Activated Sludge ブログ ~日々読学~

資料保存用書庫の状況やその他の情報を提供します。

●《国公立大や公的機関の研究者…大量雇い止め》《研究者が人件費の「調整弁」》…指宿昭一弁護士「いつでも切れる状態にする悪辣なやり方」

2022年06月16日 00時00分35秒 | Weblog

[※ 「日本だけ賃下げ」(週刊金曜日 1353号、2022年01月21日) ↑]


(20220604[])
まず、言いたいことがある。
 「最終保障供給…小売電気事業者のいずれとも電気の需給契約についての交渉が成立しない場合、契約先が見つかるまで送配電会社が電力を供給する制度」…大手電力会社が再エネをつぶしておいて、電気代が1.5倍ほどにアップ? 核発電回帰!? フザケルのもタイガイにしろ!! 《原発は『プルトニウムをつくる装置』》(故・内橋克人さん)。そんなに自公お維コミを支持して、利権に在り付きたいものかね。《火事場ドロボー》らに唆されて、「原状回復」どころか《原発回帰》。


   『●《原発再稼働や増設を唱える連中の頭の中を掻っ捌いて、中身を見て
      みたい》(鈴木耕さん)――― なぜ今直ぐ「原状回復」しないの?
    《とくに、原発事故による放射性物質の拡散の影響、それによる
     疾病の増大、小児甲状腺癌の発生と検査体制の問題については、
     とても数十行の文章では意を尽くせない。それについては稿を
     改めようと思う》

   『●《【原発耕論…】福島事故で被ばくしたこどもたちに、不安なく過ご
     せる未来を!(311子ども甲状腺がん裁判)》(デモクラシータイムス)
   『●子ども甲状腺がん裁判《東電側…弁護団…「原告らは…甲状腺の健康
     リスクの上昇には関わりがない」などと因果関係を否定》…血も涙も無し

軍事費増強、軍事費倍増だそうだ。

   『●消費税増税断固反対!!: 約束に無いことのみをやるムダ内閣
    《中途半端という点では、今国会に提出された労働契約法の改正案も
     同様だ。有期の契約社員が5年を超えて同じ職場で働く場合、本人が
     希望すれば6年目からは無期雇用に転換することを企業に義務づける。
     だが、5年を前に契約を打ち切る「雇い止め」が相次ぐのではないか
     と懸念されている。更新時に半年あいだを置けば、前の期間は
     通算しないですむ「抜け道」も用意された。何より、無期雇用に
     転換しても、賃金などの労働条件はそのままでいいという。これでは、
     「正社員化への道」は名ばかりになりかねない。》

   『●竹中平蔵氏が「解雇特区」構想をぶち上げる!!
    《解雇特区構想は、アベノミクスの成長戦略のひとつとして
     「産業競争力会議」が進めているものだ。
     「特区構想は“労働基準法”や“労働契約法”の規定を、
     特区内に限ってゆるめる内容です。企業と労働者が約束した
     条件に沿って解雇できるようにする。…」》

   『●「解雇特区」、事実上見送りだそうだが……
    《労働契約法16条には正当で合理的理由がなければ解雇できない
     と書かれている。労働者の基本的人権だ。絶対に譲れない一線
     なのに、安倍や菅官房長官らはそれを「岩盤規制」と呼んでいる。
     人権を規制呼ばわりされたらたまらない》

   『●東京新聞【<社説>新しい資本主義 「分配」は掛け声倒れか】
     《岸田へ投資を》…「インベスト・イン・キシダ・DEATH」ではねぇ…

 あぁ、「新しい資本主義」…《政治の刷新がない限り、日本は沈みゆくしかない》。軍事費倍増、その5兆円ほどのお金をどこから削り、どこから調達? 消費税分は法人税の穴埋めに使われ…さらに消費税増税でもするのですか?
 東京新聞の記事【国公立大や公的機関の研究者 来年3月に約3000人が大量雇い止め危機 岐路の「科学立国」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/179934)によると、《国立大学や公的研究機関に勤める任期付き研究者の大量雇い止めが問題化している。法定の雇用期間の上限規定(10年)が、来年3月末に迫っているからだ。対象の研究者は約3000人。無期雇用への転換も可能なルールだが、経営状況が厳しい大学などが雇い止めを選択する恐れが出ている。科学力低下や海外への頭脳流出も懸念されるのに、文部科学省の動きは鈍い。研究者の大量雇い止め危機の2023年問題。うまく対処する方法はないのか。(特別報道部・宮畑譲、北川成史)》。

   『●そもそも、子どもたちのためにこそ
       「ドブガネしている」税金を使ったらどうなのか?
   『●「誰のための政治…誰のための税金なのですか。 
        税金は安倍総理のポケットマネーではありません」!
   『●弱い者イジメ…「『低所得世帯の生活水準が下がった』なら、
                  『貧困は改善』は嘘で、アベノミクスは失敗」
   『●オトモダチ「利権」塗れ…「この国でもっとも「利権」から遠い
                  生活保護受給者の暮らしがまた脅かされる」
   『●「FMSは武器取引を通じて、米国が他国を
     従属させるシステムでもある。日本の対米追従は強まる一方だ」
   『●アベ様の《国民観、人間観には共通点が多すぎる…
       彼の目には私たちが己の財布、兵力、労働力だとしか…》
   『●「どっからどうもってきて出すのか」…軍事費を削り、
        弱者救済や災害復旧、防災にこそ血税を使って下さい
   『●対外有償軍事援助FMS…《アメリカからの援助》? アメリカへの
                   「援助」、狂気な「思いやり」の一種?
   『●「国策の名の下に研究者が軍事研究に加担させられた
          歴史を繰り返そうとしている…亡国の施策だ」
   『●《韓国…国防予算の削減…新型コロナウイルス対策に振り向け…極めて
        合理的な判断…その合理は日本では通用しない…》(立岩陽一郎氏)
   『●《フィンランド…親の経済力にかかわらずすべての子どもたちが
              大学まで行ける…。老後も…》(鈴木穣記者)
   『●同様に、「この28年間の変化は法人税が6兆円…
      所得税が6兆円減り、消費税が13兆円増えたことだけなのだ」
   『●前川喜平さん《社会全体が子どもたちを支えられるように、子どもたちに
        税金を使う仕組みを作らなければいけない》…逆行するアベ様政権
   『●【NNNドキュメント カネのない宇宙人 信州 閉鎖危機に揺れる
     天文台】…《「経済的利益」を重視する国の政策によって…資金》大幅減
    「2005年から運営費交付金を年1%削減し続ける文科省。人件費が
     どんどんと削られ、研究者が減らされていく。文系どころか、理系に
     対しても未来に投資しない国。一方、巨額の軍事研究費で研究者の
     良心を釣る。おカネ儲けのことしか考えていない独裁者・アベ様ら。
     この国ニッポンの科学の未来はトンデモなく暗い…。」

