の下の平等などを実現していく政治を行うために全力を尽くすことを申し上げ、私の代表質問を終わります。
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●ハズレ東京地裁裁判長に当たってしまった: 国が経産省前テントひろばの撤去を訴えて起していた裁判

2015年03月08日 00時00分07秒 | Weblog


山岡俊介さんのアクセスジャーナルの記事【経産省脱原発テント――東京地裁が「撤去と土地使用料」求める判決】(http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/details.php?blog_id=7198)。
CMLの記事【[CML 036479] <テント日誌2月27日(金) 経産省前テントひろば1266日目、商業用原発停止530日目>】(http://list.jca.apc.org/public/cml/2015-March/036626.html)。

 「村上正敏裁判長。被告と代理人は、昨年より裁判長の忌避を申し立てており、誰も出廷せずボイコット・・・・・・「村上裁判長は非常に聴き取りにくい小さな声で判決文を読み上げるとそそくさと退廷。傍聴人が一斉に抗議の声を上げたところ、裁判長が戻って来て、これも小さな声で『退廷命令』を下した」・・・・・・判決確定前にテント撤去を強制執行できる仮執行も認めている」。

 原発を推進したいアベ様らが司法と癒着しているのではないかと疑いたくなります? むしろ司法がアベ様に擦り寄っているのか? ヒッドイ裁判長に当たってしまったようだ。

   ●〝犬〟になれなかった裁判官
   『●「絶望の裁判所」: 裁判所の頂点、最高裁からして・・・・・・
   『●真の司法改革とは?、そして「イヌのイヌのイヌのイヌ」

 「雨の2・26不当判決の周辺で何が起きたのか ―非暴力・不服従の意味するもの」。今後の成り行きが非常に心配。

   ●「九電本店前ひろば」「経産省前テントひろば」の継続した抗議行動
   『●経産省前テント村、設置から1000日
   『●冷たい国: 国が経産省前テントひろばの撤去を訴え裁判を起こす』   

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http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/details.php?blog_id=7198

2015/02/26 執筆者: Yamaoka (5:39 pm)
経産省脱原発テント――東京地裁が「撤去と土地使用料」求める判決

 2011年9月11日、霞ヶ関の経済産業省敷地内に突如設置された「脱原発テント」。この間、時々の政府の圧力や右翼団体の襲撃に会いながらも、脱原発を訴える「運動拠点」として維持されて来たところだが・・・・・・、本日、国が不法占拠として訴えた訴訟の判決がついに下された。

 午後1時半、東京地裁前に300人を超える支援者が結集。「裁判長は正しい判決を」「原発再稼働反対」とハンドマイクで掛け声が上がる中、傍聴を求めて長い列が並んだ。

 法廷は民事第37部、村上正敏裁判長。被告と代理人は、昨年より裁判長の忌避を申し立てており、誰も出廷せずボイコットした。

 そうしたなか、2時頃に開廷。「村上裁判長は非常に聴き取りにくい小さな声で判決文を読み上げるとそそくさと退廷。傍聴人が一斉に抗議の声を上げたところ、裁判長が戻って来て、これも小さな声で『退廷命令』を下した」(傍聴した支援者)とのこと。

 法廷前の廊下にも支援者がつめかけ、「不当判決を許さないぞ」「福島の声を聞け」と怒号が飛び交うなか、支援者2名が廷吏に拘束され、裁判所の外に追い出された。

 判決は、国側の主張を全面的に認め、テントの撤去及び、土地使用料として約1140万円の支払いを命じた。判決確定前にテント撤去を強制執行できる仮執行も認めている

・・・・・・・・・。
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http://list.jca.apc.org/public/cml/2015-March/036626.html

[CML 036479] <テント日誌2月27日(金) 経産省前テントひろば1266日目、商業用原発停止530日目>

・・・・・・
2015年 3月 1日 (日) 06:39:22 JST

テント日誌2月27日(金)
経産省前テントひろば1226日商業用原発停止530日

雨の2・26不当判決の周辺で何が起きたのか
―非暴力・不服従の意味するもの

 一度でも、テント広場裁判の傍聴で法廷に入ったことのある人は、村上裁判長の声が低く、傍聴席の物音にも神経質に訴訟指揮を繰り返していたことを知っているだろう。僕は最初のころの「傍聴報告」で、原告側の沈黙と裁判長のイライラは、経産省の自信のなさの表れであり、負い目を持っている者特有の態度であると批判した。今回の不当判決に至る経緯と、2月26日の東京地裁103号法廷の混乱は、こうした村上裁判長の態度と訴訟指揮に原因があることは明白である。

 第1にはだまし討ち的判決期日指定は認められないとして被告側の出廷拒否を招いたことであり、第2に約80の傍聴席を埋め尽くした人たちに全く聞こえないほどのぼそぼそ声での判決言い渡しという現実である。国会の強行採決で議事録にも残されないほどのぼそぼそ声と同様の手口である。

 この結果、傍聴席の「聞こえない!不当判決!」という抗議の声に呼応した、103号法廷前の廊下を埋め尽くしていたテント関係者の抗議の声が高まり、裁判所廷吏ともみあい3名が庁外退去させられた。法廷内では抗議を続けていた8名が廷吏に担ぎ上げられ庁外退去させられたのである。たまたま27日の東京新聞朝刊の佐藤優の<私人逮捕>と題された「本音のコラム」で22日の沖縄辺野古での沖縄平和運動センターの山城さんたちの逮捕に触れた記事を読んだ。

 「現行犯逮捕なら司法警察官に限らずだれでも行えることが刑事訴訟法に定められている。現場に警察官がくるまで身柄を拘束することもできる。」として米軍警備員に拘束されたということであった。非暴力不服従の運動であっても、山城さんと同様に、裁判所でも私人逮捕はいくらでもでっちあげることができるということである。

 さて、一方的な不当判決の内容は1・テント撤去、2・被告敷地内退去、3・1140万円支払え、など原告経産省の言いなりであった。裁判については、そもそも福島原発事故に対して国も経産省も東電もどこも責任を取らず、福島の声を聴いていないことに対する抗議として、「表現の自由」「幸福追求権」「言論抑制―スラップ訴訟批判」に立脚した裁判闘争として展開されていることは論を待たないので内容は繰り返さない。

 2月26日氷雨の中、東京地裁前集会450名、傍聴券抽選参加350名、参議院議員会館での報告抗議集会400名の参加で行なわれた「テントを守ろう」という一連の行動は、会場があふれるような抗議集会の様々な発言、提言で確実に今後につながるものであった。被告正清さんの「テントが経産省前に在ることによって、全世界が注目することの意義を確認しよう。」という発言を始め、決してあきらめないという一貫した姿勢を再確認した。

 特に福島の女たちの会の黒田さんの「アメーバ―のように粘り強く、触手を伸ばし、それぞれの核を尊重し、沖縄とも結合するような戦いを続けよう!」という力強い発言と、3月11日を「フクシマの日」にしようという提言がなされた。

 テント撤去の仮処分断行はいつになるのかは予測できない。泊まりこみも含めて、可能な限りの現地体制を強化するとともに、全国、全世界の脱原発運動、さらには反戦、反基地、反差別の戦いにテント広場の意義と権力の強権的弾圧の実態を発信していかなければならない。非暴力・不服従を戦い方の原則としつつも、不服従は対抗暴力を必然的に生み出していく。その場合、決して暴発に終わらない戦いとして組織されなければならない。26日の東京地裁もみあいは一つの教訓であったことも再確認しておきたい。    (加藤)


 静かであるが緊張が深まるテントから

 昼間比較的暖かかったのに夕方になって急に冷たい風が吹き寒くなってきた。

 4時ごろ毎週来てくださる90歳のTさんがやってきた。

 裁判の時は毎回来て抽選に並んで下さる。

 ずっと抽選に当たったが、いつも福島の人などに譲ってきた。でも最後の二回は外れてしまったとのこと。

 昨日は抽選の後テントに戻り雨の中娘さんのS子さんと一緒に座って下さった。そしてメディアの質問などに答えて下さり予定の時間より遅くなって帰られたそうです。本当に感謝です。

 5時過ぎ日比谷のほうから労働者のデモが通った。

 テント前で原発反対のシュプレヒコールをしてくれて嬉しかった。

 丁度居合わせた双葉町から避難しているKさんがデモ隊に向かってアピールをしていた。デモには若い人たちが多かったので期待したいですね。

 判決に対するテントの声明とニュース45号が出たのでKさんが準備し配布のため官邸前に向かう。彼の精力的な行動に脱帽です。

 6時過ぎ関西電力東京支社前行動を終えたたんぽぽ舎の柳田さんがテント前で関電前行動の報告や非暴力・不服従でテントを守ろう!などのアピールをして官邸前に向かって行った。

 今夜はテントのことを心配して下さる方達がいつもよりたくさん寄ってカンパを入れて下さった。

 寒かったけれど、皆の脱原発の思いを感じられて良かった。(I・K)
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●特定秘密隠蔽法案衆院通過: ・・・だから?、福島の人々の声は聞こえないのだろうか? それとも・・

2013年12月02日 00時00分35秒 | Weblog


asahi.comの社説【秘密保護法案―福島の声は「誤解」か】(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit211月26日)、
東京新聞の記事【秘密保護法案 福島公聴会 与党推薦者も強い疑念】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013112602000121.html)、
『田中龍作ジャーナル』の記事【【秘密保護法・福島公聴会】全員反対 浪江町長「理解してもらえなかった」】(http://tanakaryusaku.jp/2013/11/0008272)。
最後に、東京新聞の社説【特定秘密保護法案 国民軽視の強行突破だ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013112702000131.html)。

 東京電力原発人災であんな大変な思いをした福島の人達でさえもアリバイづくり?、に利用されたようだ。無茶苦茶。

   『●東京電力原発人災「被ばくに関する正確な情報が
           伝えられなかった・・・身近で必要な情報が一層隠される」
   『●「「人間が近づけば即死──」特定秘密保護法が
               隠そうとする、福島第一原発4号機の“不都合な真実”」

 「秘密より情報公開が重要ではないか――。そんな意見が相次ぎ、自民党の推薦者を含む全員が法案に反対」、「「情報公開がすぐに行われていれば低線量の被曝(ひばく)を避けることができた」・・」、「実例を目の当たりにしたからこそ、秘密が際限なく広がりかねない法案のあり方に疑問を投げかけている」・・・・・・。

 アリバイ作りに利用され、猿芝居・デキレースにつき合わされ、またしても福島の人達は踏みつけられてしまった。
 田中龍作さんの記事、「「特定秘密保護法」について国民の声を聞く、最初で最後(25日現在の方針)の公聴会を福島市で開いた。原発事故のあった福島であえて開催したところに政府の意図が見えた・・「傍聴したい人が外にいます。入れてあげて下さい」。懸命に訴える福島の女性。傍聴は政党の紹介なしに入場できない。額賀座長は一顧だにしなかった」・・・・・・、酷いものである。
 馬耳東風な馬さんや鹿さんな政治家には反対を叫ぶ市民の声など聞こえないか、それとも、単に無神経なだけなのか?

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http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit2、11月26日】

2013年11月26日(火)付
秘密保護法案―福島の声は「誤解」か

 特定秘密保護法案を審議する衆院の特別委員会がきのう福島市で地方公聴会を開いた。

 福島第一原発の事故は日本にとって近年最大の危機だった。その恐ろしさを肌身で知る福島の人たちは公聴会で、口々に法案への懸念を語った

 秘密より情報公開が重要ではないか――。そんな意見が相次ぎ、自民党の推薦者を含む全員が法案に反対した。

 与党である自民、公明両党は、この事実を重く受けとめるべきだ。

   「情報公開がすぐに行われていれば低線量の被曝(ひばく)を
    避けることができた」

 浪江町の馬場有(たもつ)町長は、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の情報が適切に公開されず、町民が放射線量の高い地域に避難した問題を取り上げた。

 自民、公明両党の委員は「誤解がある」「今回の法案の対象ではない」と反論したが、そう単純な話ではない

 危急の時にあっても行政機関は情報を公開せず、住民の被曝につながったその実例を目の当たりにしたからこそ、秘密が際限なく広がりかねない法案のあり方に疑問を投げかけているのではないか。