   『●前川喜平さん《本来は自由で自律的でなければならない分野にまで
     政治支配が及ぼうとしている…新聞やテレビ…教育、文化や学問…》
   『●毎日新聞【「軍事研究せぬなら、行政機関から外れるべき」 自民・
     下村博文氏、学術会議巡り】…人殺しの研究なんてまっぴら御免だね
   『●「「愛人」だと報じられた女性がいるバーで1回約180万円の
                支出を政治活動費で賄っている」財務相
    《「人の税金で大学に」麻生太郎は自分の娘も東大卒だった! 教育への
     公的支出を否定する財務相を許していいのか …つまり、教育への
     公的支出が少なく家計負担を強いているこの状況が、親の所得格差
     子どもの教育格差につながるという「貧困の連鎖」を
     生み出しているのだ》

   『●《将来への投資》しないカースーオジサン…児童《手当(公助)を
     減らし、自助に頼る。これが菅首相の「自助・共助・公助」の実態だ》
   『●総合科学技術・イノベーション会議(菅義偉議長)…《「稼げる大学」
       へ外部の知恵導入 意思決定機関設置、来年法改正》(時事通信)
   『●《さらなる教育の平等…国民総「高スキル人材」の実現だ。社会からの
     脱落や孤立化を防ぎ、労働市場でも「誰一人取り残さない」を目指す》
   『●斉加尚代監督『教育と愛国』:《教育への政治支配が続けば、日本の
     学校は…政府プロパガンダを信じ込ませる場に堕す》(前川喜平さん)
   『●『教育と愛国』《危うさに気づいた…。監督で毎日放送の斉加尚代さんは、
         ゆがむ教育現場のリアルを伝え「教科書は誰のものか」を問う》
   『●《地元テレビはヒレ伏しヨイショの連続》…一方、ある記者は
       《「こんな状態でも、ひるんじゃダメよ」――。
                      橋下市長より大人だ》った

 そんなに違憲に壊憲して、戦争できる国にしたいの? 人の親として、子や孫を戦場に行かせたいものかね、そんなに人殺しに行かせたい?
 目取真俊さんのブログ【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊/戦争で死ぬということ/沖縄戦を戦ったある日本兵の証言より】(https://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/a7f54e8f36b295ca99d4bf0431245473)によると、《自らの戦争体験を語れる人がわずかになる一方で、戦争体験をつづった膨大な書籍はどれだけ読まれているのか戦場で人々はどのように生き、死んでいったのかそのことを記録した証言集や戦後文学を読むことの意義は大きい軍隊という組織は外にも内にも暴力がはびこる。上官の暴力に苦しんで自殺した若い兵隊たちが、数多くいた事実も知る必要がある》。

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/179934

国公立大や公的機関の研究者 来年3月に約3000人が大量雇い止め危機 岐路の「科学立国」
2022年5月28日 06時00分

 国立大学や公的研究機関に勤める任期付き研究者の大量雇い止めが問題化している。法定の雇用期間の上限規定(10年)が、来年3月末に迫っているからだ。対象の研究者は約3000人。無期雇用への転換も可能なルールだが、経営状況が厳しい大学などが雇い止めを選択する恐れが出ている。科学力低下や海外への頭脳流出も懸念されるのに、文部科学省の動きは鈍い。研究者の大量雇い止め危機の2023年問題。うまく対処する方法はないのか。(特別報道部・宮畑譲、北川成史)


◆頭脳流出の危機「中国からオファーがあれば考える」

     (「10年ルール」撤廃を訴える特任教授の男性
      =東京都文京区の東京大学で)

 フラスコや顕微鏡、無菌状態にする装置などがところ狭しと並ぶ東京大のバイオ系の研究室。中には1億円以上する機器もある。この研究室は、人件費を含め企業からの寄付金で運営されている。

 しかし、来年3月にこの研究室を引き払う可能性がある。研究を仕切る特任教授の任期が切れるからだ。

 「この機材を持って別の大学に移れるのならいいが、簡単にポストは見つからない。昨年から10件以上、大学教員の公募に書類を出しているが、全く通らない。同じような境遇の人が殺到しているのだろう」

 この研究室の特任教授の男性が切迫した状況をそう訴える。今のポストに就く前は別の大学で無期雇用の教員として勤めていたが、声をかけられ、「よりよい環境で研究したい」と2012年10月に移ってきた。

 その半年後に、問題の改正労働契約法が施行された。当時から不安はあったが、「企業から研究費がもらえれば定年まで継続できるだろう、もしくは別の無期雇用のポストに移れるだろう、と高をくくっていた面はある」と振り返る。「こんなことになるなら、前の大学を辞めなかった」と悔やむ。

 男性は、自身と日本の研究環境の将来を悲観する。「もちろん今の研究室で続けたいが、背に腹は代えられない。中国からオファーがあれば考える」と吐露。「将来の仕事がないなら、学生も博士課程に進まず就職してしまう腰を据えた基礎研究はやはり大学が中心しっかりした基礎研究の土壌がなければ、企業もよい研究・開発はできない」


◆研究機会を与えないのは社会的損失

 文科省によると、来年3月末で契約期間が10年に達するのは国立大86校などで3099人。うち契約期間の上限が就業規則などで明示されている1672人は、雇い止めに遭う可能性がさらに高い。中でも東大は346人と最も多い。

     (多くの研究者が雇い止めの危機にある東京大学。
      中央上は本郷キャンパスの安田講堂=東京都文京区で、
      本社ヘリ「あさづる」から)

 しかも、有期雇用の研究者が期限を迎えるのは来年3月だけのことではない。以降も続々と発生する。

 男性は「本来は期限が来たら無期雇用に移行できるよいルールのはずだが、現実にみんなを無期雇用にするのは無理だ。それなら、このルールを撤廃して、有期雇用を続けてもらったほうがいい」と強調する。

 東大広報課は「こちら特報部」の取材に「他のプロジェクトに採用されるなどで、10年を超えて在職することも可能。『一律に雇止め』といった議論とは状況が異なっていると認識している」と回答した。

 しかし、有期雇用の教員を支援している東大の無期雇用の教授はこう考えている。「大学は企業などからの研究費が定年の65歳まで出る場合を想定している。プロジェクトが終わってしまえば、人件費が発生することになるから、無期雇用しようということにならない。結局、多くの人が雇い止めに遭うだろう

 その上で、「素晴らしい成果を上げている有期雇用の先生はいる。彼らに研究する環境を与えないのは、大学だけでなく社会的な損失も大きい」と嘆く。


◆文部科学省、雇用判断を大学に丸投げ

 有期雇用の研究者の雇い止めの恐れがあるのは他の国立大も同じだ。文科省によると、10年で契約終了が明示されている1672人の内訳は大学別で東京大に続き、東北大(236人)、名古屋大(206人)が多い。

 文科省所管の5つの研究機関でも、657人が来年3月末に契約期間が10年に達する。うち契約期限が10年以内と示されているのは317人で、理化学研究所が296人と大半を占める。

 そもそも、13年4月施行の改正労働契約法では、同じ勤務先での有期雇用契約の期間が通算5年を超えた場合、労働者が求めれば無期雇用に転換できるルールが定められた。研究者については任期法などで、通算10年という特例が設けられた。文科省人材政策課の担当者は「7、8年という期間の研究事業もあり、5年での業績評価は難しいとの研究者や研究機関の要望を踏まえ、10年に延長された」と説明する。

 「10年」を前に広がる雇い止めの不安に文科省の動きは鈍い。法に関するリーフレットを作ったり、大学に説明したりしているというが、対策について大学振興課の担当者は「特別にはない」と素っ気ない。無期雇用への転換促進には「業務の内容がさまざまなので一律に言えない」と話す。

 結局、雇用の判断は大学や研究機関に丸投げだ。経済産業省所管の産業技術総合研究所は、対象の研究者ら422人について希望があれば雇用を継続する方針を示している。それを考えれば、何らかの対応ができるようにも見える。


◆有期雇用は人件費の「調整弁」、ハラスメントの温床にも

     (研究者の雇い止め問題で動きが鈍い文部科学省)

 研究者のキャリア問題に詳しい「科学・政策と社会研究室」代表の榎木英介さんは「文科省はやる気のない問題には『学問の自由』を理由に逃げる今回がまさにそうだ研究者の雇用の安定のために導入された制度のはずなのに、雇い止めの口実になっている」と厳しい目を向ける。

 榎木さんによると、国から国立大学などへの運営費交付金が減少し財源が減った反動で、研究者の有期雇用が増えた。研究者が人件費の「調整弁」になっている構図が、問題の背景にある。「文科省は問題に踏み込むと、交付金の在り方を追及される。財務省との板挟みになるのが嫌なのではないか」と推し量る。

 文科省は、有期雇用は研究者の流動性を高め、切磋琢磨せっさたくまにつながる意義があるとするが、北海道大の光本滋准教授(教育学)は「メリットが現れていない40代でも落ち着かない研究者がかなりいる契約を切られたくないため(無期雇用の)教授に物を言えず、ハラスメントの温床になっている」と疑問視する。


◆全般的な国力低下につながりかねない

 近年、研究分野で日本の国際的地位が後退しているとされるが、不安定な雇用環境では人材が集まらない。「中国などによる研究者の引き抜きを助長し、全般的な国力の低下につながりかねない」と危惧する。

 労働問題に詳しい指宿昭一弁護士は「他の労働者は5年を超えれば、無期雇用への転換を求められるのに、研究者はできない。逆に、長期間、無期への転換を求められないことで安定した雇用の立場を得るハードルを高くしている。この例外自体が変な理屈だった」と指摘する。

 指宿さんによると、大学でも事務職員らには「5年」のルールが適用される。そうした職員の雇用をいったん5年で終了し、数カ月後に再び有期で雇い直す大学があった。研究者についても、こうした抜け道を探る動きがあるという

 これについては「いつでも切れる状態にする悪辣なやり方」と強調。「明日の雇用も知れない状況でいい仕事はできない。文科省は対策を考えるべきだ」


◆デスクメモ

 昨年3月に閣議決定された科学技術・イノベーション基本計画は研究現場の現状を厳しい環境が継続し、論文の質と量で国際的地位が低下傾向だと分析する。認識は正しいが、政府に改善する気迫が全く見えない。まずは、研究者が能力を存分に発揮できる環境づくりをできないものか。(六)

【関連記事】なぜ少ないの?女性の研究者…当事者に理由を聞いた 「家庭との両立困難」73%、「偏見」64%
=====================================================

=====================================================
https://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/a7f54e8f36b295ca99d4bf0431245473

海鳴りの島から
沖縄・ヤンバルより…目取真俊
戦争で死ぬということ/沖縄戦を戦ったある日本兵の証言より
2022-05-28 14:15:27

 十数年前、沖縄戦を戦った東京都出身の元日本兵に話を聞いた。

 その方が負傷と疲労で動けず、沖縄島南部のガマ(洞窟)に横になっていた時のことだ。岩をはさんだ隣のくぼみに重傷の若い兵隊がいた。ある日、轟音とともに手榴弾が破裂し、その兵隊が自決した。岩があったため、証言した人は無事だった。

 直後にまわりの兵隊から罵声が飛んだ。

 馬鹿野郎、死ぬんなら外に出て死にやがれ。

 それまで、自らの死期を悟った兵隊たちは、手榴弾をもって外に出てから自決していたという。

 私に話をした元日本兵の方は、その理由を身をもって知った。

 自決した遺体はすぐに腐敗し、猛烈な悪臭がガマの中に立ち込めた。

 そして、遺体から湧いたウジ虫がまわりに這い出し、その方の体にも這い登ってきた。最初は手で払い落していたが、しだいにその気力もなくなり、ウジ虫が体や顔を這うままに任せていたという。