 法曹関係者は公聴会で「(秘密の範囲について)拡張解釈の余地をきちんと狭めるべきだ」と指摘した。

 特別委員会の審議で明らかになった、こんな事実もある。

 福島第一原発の事故直後、現場の状況を撮影した情報収集衛星の画像を、政府が秘密保全を理由に東京電力に提供しなかったというのだ

 東電には秘密保全措置がないから、画像は関係省庁だけで利用した。代わりに商業衛星の画像55枚を4800万円で購入して東電に提供したという。

 情報収集衛星は災害目的にも使われるはずだった。それが肝心のときに「秘密」にされた。

 公聴会の出席者に自民党議員は「どうぞ信頼していただきたい」と述べた。どう信頼すればいいのか。反対意見を真摯(しんし)に受け止めるべきだ。

 地方公聴会を、みんなの党、日本維新の会を含めた4党による衆院通過に向けたアリバイづくりにしてはならない。

 福島県議会は10月、法案への慎重対応を求める意見書を出した。「もし制定されれば、民主主義を根底から覆す瑕疵(かし)ある議決となることは明白である」と訴えている。

 与党はもう一度、考えたほうがいい。福島の人々の懸念は、ほんとうに「誤解」なのか。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013112602000121.html

秘密保護法案 福島公聴会 与党推薦者も強い疑念
2013年11月26日 朝刊

 衆院国家安全保障特別委員会は二十五日、福島市で特定秘密保護法案の地方公聴会を開いた。七人の公述人が意見を述べたが、与党側が推薦した二人を含め、全員が法案の慎重審議や廃案を主張。福島側には、東京電力福島第一原発事故で政府の情報公開が遅れたことに対する不信感が強く、国民の「知る権利」を一段と制限しかねない法案への批判が噴出した。 (横山大輔)

 与党が推薦したのは、今も「帰還困難区域」を抱える福島県浪江町の馬場有(たもつ)町長と、畠中信義いわき短大特任教授。

 馬場氏は原発事故後、放射能拡散予測の公開が遅れたため、住民が放射線量の高い地域に避難した経緯を説明し「適切な経路を示してくれれば被ばくは防げた」と政府を批判。畠中氏は「知る権利」の重要性を指摘し「国民が判断するには情報が重要だ」と秘密保護より情報公開を進めるよう要求した。

 与党側は馬場氏との質疑で「原発情報は特定秘密の対象にならない」との政府解釈を持ち出して理解を求めた。しかし、馬場氏は納得せず、原発施設の警備情報はテロ防止のため公表されないことを指摘。秘密が際限なく広がりかねない懸念から「どう絞り込むのか。慎重に議論を尽くすことが大切だ」と強調した。野党推薦の公述人からも「今ある法律で十分だ」「拡大解釈はしないというが、歴史を踏まえると権力は腐敗する」と反対論が相次いだ。

 福島での開催は野党が求め、成立を急ぎたい与党が応じた。厳しい意見を受け、特別委の額賀(ぬかが)福志郎委員長(自民)は終了後の記者会見で「非常に濃密な意見交換ができた。与野党で議論して、まとめたい」と述べた。

 <地方公聴会と参考人質疑> 国会法は、委員会が一般的に関心の高い重要法案を審議する際、有識者らから意見を聴くことができると定める。これを中央公聴会と呼び、予算案や予算関連法案の審議には開催が義務付けられており、公聴会開催は一般的に採決の前提とされる。
 一方、地方公聴会は委員が地方に出向いて意見を聴くもので、正式には「委員派遣」という。公聴会の名が付くものの、中央公聴会とは異なり、法的に位置付けられたものではない。むしろ、利害関係者や学識経験者などの意見を聴く参考人質疑と似ている。
 特定秘密保護法案をめぐっては与党は参考人質疑と地方公聴会を終えたことで「採決の環境が整った」と主張。野党側は中央公聴会も開くよう求めている。
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http://tanakaryusaku.jp/2013/11/0008272

【秘密保護法・福島公聴会】全員反対 浪江町長「理解してもらえなかった」
2013年11月25日 18:26

     【浪江町の馬場有町長は憤りと落胆を隠せなかった。
      =25日、福島市 写真:島崎ろでぃ=】

 「衆院の国家安全保障・特別委員会はきょう、「特定秘密保護法」について国民の声を聞く、最初で最後(25日現在の方針)の公聴会を福島市で開いた。原発事故のあった福島であえて開催したところに政府の意図が見えた

 各党から選出された地元の7人が意見陳述した。

 トップバッターの浪江町の馬場有(たもつ)町長は次のように話した―

 「SPEEDIの情報が的確に公開されず、避難に活かせなかった。情報公開さえしてくれれば何らかの方法があった。東電と通報協定を結んでいたが守られなかった。我々は民主主義の拠り所である幸福追求権、生存権、財産権を全て侵害されている。人権を守って、情報公開してほしい。明るみに出せるところは出してほしい。もうちょっと慎重な対応をするべき。国民と論議を尽くすことが大切だ」。

 二瓶由美子・桜の聖母短大教授は「まず、廃案にしてほしい」と切り出した。

 「3.11以降、たくさんの情報が隠されていたのではないか、ここ(福島)で若い人々を教育していいのか思い悩む日々が続いた」。

 二瓶教授は原発事故の際、東電社員の家族がバスで先に逃げたとされることに触れ「情報は流れている所には流れているが、私たち愚民には与えられないのではないか?それが懸念される」。教授は官僚や政府トップによる情報独占の危険性を指摘した。

     【「傍聴したい人が外にいます。入れてあげて下さい」。
      懸命に訴える福島の女性。傍聴は政党の紹介なしに入場できない。
      額賀座長は一顧だにしなかった。=写真:島崎ろでぃ=】

 原発関連会社の名嘉幸照社長の陳述にはド肝を抜かれた。情報隠ぺいの多い原発政策を擁護するのかと思っていたら、その真逆だった。

 「原発労働者が原発について家族にも話せない状況が続いてきた。それが安全神話を生み取り返しのつかない事故につながった」。

 「私は沖縄県出身だが、米軍事故では何も知らされなかった。“ 私達は日本人ですか? ”といつも問いかけて来た。福島県の人にも“ 私達は日本人ですか?”と言わせないで下さい」。名嘉社長は体の深奥から言葉を絞り出すようにして訴えた。