 戦場で死ぬというのはそういうことだ。手足はバラバラになり、顔が押しつぶされ、脳みそが吹き飛び、内臓がはみ出し、泥と汚物にまみれた死体が、77年前、沖縄の戦場のあちこちに転がっていた

 死体は腐敗してガスで膨張し、太ったウジ虫がわき出し、群がる。倒れた母親の乳房にしがみついたまま死んだ乳児の遺体をハエが覆っている。砲爆撃に追われ、時にはそういう死体を踏んで逃げ惑う。それが77年前の沖縄の光景だったのだ。

 連日、メディアがウクライナ情勢を伝えている。ロシア軍がどこまで侵攻した、ウクライナ軍がどこまで反撃した、どのような兵器が使われ、どのように戦闘が行われた。大半はそういう情報であり、戦場で死んだ人々の映像もロシアの蛮行を強調するもので、路上に倒れた住民の姿が多い。

 それすら日本ではぼかしがかけられる。外国の報道にしても、激しく損傷した遺体を見せるのはメディアでは難しいし、戦意を喪失させるそういう映像は軍や政府に規制されるだろう。

 ロシアの戦車や装甲車がミサイルで破壊される様子が、ドローンや地上から撮影した映像で流される。吹き飛ばされる戦闘車両には兵士たちが乗っていて、彼らの死体は元の姿をとどめていないだろう。戦死の知らせを受けた家族や友人らは、悲しみとともに敵への怒りや憎しみを募らせるだろう。

 ウクライナ側の視点から報じられる映像や情報にさらされると、戦死していくロシア兵とその家族への想像力がはたらきにくい。戦局や兵器を論じる軍事評論家や研究者の発言ばかりを聞き、高みから情勢を語るだけで、実際に死んでいく住民や兵士の生々しい様子を想像しなければ、勇ましい言葉を吐いて戦争を煽るようになってしまう

 自らの戦争体験を語れる人がわずかになる一方で、戦争体験をつづった膨大な書籍はどれだけ読まれているのか戦場で人々はどのように生き、死んでいったのかそのことを記録した証言集や戦後文学を読むことの意義は大きい軍隊という組織は外にも内にも暴力がはびこる。上官の暴力に苦しんで自殺した若い兵隊たちが、数多くいた事実も知る必要がある。

 「南西領土の防衛」と言ったところで、日本政府や自衛隊が守るのは「領土」であり、大半の住民は島から逃げることができず、戦闘に巻き込まれて犠牲になる。戦場になるのは宮古・八重山・与那国を中心とした沖縄で、自分が住んでいるところではない、と考えているヤマトゥンチューは平然と自衛隊の強化を口にする

 宮古・八重山・与那国から、どこに、どうやって住民を避難させるのか。そもそも、公務員や運輸、通信、電力、水道、ガスなど戦争遂行に欠かせない部署の労働者は強制的に勤務させられるし、成人男性の大半は島に残ることを強いられるだろう

 女性や老人、子どもたちにしても、数万人規模をどうやって避難させるのか。船や飛行機をピストン運航してどれだけ対応できるのか。ウクライナのように自分の車で陸路を逃げることはできないのだ。制海・制空権を奪われたらどうするのか。

 沖縄戦を見ればわかるように、戦争になれば輸送船も攻撃対象となる。孤立した島で住民はどうやって水や食料、生活必需品を確保するのか。自衛隊が住民を守る、というのは幻想にすぎない。敵の激しい攻撃を受ければ、自衛隊にしても自らを守るだけで精一杯なのだ。

 ガマ(洞窟)での体験を語ってくれた元日本兵の方は、私にこうも言っていた。

 よく沖縄戦のことを「日米の激戦」と言いますが、「激戦」というのは双方が同じだけの兵力で戦うから「激戦」になるんです。沖縄戦では日米の兵力が比較にならなかった。だから「激戦」ではないんですよ。私たちは一方的にやられてたんです

 沖縄人は自らを守るために必死にならなければ、何度でもヤマトゥに「捨て石」にされる。沖縄戦を生き延びた人たちの証言を、いまこそ数多く読みかえしたい。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●「戦争に関する資料が隠ぺいされたことにより、子孫たちに正しい歴史を伝えることができなくなった」

2018年08月24日 00時00分28秒 | Weblog

[【NNNドキュメント’18/南京事件Ⅱ ―歴史修正を検証せよ―】(2018年5月13日)↑]



リテラの記事【『報道特集』が日本軍の戦犯証拠隠滅の実態を明らかに! 安倍政権の歴史修正主義と公文書改ざんの原点】(http://lite-ra.com/2018/08/post-4190.html

 《日本の加害戦争責任の全貌を見えづらくした要因は、日本にこそある。それは、敗戦直前、日本政府や軍が責任逃れのために戦時資料の焼却処分を行ったからだ》。

   『●『朝日新聞』が「アベ様の犬HK」化しないことを望む:  
           相対的に「大変にマシな報道機関」はどこか?
    《…太平洋戦争時、日本陸軍経理課の軍人として慰安所設置の
     任務に就いた「産経のドン」故・鹿内信隆産経新聞からリベラル色を
     一掃し、極右タカ派の論調でこの新聞を塗り固め自民党政権と
     深く結びつくことでマスコミ業界の大物として君臨した鹿内が、
     さらに驚くべきことを「自慢話」として得意げに語っていたことが
     判りました…》
    《もちろん、こうした事実を産経新聞をはじめとする右派、保守派が
     知らなかったわけはない。少し前に中曽根康弘元首相が
     「土人女を集め慰安所開設」していたという戦時記録を紹介したが、
     今回は自分たちが中興の祖とあおいでいる人物が自社の単行本で
     軍の組織的な関与を認めていたのだ》

   『●「業界の失いつつある信頼」の回復への第一歩:
       NNNドキュメント’15『南京事件 兵士たちの遺言』
    《『NNNドキュメント』(日本テレビ系)が、自民党が「否定」する
     「南京事件」を検証したのだ。その内容は、元日本軍兵士の証言や
     当時の日記といった“一次資料”を取りあげ、さらに矛盾や
     不自然な点がないか、番組取材班が徹底的に裏取りを試みる
     というものだった》

   『●加害者性と被害者性…「私たち一人一人が被害者となり、
              加害者となり得る戦争。戦争はどこかで今も…」
    「【記憶の澱/NNNドキュメント’17】…。
     《先の大戦の記憶を、今だからこそ「語り、残したい」という人々がいます。
     …心の奥底にまるで「」のようにこびりついた記憶には「被害」と「加害」、
     その両方が存在しました》」
    「リテラの記事【明石家さんまが「戦争のために税金を
     納めてるんじゃない!」「武器に金使うなら税金収めない」と
     国税局に抗議】…証拠隠蔽・虚偽答弁で昇格された佐川宣寿
     国税庁長官殿に聞かせてやりたいよ、全く」

   『●【南京事件Ⅱ―歴史修正を検証せよ】…
     「「公文書」がいかに重要な意味を持つかを、社会に毅然と示した」
    《番組を通じて「公文書」がいかに重要な意味を持つかを、
     社会に毅然と示した
    《戦中の軍による戦争犯罪・残虐行為を記録した日本側の公文書は、
     敗戦の1945年8月15日の前後に、その多くが焼却されている。
     証拠隠滅のためだ》
    《翻って現在、安倍政権下の日本では、公文書のあり方が問われている
     政府が、存在するものを「ない」と平気で嘘をつく役人が国民の
     知らぬところで文書を改ざんするあるいは「特定秘密」と言って、
     人々の目の届かないところに葬り去ろうとする。こうした政府による
     公文書の隠蔽や改ざんは現代社会の根底を揺るがすと同時に、
     のちの“事実の検証”を著しく困難にさせるものだ


 彼・彼女らの御望みの証拠(証拠隠蔽にもかかわらず、実際には証拠は存在)が無いことが、〝歴史〟が無かったことになる訳がない。いま、アベ様政権の下、過剰な「忖度」などの滅公奉僕精神により、証拠隠滅を図ったとしても、アベ様御夫妻案件やオトモダチ・取巻き連中の悪事が歴史上無かったことにはならない。決して忘れることなく、指摘し続けるだけだ。

 《戦争に関する資料が隠ぺいされたことにより子孫たちに正しい歴史を伝えることができなくなった》…《この廃棄処分が歴史を歪め歴史修正主義を生み出す温床》。
 《公文書は言うまでもなく、為政者の私物などではなく市民の共有財産だ。それが改ざんされたり、破棄されるということは、同時代の社会の根幹を揺るがす問題であると同時に、さらに後の世代がのちに振り返って事実を検証することを阻害するものであり、これは人類史において多大な損害だ。そう考えると、安倍政権の公文書改ざんと歴史修正主義は根っこのところでつながっている
 『●【南京事件Ⅱ―歴史修正を検証せよ】…「「公文書」がいかに重要な意味を持つかを、社会に毅然と示した」』でのリテラ記事でも同様な指摘がなされている…《こうした政府による公文書の隠蔽や改ざんは現代社会の根底を揺るがすと同時に、のちの“事実の検証”を著しく困難にさせるものだ》。

   『●『ペンタゴン・ペーパーズ』: 「報道の自由を守るには
        報道しかない」、でも、沖縄密約と西山太吉記者…
   『●広報…「livedoor NEWSも産経ニュースも、
      記事のタイトルがおかしくネ? ……腐ってんな」
   『●自衛隊PKO日報問題…「森友捜査ツブシ」選挙の
       ドサクサに紛れて人治主義国家ニッポンの人事考査が再び

==================================================================================
http://lite-ra.com/2018/08/post-4190.html


『報道特集』が日本軍の戦犯証拠隠滅の実態を明らかに! 安倍政権の歴史修正主義と公文書改ざんの原点
2018.08.15

     (TBS公式HPより)

 戦後73年が経ち、今年も8月15日を迎えた。今夏も各メディアで戦争を振り返る企画が組まれているが、8月11日に放送された『報道特集』(TBS)の「戦争と記録 大量焼却のワケ」はまさに、現在につながる問題を鋭くえぐった特集だった。

 第二次世界大戦における日本の加害事実や戦争責任について言及すると、歴史修正主義にまみれた安倍応援団ネトウヨは、アメリカやソ連の一方的な主張や資料に基づくでっちあげなどとがなり立てる。実際は日本兵の証言などもありそれ自体ウソなのだが、しかし日本の加害や戦争責任の全貌を見えづらくした要因は日本にこそある

 それは、敗戦直前、日本政府や軍が責任逃れのために戦時資料の焼却処分を行ったからだ。

 ポツダム宣言受諾後の8月14日に閣議決定された焼却命令は、東京だけではなく、地方にまでおよんだ。『報道特集』ではその一例として、広島県福山市に残されていた8月17日に焼却された書類を記したリストを紹介。そこには、徴兵関係や日中戦争に関する書類が焼却されたと記されており、また、番組では軍人名簿が焼かれたことで、恩給の給付に支障をきたした地方自治体があるとも紹介されていた。

 『報道特集』は加えて、実際に焼却に携わった人からの証言も複数紹介している。

 まず、逓信省航空局で暗号を翻訳する業務についていた前沢正己氏は、上司の命令によりありとあらゆる資料を防空壕のなかに入れて焼却処分したと語る。それは電話帳まで燃やすという徹底ぶりで、焼却には2日ほどの時間をかけ、防空壕のなかの空気が足りなくなってなかなか燃えずに大変だったと振り返る。

 戦争に関係する書類を燃やしていたのは、役所だけでなくメディアも同様だった。同盟通信の写真部に勤めていた渡辺清氏は、上司からの命令があり、日比谷公園で書類を焼却するよう言われたと証言している。ちなみに、焼却する理由について上司から説明はなかったという。

 終戦当時内務省の官僚だった故・奥野誠亮元法相は後年、公文書焼却の指示についてこう明かしている。

   「ポツダム宣言は「戦犯の処罰」を書いていて、戦犯問題が起きるから、
    戦犯にかかわるような文書は全部焼いちまえ、となったんだ。
    会議では私が「証拠にされるような公文書は全部焼かせてしまおう
    と言った。犯罪人を出さないためにね。会議を終え、公文書焼却
    指令書を書いた」(読売新聞2015年8月11日)