 陳述人7人全員が「特定秘密保護法に反対する」と宣言した

 公聴会終了後、額賀福志郎座長(自民)、国家安全保障特別委員会の中谷元・与党筆頭理事らが記者会見を開いた。

 「地元陳述人は原発災害における情報公開と国民の生命・財産を守る特定秘密を若干混同していたが整理できた」。額賀座長は自信をのぞかせた。

 “ 国民が心配する情報隠しと、国が守ろうとする特定秘密は違うのだから、通過させても構わないだろう ” といわんばかりだ政府が福島で公聴会を開いた意図がここにあった

     【国家安全特別保障委員会・福島公聴会。
      中谷元・与党筆頭理事(右端)は記者会見で「原発で秘密指定の
      対象となるのは警備」と強調した。=写真:島崎ろでぃ=】

 ところが浪江町長にぶら下がり記者会見で話を聞くとそうではなかった。「(特定秘密の)範囲が広すぎる。テロ防止の名目で(原発)事故隠しをされたら困る」。

 「理解してもらえたか?」と記者団が聞くと「理解してないんじゃないかな。表情を見る限り」。浪江町長は肩を落とした。

 「中央でも公聴会をすべき。2週間やそこらの審議で済むことではない。国民の安全保障に関わる問題なのだから」と続けた。

 公聴会開始前、幼子を背負った母親が受付に現れた。「秘密保護法にイヤと言いたいんですけど、私たちは言えないんですか?子供のためにもすごく心配。何か分からないで知らずに触れる恐れがある。議員さんにもぜひ伝えたい」

 母子はたまたま公聴会会場のホテルに投宿していたのだった。安倍政権は国民の心配をよそに猛スピードで「特定秘密保護法案」を成立させようとしている。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013112702000131.html

【社説】
特定秘密保護法案 国民軽視の強行突破だ
2013年11月27日

 広く疑念の声があがる特定秘密保護法案が衆院の本会議で可決した。巨大与党が力ずくで、渦巻く反対論をねじ伏せたのだ。強行突破は看過できない

 福島で二十五日に開かれた地方公聴会は、いったい何のためだったのだろう。首長や学者ら七人が意見を述べたが、賛成者は一人もいなかった。「慎重に、国民のために議論を尽くすことが大切だ」「外国の信頼よりも、国民の信頼を得るべきだ」-。もっともな意見が続出した。

 とくに原発事故で放射能の拡散予測が隠された体験があるだけに、「一番大切なのは情報公開だ」と語った人もいた。


数の力でのおごりだ

 その翌日に衆院の本会議で、一部野党との修正協議を経た法案が、駆け足で可決された。つまり、福島の公聴会はたんなる“儀式”にすぎず与党は耳をふさぎ、尊重もしなかったのだ。あまりに乱暴である

 さまざまな危うさが指摘される秘密保護法案であるため、報道各社の世論調査でも「慎重審議」を求める意見が、60%台から80%台を占めていた。国民の声すら軽視したに等しい

 与党は圧倒的な数の力におごっている。修正案に加わった日本維新の会さえ、この採決には退席した。この強行可決をあえて暴挙と呼ぼう。

 修正案自体も評価に値しない内容だ。秘密の有効期間は最長三十年だったが、「六十年を超えることができない」という規定が加わったため、「六十年原則」の方が幅を利かせる恐れがある。

 その場合も七項目の例外が設けられていて、中には「政令で定める重要な情報」という、あいまいな言葉が挿入されている。これでは半永久的に国民から重要情報が遮断されてしまう。


議員こそ反対の先頭に

 特定秘密の指定や解除などについて、首相が「その適正を確保するため(中略)指揮監督する」という条文も、効力を発揮しないだろう。首相は行政機関の「長」の上に存在する「長」であるから、公正な審判役たりえない

 約四十万件とも見積もられる特定秘密の膨大な文書に対し、首相がいちいち目を通すはずもない。全くの空文である。

 有識者会議もたんに基準を示すだけの存在だ。本当に実質的な秘密に値するかどうかのチェックは、司法権さえからも受けない仕組みなのだ。

 付則では「独立した公正な立場において検証し、監察する新たな機関の設置」が書かれた。だが、あくまで検討事項にすぎないし、具体的な中身も不明である。法案が抱える欠陥を補えるとは到底、期待できない。

 国会への特定秘密の提供も付則に記されたものの、その方策はやはり検討事項にとどまる。この法案が国権の最高機関さえ素通りし、官僚機構が情報支配を進める原点に変わりはないのだ。

 問題のありかは特別委員会の審議を経ても山積している。衆院本会議で可決・通過したので、次は参院に移る。もっと議論して、廃案に持ち込んでほしい。

 とくに憲法の観点から疑念が持たれている点を重視すべきである。国民主権や基本的人権、平和主義の三大原則から逸脱していることだ。

 いわゆる「沖縄密約」や「核密約」などの問題は本来、活発に議論されるべき国政上の大テーマである。これに類似した情報が特定秘密に指定されると、国民は主権者として判断が下せない。

 国会議員といえども、秘密の壁に阻まれてしまう。仮に情報を得たとしても、政策秘書や所属政党に口外すると、処罰対象になる。議員は院内での免責特権があるものの、国会追及はとても期待はできないだろう。

 国政上のテーマについての言論を封じ込める法案とは、ほとんど情報統制の世界に近い。国会議員自身の問題でもある。どれだけの議員が、この深刻さを理解しているか。本来は議員こそ反対の先頭に立つべきなのだ。

 軍事面に過度に傾いている法案であるうえ、安倍晋三内閣は来年にも集団的自衛権の行使ができる「国家安全保障基本法案」の提出をめざしている。平和主義とも相いれないはずだ。


三角形は美しく保て

 特定秘密の取扱者は、飲酒の節度や借金などまで調べ上げられる。調査は親族にも及ぶ。人権上の懸念が持たれるのも当然だ。反原発運動など、さまざまな市民活動の領域まで、公権力が監視する心配も濃厚だ。

 行政権だけが強くなる性質を持つ法案である。民主主義の三角形を美しく保つためにも、あらためて反対表明をする。
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●冷たい国: 国が経産省前テントひろばの撤去を訴え裁判を起こす

2013年05月28日 00時00分55秒 | Weblog


山岡俊介さんのアクセスジャーナルの記事(http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、5月23日)とasahi.comの記事(http://www.asahi.com/national/update/0524/TKY201305240004.html)。

 東京電力原発人災以前の原発推進に全く反省のない自公政権。「経産省前テントひろば」撤去を裁判で訴える暴挙: 

     「■『週刊金曜日』(2013年4月19日、940号) / 赤岩友香氏
      【脱原発運動を威嚇、個人に多額の損害請求 国が経産省前テントを提訴】。
      原発スラップ訴訟http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%A3%D3%A3%CC%A3%C1%A3%D0%A3%D0
      の第2弾。司法が機能していないので・・・・・・「一票の差別」のような判決には
      ほとんど期待できない」

     「■『週刊金曜日』(2013年3月29日、937号) / ただ今到着。
      【アベノミクスに騙されないための政治経済学】。田中龍作
      http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%C5%C4%C3%E6%CE%B6%BA%EEさん
      【安倍政権が脱原発拠点に攻撃 国が経産省前テント撤去に向け仮処分命令】。
      九電前テントも心配」

 「とある暴力集団」による嫌がらせと同等のタチの悪さ。東京電力原発人災の何ものも解決していないのに、原発再稼働を画策し、前政権が再稼働させた大飯原発を止めることもなく、原発輸出も着々と進めている。被災者や被爆者を蔑にする行為。

   『●山岡俊介さんによる反原発若手〝活動家〟インタビュー
   『●「浪江町で300頭の牛を一人で飼っている牧場主の吉沢正巳さん」国会前スピーチ
   『●「九電本店前ひろば」「経産省前テントひろば」の継続した抗議行動
   『●レイシストをしばき隊 
   『●「アベノミクスに騙されないための政治経済学」『週刊金曜日』(2013年3月29日、937号)
   『●「安倍さん、子育て政策は大丈夫ですか?」『週刊金曜日』(2013年4月19日、940号)

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http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、5月23日】

2013/05/23
土地明け渡し訴訟を前に、「経産省前脱原発テント」弁護団・応援団が共同記者会見
執筆者: Yamaoka (6:06 pm)

 本紙がウォッチし続けてきた、東京は霞ヶ関の経産省敷地内に陣取る「脱原発テント」。昨日22日、テント関係者を支援する目的で「応援団」が結成された。前回記事で、東京地裁がテントの占有の移転等を禁止する公示書を提示したことをお伝えしたが、その後5月に入り、経産省は土地明渡請求訴訟に踏み切った。そこで23日に第1回口頭弁論が開始するにあわせ、テント関係者が共同記者会見を開いた。
 応援団の呼びかけ人には鎌田慧氏(ルポライター。左写真)、落合恵子氏(作家)、瀬戸内寂聴氏(作家)、加藤登紀子氏(歌手)らが名を連ねる。会見で鎌田氏は「原発事故を反省せず、原発からの撤退を反故にした安倍政権に対し、テントは脱原発という国民の意思を表現している。これをつぶす動きは憲法にもとる」と、裁判を支援する意図を述べた。
 弁護団は「経産省は国有地だから立ち退けと言うが、ここにテントがあることによる損失はない。経産省の職員にとって目障りだろうが、だからこそここで脱原発を訴える意義がある」「表現の自由や幸福追求権、健康に生きる権利、請願権といった、憲法の理念を掲げて裁判をたたかっていく」と語り、5月23日からはじまる裁判に臨む姿勢を明らかにした。

・・・・・・・・・。
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http://www.asahi.com/national/update/0524/TKY201305240004.html

2013年5月24日7時8分
民主主義の権利か、不法占拠か 脱原発テント訴訟始まる

 東京・霞が関の経済産業省の敷地内でテントを建てて脱原発を訴えるグループに対し、国がテント撤去などを求めた訴訟の審理が23日、東京地裁で始まった。グループ側は「原発推進側の中心である経産省でテントを建てて抗議表明するのは、許される民主主義的な権利の行使だ」と訴えた。

 国は国有地の不法占拠と主張。撤去を求める理由を、(1)歩道や交差点に面した場所で円滑な交通を妨げている(2)倒壊すれば通行人や車に危害が及ぶ恐れがある――などとしている。

 双方の対決姿勢は鮮明で訴訟は最高裁まで続くとみられる。仮に地裁段階で国側が勝訴し、判決文に、確定前でも判決内容を実行できる「仮執行宣言」がつくと、国は撤去を裁判所に求めることができる。ただ、グループ側がこれに対して執行停止を申し立てることも可能だ。最高裁判決が出るまで、撤去が強行される可能性は低いとみられる。

・・・・・・。
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●・・・であるのならば、壊憲派を勝たせてはいけない ~「“悪魔”を阻むハードル」を下げてはならない~

2013年05月04日 00時00分23秒 | Weblog


壊憲〟についての朝日新聞の世論調査を受けての識者のコメント記事(http://www.asahi.com/politics/update/0501/TKY201305010546.htmlhttp://www.asahi.com/politics/update/0502/TKY201305010583.htmlhttp://www.asahi.com/politics/update/0502/TKY201305010587.htmlhttp://www.asahi.com/politics/update/0502/TKY201305010585.html)。東京新聞のコラム『筆洗』(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013042902000117.html。すぐに消えてなくなるasahi.comの社説(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup5月3日)。東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013050302000127.html)、社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013050302000147.html、そしてコラム『筆洗』をもう一つ(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013050302000146.html)。

 自らを律することができない自民党タカ派や元東京〝ト〟知事元大阪〝ト〟知事を縛るために国民が持っている鎖を、資格のない国会議員が自ら断ち切ろうとしている。(金に群がるハゲタカでもある)タカの爪をを巧妙に隠し、まずは改憲・壊憲のためのハードル「“悪魔”を阻むハードル」を下げようとしている。その先には、多くの国民の望まない「戦争を出来る国」にするために。
 「ワイマール憲法当時のドイツで実際に起きたことです。・・・ヒトラーは国民投票という手段も乱発して、反対勢力を壊滅させ、独裁者になりました。憲法は破壊されたのです」。「政治や外交の機能不全の責任を憲法に押しつける戦後世代のリーダー」に壊憲させてはならない。「政治家が歴史に学ばない国は危うい」、そう我が国はとても危うい状況。

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http://www.asahi.com/politics/update/0501/TKY201305010546.html

2013年5月2日0時14分
改憲手続き緩和 賛成38%、反対54% 世論調査

 憲法記念日を前に朝日新聞社は全国郵送世論調査を行い、憲法に関する有権者の意識を探った。それによると、憲法96条を変え、改憲の提案に必要な衆参各院の議員の賛成を3分の2以上から過半数に緩める自民党の主張について、反対の54%が賛成の38%を上回った。9条についても「変えない方がよい」が52%で、「変える方がよい」の39%より多かった。


http://www.asahi.com/politics/update/0502/TKY201305010583.html
http://www.asahi.com/politics/update/0502/TKY201305010587.html
http://www.asahi.com/politics/update/0502/TKY201305010585.html

 5月3日は憲法記念日。朝日新聞社が憲法をテーマに行った全国郵送世論調査の回答を見て、作家の雨宮処凛(かりん)さんは不思議がった。「もしこれが1人の人間の思考だとしたら、とても心配。ものすごく矛盾していて……」。映画監督・作家の森達也さんは、9条を変えないという人が多かったのは「意外だった」と驚いた。神戸大名誉教授の浦部法穂さんは、今の国会議員は「憲法をいじる資格はない」と手厳しい。好調アベノミクスと同時進行する改憲の動き。3人の識者が語る憲法と日本社会とは――。


雨宮処凛さん「人間1人の思考なら矛盾」 憲法世論調査

■作家の雨宮処凛さん
 「いまの憲法を変える必要がある」という人が半数を超え、その理由で最も多かったのが「国防の規定が不十分だから」だという。それでいて「9条を変えないほうがよい」が半数を超える。もしこれが1人の人間の思考だとしたら、とても心配。ものすごく矛盾していて、どんな人間かわからない。
 しかし、ある意味、いまの日本を象徴しているのかもしれない。
 「戦争」とか「国防軍」とか「軍隊」という言葉には強い嫌悪感を示す。9条は守るべきだという人は多い。けれども、参院選で投票するとき、重視する政策を聞けば「憲法」は最下位。かなりの国民は、本気でどーでもいいと思っている気がする。自民党の憲法改正草案を読んでいる人が一体どれだけいるのでしょうか


浦部法穂さん「今の議員に憲法いじる資格ない」世論調査

■神戸大名誉教授の浦部法穂(のりほ)さん
 憲法9条を変えない方がよいという人も、96条の改憲手続きを緩める自民党案に反対という人も5割を超えた。改憲賛成が5割を超えたといっても理由は非常に散らばっていて、最も多くの人が理由に挙げた「国防の規定が不十分」でも全体の3割にとどまっている。国会の論調だけをみると改憲ムードが非常に強いが、国民は割合冷静に見ているのではないか。
 そもそも憲法改正権は国民にあるのだから、改憲は国民の側から「国会で案を作れ」という声が起きてから初めて国会が議論するものだ。ところが、憲法で行動を制約され、命じられる側の国会、まして統治権の中枢の内閣が今の憲法では都合が悪いからといって改憲を主導するのは本末転倒でおかしい。


森達也さん「9条変えない意見多いのは意外」 世論調査

■映画監督・作家で明治大特任教授の森達也さん
 憲法9条を変えない、という意見が多かったのは、意外だった。
 総選挙では予想通りというか、予想を上回るほどの自民党圧勝だった。小選挙区のマジックを差し引いても、自民党や安倍政権への支持が強いのは間違いない。票を入れた人の多くは、憲法9条改定にも賛成なのだろう、と思い込んでいた。だが、調査結果では、景気浮揚策への期待から政権を支持しても、憲法9条改定までは支持していないことが浮かび上がる。自民党や安倍晋三首相には、軌道修正を期待したい。
 ただし僕は、がちがちの護憲派ではない。半世紀以上たっているのだから、時代に合わない要素があればマイナーチェンジしてもいい。でも9条も含め、基本理念は安易に変えるべきではない
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013042902000117.html

【コラム】
筆洗
2013年4月29日

 <遺棄死体数百といひ数千といふいのちをふたつもちしものなし>。昭和十五年、日中戦争の報道写真を見て、新聞記者で歌人の土岐善麿がつくった歌である▼命を二つ持つ者はいない、と生命の尊さを詠んだだけなのに右翼から攻撃され、戦時下は隠遁(いんとん)生活を送る。敵国の兵士に同情したと思われると、袋だたきに遭う時代だった▼その時代に戻ることはないと信じているが、「嫌中・嫌韓」が声高に語られる風潮には危うさを感じる。それを政治家があおっているのだから尋常ではない▼閣僚の靖国参拝に対する中韓両国の抗議を安倍晋三首相は「わが閣僚はどんな脅かしにも屈しない」と突っぱね、「侵略の定義は国際的にも定まっていない」と去の侵略戦争や植民地支配を正当化するような発言を重ねた。経済優先の「安全運転」に徹してきた首相の「地金がむき出しになってきた▼その歴史認識に米国側から反発も出てきた。米紙ワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズは「歴史を直視していない。これまでの経済政策の成果も台無しにしかねない」「敵対心を無謀にあおっているように見える」と社説で批判した▼<あなたは勝つものとおもつてゐましたかと老いたる妻のさびしげにいふ>。戦時中は好戦的な歌もつくった善麿の昭和二十一年の歌だ。戦争は遠くなり、勇ましい声が再び戻ってきた。
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http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup5月3日】

2013年 5月 3 日(金)付
憲法を考える―変えていいこと、ならぬこと

 憲法には、決して変えてはならないことがある
 近代の歴史が築いた国民主権基本的人権の尊重平和主義などがそうだ。時代の要請に合わせて改めてもいい条項はあるにせよ、こうした普遍の原理は守り続けねばならない
 安倍首相が憲法改正を主張している。まずは96条の改正手続きを改め、個々の条項を変えやすくする。それを、夏の参院選の争点にするという。
 だがその結果、大切にすべきものが削られたり、ゆがめられたりするおそれはないのか。
 いまを生きる私たちだけでなく、子や孫の世代にもかかわる問題だ。

権力を縛る最高法規
 そもそも、憲法とは何か。
 憲法学のイロハで言えば、権力に勝手なことをさせないよう縛りをかける最高法規だ。この「立憲主義こそ、近代憲法の本質である。
 明治の伊藤博文は、天皇主権の大日本帝国憲法の制定にあたってでさえ、「憲法を設くる趣旨は第一、君権を制限し、第二、臣民の権利を保全することにある」と喝破している。
 こうした考え方は、もちろん今日(こんにち)にも引き継がれている。
 憲法99条にはこうある。「天皇又(また)は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」。「国民」とは書かれていないのだ。
 立憲主義は、国王から市民が権利を勝ち取ってきた近代の西欧社会が築いた原理だ。これを守るため、各国はさまざまなやり方で憲法改正に高いハードルを設けている。
 米国では、両院の3分の2以上の賛成と4分の3以上の州議会の承認がいる。デンマークでは国会の過半数の賛成だが、総選挙をはさんで2度の議決と国民投票の承認を求めている。
 日本では、両院の総議員の3分の2以上の賛成と、国民投票での過半数の承認が必要だ。
 自民党などの改正論は、この「3分の2」を「過半数」に引き下げようというものだ。

歴史の教訓を刻む
 だが、これでは一般の法改正とほぼ同じように発議でき、権力の歯止めの用をなさない。戦争放棄をうたった9条改正以上に、憲法の根本的な性格を一変させるおそれがある。
 私たちが、96条改正に反対するのはそのためである。
 日本と同様、敗戦後に新しい憲法(基本法)をつくったドイツは、59回の改正を重ねた。一方で、触れてはならないと憲法に明記されている条文がある。
 「人間の尊厳の不可侵」や「すべての国家権力は国民に由来する」などの原則だ。
 ナチスが合法的に独裁権力を握り、侵略やユダヤ人虐殺につながったことへの反省からだ。
 日本国憲法は、97条で基本的人権を「永久の権利」と記している。これに国民主権と平和主義を加えた「三つの原理」の根幹は、改正手続きによっても変えられないというのが学界の多数説だ。
 かつての天皇制のもとで軍国主義が招いた惨禍の教訓が、その背景にある。
 特に9条は、二度と過ちを繰り返さないという国際社会への約束という性格もある。国民の多くは、それを大切なことだとして重んじてきた。
 自民党が96条改正の先に見すえるのは、9条だけではない。改憲草案では、国民の権利への制約を強めかねない条項もある。立憲主義とは逆方向だ。

■政治の自己改革こそ
 首相は「国民の手に憲法を取り戻す」という。改正のハードルが高すぎて、国民から投票の権利を奪っているというのだ。
 これは論理のすり替えだ。各国が高い壁を乗り越え、何度も憲法を改めていることを見ても、それは明らかだろう。
 改めるべき条項があれば、国民にその必要性を十分説く。国会で議論を尽くし、党派を超えて大多数の合意を得る。
 そうした努力もせぬまま、ルールを易(やす)きに変えるというのは責任の放棄ではないか。
 憲法に指一本触れてはならないというのではない。
 例えば、国会の仕組みである。衆院と参院は同じような権限を持つ。このため多数派が異なる「ねじれ」となると、国政の停滞を招いてきた。
 いずれ憲法の規定を改め、衆参両院の役割分担を明確にするなどの手直しが必要になるかもしれない。
 もっとも、いまの国会の怠慢は度し難い
 ねじれによる政治の停滞を嘆くなら、なぜ衆参両院の議決が異なった時に話し合う両院協議会の運用を見直さないのか。
 最高裁に違憲状態とされた一票の格差問題では、司法が口出しするのはおかしいといわんばかりの議論が横行している。これでは、憲法を語る資格などはない
 まずなすべきは、そんな政治の自己改革にほかならない。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013050302000127.html

知らず改憲 危険 読者からの手紙
2013年5月3日 朝刊

 改憲が、政治の場で声高に語られる中で迎えた憲法記念日。本紙が四月十九日から連載した「『憲法と、』第1部 50年代の攻防」には読者から、憲法への思いなどをつづった手紙やメールが寄せられている。憲法について人々がよく知らないまま、変えられてしまうのではないか。そもそも今の社会で憲法の理念がないがしろにされているのではないか-。文面からは危機感がにじむ。 (上條憲也、樋口薫)

 「改憲が動きだす前に、『憲法は権力を縛るもの』という認識が当たり前のことになっていなければ、危険すぎると思います」。そうメールにつづった千葉県鎌ケ谷市の塾講師村松真理子さん(55)を訪ねた。
 憲法に関心を持ったのは一九八二年、小学館の「日本国憲法」を手に取ったことがきっかけだったという。当時も改憲が取り沙汰され、異例のベストセラーとなっていた。
 戦力不保持をうたった九条を改正し、国を「気概をもって自ら支え守る責務」を盛り込んだ二〇〇五年の自民党の憲法改正草案を知人に見せたときに「知らなかった。怖い」と言われた。
 知らせることの重要性を感じた村松さんは〇七年から勉強会を始め、小冊子「みんなの憲法」の発行を続ける。会の仲間とは、主にメールで意見交換。学ぶことが大事なので立場は改憲でも問わない。
 ただ、輪を広げようとしても憲法に拒否反応を示す人もいる。村松さんは最近、知人に憲法について意見を募るメールを一斉送信した。「憲法の話を送ってこないで」という返信もあったという。
 メンバーの一人で、青森県八戸市で空襲を体験した松倉要正さん(80)は「フランスでは青年たちが昼間からカフェで自国の憲法論争をしているのに…」ともどかしさを感じている。村松さんは「問題意識を持つことは面倒なこと。でも考えることで憲法は自分たちのものになる」。
 個人を尊重し、幸福追求権を定めた一三条を村松さんは「憲法が憲法である性質を表している」と言う。憲法の大前提は権力から国民を守るためのものであり、国家の意図を国民に押し付けるものではない。
 「憲法を分かろうと個々がアンテナを研ぎ澄ますことが大事。それが(憲法一二条が定める)自由と権利を保持するための『国民の不断の努力』になる」と村松さんは考える。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013050302000147.html

【社説】
憲法を考える 歴史がつなぐ知恵の鎖
2013年5月3日

 憲法改正を叫ぶ勢力の最大目的は、九条を変えることでしょう。国防軍創設の必要性がどこにあるのでしょうか平和憲法を守る方が現実的です。
 選挙で第一党になる、これは民主的な手法です。多数決で法律をつくる、これも民主的です。権力が憲法の制約から自由になる法律をつくったら…。
 ワイマール憲法当時のドイツで実際に起きたことです。国民主権を採用し、民主主義的な制度を広範に導入した近代憲法でした。ヒトラーは国民投票という手段も乱発して、反対勢力を壊滅させ、独裁者になりました。憲法は破壊されたのです

熱狂を縛る立憲主義
 日本国憲法の役目は、むろん「権力を縛る鎖」です。立憲主義と呼ばれます。大日本帝国憲法でも、伊藤博文が「君権を制限し、臣民の権利を保障すること」と述べたことは有名です。
 たとえ国民が選んだ国家権力であれ、その力を濫用する恐れがあるので、鎖で縛ってあるのです。また、日本国民の過去の経験が、現在の国民をつなぎ留める“鎖”でもあるでしょう。
 憲法学者の樋口陽一東大名誉教授は「確かに国民が自分で自分の手をあらかじめ縛っているのです。それが今日の立憲主義の知恵なのです」と語ります。
 人間とはある政治勢力の熱狂に浮かれたり、しらけた状態で世の中に流されたりします。そんな移ろいやすさゆえに、過去の人々が憲法で、われわれの内なる愚かさを拘束しているのです。
 民主主義は本来、多数者の意思も少数者の意思もくみ取る装置ですが、多数決を制すれば物事は決まります。今日の人民は明日の人民を拘束できません。今日と明日の民意が異なったりするからです。それに対し、立憲主義の原理は、正反対の働きをします。

9条改正の必要はない

   「国民主権といえども、服さねばならない何かがある、
    それが憲法の中核です。例えば一三条の『個人の尊重』などは
    人類普遍の原理です。近代デモクラシーでは、立憲主義を用い、
    単純多数決では変えられない約束事をいくつも定めているのです」(樋口さん)

 自民党の憲法改正草案は、専門家から「非立憲主義的だ」と批判が上がっています。国民の権利に後ろ向きで、国民の義務が大幅に拡大しているからです。前文では抽象的な表現ながら、国を守ることを国民の義務とし、九条で国防軍の保持を明記しています。
 しかし、元防衛官僚の柳沢協二さんは「九条改正も集団的自衛権を認める必要性も、現在の日本には存在しません」と語ります。旧防衛庁の官房長や防衛研究所所長、内閣官房の副長官補として、安全保障を担当した人です。

   「情勢の変化といえば、北朝鮮のミサイルと中国の海洋進出でしょう。
    いずれも個別的自衛権の問題で、たとえ尖閣諸島で摩擦が起きても、
    外交努力によって解決すべき事柄です。九条の改正は、中国や韓国は
    もちろん、アジア諸国も希望していないのは明らかです。米国も
    波風立てないでほしいと思っているでしょう」

 九条を変えないと国が守れないという現実自体がないのです。米国の最大の経済相手国は、中国です。日中間の戦争など望むはずがありません。

   「米国は武力が主な手段ではなくなっている時代だと認識しています。
    冷戦時代は『脅威と抑止』論でしたが、今は『共存』と『摩擦』が
    テーマの時代です。必要なのは勇ましい議論ではなく、むしろブレーキです

 柳沢さんは「防衛官僚のプライドとは、今の憲法の中で国を守ることだ」とも明言しました。
 国防軍が実現したら、どんなことが起きるのでしょうか。樋口さんは「自衛隊は国外での戦闘行為は許されていませんが、その枠がはずれてしまう」と語ります。

   「反戦的な言論や市民運動が自由に行われるのは、
    九条が歯止めになっているからです。国防軍ができれば、
    その足を引っ張る言論は封殺されかねません。軍事的な価値を
    強調するように、学校教育も変えようとするでしょう」

 安倍晋三首相の祖父・岸信介氏は「日本国憲法こそ戦後の諸悪の根源」のごとく批判しました。でも、憲法施行から六十六年も平和だった歴史は、「悪」でしょうか。改憲論は長く国民の意思によって阻まれてきたのです。

悪魔を阻むハードル
 首相は九六条の改憲規定に手を付けます。発議要件を議員の三分の二から過半数へ緩和する案です。しかし、どの先進国でも単純多数決という“悪魔”を防ぐため、高い改憲ハードルを設けているのです。九六条がまず、いけにえになれば、多数派は憲法の中核精神すら破壊しかねません。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013050302000146.html

【コラム】
筆洗
2013年5月3日

 集団自決の場で何人もの子どもを手にかけながら、自らは死に切れなかった人がいる。約四百人の孤児を引率して命からがら引き揚げてきた人がいる。百人の子どもが途中で亡くなった。先月二十四日、長野県阿智村に開館した満蒙(まんもう)開拓平和記念館には、国策で満州に渡った人たちが味わった地獄が刻まれている▼二十七万人の満蒙開拓団のうち、全国最多の三万二千九百九十二人を送り出したのは長野県だった。帰国できたのは一万六千九百四十九人。千百三人が残留孤児や残留婦人になった▼阿智村のある下伊那・飯田地方からは県内でも最も多い八千三百八十九人が渡満した。この地に平和記念館を建設することは、地域の引き揚げ者たちの悲願だった▼関東軍に見捨てられた開拓団は、日ソ中立条約を一方的に破棄して侵攻してきたソ連軍に襲われた。集団自決の悲劇もあった。栄養失調や伝染病でさらに多くの犠牲者を出した。移民ではなく、棄民だった▼きょうは憲法記念日。改憲が具体的な政治日程に上がってきたのは、戦争のおびただしい犠牲者の上に立つ憲法から「血の色」があせてきたことと無縁ではない政治や外交の機能不全の責任を憲法に押しつける戦後世代のリーダーがいる。戦争の記憶を伝えようと、戦後七十年近くなって記念館を建てる人たちがいる。政治家が歴史に学ばない国は危うい
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