 番組でも「戦犯処理されたら気の毒だから、犯罪人を出さないようにするために公文書を焼けと言った」と会見で語る奥野の映像を紹介している。

 ようするに、終戦直後に各所で急きょ書類が燃やされたのは、戦争責任の追及を免れるためであり、戦争犯罪に関する証拠を隠ぺいしようとする意図からだった(1946年1月3日にはGHQから復元命令を出されている)。

 ノンフィクション作家の保阪正康氏は番組内のVTRに出演し、終戦直後に行われた公文書の焼却は、自らの保身や責任逃れのために行われた「後世の人間に対する侮辱」とこう評価した。

   「後世の人間に対して、この戦争を客観的に検証しろということの放棄
    私たちの世代への侮辱だと私は思っています。次の世代への侮辱
    ですね。次の世代は、戦争について歴史的な検証をする必要が
    ありますね。そこから逃げたわけですね。
    僕はこの罪のほうが大きいと思う」


■安倍政権の公文書改ざんと歴史修正主義は同根でつながっている

 現在82歳で、戦争を知る世代の毒蝮三太夫氏も怒りを滲ませた。戦争に関する資料が隠ぺいされたことにより子孫たちに正しい歴史を伝えることができなくなったからだ。

   「戦争っていうのはこんなに悲惨で、こんなにむごいもので、
    狂ったように相手を殺すんだということをね、いま我々は
    言っていかないと。運が良かっただけですよ、知らなかったのは。
    自分の歴史というのを糧として生きてるんだもんね。だから、
    書き残すとか振り返るというのはとっても大事ですよね。それが
    正しくなければ、非常にゆがんだ報告が残るわけでしょ」

 まさに、この廃棄処分が歴史を歪め歴史修正主義を生み出す温床となっている。実際は、日本軍の残虐な行為を証明する旧日本軍兵士の証言や、戦時記録も僅かに存在するが(たとえば、中曽根康弘や故・鹿内信隆元産経新聞社長の日本軍による慰安所運営に関する証言など)、公文書がほとんど残されていないのをいいことに、歴史修正主義者たちは「証拠がない」などと主張しているのだ。

 繰り返しになるが、日本の戦争責任や加害の実態の全貌を見えづらくしている最大の要因は責任から逃れるために公文書という一級の第一次資料を破棄するという、日本のあまりに卑怯な行為だ

 しかも、この都合の悪いものは捨ててしまえという卑怯なやり口は現在にもつながっている。毒蝮氏は先の発言のあと、こう付け加えていた。

   「改ざん。よくいま平気でやるような時代になった。怖いね

 毒蝮氏が指摘している通り、安倍政権下の日本では、終戦前後の日本で行われたことと、そっくりな文書破棄や改ざんが次々と起きている自衛隊の日報隠ぺい森友学園に関する決裁文書の改ざんなど、公文書に関する前代未聞の不正行為が発覚している。

 また、終戦直後の日本と現在の日本とでは、上に立つ人間が自らの保身や責任逃れのために公的文書を不正に扱うという点以外にも、もうひとつ共通点がある。TBS報道局の金平茂紀氏は、実際に公的書類焼却の現場に立たされたのは、組織のなかでも下のほうにいた人間であったことを指摘しながらこのように語った。

   「破棄に関わっていた人たちが自分たちのことを『下っ端、下っ端』って
    言ってたでしょ。上の人が下の人に対して汚いことを押し付ける
    という構造は、まったくいまと同じ構造だと思うんですよね。
    森友のときも自殺した人というのは、いちばん現場に近い人だったんですよね」

 公文書は言うまでもなく、為政者の私物などではなく市民の共有財産だ。それが改ざんされたり、破棄されるということは、同時代の社会の根幹を揺るがす問題であると同時に、さらに後の世代がのちに振り返って事実を検証することを阻害するものであり、これは人類史において多大な損害だ。そう考えると、安倍政権の公文書改ざんと歴史修正主義は根っこのところでつながっている

 安倍政権によっていまも現在進行形で“歴史の改ざん”が行われているという事実。戦争責任から逃れるために戦争の記録を焼き捨てたという事実。この2つの事実を私たちはもっと重く受け止めるべきだろう

(編集部)
==================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●「業界の失いつつある信頼」の回復への第一歩:NNNドキュメント’15『南京事件 兵士たちの遺言』

2015年10月13日 00時00分44秒 | Weblog


LITERA 本と雑誌の知を再発見』(http://lite-ra.com/)の記事【安倍首相が否定したい南京大虐殺を日本テレビの番組が精緻な取材で「事実」と証明! ところが番組告知は…】(http://lite-ra.com/2015/10/post-1564.html)。

 ツイッターなどで、南京大虐殺に関する『NNNドキュメント’15』が話題になっています。直ぐに消されてしまうかもしれませんが、Youtube映像のリンクはコチラ: 【【最新】南京事件の真相か】(https://www.youtube.com/watch?v=QsGC7Qi7Y-8)。


   【NNNドキュメント’15
    「シリーズ戦後70年 南京事件 兵士たちの遺言 55分枠」
     放送: 10月4日(日)
          25:10~
     制作: 日本テレビ
     再放送: 10月11日(日)
           11:00~
             BS日テレ
           10月11日(日)
           7:00~/24:00~
             CS「日テレNEWS24」
     古めかしい革張りの手帳に綴られた文字。
     それは78年前の中国・南京戦に参加した
     元日本兵の陣中日記だ。ごく普通の農民
     だった男性が、身重の妻を祖国に残し戦場へ
     向かう様子、そして戦場で目の当たりにした事が
     書かれていた。ある部隊に所属した元日本兵の
     陣中日記に焦点をあて、生前に撮影された
     インタビューとともに、様々な観点から取材した。

 読売系なのですが、いつも力作が多い。数少ないドキュメンタリー番組。新事実はないのかもしれませんが、この「ご時世」・「政治状況」下、テレビで取り上げた点が画期的かもしれません。《業界の失いつつある信頼》の回復への第一歩となるものでしょう。

 《『NNNドキュメント』(日本テレビ系)が、自民党が「否定」する「南京事件」を検証したのだ。その内容は、元日本軍兵士の証言や当時の日記といった“一次資料”を取りあげ、さらに矛盾や不自然な点がないか、番組取材班が徹底的に裏取りを試みるというものだった》。


 東京新聞の記事【南京大虐殺、世界記憶遺産に登録 ユネスコが発表】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015100901002205.html)によると、「国連教育科学文化機関(ユネスコ)は10日、旧日本軍による南京大虐殺に関する資料を世界記憶遺産に登録したと発表した。中国は従軍慰安婦問題の資料も登録申請していたが、見送られた」……そうだ。
 でっ、同じくリテラによると、【恥ずかしすぎる! 安倍政権が世界遺産否定のために「南京大虐殺はなかった」のトンデモ言説を世界に発信】(http://lite-ra.com/2015/10/post-1575.html)……だそうです、トホホ。

=====================================================
http://lite-ra.com/2015/10/post-1564.html

安倍首相が否定したい南京大虐殺を日本テレビの番組が精緻な取材で「事実」と証明! ところが番組告知は
【この記事のキーワード】 マスコミ, 小杉 みすず 2015.10.08

 「南京大虐殺や慰安婦の存在自体を、我が国はいまや否定しようとしている時にもかかわらず、(中国が)申請しようとするのは承服できない」

 こんな驚愕の発言をしたのは、自民党の原田義昭・元文部科学副大臣だ。原田氏は、中国がいま、世界記憶遺産に「南京大虐殺」と「慰安婦」関連の資料を登録しようとしていることへの対策を検討する自民党「国際情報検討委員会」の委員長。今月2日の会議後、記者団に対しこのように語ったという。

 「存在自体を」「否定」というのは、つまるところ“慰安婦も南京大虐殺も全くなかった”という主張だ。これは政府の公式見解とも異なる問題発言だが、しかし、ほとんどのマスコミは深く追及するそぶりを見せないでいる。

 そんななか、奇しくもその2日後に初放映されたひとつのテレビドキュメンタリーが話題を呼んでいる。4日深夜放送の『NNNドキュメント』(日本テレビ系)が、自民党が「否定」する「南京事件」を検証したのだ。その内容は、元日本軍兵士の証言や当時の日記といった“一次資料”を取りあげ、さらに矛盾や不自然な点がないか、番組取材班が徹底的に裏取りを試みるというものだった。

 「南京虐殺」あるいは「南京大虐殺」とも呼ばれる南京事件だが、とりわけ日中戦争初期の1937年12月の首都・南京陥落以降に日本軍が行った捕虜や民間人の殺害行為については、これまで様々な意見や論争があった。その主たるものは、虐殺された中国人の人数についてだ。中国側は南京事件で30万人が殺害されたと主張している一方、現日本政府は「非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できない」としつつも「被害者の具体的な人数については諸説あり、政府としてどれが正しい数かを認定することは困難である」としている。

 日本国内では、特に70年代頃から盛んな論争が続いており、論者・研究者によっては20万人から数百人と、その数字に大きな差がある。さらにラディカルな右派は「そもそも南京虐殺はなかった」なる完全否定論を展開しており、歴史研究的側面よりも政治的イデオロギーが全面にでるきらいがあった。近年のネット上でも、ネット右翼らによる南京虐殺は存在しない”“すべてサヨクの捏造なる論が目につくが、この度の自民党・原田議員の発言もこれに近いものだと言えよう。

 だが『NNNドキュメント』が映し出したのは、明らかな日本兵による中国人捕虜虐殺の事実だった。

 まず番組が焦点を当てるのが福島県在住の小野賢二さんだ。小野さんは28年の長きにわたって南京事件を調査している。これまで200人以上の元日本兵の証言を聞いており、保管する彼らが残した日記はコピーを含めると31冊にものぼるという。

 そのなかのひとつに「支那事変日記帳」というタイトルがつけられた日誌がある。陸軍歩兵第65聯隊と行動を共にした、山砲兵第19聯隊所属の上等兵の遺品で、昭和12年9月から南京が陥落するまでの3ヶ月間、ほぼ毎日書かれている。そこには、ごく普通の農民だった男性が、妊娠中の妻を残して中国へ向かう様子から、民間人から物資を奪い、銃口を向ける様などが記述されていた。以下、カナ遣いなどを現代に改めて引用しよう。

 〈10月3日午後6時ごろ、いよいよ上陸して支那の地を踏んだ。
   空襲となり我が優軍の打ち出す高射砲機関銃は火花を散らし、
   これが本当の戦争かと思った〉
 〈11月16日、食料の補給は全然なく、支那人家屋より南京米、
   その他の者を徴発して一命を繋ぎ、前進す〉
 〈11月17日、「ニャー」(注:中国人女性)を一人連れてきたところ、
   我らの目を盗んで逃げたので、ただちに小銃を発射し、
   射殺してしまう〉
 〈11月25日、実に戦争なんて面白い。酒の好きなもの、
   思う存分呑む事ができる〉

 そして12月、南京に迫った日本軍は、城塞を完全包囲する作戦にでる。13日、南京陥落。上等兵たちの部隊は、武器を捨てて降伏してきた多くの中国兵を捕虜にする。

 〈12月14日、途中、敗残兵を千八百名以上捕虜にし、
   その他たくさんの正規兵で、合計五千名の敗残兵を
   捕虜にした〉

 捕虜はその後1万人を超えたという。そして、上等兵の日記には、国際法で禁じられていたはずの“捕虜殺害”の模様が、克明に記されていた。

 〈12月16日、捕虜せし支那兵の一部五千名を揚子江の
   沿岸に連れ出し、機関銃をもって射殺す〉
  〈その後、銃剣にて思う存分に突刺す〉
  〈自分もこのときばかりと支那兵を三十人も
   突き刺したことであろう〉
  〈山となっている死人の上をあがって突刺す気持ちは
   鬼をもひがん勇気が出て力いっぱいに突刺したり〉
  〈うーんうーんとうめく支那兵の声。一人残らず殺す。
   刀を借りて首をも切ってみた〉

 番組では、小野さんが1994年、この上等兵にインタビューしたときの映像も放映された。彼ははっきりとした口調で、こう語っていた。

   「機関銃を持ってきてバババーッと捕虜に向かって
    撃っちゃったんだ。捕虜はみんな死んだけれども、
    『なかに弾に当たんねえみたいなのがいるかもしれない
    から着剣して死骸の上を突いて歩け』と。ザッカザッカ
    突いて歩いた。おそらく30人くらい突いたと思うが。
    何万という捕虜を殺したのは間違いねえ」

 南京事件の当事者によるリアリティのある証言だ。しかし、このドキュメンタリーの特筆すべきは、いち証言だけで結論付けず、徹底して“裏”をとろうとする姿勢にある。

 取材班は、上等兵の証言と、複数の別の元日本兵による日記とを重ね合わせる。すると〈一万七千二十五名の三分の一を引き出し射殺す〉(歩兵第65聯隊第八中隊少尉の日記)、〈揚子江畔にて銃殺〉(山砲兵第19聯隊第八中隊伍長の日記)など、小野さんが所有する日誌やコピー合わせて31冊の多くが、捕虜の銃殺に触れており、なかには不自然にも12月16日の記述だけが消されていた日記もあった。

 さらに、取材班は、上等兵が出発した兵庫・神戸港から上陸した上海までの時間が、日記の記述と一致することを確認。また防衛省の研究施設に所蔵されている軍の公式な記録とも重ね合わせ、当時の新聞報道の記述などとも矛盾がないこと確かめた。

 そして一枚の写真。65聯隊の日本兵が所有していたもので、欄外には「南京城外幕府山ノ捕虜」とある。銃剣を担ぐ日本兵のかたわらには、後ろで両手を縛られ、防寒着を着た捕虜の姿が。12月16日、捕虜は揚子江付近にあった中国軍の海洋施設に連行されたという。当時、機関銃の引き金をひいたという元日本兵の音声がある。

   「この方(捕虜)を“お客さん”て言うんだよね。
    『今晩はお客さんが来て、お客さんを処理するんだ』と。
    そして“ピー”という呼び子の、将校の呼び子の合図で、
    一斉射撃。ダダダダダダダと始まる」
    (歩兵第65聯隊元第三機関銃隊兵士)

 翌17日も“処刑”は続いた。揚子江の別の河川敷で、65聯隊の伍長が後日スケッチした絵には、日本兵の機関銃が河原に集められた捕虜を半円形に囲んでいた。その余白にはこう書かれていた。

  〈このときの撃たれまいと人から人へと登り集まる様、
   すなわち人柱は丈余(3メートル以上)になっては崩れ、
   なっては崩れした。その後片はしから突き殺して、
   夜明けまでそのところに石油をかけて燃やし、
   柳の枝をかぎにして1人1人ひきずって
   川の流れに流したのである〉

 同じ現場にいたという、2人の元二等兵の証言もこれと一致する。

   「とにかく1万人も(捕虜を)集めるっちゅんだから。
    相当広い砂原だったね」「有刺鉄線か何かを周囲に
    貼ったでなかったかな」
    (歩兵隊65聯隊元第一大隊本部行李系二等兵)

   「機関銃を載せて高くしてね。砂で、砂を積んで盛って」
   「サブロクジュウハチ……200発ぐらい撃ったのかな」
   「ダダダダダダダ、一斉に死ぬんだから」
    (歩兵第65聯隊元第一機関銃隊二等兵)

 さらに取材班は、小野さんが所蔵する資料だけでなく、独自に元海軍兵士に会いに行く。当時18歳だった元海軍兵は、南京戦に参加した際、揚子江岸での銃殺を目撃していたという。それは12月18日のこと。“処刑場”はまた別の揚子江沿岸部だった。

   「12月18日、午後の2時ごろに、突然機関銃の射撃音が
    響いてきて。河川敷のなかに火を噴く機関銃と、
    倒れてわいわい……」
   「いわゆる陸軍のね、重機関銃の銃座が片っ方にあって。
    河川敷にトラックで運ばれてきた25人か30人程度の人が
    重機関銃の標的にされて、撃ち殺されてたということですね」
   「はじめはダダダンダダダンダダダンと」
   「やがてはダダダン、ダダダン、ダーン、ダーン……ともう、
    残り少なくなった弾を一発でボン、ボンと狙い撃ちして
    いるようなのが……音聞いてわかるというふうに慣れてしまった」

 このとき海軍が南京にいたことも軍の公式資料と一致している。この元海軍兵は南京戦の後、日本へ戻ると、海軍士官からある注意を受けたと証言した。

   「南京で見たことは決して口外するな、ということを注意されましたね」

 これらの証言や日記などの一次資料をクロスさせると、12月16日から18日の3日間だけでも、百や千ではすまない大勢の中国人捕虜が殺されたことは間違いないだろう。ようするに、捕虜を大量に殺害したあと、死体を川に流して処理するため、南京城に近い揚子江の河川敷が“処刑場”に選ばれたのだ。

 安倍政権が本音では否認したい「南京事件」は、すくなくともネット右翼や右派論壇の一部がいうような「存在自体を否定」されるようなものではなかったのだ

 そして今回、歴史問題を扱うとすぐさま「反日偏向報道!」と一斉にバッシングされるテレビメディアで、ここまで踏み込んだドキュメンタリーを放映した『NNNドキュメント』には、手放しで賞賛を送りたい。番組のチーフディレクターである清水潔氏は、桶川ストーカー殺人事件など、警察・司法発表に依存しない調査報道で、なんどもスクープを重ねてきたジャーナリストだ。今回も、ひとつの証言や文献に頼ることなく、実際に現地・南京を取材し、中国人女性による証言を得た後も彼女のふるさとを訪ね家族の墓を確認するなど、徹底した裏付け調査を行っていた。その真摯な姿勢こそ、いまのマスメディアに求められているものだろう

 ただ、ひとつだけ気になるのは、今回の放送のタイトルが、事前の新聞のラテ欄では「しゃべってから死ぬ 封印された陣中日記」とされていて、「南京」の文字がなかったことだ。先週の『NNNドキュメント』の最後に流された予告編でも「南京」の言葉は一言も出てこず、番組公式サイトでも事前に告知されていなかった。ようするに、4日深夜の初放映時になって初めて「南京事件 兵士たちの遺言」という真のタイトルが明かされたわけだが、ここに何か裏を感じるのは穿ち過ぎだろうか。

 権力を忖度し、ネット上の批判に怯え、萎縮した報道を続けるテレビ業界だ。その圧力を避けようとしたのか、真相は不明だが、こうした番組が継続して放送されれば、業界の失いつつある信頼も取り戻せるはず。今後も期待しつつ、まずは『NNNドキュメント 南京事件 兵士たちの遺言』の再放送を待ちたい。

小杉みすず
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする