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●《現実の戦争を知るベテランジャーナリスト》石川文洋さん…「生まれ故郷の沖縄で多くの人に見てもらえれば、カメラマンとして本望だ」

2023年03月03日 00時00分26秒 | Weblog

[※ 石川文洋さん 【NNN ドキュメント'19/平成ニッポンを歩く 報道カメラマン80歳 日本縦断】(http://www.ntv.co.jp/document/backnumber/user_images/oa_190818.jpg)↑]


(20230218[])
異次元の軍拡、次元の異なる軍事費倍増。平和主義・国民主権・基本的人権を蔑ろにし、違憲に壊憲するヅボヅボ党や公明・お維・コミ。沖縄の声には決して聞く耳を持たず。「現実の戦争を知るベテランジャーナリスト石川文洋さんの言葉に、いまこそ、耳を傾けてほしい。

 沖縄県立博物館・美術館の作家紹介の頁 (https://okimu.jp/art_museum/artists/1513648744/) より。
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作家紹介

石川 文洋
ISHIKAWA Bunyo

1938-
写真

西暦         和暦                          略歴

1938年   昭和13年               那覇市首里鳥堀生まれ
1965年   昭和40年               南ベトナムの首都サイゴン(当時)に移住し、
                                         フリーランスの戦場カメラマンとしてベトナム戦争の
                                         取材開始(~1968年12月)
1970年   昭和45年               写真展「戦争と兵士と民衆」(ニコンサロン/
                                         東京・大阪、リウボウ/那覇市)
1971年   昭和46年               『戦争と民衆』(朝日新聞社)を刊行

1972年   昭和47年               戦時下の北ベトナムを初取材
1973年   昭和48年               写真展「北ベトナム」(ニコンサロン/
                                         東京・大阪)日本写真協会年度賞
1978年   昭和53年               写真展「南イエメン」(キャノンサロン/
                                         東京・名古屋、リウボウ/那覇市)
1979年   昭和54年               カンボジア大虐殺を取材。『大虐殺』(朝日ソノラマ)刊行
1984年   昭和59年               朝日新聞社を退社、フリーランスのカメラマン
                                         としての活動を始める
1990年   平成2年                  日本ジャーナリスト会議(JCJ)特別賞を受賞
1994年   平成6年                  ボスニア・ヘルツェゴビナ(首都サラエボ)、ソマリアを取材
1998年   平成10年               ベトナムのホーチミン市戦争博物館内に
                                         『石川文洋ベトナム報道35年 戦争と平和』
                                         写真常設室が開設され、35年間に撮影した
                                         ベトナムの写真を寄贈
2002年   平成14年               アフガニスタンを取材
2002年   平成14年               写真展「沖縄・復帰30年」(コニカフォト
                                         ギャラリー/東京・札幌、那覇市)
2005年   平成17年               ベトナム政府より文化通信事業功労賞を受賞


作品
作品名                 ベトナムシリーズ 飛び散った体
制作年(完成年)  1967年
作品サイズ           52.7×34.8cm
作品素材・手法     ゼラチン・シルバー・プリント

作品名                 ベトナムシリーズ 村にはまだ子どもたちが
制作年(完成年)  1966年
作品サイズ           34.8×52.7cm
作品素材・手法     ゼラチン・シルバー・プリント

作品名                 ベトナムシリーズ 大人の戦争を見つめる少女の瞳
制作年(完成年)  1966年
作品サイズ           52.7×34.8cm
作品素材・手法     ゼラチン・シルバー・プリント
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 琉球新報の記事【戦争の記録、沖縄に託す 「故郷の人に見てほしい」 石川文洋さん、全ネガ寄贈へ】(2023年2月12日 06:40)(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1661827.html)によると、《那覇市生まれの報道写真家、石川文洋さん(84)=長野県=が、1965年以降の約60年間に撮影した写真のネガフィルム全てを県に寄贈する意向を示している。ベトナム戦争や復帰前後からの沖縄、アフガニスタンなど世界各地で撮影した写真を15項目に分類して県に示し、担当者らと相談を重ねている。石川さんは「生まれ故郷の沖縄で多くの人に見てもらえれば、カメラマンとして本望だ」と話している》。

 沖縄タイムスの記事【銃撃されながらも撮ったベトナム戦争下の民衆 世界的な写真家・石川文洋さん、60年分のネガを沖縄県に寄贈へ】(2023年2月7日 20:52)(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1099745)によると、《那覇市生まれの報道写真家で、ベトナム戦争の取材など世界的にも活躍する石川文洋さん(84)=長野県=が、1965~2022年に自身が撮影した約60年間分の写真ネガを全て、沖縄県に寄贈する意向を示していることが6日までに分かった。石川さんは既に県立博物館・美術館や県公文書館、県の担当者と連絡を取っており、調整を本格化させる予定。(学芸部・勝浦大輔)》、《撮影ネガはデジタル化も視野にしており、石川さんは「沖縄」「琉球舞踊」「ベトナム戦争」「アフガニスタン」など15項目に分類の上、申請書を作成し県に提出している。15項目の写真は後に写真集にする考えだという。石川さんは、寄贈の意向について「ベトナムの写真はベトナムに贈ることも考えたが、沖縄出身のカメラマンが撮影したネガだから…》。

 石川文洋さんの写真に写る戦争の〝風景〟〝景色〟を再現したいのかね、ニッポンで。人の親として、そこまでして子や孫を人殺しに行かせたいものかね。自公お維議員やその家族は決して戦場に行くことはありませんよ。


   『●加害者性と被害者性…「私たち一人一人が被害者となり、
              加害者となり得る戦争。戦争はどこかで今も…」
    「【記憶の澱/NNNドキュメント’17】…。
     《先の大戦の記憶を、今だからこそ「語り、残したい」という人々がいます。
     …心の奥底にまるで「」のようにこびりついた記憶には「被害」と「加害」、
     その両方が存在しました》」

   『●〝腰ぬけ〟で結構、害悪老人よりは!!
    「「戦争の体験があるぼくたちはこのままじゃ死ねない」というのは、
     戦争をしないと気が済まないのでしょうね。いや、
     腰ぬけ小皇帝ですから、自らあるいは身内が行くのではなく、
     若者を戦争に行かせないと気が済まないということでしょう。
     あるいは、ベトナム戦争の際に石川文洋さんに咎められなかったら
     大砲の引き金を引いていたように、安全地帯に居て、罪なき民衆を
     殺すためのミサイルのスイッチを押すような卑怯者でしょう。
     哀しい精神構造です。城山三郎さん・佐橋滋さん・中山素平さん・
     石田禮助さんらの反戦派の気骨ある〝老人〟たちに学ぶ能力の無い、
     哀しい老害人です。エイジズムに加担する気はありません。
     でも、この都知事は「ババア」発言に見られるようなエイジズムの権化
     ですし、差別主義者ミーイズムの塊ですからね」

   『●沖縄と報道カメラマン・石川文洋さん
   『●辺野古破壊や高江『標的の村』などなど……
      「本土の人間が「沖縄だからいいや」と差別している」
   『●「在日沖縄人」石川文洋さんの写真集
       『基地で平和はつくれない――石川文洋の見た辺野古』
   『●「現実の戦争を知る
      ベテランジャーナリスト」石川文洋さんの言葉に耳を
   『●「在日沖縄人」石川文洋さん… 《宗谷岬を出発し…
       沖縄まで約3500キロを約11カ月間かけて完歩》
   『●「現実の戦争を知るベテランジャーナリスト」石川文洋さんの言葉に耳を
    《沖縄で写真展を開いた時のことだ。沖縄戦を体験したお年寄りが、
     異国の戦場の様子にじっと見入っていた。平和教育が盛んな土地柄。
     保育士に連れられ、保育園児も足を運んでくれた。「戦争の記憶
     日常の中にあり、子どもたちに引き継がれている。常に戦争を
     意識せざるを得なかった歴史の裏返しです」
      兵士や兵器を積んだ米軍機が今も戦地に向けて飛び立つ
     ベトナム戦争当時と変わらぬ沖縄の風景だ。差別的な基地負担を
     強いられ、常に事件や事故と隣り合わせの被害者であると同時に、
     「後方支援基地として、命を奪う加害者側でもある。そんな罪悪感にも
     似た感情を持つ人は少なくない」。被害者の痛みが理解できる。
     それもまた、沖縄が歩んできた歴史ゆえだ》

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●ズブズブ壺壺ヅボヅボでない自民党議員はほぼ居ないようだが、《「政治とカネ」の疑惑を抱える》議員も多数で、キシダメ首相自身も…

2022年12月08日 00時00分29秒 | Weblog

[『学校が教えないほんとうの政治の話』(斎藤美奈子著、ちくまプリマ―新書257)↑]


 (2022年11月24日[木])
キシダメ政権、解任理由は三者三様だけれども、一月でズルズルと3人が辞任という名の解任。ズブズブ壺壺ヅボヅボな自民党、そんな党の下駄の雪・「子育ての党」を詐称する宗教政党(最近は、「平和」「福祉」の看板を下げ、敵基地攻撃能を推進し、軍事費倍増にもろ手を挙げているようだ)…(狙撃兵)《山際以上にズブズブだった「安倍晋三と統一教会の関係」であったり、「清和会と統一教会の関係」という本来追及されるべき本丸が後景に下がっている》。(政界地獄耳)《逃げ切った》…でいいのか?

   『●《与党共闘にまっしぐら…自民党から見れば国民が連立入りするメリット
      はほとんどない。自民党は連合を野党支援からはがせればそれでいい》
    《★ただ公明党だけは下駄の雪とやゆされたように自民党にしがみ
     ついてきた。今回の騒動も結局は何事もなかったように収まったが、
     公明党という政党は連立を組み続ける以外に道はなくなっている
     20年連立を組んで野党には戻れず、既に選択肢は連立を組み続ける
     しかない。国民や連合にはその覚悟が当初からない。
     長期ビジョンよりもその場しのぎが魅力のようだ》

   『●《「真のお母様」と崇め奉ってきた自民党内の「赤子」たちは、
     黙ってないで公明正大にカミングアウトすべきである》(狙撃兵)

 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/萩生田も公明党も言えた義理か】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202211220000158.html)によると、《★自民党幹部が言う。「外遊前には法相・葉梨康弘の更迭でそれどころではなかった。その経緯を知りながら『見極めが遅い』というのは政権与党の発言としてはどうだろうか。あえて言えば本来なら、旧統一教会問題が心配で、辞任ドミノは統一教会がらみのドミノを恐れていたはず。萩生田も公明党も言えた義理か」。逃げ切ったから強気に出たか。》

   『●岸田文雄首相も河野太郎大臣も、錯乱していないか? 《マイナンバー
       カードに一本化》したりせず、《現行の健康保険証》のままで良い

 政治家と富裕層・強者が先鞭を。お先にどうぞ。先ず隗より始めよ。腐敗した彼や彼女らが、《マイナカードの出番》で、一掃されるのならば、まずはそこからどうぞ。ブログ主は、マイナンバーカードなど絶対に反対だが、《まずは政治家の政治資金の出入りを、政治家が大好きなマイナンバーカードにひもづけて透明性を高めたらいかがか》(政界地獄耳)。まぁ、しかし、ズブズブ壺壺ヅボヅボでない自民党議員はほぼ居ないようだが、《「政治とカネ」の疑惑を抱える》自民党議員も多数で、キシダメ《首相自身にも公職選挙法違反の疑いがもたれた》って、どこまで腐敗してんだろうかね。《自民党自体の政権担当能力が問われる》。
 【政界地獄耳/いまこそマイナカードの出番!?「政治とカネ」で問われる自民党の政権担当能力】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202211240000278.html)によると、《★次の更迭候補は「政治とカネ」の疑惑を抱える復興相・秋葉賢也といわれるが、ここにきて週刊文春が昨年の衆院選の選挙運動費用収支報告書に白紙の領収書94枚が添付されていると指摘。首相自身にも公職選挙法違反の疑いがもたれた》。

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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202211220000158.html

コラム
政界地獄耳
2022年11月22日7時45分
萩生田も公明党も言えた義理か

★政界は1カ月で3人の閣僚が辞任したと大騒ぎだが、元々閣僚の資質のない人材をたいして身体検査もせずに登用した首相・岸田文雄の自業自得でしかない。「3人も辞めた」ではなく、第2次岸田改造内閣の組閣の失敗だ。また野党の支持率が全く伸びず、功績になっていない。つまりは政権の体たらくにほかならない。岸田首相は今月12日からASEAN(東南アジア諸国連合)との首脳会議、G20=主要20カ国の首脳会議に出席するため、8日間の日程でカンボジア、インドネシア、タイの3カ国を訪問。その間、日米韓、日米、日韓、日中の首脳会談も行った。

メディアは外遊することで低迷する政権が起死回生するような期待を持たせる記事のオンパレードだったが、外交の得点どころか、8日間、日本を留守にしたのがあだとなった。21日には公明党国対委員長・佐藤茂樹から前総務相・寺田稔の更迭時期について「見極めが遅すぎた」などと言われる始末。同党代表・山口那津男は同日首相と会談後、「率直に申し上げて、総務相になる人の足元でそういう課題があったということを聞いて驚いた。説明をするように努力をされてたと思うが、なかなか不透明感が残ったという印象だ」「内閣全体として体制をしっかり立て直して国民の信頼を取り戻す努力が大事だと思う」と苦言を呈した。また自民党政調会長・萩生田光一も同日、「政治資金規正法を所管する総務相として、自らの疑惑に対して説明が国民に分かりづらいところがあったと思う」と寺田更迭を解説した。

★自民党幹部が言う。「外遊前には法相・葉梨康弘の更迭でそれどころではなかった。その経緯を知りながら『見極めが遅い』というのは政権与党の発言としてはどうだろうか。あえて言えば本来なら、旧統一教会問題が心配で、辞任ドミノは統一教会がらみのドミノを恐れていたはず。萩生田も公明党も言えた義理か」。逃げ切ったから強気に出たか。(K)※敬称略
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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202211240000278.html

コラム
政界地獄耳
2022年11月24日7時42分
いまこそマイナカードの出番!?「政治とカネ」で問われる自民党の政権担当能力

★どうも首相・岸田文雄には政局観がない。前任の総務相・寺田稔のずさんな政治資金収支報告は、それを監督するにふさわしくなく更迭されたが、後任の松本剛明も早速「赤旗」に政治資金規正法違反を指摘された。地元で開いたパーティーでホテルの収容人数を大幅に超えるパーティー券を販売したことが問われている。パーティー券だけを購入した場合には寄付に当たるがその計上がない。続けざまに監督官庁の大臣の違反が問われている。

★首相は今年度第2次補正予算成立や安全保障関連3文書の改定、新年度予算案の編成を窮屈な日程の中で成立させるために、その都度、野党に問題閣僚のクビを差し出してきた。8月の内閣改造で留任させた前経済再生相・山際大志郎は旧統一教会との関係が改造前から指摘されていたにもかかわらず押し通し、結局予算委員会が一巡した先月24日に更迭。8日間に及ぶ外遊直前の11日、「法務大臣というのは朝、死刑のはんこを押しまして、それで昼のニュースのトップになるというのはそういうときだけ、という地味な役職なんですなどの失言で法相・葉梨康弘を更迭。

★次の更迭候補は「政治とカネ」の疑惑を抱える復興相・秋葉賢也といわれるが、ここにきて週刊文春が昨年の衆院選の選挙運動費用収支報告書に白紙の領収書94枚が添付されていると指摘。首相自身にも公職選挙法違反の疑いがもたれた。首相は内閣改造を模索しているようだが、閣僚を変えたところで党内の顔ぶれは五十歩百歩。顔が変わっても旧統一教会との関係や政治とカネ疑惑が続けば自民党自体の政権担当能力が問われることになる。ホテルの規模以上のパーティー券が問われれば抵触する議員はかなり多くなるはずだ。まして岸田が自らの説明に追われることになれば政権は漂流する。まずは政治家の政治資金の出入りを、政治家が大好きなマイナンバーカードにひもづけて透明性を高めたらいかがか。(K)※敬称略
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コメント (2)
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●「殺す側の論理」、ついには人の「死」にまで「自己責任論」を持ち出すようになったよ。あなたは「殺す側」に居るつもりらしいが…

2022年04月12日 00時00分28秒 | Weblog

[※【ウィシュマさん死亡問題の入管開示資料 1万5113枚全て黒塗り 遺族「ごまかさないで」】 (東京新聞 2021年08月17日[火]、https://www.tokyo-np.co.jp/article/125024)↑]


(2022年03月29日[火])
日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/入管の闇に消えていった罪なき人たち】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202203100000052.html)。

 《★それでなくとも1年前には名古屋入管に収容されていたスリランカ人女性・ウィシュマ・サンダマリが死亡した。しかしそれが氷山の一角だったことはさまざまな告発で表面化している。しかも彼女の体調不良に入管は詐病を疑う。偽装難民を見つけ出すことを目的とし、認定されるべき避難民をはじいてきた失策を改めない限り、政府が入管政策を人道的などという美談にされたら、多くの入管の闇に消えていった罪なき人たちが浮かばれない。首相はこの際そこまで踏み込んでもらいたい》。

 ブログ主のつぶやきに…「ウィシュマのは、こうして処方薬を拒絶した時点で自己責任。入管の責任では断じてない。」――― という〝つぶやき〟が返ってきた (https://twitter.com/ActSludge/status/1508597761402617856)。「殺す側の論理」、ついには人の「死」にまで「自己責任論」を持ち出すようになったよ。「殺す側」に居るつもりらしいが、「殺される側」のことには思いは馳せないし、「殺される側」になることはないと思っているらしい。哀れだ。

 《偽装難民を見つけ出すことを目的とし、認定されるべき避難民をはじいてきた失策を改めない限り、政府が入管政策を人道的などという美談にされたら、多くの入管の闇に消えていった罪なき人たちが浮かばれない》…自公政権や自公お維コミ議員にはそんな人権意識があるとは思えない。

   『●《「人権意識」が徹底して欠如し、差別を差別とも思わず…沖縄の
     市民を「侮辱」…》お維への批判を、条例を根拠に封じる狙いはないの?

 決して《失策を改め》ることはないし、反省することなど無し、批判は許されない ――― 《大阪ヘイト条例》も、お維への批判を、条例を根拠に封じる狙いはないの?
 リテラの記事【「侮辱罪の刑罰強化」の目的は政権批判封じ=ロシア化だ! 自民党PT座長の三原じゅん子は「政治家にも口汚い言葉は許されない」】(https://lite-ra.com/2022/03/post-6172.html)によると、《ネット上の誹謗中傷に対して被害者救済などの何らかの対策は必要であることは事実だろう。とりわけSNS上では、性被害を告発したりジェンダー平等を訴える女性や在日コリアンが標的にされるケースも頻発している。だが、問題なのは、侮辱罪の厳罰化を進めてきた自民党の真の目的が、ネット上の悪質な侮辱行為にかこつけた「権力批判の封じ込めにあることだ》。



ドキュメンタリー映画『牛久』予告編
 (https://youtu.be/sNGGRt_-_YE

   『●《「人間として扱って欲しい」…ウィシュマさんの遺品である番号が
       振られた青いシャツの写真を示し、人間は数字ではない、と》…
    「周香織氏による、レイバーネットの記事【安田菜津紀さん渾身の
     黒板解説〜TBS「サンデーモーニング」でウィシュマ事件】…。
     望月衣塑子記者による、東京新聞の記事【ウィシュマさん死亡問題の
     入管開示資料 1万5113枚全て黒塗り 遺族「ごまかさないで」】」

   『●《人道上の対応》? 《ウィシュマンさんの名誉や尊厳の観点》から
      同席拒否? ➙《遺族は弁護士の同席を強く希望して》るんだよ!
   『●武田砂鉄さん《忘却に加担するのか、しっかり掘り返して問うのか、
     メディアが問われている。またいつもの感じでやっているの…》
    「「入管がウィシュマさんを見殺しに」《人命軽視》、1万5113枚
     すべて黒塗り隠蔽体質》…もう、滅茶苦茶だ」
    【「入管がウィシュマさんを見殺しに」代理人弁護士が語る人命軽視、
     隠蔽体質】…《スリランカ国籍のウィシュマ・サンダマリさん
     (当時33)が、名古屋出入国在留管理局の施設で亡くなった問題は、
     わが国の入管体制のずさんさを浮き彫りにした。過去にも同種の事案が
     起きていながら、なぜ悲劇は繰り返されるのか。遺族側の代理人である
     指宿昭一弁護士に聞いた》

   『●古川禎久法相「捜査機関で死因含め、適正な捜査が行われる」はホント
       なのか? ウィシュマさん事件で入管幹部らを殺人容疑で刑事告訴
   『●ドキュメンタリー映画『牛久 Ushiku』…《華やかな東京オリンピック
     開催の影で、露わになる日本の“おもてなしの現実”と“偽りの共生”》
   『●ドキュメンタリー映画『牛久 Ushiku』…《職員たちは「暴力」とは認識
     していない…入管側の認識が、一般常識とあまりにもかけ離れている》

 ドキュメンタリー映画『牛久 Ushiku』…「これがオモテナシかよ」!、と吐き捨てる…
 Webちくまのコラム【斎藤美奈子 世の中ラボ/【第138回】ウィシュマさん事件の背後にある入管の闇】(https://www.webchikuma.jp/articles/-/2580)によると、《その果てに、起きるべくして起きたウィシュマさんの事件。拷問禁止委員会自由権規約委員会人種差別撤廃委員会といった国連機関から日本の入管収容制度は再三批判されてきた。しかし、日本政府は無視し続けている。終わったばかりの東京五輪のテーマは「多様性と調和」だった。が、その裏で日本政府が何をやっていたかを考えれば「ざけんじゃねーよ」というしかない》。

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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202203100000052.html

コラム
政界地獄耳
2022年3月10日8時3分
入管の闇に消えていった罪なき人たち

★ロシア軍のウクライナ侵攻を受け、2日のポーランドとの首脳電話会談で「親族や知人が日本にいる方々」だけでなく、その他の人々の希望にも「道的な観点から対応していく」と積極姿勢を見せた首相・岸田文雄。ウクライナ避難民の日本国内受け入れが8日スタートした。日本政府は外国人観光客などの短期入国者には極めて寛容だが、避難民や政治亡命のビザ(査証)発給には「本国の治安に対する不安」を理由に、世界有数の後ろ向きな鎖国政策をとっている。つまりカネを落とす外国人は歓迎するが、低所得者や不法入国などには事情があろうと厳しく冷たい

★紛争や人権侵害、貧困、飢餓などから自分の命を守るためにやむを得ず母国を追われ、逃げざるを得ない人たちに入国管理センター(入管)は保護するというよりも、偽装難民ではないかという疑いから管理することに立脚し、偏見に満ち差別的な拘留をする人権や国際法令を無視した非人道的で犯罪者のように追い込んでいく姿勢は日本人には知らされてこなかった。法務省も出入国在留管理庁も異文化などの多様性にそもそも対応する気がない。その改善がないまま、今までの閉鎖的入管政策が突然、ウクライナ問題で人道論に転じたところで満足のいく避難民政策として評価されるのだろうか

★それでなくとも1年前には名古屋入管に収容されていたスリランカ人女性・ウィシュマ・サンダマリが死亡した。しかしそれが氷山の一角だったことはさまざまな告発で表面化している。しかも彼女の体調不良に入管は詐病を疑う。偽装難民を見つけ出すことを目的とし、認定されるべき避難民をはじいてきた失策を改めない限り、政府が入管政策を人道的などという美談にされたら、多くの入管の闇に消えていった罪なき人たちが浮かばれない。首相はこの際そこまで踏み込んでもらいたい。(K)※敬称略
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https://www.webchikuma.jp/articles/-/2580

世の中ラボ
斎藤美奈子
【第138回】ウィシュマさん事件の背後にある入管の闇

 2021年3月6日、スリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)が名古屋出入国在留管理局(名古屋入管)の収容施設で死亡した。ウィシュマさんは17年6月に来日。日本語学校に通っていたが、在留資格を失い、難民申請するも不認定。20年8月、不法残留の疑いで逮捕され、名古屋入管に収容された。21年1月に体調を崩し、亡くなる直前には歩けないほど衰弱していたが、点滴などの措置は最後まで受けられなかったという。
 この事件はかねて批判されてきた入管の長期収容や処遇の問題を改めて世に知らしめると同時に、国会で審議中だった入管法改正案(難民認定手続き中の外国人でも、申請回数が三回以上になったら強制送還できるようにする)への批判を強めることにもなった。与野党の激しい攻防の末、この法案の採決は見送られたものの、日本の入管はどうもひどいことになっているらしい。
 というようなことをピンポイントで聞きかじってはいても、日本に住む外国人がどんな境遇に置かれているか、多くの人は知らないのではないか。コンビニや飲食店で働く外国人はすでに身近な存在なのに……。こんなことではいけない。関係書籍を読んでみた。


強制送還か長期収容の二者択一

 まず、基本的な確認事項から。
 一般に、「移民」とは〈ある場所から別の場所へ、生活のために(多くは仕事のために)、一時的または永久的に移動する人〉のこと。また「難民」とは、「移民」の中でも〈戦争、紛争、飢饉、人種差別、宗教弾圧、政治弾圧、極度の貧困など、さまざまな事情で母国を離れなければならなくなった人〉を指す。
 では日本で移民や難民をどう処遇しているのだろう。

〈日本に住む外国籍の人は、日本にいる資格(在留資格)を取得して、暮らしています。この資格を審査し、可否を判断しているのが、出入国在留管理庁(入管庁)です。入管庁はまた、オーバーステイ(在留許可期限を越えて滞在)などの理由で、在留資格がない非正規滞在の人たちを、行政権限で全国9カ所以上の施設で収容しています〉(以上アムネスティ日本支部のHPより)。

 外国人が日本に来る理由は、仕事をしたい、勉強したいなどさまざまだが、中には母国から逃れてきた人もいる。出身国はネパール、スリランカ、カンボジア、フィリピン、パキスタン、ミャンマー、インドネシア、トルコ、バングラデシュ、ベトナムなどである。
 難民申請者の九六%は観光ビザなどの正規のビザで入国し、ビザの有効期間中に入管に難民申請をする。難民に認定されると「定住者」として五年間の在留資格が与えられ、その後、日本国籍者との婚姻など、法律上の要件を満たせば永住許可も得られる。とはいえそれは額面上の話。申請が通るまでには数年を要す上、難民申請をした外国人のうち、申請が通るケースは1%にも満たない
 織田朝日『となりの難民』は、三人のケースを紹介している。コロンビアで何者かに襲撃され、日本にいるおばを頼って一九九五年に来日したミルトンさん。北朝鮮にいる知人と接触したことからスパイ容疑をかけられて韓国から亡命してきたイジュンさん。トルコから来たアリさんは国内で迫害されているクルド人で、二五年以上前に来日、日本国籍の女性と一〇年前に結婚したが、配偶者ビザは下りていない。三人ともいまは仮放免(後述)によって市井の生活を営んではいるものの、難民には認定されていない。〈3人の友人たちは日本じゃなければ、とっくに難民認定されていたかもしれません〉と織田はいう。〈難民認定の判断が非常に厳しい日本へ来たばかりに、長い人生を休まることなく苦しみ続けています〉。
 仮放免とは〈入管の収容所に拘束される対象であるけれども、一時的に社会で暮らすことを認められているという状態〉。だが〈健康保険や住民票を登録することなど生活するうえで必要な権利がありません仕事をすることも禁止されています移動には制限があり、となりの県に移動する自由がありません〉。
 彼らは二週間〜二か月に一度の呼び出しに応じて延長手続きしなればならず、応じなければ逮捕され、①母国に強制送還されるか、②入管に収容されるかの二者択一を迫られる。どんなに煩わしくても、多くの人が仮放免申請をするのは、強制送還や収容よりはマシだからである。だが、その仮放免申請ですら通るのは難しい。
 入管の収容施設がどれほど非人道的な場所かは、平野雄吾『ルポ入管――絶望の外国人収容施設』に詳しい。
 絶望を生む入管の、第一の問題収容期間の長さである。
 特に東京五輪の招致が決まった後、非正規滞在者の取り調べは強化され、拘束期間も長期化。〈全収容者数の半数超に当たる六八〇人超が半年を超える長期収容となった(2019年6月時点)。三年、四年と収容されている外国人も多く、中には、拘束期間が約八年間に及ぶイラン人もいる〉。期限のない収容は精神の失調を誘発し、自殺や自殺未遂や自傷事件も相次いでいる。
 絶望を生む第二の問題点は、施設内の処遇である。
 入管による身柄拘束は〈刑法に触れた犯罪者としての拘束ではなく、交通違反と同様の行政処分で、送還を確実に実施するための身柄確保である〉。だが、それは刑務所と同じか、考えようによっては刑務所より悪い。〈入管施設では通常、集団の居室に入れられ、施設ごとに異なるが、一日5~6時間程度の自由時間を除き、居室内での生活を強いられる。外部との連絡はテレホンカードを利用した電話(30分二〇〇〇円ほど)とアクリル板で分断された部屋での一回30分の面会のみだ。刑務所と違い、作業はない〉。これがいつ終わるともわからぬ期間、延々と続くのだ。
 送還に同意し出国すれば拘束は解かれるが、そもそも彼らは母国に「帰らない」のではなく「帰れない」から難民申請をしているのだし、家族が日本にいる人も多い。渡航費用も自己負担だ。それで同意を拒むと、収容が長期化する。
 さらにはここに、およそ近代国家とは思えぬ対応が加わる。手錠をかける、複数の職員で身体を押さえつけるなど暴力によって収容者に服従を強いる「制圧」。職員に反抗的な態度を取ったり自傷行為をした者を狭い懲罰房に隔離する「懲罰」。体調の異変を訴えた収容者を医師にも診せず、医療行為もほどこさない「医療放置」。過剰な制圧による負傷事は後を絶たず、六人部屋に一七人を閉じ込めて二四時間以上施錠した監禁事件(18年、大阪入管)も報告されている。まるで明治の監獄、いや江戸時代の牢獄だ
 07年〜19年に、病死、自殺、ハンストによる餓死など、入管施設で死亡した外国人は一五人というウィシュマさんのようなケースはけっして例外ではなく、入管の日常だったのだ


日本の都合で変わる移民政策

 それにしても日本の入管は、なぜここまで非正規滞在者を虐待し、難民認定を渋り、収容や強制送還にこだわるのか。
 古い制度に固執しているという体質の問題のほかに、そこはどうも日本の移民政策の変化がからんでいるようだ。
 鳥井一平『国家と移民――外国人労働者と日本の未来』は、80年代以降の外国人(ニューカマー)の急増に言及する。

〈彼ら彼女らは、なぜ日本にやって来たのでしょう? それは、仕事があり、日本社会も労働力を必要としていたからです〉。〈彼ら彼女らは観光ビザで入国し、多くは観光ビザの期限も切れたオーバーステイの状態でした。しかし、彼ら彼女らを雇わなければこなしきれないほどの仕事が、当時はあったのです〉。

 バブル期には、日本政府も「オーバーステイ容認」政策をとり、ピーク時の93年には三〇万人超のオーバーステイ労働者がいた。ところが、ひとたび不景気になると、政府は手のひらを返し、彼らを「不法滞在者」と呼んで逮捕し、入管の収容所に入れたり、強制送還にした。要はご都合主義である。
 外国人労働者問題で無視できないのは、93年からスタートした「技能実習制度」である。タテマエこそ「開発途上国における人材育成のための研修」でも、それはただの単純労働者、それも低賃金で劣悪な環境を強いる奴隷労働に近かった
 『ルポ 入管』によれば、この技能実習制度の導入が非正規滞在者の排除につながったという。〈外国人労働力を確保できる算段がついたため〉である。こうして「必要悪」として黙認されてきた非正規滞在者は見捨てられるが、2010年以降、今度は難民申請者が急増する。技能実習生や留学生が、難民申請をしはじめたのだ。入管は「難民認定制度の誤用、濫用だ」というが、当時は申請すれば強制送還を免れ、半年たてば就労も可能だった。奴隷状態にある彼らがこの救済制度に逃げ込むのは必然だったと平野はいう。
 読めば読むほど、フツフツと怒りが湧く入管制度

〈外国人労働者が「取り締まりの対象」として見られたり、「日本人の雇用を奪う者」として色メガネで見られる大きな原因の一つは、政府のトップが「移民政策を取らない」と繰り返し発言していることです〉と『国家と移民』はいう。〈移民はすでに日本に大勢いるのに「本来はいない人、いるべきでない人」として扱われるので、そうした人たちに対して、警官や入管職員も「摘発しなくてはいけない」という使命感を持ってしまうのです〉。

 その果てに、起きるべくして起きたウィシュマさんの事件。
 拷問禁止委員会自由権規約委員会人種差別撤廃委員会といった国連機関から日本の入管収容制度は再三批判されてきた。しかし、日本政府は無視し続けている。終わったばかりの東京五輪のテーマは「多様性と調和」だった。が、その裏で日本政府が何をやっていたかを考えれば「ざけんじゃねーよ」というしかない


【この記事で紹介された本】

となりの難民――日本が認めない99%の人たちのSOS
織田朝日、旬報社、2019年、1650円(税込)
〈どうしよう、私、きっと捕まる〉〈日本育ちなのに大人になったら収容される子どもたち〉(帯より)。著者は外国人支援団体「編む夢企画」を主宰し、東京入管を中心に面会活動、裁判、当事者アクションなどをサポートする。入管に収容された難民や、日本で生まれ育った難民の子どもたちの実態を、自身が出会った人々の話をまじえつつ紹介。小中学生にも理解できる易しい入門書。

ルポ 入管――絶望の外国人収容施設
平野雄吾、ちくま新書、2020年、1034円(税込)
〈密室で繰り広げられる暴行、監禁、医療放置〉〈巨大化する国家組織の知られざる実態〉(帯より)。著者は共同通信記者。医師の診察を受けられずに死亡したカメルーン人男性、自殺したインド人男性、ハンストで餓死したナイジェリア人男性……。数々の事件を核に入管の恐るべき実態を告発する。収容を経験した外国人たちの「あそこは無法地帯だった」という証言がすべてを物語る。

国家と移民――外国人労働者と日本の未来
鳥井一平、集英社新書、2020年、946円(税込)
〈横行する奴隷労働をどうする?〉〈もう移民社会は始まっている〉(帯より)。著者は外国人労働者をサポートするNPO法人「移住者と連帯する全国ネットワーク」代表理事。少子高齢化時代に入り、外国人労働者なしに成立しない日本社会の実態を踏まえ、移民と共生する道を探った好著。「使い捨て労働者」としてひどい扱いを受けた実例も多数紹介。未来に向けた提言も示唆に富む。


PR誌ちくま2021年10月号
                        2021年10月22日更新
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●《米軍の爆撃から逃れ川を渡る親子2組を捉えたピュリツァー賞作品の「安全への逃避」など、沢田は戦争に翻弄される民衆の姿を多く撮影》

2020年12月15日 00時00分21秒 | Weblog

[※ 『NNNドキュメント’17記憶の澱』(2017年12月3日(日))↑]



琉球新報のコラム【<金口木舌>報道カメラマン沢田教一没50年】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1223836.html)。

 《ベトナム戦争など戦争の最前線で撮り続けた報道カメラマン 沢田教一が亡くなってから50年が過ぎた。1970年10月28日、紛争地のカンボジアで何者かに銃撃され34歳の生涯を閉じた…▼沖縄も出撃拠点となったベトナム戦争は、自由に取材できた最初で最後の戦争といわれている。多くの従軍カメラマンが同行し、生々しい戦争の写真や映像が全世界に配信された。反戦運動が高まり、73年、ニクソン大統領は米軍撤退を余儀なくされた》。

 どう戦争の記憶を残し、戦争を回避するのか。戦争の記憶の継承、《語り継ぐ》。でも、今のような自公政権やお維が幅を利かす世の中では…。

   『●加害者性と被害者性…「私たち一人一人が被害者となり、
              加害者となり得る戦争。戦争はどこかで今も…」
    「【記憶の澱/NNNドキュメント’17】…。
     《先の大戦の記憶を、今だからこそ「語り、残したい」
     という人々がいます。
     …心の奥底にまるで「」のようにこびりついた記憶には
     「被害」と「加害」、
     その両方が存在しました》」

   『●「現実の戦争を知るベテランジャーナリスト」石川文洋さんの言葉に耳を
    《沖縄で写真展を開いた時のことだ。沖縄戦を体験したお年寄りが、
     異国の戦場の様子にじっと見入っていた。平和教育が盛んな土地柄。
     保育士に連れられ、保育園児も足を運んでくれた。「戦争の記憶
     日常の中にあり、子どもたちに引き継がれている。常に戦争を
     意識せざるを得なかった歴史の裏返しです」
      兵士や兵器を積んだ米軍機が今も戦地に向けて飛び立つ
     ベトナム戦争当時と変わらぬ沖縄の風景だ。差別的な基地負担を
     強いられ、常に事件や事故と隣り合わせの被害者であると同時に、
     「後方支援基地として、命を奪う加害者側でもある。そんな罪悪感にも
     似た感情を持つ人は少なくない」。被害者の痛みが理解できる。
     それもまた、沖縄が歩んできた歴史ゆえだ》

   『●「絶望は愚か者の結論」を心に、壊憲を続けるアベ様に根気強く対抗を
   『●現在進行形の「身代わり」: 「反省と不戦の誓いを…
             沖縄を二度と、身代わりにしてはならない」
   『●アベ様に犯罪をもみ消してもらえる「報道」者、
     かたや、「卑劣な報復=身辺調査」を噂される新聞記者…
   『●大矢英代さん「私たちは、過去の歴史からしか学べません
            …私たちが何を学ぶのかが今、問われている」①
   『●『憲法くん』の誇りとは? 《私は六六年間、戦争という名前で
             他国の人々を殺したことがない。それが誇り》
    《演じるのは、ベテラン女優の渡辺美佐子(86)。この短編を挟んで、
     初恋の人を疎開先の広島の原爆で亡くした渡辺が続けている慰霊の
     旅と原爆朗読劇のドキュメントが描かれる。朗読劇は渡辺が中心と
     なって同世代の女優たちと33年間続けてきたもので、今年が最終公演。
     未来に託す戦争の記憶と女優たちの平和への思いが語られる》

   『●水木しげるさんの言葉を…《戦争に向かうハードルが低く…
       戦争の怖さが(若者の)耳に届きづらい》恐ろしい世に
    《沖縄タイムスの【社説[慰霊の日に]知ることから始めよう】…
     《こういう時期だからこそ、沖縄戦の実相をより深く学び、
     戦争の記憶を引き継ぐ意味を心に刻みたい。きょう沖縄は
     「慰霊の日」を迎える。県民の4人に1人が犠牲になった
     沖縄戦から75年の節目となるが、今年の「6・23」は新型コロナ
     ウイルスの影響で慰霊祭の中止や規模縮小を余儀なくされている》》

   『●『沖縄スパイ戦史』と《記憶の澱》…
     「護郷隊…中高生の年頃の少年たち…スパイと疑われた仲間の処刑…」

   『●戦争の記憶の継承…《大谷昭宏さんから伺った話。「戦争の記憶が
     風化する中、語り継ぐ一つの手段が見えるのでは」と水を向けられ…》

 コラムの「沖縄も出撃拠点」に〝共感〟し、また、コラムから石川文洋さんを思い浮かべた。

   『●「政府は沖縄を分断し、苦渋の判断をさせ続けている」: 
               「住民分断」「沖縄差別」を恥じぬアベ様ら
    《六十年前の本土復帰運動で歌われた「沖縄を返せ」という歌は、
     辺野古で座り込む市民らに受け継がれている。変わったのは、
     訴える相手に米国だけでなく、日本政府も加わったことだ。
      「軍隊がいる所が最も危険というのが、沖縄戦の教訓
     辺野古に基地ができれば、沖縄は出撃拠点として固定化してしまう
     だから歌は、沖縄を、沖縄に返せと言っているんです」》

   『●「だが我が国は成熟国家になってから粉飾を始めた
       相当情けない国家」(阿部岳さん)だなんて、哀し過ぎる
    《▼2014年、たまたま訪れた沖縄が米軍のイラクへの出撃拠点だった
     ことを知る。「日本も沖縄も加害者だった」。ちょうど辺野古新基地の
     建設が始まり、「また同じことが起きる」と、反対運動に加わった。
     そのさなかに罪に問われ、一審有罪判決を受け控訴している。
     身をもって戦争を体験した稲葉さんの総括は続く ▼一方、
     開戦を全面支持し、後に自衛隊を派遣した日本政府。イラクに
     大量破壊兵器なかった米英の指導者が誤りを認めた後も
     押し黙ったまま


   『●「沖縄から核兵器を撤去させ、ベトナム戦争の出撃拠点と
           しないようアメリカと激しい外交交渉を重ねた」人
    《基地は復帰まで、共産圏をにらむ最前線として最大約千三百発もの
     核が配備され、ベトナム戦争の出撃拠点となった。冷戦終結後も
     湾岸戦争、イラク戦争などに空軍や海兵隊を送り出してきた
    《千葉一夫は、沖縄返還で外交交渉の最前線にいた、実在の人物。
     …本土から切り離され、アメリカの統治下にあった沖縄は、
     米軍がベトナム戦争へ出撃する拠点となり、
     核兵器まで配備されていた沖縄から、核兵器を撤去させ、
     ベトナム戦争の出撃拠点としないよう、アメリカと激しい
     外交交渉を重ねた千葉。》

   『●《この期に及んで、まだ傍観者》? 《憲法を維持するための
           「不断の努力」を怠った…加害者側に立つ人間》
    《もちろん、辺野古にこだわる理由はそれだけではない。
     日本政府としては何が何でも沖縄に一大出撃拠点を造っておきたい
     という将来の軍事利用が根底にある…》

   『●《中国の海洋進出への対抗策というが、
     住民の安心をないがしろにして、地域の平和を守るといえるの》か?


   『●沖縄と報道カメラマン・石川文洋さん
   『●辺野古破壊や高江『標的の村』などなど……
      「本土の人間が「沖縄だからいいや」と差別している」
   『●「在日沖縄人」石川文洋さんの写真集
       『基地で平和はつくれない――石川文洋の見た辺野古』
   『●「現実の戦争を知る
      ベテランジャーナリスト」石川文洋さんの言葉に耳を
   『●「在日沖縄人」石川文洋さん… 《宗谷岬を出発し…
       沖縄まで約3500キロを約11カ月間かけて完歩》

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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1223836.html

<金口木舌>報道カメラマン沢田教一没50年
2020年11月12日 06:00
金口木舌 沢田教一 ベトナム戦争

 ベトナム戦争など戦争の最前線で撮り続けた報道カメラマン 沢田教一が亡くなってから50年が過ぎた。1970年10月28日、紛争地のカンボジアで何者かに銃撃され34歳の生涯を閉じた

▼没後50年の節目に都内で開かれた、沢田の生きざまを振り返り、戦争報道を考えるシンポジウムとドキュメンタリー映画「SAWADA」(五十嵐匠監督、97年公開)の上映会に足を運んだ

沖縄も出撃拠点となったベトナム戦争は、自由に取材できた最初で最後の戦争といわれている。多くの従軍カメラマンが同行し、生々しい戦争の写真や映像が全世界に配信された。反戦運動が高まり、73年、ニクソン大統領は米軍撤退を余儀なくされた

▼米軍の爆撃から逃れ川を渡る親子2組を捉えたピュリツァー賞作品の「安全への逃避」など、沢田は戦争に翻弄(ほんろう)される民衆の姿を多く撮影してきた。加えて苦悩する米兵の姿も捉えた。戦争とは一体、何か。沢田は写真を通して伝えたかったのだろう

▼映画では「安全への逃避」で被写体となった2家族のその後も描かれていた。沢田が家族を訪れて交流していたことが明かされている

▼沢田は生前、戦争が終わったら、ベトナムの日常風景を撮りたいと言っていたという。戦争の傷痕を深く残しつつ、著しい経済発展を続けるベトナムの今を、沢田はどう切り撮るのだろうかと、ふと思った。
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●《県民の命だけでなく経済への「基地リスク」が顕在化した。やがて「基地は経済発展の最大の阻害要因」という共通認識にもつながる》

2020年08月15日 00時00分47秒 | Weblog

[※ 辺野古は破壊「損」 【米軍飛行場の移設先として工事が進む沖縄県名護市の海岸】(東京新聞 2020年4月3日)↑]



阿部岳記者による、沖縄タイムスのコラム【[大弦小弦]経済と「基地リスク」】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/603283)。
小塚かおるさんによる、日刊ゲンダイの【注目の人 直撃インタビュー/なぜ敵基地攻撃か…半田滋氏が懸念「政治家の暴走」の結末】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/276093)。

 《▼問題は昔も今も、軍事活動と私たちの命や経済活動がフェンス1枚を隔てて同居を強いられていることにある。住民を守るという名目の軍隊が、実際はいかに脅威であるか。繰り返し、思い知らされている。(阿部岳)》。
 《陸上配備型の迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の計画が突然、中止になり、その代替策として「敵基地攻撃能力」の保有が取りざたされ始めた。自民党は今月中に提言をまとめ、政府の国家安全保障会議の議論に反映させる意向だ。トランプ米大統領による「兵器爆買いのゴリ押しから始まったイージス・アショアだが、そもそも必要だったのか。それがなぜ敵基地攻撃に発展するのか》。

   『●《戦争体験の継承はどうして必要》? 大矢英代さん《二度と同じ手段で
       国家に殺されないように、生活を奪われないように、知恵をつけること》
    「「戦争や軍隊の本質」の記憶。沖縄での番犬様の居座りや、
     嬉々として沖縄を差し出すアベ様や最低の官房長官ら。一方、
     島嶼部では自衛隊が〝防波堤〟や〝標的〟に。《軍隊は人を守らない
     (大田昌秀さん)》、《軍隊は住民を守らない
     《基地を置くから戦争が起こる島袋文子さん)》、
     《軍隊は同じことをするし、住民も協力するし、軍隊は住民を
     また殺すことになる三上智恵さん)》…」

 アベ様や最低の官房長官は何をしているのでしょうか?() 

   『●番犬様にアベ様も《受け入れ国の要望》…やる訳無いか、〝植民国〟
      だものね。《在韓米軍は海外から来た全ての関係者にPCR検査》…
   『●番犬様が《震源地》化…《ところで外務省沖縄事務所と沖縄防衛局は
     何をしているのだろう》、そして、アベ様や最低の官房長官らは何を?

 《県民の命だけでなく経済への「基地リスク」が顕在化した。やがて「基地は経済発展の最大の阻害要因」という共通認識にもつながる》(阿部岳さん)…番犬様が《震源地》化することで、再び…、そして、《基地で起きた新型コロナウイルスの集団感染が、また経済に影を落とし始めている》。

 東京新聞の【社説 米軍基地の感染 政府はもっと危機感を】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/43666?rct=editorial)によると、《沖縄の米軍基地で新型コロナウイルスの感染が急拡大し、米軍の行動に国内法が適用されない日米地位協定の不備が、県民の不安を高めている。政府は危機感を持ち、改定などを提起すべきだ。沖縄米軍基地での感染は、普天間飛行場やキャンプ・ハンセンを中心に五施設、計百四十人超に上る。数人を除き七月に入っての感染で、県内の一般の感染者約百五十人をしのぐ勢いだ。沖縄では四日の米独立記念日前後に、軍関係者が多数繁華街やビーチパーティーに集っており感染が拡大した可能性が高い。最大の問題は、感染者の行動履歴など詳細な情報が地元にもたらされていないことだ米軍は当初感染者数の公表さえ渋っていた。県の要請を受け公表したが、個別の感染経路や基地外での行動、病状は一部しか明かしていない。このほか米軍は、無症状者には基地到着の際にPCR検査を実施しない地元との協議なく異動者の隔離のため民間ホテルを利用普天間とハンセンの両基地を「封鎖した」としながら関係車両の出入りを続ける−など、県側の信頼を損ねる対応を取っている》。

 一方、辺野古は破壊「損」が止まらない。「敵基地攻撃能力」までも口にする始末。

   『●地上イージス計画停止、遅すぎる《当然の帰結》…辺野古の工事は
     中止してください! 海を殺すな! 辺野古も白紙にして原状回復を!
   『●どうしたらいいんですかね? 沖縄で、アベ様や最低の官房長官らが
     やることなすことがデタラメばかり…選挙が終われば、辺野古破壊再開
   『●「敵基地攻撃能力」保有、《安倍首相はアショア断念を「反転攻勢と
           したい。打撃力保有にシフトするしかない」》…狂った発想

 《安倍首相はアショア断念を「反転攻勢としたい。打撃力保有にシフトするしかない」》…狂った発想。

 レイバーネットの記事【「コロナ・改憲・辺野古」安倍はいらない!~国会19日行動に900人】(http://www.labornetjp.org/news/2020/0719miya)によると、《「臨時国会ただちに開け! 敵基地攻撃は憲法違反! 安倍改憲発議とめよう! 安倍内閣退陣を!」のテーマで「国会19日行動」が始まった。7月19日は日曜日と重なり、開始時間が15時に繰り上がった。長引く梅雨空の晴れ間に、衆議院第2議員会館前を中心にスタンディングが広がった。いつものように司会の菱山南帆子さんが元気な声で開会アピールをした。藤本共同代表が冒頭挨拶に立つ、「九州、中部地方の自然災害の被災に心からお見舞い申し上げます。今、世界的に脱石炭火力発電が大きく叫ばれ、日本だけが遅れ、見放されいる。コロナ禍で何ら具体策を示さない安倍はいらない。強く糾弾をします」。福島瑞穂(社民党)「役の立たないアベノマスクGoToキャンペーンは、旅行代理店が儲かるだけ、やるなら個々の観光関係者にやるべき。麻生はパーティーで改憲を語った絶対させない。頑張りましょう」。(宮川敏一》。
 #さよなら安倍総理#犯罪者は刑務所へ#GoToJailキャンペーン無為無策無能にも程がある。しかも、《昔の軍部が暴走した反省から、我が国はシビリアンコントロールを採用したのですが、今や政治家が暴走し、シビリアンコントロールが危うくて仕方がないという事態なのです》。

   『●金(カネ)色の五つの輪に御執心なお二人は<それにつけてもアベ様や
      小池「ト」知事の無能さよ>…市民や都民の命や生活なんてそっちのけ

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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/603283

[大弦小弦]経済と「基地リスク」
2020年7月20日 06:00

 ゲートに装甲車が陣取り、砲身を国道に向けている。カメラを構えると拳銃を腰に差した兵士が出てきて、「撮るな」と命令する。自分の手足が震えるのが分かる。後でフィルムを現像すると、ぶれていない写真は1枚だけだった

▼2001年9月11日の米同時テロ直後、米軍キャンプ・シュワブ。ここは民間地だと言っても話が通じない。この兵士だけでなく軍全体が殺気立っていた。本国中枢が攻撃された。沖縄の基地もいつ標的になるか-

▼観光客もそう考えた。キャンセルが殺到し、被害額は数百億円と見積もられた。県民の命だけでなく経済への「基地リスク」が顕在化した。やがて「基地は経済発展の最大の阻害要因」という共通認識にもつながる

▼そして、テロから19年後の今。基地で起きた新型コロナウイルスの集団感染が、また経済に影を落とし始めている

米軍による情報開示は全く不十分だが、軍の論理では当然なのかもしれない。弱体化を示す感染状況は敵から隠す必要がある。基地を守ることだけを考えれば、なるべく民間のホテルで隔離した方が良い

▼問題は昔も今も、軍事活動と私たちの命や経済活動がフェンス1枚を隔てて同居を強いられていることにある。住民を守るという名目の軍隊が、実際はいかに脅威であるか繰り返し、思い知らされている。(阿部岳
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/276093

注目の人 直撃インタビュー
なぜ敵基地攻撃か…半田滋氏が懸念「政治家の暴走」の結末
2020/07/20 06:00
イージス・アショア 河野太郎

     (防衛ジャーナリストの半田滋氏(C)日刊ゲンダイ)

半田滋氏(防衛ジャーナリスト)

 陸上配備型の迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の計画が突然、中止になり、その代替策として「敵基地攻撃能力」の保有が取りざたされ始めた。自民党は今月中に提言をまとめ、政府の国家安全保障会議の議論に反映させる意向だ。トランプ米大統領による「兵器爆買いのゴリ押しから始まったイージス・アショアだが、そもそも必要だったのか。それがなぜ敵基地攻撃に発展するのか。今年3月まで東京新聞の防衛担当だった、この問題を最もよく知るジャーナリストに聞いた。

 ◇  ◇  ◇

 ――イージス・アショアの中止決定は唐突感がありました。一体、何が起きていたのでしょうか。

 河野大臣が表向きに言っている通りで、安全にブースターを落とすには、12年の年月と2200億円かかるという理由です。もともとイージス・アショアは公表ベースでは、総額4664億円(30年間)と言われていた。しかし、これはレーダーと管制システムだけの値段で、1発50億円くらいの迎撃ミサイルを48発買うというので弾代だけで2500億円。総額7000億~8000億円になり、ブースターの改修費用をのせると1兆円もかけるんですかという話。費用対効果もさることながら、12年後の東アジア情勢ってどうなるか分からないですよね。巨額投資に見合うのか、と河野さんが考えたのは間違いない。


■制服組にモチベーションがなかった

 ――イージス・アショアは、安倍首相とトランプ大統領の政治案件でした。

 普通、自衛隊の武器というのは、陸、海、空のどこかが欲しいと手を挙げて要求するものです。しかし、イージス・アショアはどこも手を挙げていない政治案件で上から下りてきたので、背広組の内局案件なんですよ。内局が武器を買うなんておかしいでしょう。海自はイージス護衛艦、空自はPAC3を担当している。陸自は何もやっていないよね、ということでイージス・アショアは陸自に回った。だから現場にモチベーションがまったくなかった


 ――秋田と山口が配備候補地に決まった後も、失態続きでした。

 陸自には、おそらく世界一優秀な「施設科部隊」がある。外国で言うところの工兵部隊、工事をする部隊です。カンボジアPKO以来、海外活動で頑張っているのはこの部隊なんです。1級建築士がごろごろいる。本来なら彼らが適地を探せばよかった。施設科がやっていれば、グーグルアースなんかを使って数字を読み間違えるなんて、あり得なかった。


 ――陸自ではなく、内局が候補地を選んだということですか?

 そう。政治案件だから、やらなきゃいけないとなっていたのは背広組。もうひとつ、陸自にやる気がないなと思ったのは、民家の上にブースターが落ちる危険性を避けるのであれば、離島やメガフロートを造ってイージス・アショアを置いたっていい。そうした議論はあったけれど、結局、顧みられていません。

 実は、山口県の見島に空自のレーダーサイトがあるんです。だけど空自も「なんで俺たちの敷地に入ってくるんだよ」と嫌がるわけです。要するに、自分たちが希望したのであれば、いろんな調整をして、実現のために努力する制服組が、今回はまったく仕事をしなかったということなのです。


 ――イージス・アショアをやめるとなったら、今度は「敵基地攻撃」という話が出てきました。

 北朝鮮は2014年ごろからミサイル発射を頻発させていましたが、防衛省としてはイージス護衛艦が倍増されるし、迎撃ミサイルの射程も伸びるので十分対応できると考えていた。ところが、安倍首相がトランプ大統領から迫られてイージス・アショアを含む米国製兵器の爆買いを決めた。だから、そもそもイージス・アショアは必要不可欠なものではないわけです。ところが、17年12月に閣議決定した後、防衛計画の大綱も18年12月に変えて、嘘から真をつくってしまった。イージス・アショアがなくなったら、代わりの手当てが必要だという議論は、土台のない家を建てているようなものです。


 ――自民党の国防部会などが「やめるのはいいけど、じゃあ防衛体制はどうするんだ」と言っていますが、不要な議論ということなんですね。

 バカみたいな話ですよ。防衛計画の大綱で「護衛艦いずも空母化」とか言っているでしょう。海自はそんなの望んでいなかったし、空自もいずもの上にF35Bという新しい戦闘機を載せたいなんて望んでいない。これも政治案件なんです。

 なぜそうなるかというと、今の大綱は、自民党の国防部会がたたき台を作り、それを受け、防衛省ではなく初めて首相官邸主導で作ったからです。国家安全保障会議が自民党のたたき台を丸のみした。その中にいずもの空母化があって、自衛隊の人たちは仰天したんです。昔の軍部が暴走した反省から、我が国はシビリアンコントロールを採用したのですが、今や政治家が暴走し、シビリアンコントロールが危うくて仕方がないという事態なのです。


■運用面、財政面、法理面の3つの無理

 ――では、敵基地攻撃の議論は自衛隊を困惑させていると。

 現場にとっては迷惑な話。これまで専守防衛で守りのための兵器を揃えてきた。兵器体系が全く違うのですから。それに、イージス・アショアを導入した閣議決定からすれば、敵基地攻撃の想定は北朝鮮です。しかし、北朝鮮の固定された基地はムスダンニとトンチャンニの2カ所があり、どちらも中国国境に近すぎて、自衛隊が攻撃したら中国軍にやられてしまう。

 あとは移動式の車載式発射機で、米国防総省はこれが最大200台あるとみている。どこに隠されているかわからず、見えない敵を探してやっつけることなんてまずできないでしょう。加えて、最も重要なのは「ヒューミント」と言って、スパイです。攻撃するには、移動式の発射機を常時見ているスパイからの情報が必要です。しかし、北朝鮮にそんな人いますか。だから敵基地攻撃なんて不可能なのです。


 ――机上の空論だということですか?

 もうひとつ皆が忘れているのは、北朝鮮が日本にミサイルを撃つような場面なら、既に朝鮮半島が戦争になっているでしょう。そうした前提がすっ飛ばされている。もし韓国とは無関係に日本だけが対象にされているなら、それは日本が巻き込まれている有事。敵基地攻撃どころではなく、全力で自衛隊が戦わなきゃいけない事態です。要するに、木を見て森を見ない議論をしているわけですよ。

 もちろん一部、自衛隊が攻撃的兵器を買い始めている事実はある。いずもの空母化も含めて攻撃的兵器への移行ですが、政治が本格的にそれを決めるなら、今ある防衛的兵器に上乗せすることになるので、防衛費はいまの5兆円どころか10兆円でも足りません。


 ――先制攻撃になるから憲法改正が必要だという見解もあります。

 鳩山一郎内閣の時に「敵基地攻撃は自衛の範囲」との政府見解を示していますが、前提として「他に適当な手段がないと認められる限り」という言葉がある。日米安保条約は何なんですか、という話です。第5条に日本が攻撃されたら米国も対処すると書いてある。米軍による攻撃は「他に適当な手段」にあたる。政府見解からこの部分を削除するならば、先制攻撃としかなりません。先制攻撃は憲法9条で認められていないので、憲法を改正するしかない。つまり、敵基地攻撃をするには、運用面、財政面、法理面の3つの無理が重なり、できない、というのが常識ある人の結論だと思います。


■でっちあげ提言の裏の狙い

 ――心配なのは、安倍首相も会見で「敵基地攻撃」の言葉を出すなど前向きだということです。

 先ほどの3つの問題をクリアしないかぎり無理なので、言葉としては何かでっちあげるかもしれないけれど、実現はほぼ無理じゃないでしょうか。


 ――提言としてまとめるだけになると。

 すぐに現実にはならなくとも、長い目で見たら攻撃的兵器を増やすことはいいことだと、自民党は考えているのでしょう。そうなれば、米国の後をどこまでもついて行くことができるようになるのですから。国民に対してはイージス・アショアの穴埋めと言いつつ、一方でそうして揃える攻撃的兵器体系が、米国の戦争に協力する場面で役立つことは当然、理解しているはずです。第2の英国になって、ますます妾として米国にかわいがってもらえる。自民党にはそういう狙いまであるんじゃないかと思います。

(聞き手=小塚かおる/日刊ゲンダイ)


▽はんだ・しげる 1955年栃木県宇都宮市生まれ。下野新聞社を経て、91年中日新聞社入社。92年から東京新聞社会部記者として防衛庁を担当。93年防衛庁防衛研究所特別課程修了。論説兼編集委員を経て、20年4月からフリー。独協大学非常勤講師。法政大学兼任講師。「零戦パイロットからの遺言─原田要が空から見た戦争」(講談社)、「日本は戦争をするのか─集団的自衛権と自衛隊」(岩波新書)など著書多数。
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●行ってはいけない: 「それでも日本には戦前の過ちを踏まえた「戒め」がある。海外で武力行使をしない」

2016年11月22日 00時00分01秒 | Weblog


東京新聞の社説【南スーダンPKO 新任務より撤収の勇気を】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016111602000134.html)と、
コラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016111602000138.html)。

 《南スーダンに派遣される自衛隊部隊に「駆け付け警護」などの任務が追加された。憲法が禁じる海外での武力の行使につながりかねない危うい任務だ…◆非軍事支援、検討急げ》。
 《助かる人がいる。その半面で日本の海外での武器使用の範囲は拡大する▼慎重論に対して、「仲間が襲われているのに、見捨てるのか」という批判を聞く。なるほど、その言葉は突き刺さる。それは卑怯なことではないかと▼これだけは、言える。それでも日本には戦前の過ちを踏まえた「戒め」がある海外で武力行使をしない》。

 どんな「戦況」で、何があろうとも撤収させる気などさらさらなく、自衛隊に重大な「問題」が発生することに期待している、としか思えないアベ様や稲田朋美防衛相(パートナーはアノ株主)ら。閣議決定で「駆け付け警護」の付与を決定できる?、一体、この国はどうなっているのですか?
 ……それでも「海外で武力行使をしない」べき、と信じる…《これだけは、言える。それでも日本には戦前の過ちを踏まえた「戒め」がある海外で武力行使をしない》。

   『●「人殺し」なんぞには行かせたくない
   『●戦争できる国へ: アベ様をはじめ
     自公議員・翼賛野党議員の皆様がまずは「丸太」に
   『●アベ様の「誇りある国へ」
      =戦争で「殺す側になる」「人殺しに加担する」、でいいのか?

   『●「「死にたくない」だけでは足りない、「人を殺したくない」
               という気持ちこそが、戦争の抑止力となる」

   『●壊憲法案・戦争法案: 「撃つより撃たれよう」
       と自衛隊員に考えさせる場面、あまりに残酷
   『●自衛隊員の「息子に迷惑をかけぬよう、
      「縁を切った」上で」、戦争法案に反対する平和子さん
   『●「あとの祭り」: 「駆けつけ警護」は『任務遂行型』の武器使用
                      =違憲な自己防衛を越える武器使用
   『●自衛隊を弄ぶ「トンデモ答弁」「言葉遊び」「詭弁」…
           「戦闘」「戦闘行為」ではなく「衝突」「衝突事案」
   『●「武力衝突は、変化を予測しやすい天候とは違」う、
      「きょうの安全があすの安全を保障するとは限らない」
   『●アベ様、稲田・高市氏「この国の政権の
     重要閣僚がヘイト団体と仲良し」…どの辺が「インテリジェンス」?

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016111602000134.html

【社説】
南スーダンPKO 新任務より撤収の勇気を
2016年11月16日

 南スーダンに派遣される自衛隊部隊に「駆け付け警護」などの任務が追加された。憲法が禁じる海外での武力の行使につながりかねない危うい任務だ。

 一九九二年のカンボジアから始まった自衛隊の国連平和維持活動(PKO)参加は、二十四年を経て歴史的転換点に立っている。

 政府はきのう国連南スーダン派遣団(UNMISS)に参加する陸上自衛隊の部隊に「駆け付け警護」と「宿営地の共同防護」の任務を追加で与えることを決めた。二十日から順次、現地に派遣される十一次隊から適用される。


◆一発も撃つことなく

 「駆け付け警護」は自衛隊部隊が活動する近くで非政府組織(NGO)などの関係者が襲われ、速やかに対応できる国連部隊が存在しない場合、自衛隊が救出する任務。「宿営地の共同防護」は自衛隊が他国の部隊とともに活動拠点とする宿営地が武装集団に襲撃された場合、共同で対応する任務である。

 ともに、安倍政権が昨年九月に成立を強行した安全保障関連法で可能になり、陸上自衛隊は新しい任務が遂行できるよう、訓練を重ねてきたという。

 問題となるのは、自らを守るという武器使用の一線を越え任務を遂行するための武器使用が可能になることだ。

 自衛隊のPKO活動は「五原則」に基づいて派遣されてきた。

 紛争当事者間で停戦合意が成立していることや、紛争当事者が日本の参加に同意していること中立的立場を厳守することで、これらの条件が満たされない場合、撤収できると定めている。また武器の使用は必要最小限のものに限っている。

 この五原則に基づく派遣で二十四年間、自衛隊は一発の銃弾も撃つことなく任務を遂行してきた。


◆武力の行使に発展も

 戦後日本は、先の大戦で国内外に多大の犠牲を強いた反省から憲法九条の下、専守防衛に徹してきた。自衛隊を創設したものの、防衛力の整備は自衛のための必要最小限度のものにとどめてきた。

 海外で武力の行使はしないという抑制的な姿勢が、戦後日本の国際的な信頼と経済的繁栄をもたらしたことは紛れもない事実だ。

 五原則に停戦合意を盛り込んだのも自衛隊が戦闘に巻き込まれ海外での武力の行使を禁じた憲法に違反するような事態が生じるのを避けるためである。

 しかし、南スーダンは今、専守防衛という戦後日本の国是を脅かしかねない危険な情勢にある。

 自衛隊の宿営地がある首都ジュバでは七月に大統領派と反政府勢力との大規模な武力衝突が発生して二百七十人以上が死亡。十月中旬にはジュバから約六百キロ離れた地域での戦闘で五十人以上が死亡した、という。

 政府は治安情勢の厳しさを認めながらも、現地を視察した稲田朋美防衛相は「ジュバ市内は比較的落ち着いている」と強弁する。

 反政府勢力は国家に準ずる組織とは言えず、停戦合意などの五原則は維持されているという論法だが、それは、現実を直視しない、安保関連法に基づく新任務付与の実績づくりを優先した派遣継続ありきの姿勢ではないのか。

 市民を巻き込んだ戦闘の危険すら否定できない情勢で現地にとどまることが、日本の活動として本当に適切なのだろうか。

 駆け付け警護に当たる自衛隊が武装勢力との間で本格的な戦闘に発展すれば、双方に犠牲が出ることも避けられないだろう。

 戦闘相手が、五原則で想定している国家や国家に準ずる組織でないとしても、憲法が禁じる海外での武力の行使と同様の軍事的行為に当たるとの批判は免れまい。

 共同通信社が十月下旬に実施した全国電話世論調査で駆け付け警護の任務付与に57%が「反対」と答え、賛成の31%を大きく上回ったのも、新しい任務自体の危険性や憲法との関係に対する危惧を感じているからではないか。

 南スーダンは最も新しい国連加盟国で、国づくりには国際社会が協調して取り組む必要がある。憲法前文の精神から言っても、日本が率先して支援するのは当然だ。


◆非軍事支援、検討急げ

 専守防衛に徹する平和国家であり、欧州各国とは違ってアフリカを植民地支配したこともない日本だからこそ得られる信頼がありできる貢献があるはずである。

 政府は各国に呼びかけ、インフラ整備をはじめ医療・衛生、教育・人材育成など非軍事の民生支援の検討を急いだらどうか。

 日本から遠い地で、厳しい状況下で任務に当たる自衛隊員には敬意を表するが、有意義な活動ができない治安情勢に至った場合、安倍晋三首相には躊躇(ちゅうちょ)なく撤収を決断する勇気を求める。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016111602000138.html

【コラム】
筆洗
2016年11月16日

 映画「七人の侍」(黒沢明監督、一九五四年)の後半の場面で、三船敏郎さん演じる「菊千代」は銃を構える敵に対し、ひるむことなく、立ちはだかる。シナリオから引く。<勘兵衛(叫ぶ)「菊千代っ!何をする!危ない!」><ダーン!-銃声。菊千代、一歩ふらっと出る。また、一歩>…▼菊千代は野武士と相打ちの果て絶命する。映画ならばこれでよい。しかし菊千代の親ならお逃げなさい」「別の方法を考えなさいと止めるだろう別の方法はないのか。政府が閣議決定した南スーダンPKOの新任務の駆け付け警護である。陸上自衛隊は現地で国連職員らが襲われた場合、武器を持って赴き救出に当たる。助かる人がいる。その半面で日本の海外での武器使用の範囲は拡大する▼慎重論に対して、「仲間が襲われているのに、見捨てるのか」という批判を聞く。なるほど、その言葉は突き刺さる。それは卑怯(ひきょう)なことではないかと▼これだけは、言えるそれでも日本には戦前の過ちを踏まえた「戒め」がある海外で武力行使をしない。新任務はその戒めに本当に触れぬのか▼武器を取るのは難しくない。難しいのは戒めを守りつつ安全で効果的な国際的な平和維持活動を日本がどう築いていくかである。武器を取らぬことで批判もあろう。が、その茨(いばら)の道を選ぶのは卑怯ではない菊千代とは違う勇気の形もある
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●「在日沖縄人」石川文洋さんの写真集『基地で平和はつくれない――石川文洋の見た辺野古』

2016年07月18日 00時00分30秒 | Weblog


asahi.comの三浦亘記者による記事【長野)「沖縄の怒り知って」 石川さん新著で訴え】(http://www.asahi.com/articles/ASJ6Y3VSQJ6YUOOB001.html)。

 《石川文洋さん…写真集「基地で平和はつくれない――石川文洋の見た辺野古」(新日本出版刊)を出版》。

 尊敬する「伝説の報道カメラマン」石川文洋さん。《在日沖縄人》として、辺野古破壊についての写真集を出版されたそうです。「沖縄差別」「住民分断」「捨て石」に苦しむ沖縄の皆さんの「怒り」を知る上で重要でしょう。「安倍晋三さん。日本本土にお住まいのみなさん…「第二の加害者」は、あなたたちです。」 …でも、2016年7月参院選では、アベ様やニッポン本土の皆さんにはその自覚は無かったようです。

   『●沖縄と報道カメラマン・石川文洋さん
     「沖縄出身の「伝説の」報道カメラマン・石川文洋さんについての、
      魚住昭さんによる記事。衆院選でもほとんど話題にならず、
      争点にならない沖縄。米国侵略によるベトナム戦争取材で著名な
      石川さん、今も続く米軍基地問題、どう感じておられるのだろう? 
      いまに始まったことではないが、米兵の犯罪やオスプレイヘリパッド問題…」

   『●映画『標的の村』監督・三上智恵さん、
      「わずか9時間の歓喜 ~高江工事再開・民意圧殺の朝~」

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http://www.asahi.com/articles/ASJ6Y3VSQJ6YUOOB001.html

長野)沖縄の怒り知って」 石川さん新著で訴え
三浦亘 2016年7月7日03時00分

     (出版した写真集を手にする石川文洋さん=諏訪市上諏訪)

 沖縄県出身で、自らを「在日沖縄人」と称する報道写真家、石川文洋さん(78)=諏訪市上諏訪=が、沖縄の米軍普天間飛行場の辺野古移転に反対する運動を克明に追った写真集「基地で平和はつくれない――石川文洋の見た辺野古」(新日本出版刊)を出版した。石川さんは「沖縄人がなぜ、新基地建設に反対しているのか、本土の人に、分かってほしい」と訴えている。

 ベトナム戦争の最前線を取材し、その後、朝日新聞カメラマンとして北ベトナムやカンボジアを取材した石川さん。今も現役のフリーカメラマンとして、海外の紛争地で取材する一方、「戦争を防ぐためには、戦争の実態を知らせることが大切」と、各地でスライドを映しながら反戦平和のための講演活動を続けてきた。

 写真集は、のどかな砂浜が基地建設予定地のフェンスで分断された1枚で始まり、米海兵隊の水陸両用装甲車の訓練風景などを交えながら、米軍基地前での座り込みや海上をカヌーで抗議する人々など、反基地運動の様々な場面が続く。

 沖縄取材のきっかけは、……。
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●「トラウマ」で騙したイラク戦争の現実:ブッシュ氏はなぜ靴を投げつけられ、「犬」と蔑まされたのか?

2015年10月02日 00時00分24秒 | Weblog


東京新聞の社説【湾岸戦争のトラウマ 安保法案に通じるだまし】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015091202000135.html)。

 壊憲法・戦争法が成立する前の社説。
 《安保関連法案をめぐり、首相は「自衛隊がかつての湾岸戦争イラク戦争での戦闘に参加するようなことはこれからも決してない」「外国を守るために日本が戦争に巻き込まれるという誤解があるが、あり得ない」と断言する。「湾岸戦争のトラウマ」を利用し続けた政府の言葉を信用できるだろうか国民をだましているのではないか、との疑念は国会審議を通じて、高まりつつある》。

 イラク侵略戦争の「トラウマ」で騙くらかしておいた、その現実とは? ブッシュ氏はなぜ靴を投げつけられ「犬」と蔑まされたのか?、考えた方がいい。

   『●『松下竜一未刊行著作集3/草の根のあかり』読了(2/2)
    「最後は、梶原得三郎さんの「松下さん、あなたが記憶される
     限りまだ希望はある、と思いたい」。「属国と化したこの国の現状」。
     「・・・ブッシュ大統領めがけて、イラク人記者が
     靴を片方ずつ投げつけたのです。・・・「イラク人からのさよならの
     キスだ、犬め」、「これは夫を亡くした女性や孤児、殺された
     すべての人のためだ」といいながら投げた・・・一般に
     イスラム世界では「犬」と呼ぶのも靴を投げつけるのも
     「最大級の侮辱」だということです。/・・・訪問先の国で
     これほどの怒りを直接にぶつけられたことは長く記憶される
     べきだと思います。・・・イラクに攻め込んで十万人もの人々を
     殺したブッシュに対する抗議としては控えめに過ぎるといわねばなりません」」
   『●「欺瞞」による悲劇が続くイラク
   『●靴を投げられたブッシュ氏のいま
   『●「自己責任」バッシングと
     映画『ファルージャ イラク戦争日本人人質事件・・・そして』

 「赤紙」を送りつけ、「人殺し」に戦場へ行かせるアベ様ら、靴を投げつけられ「犬」と蔑まされる日は近いかもしれない

   『●「「死にたくない」だけでは足りない、
     「人を殺したくない」という気持ちこそが、戦争の抑止力となる」


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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015091202000135.html

【社説】
湾岸戦争のトラウマ 安保法案に通じるだまし
2015年9月12日

 自衛隊海外派遣の必要性を意味する「湾岸戦争のトラウマ(心的外傷)」。安全保障関連法案の制定を目指す安倍晋三首相も、これにとらわれている


◆感謝広告になかった日本

 トラウマの原点は一九九一年の湾岸戦争にある。イラクの侵攻から解放されたクウェートが米国の新聞に出した感謝の広告には三十の国名が並び、百三十億ドルの巨費を負担した「日本」の名前はなかった。日本政府の衝撃は大きかったが、間もなく政府は自衛隊海外派遣の必要性を訴えるキャッチフレーズとして使い始める

 米国が始めたイラク戦争に自衛隊を派遣するためのイラク復興支援特別措置法を審議した二〇〇三年六月の衆院特別委員会。当時の石破茂防衛庁長官は「湾岸戦争から学んだものは、やはり、お金だけでは責任を果たしたことにはならない」と述べ、“トラウマ効果”を利用した。

 湾岸戦争の後、衆院に初当選した安倍首相もこのトラウマを共有している。〇六年の著書「美しい国へ」では「このとき日本は、国際社会では人的貢献ぬきにしては、とても評価などされないのだ、という現実を思い知ったのである」と書いている。

 なぜ、意見広告に日本の名前がなかったのだろうか。政府はこれを調べることなく、人的貢献の必要性を言いはやし、翌九二年、自衛隊を海外へ派遣する国連平和維持活動(PKO)協力法を成立させて陸上自衛隊をカンボジアに派遣した。

 派遣後の九三年四月になって、政府は追加分九十億ドル(当時のレートで一兆一千七百億円)の使途を公表した。配分先のトップは米国で一兆七百九十億円、次いで英国三百九十億円と続き、肝心のクウェートへは十二カ国中、下から二番目の六億三千万円しか渡されていない大半は戦費に回され本来の目的である戦後復興に使われなかったのである。


◆「逆手」にとった日本政府

 それだけでも感謝の広告に名前が出ない理由になり得るが、本紙の取材であらたな証言が飛び出した。湾岸戦争当時、東京駐在だったクウェート外交官で現在、政府外郭団体の代表は「あれは『多国籍軍に感謝を示そうじゃないか』と米国にいたクウェート大使が言い出した」と明かし、米国防総省に求めた多国籍軍リストがそのまま広告になったという。多国籍軍に参加していない日本の名前がないのは当たり前だったことになる

 クウェート政府に問い合わせていれば、たちまち明らかになった話だろう。解明しようとせず、「湾岸戦争のトラウマ」を逆手にとって焼け太りを図る様は、まともな政府のやることではない

 このトラウマがイメージを先行させる手法だとすれば、安倍政権下で健在である。

 首相は憲法で禁じられた集団的自衛権の行使が例外的に許される「存立危機事態」の事例としてホルムズ海峡の機雷除去を挙げる。「わが国が武力行使を受けた場合と同様な深刻重大な被害が及ぶことが明らかな状況。石油が途絶え、ガスも途絶えてしまうと、厳寒の時期に生命自体が危うくなる」(七月三十日参院特別委)と「生命の危機」を強調した。

 野党から、主要六カ国と核開発問題で合意したイランが機雷封鎖する前提は非現実的と指摘されようとも、また中東の石油はパイプラインを通じて海峡を通過せずに輸入できるし、日本には二百日分を超える石油備蓄があると反論されても、どこ吹く風である。

 米軍の輸送艦に乗った日本人母子のポンチ絵を前に「まさに紛争国から逃れようとしているお父さんやお母さんや、おじいさんやおばあさん、子供たちかもしれない。彼らが乗っている米国の船を今、私たちは守ることができない」(一四年五月十五日の記者会見)と熱弁を振るったものの、野党からこの話のどこが「存立危機」なのかと問われた中谷元・防衛相は「邦人が乗っているかは判断の要素の一つではあるが、絶対的なものではない」(八月二十六日参院特別委)と答え、首相のパフォーマンスは足元から揺らいだ。


◆採決急がず審議で正体を

 安保関連法案をめぐり、首相は「自衛隊がかつての湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことはこれからも決してない」「外国を守るために日本が戦争に巻き込まれるという誤解があるが、あり得ない」と断言する。

 「湾岸戦争のトラウマ」を利用し続けた政府の言葉を信用できるだろうか。国民をだましているのではないか、との疑念は国会審議を通じて、高まりつつある。政府は急ぎたいだろうが、参院では拙速な採決に走ってはならない。答弁を重ね、国民に法案の正体を説明する義務がある。
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●王様による「人治主義国家」を沖縄辺野古から覆す:「あらゆる手法を用いて辺野古に新基地は造らせない」

2015年05月01日 00時00分04秒 | Weblog


東京新聞のコラム【【私説・論説室から】 閣議で決める安倍政治】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2015040602000133.html)と、
三つの記事【沖縄知事、辺野古確認に強い憤り 日米首脳会談を批判】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015042901001522.html)、
【翁長知事憤り 「来月訪米、直接訴え」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015043002000123.html)、
【「辺野古に基地」再確認 同盟強化で日米首脳】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015042990070120.html)。

 「翻って、自衛隊を「わが軍」と呼んだ安倍晋三首相の発言は、まともに追及される様子もない・・・・・・現在の状況をつくり出しているのは、自民党が一強の国会というより、党内で一強となっている安倍首相である・・・・・・閣議によって日本が変わり安倍首相の一人勝ちが演出される。専制的な政治手法のもと、国民主権がかすんでみえる。 (半田滋)」。
 「日本は法治主義国家」にはほど遠く、21世紀のこの世で、世界でも珍しい、アベ様という王様・独裁者による人治主義国家」。政治制度の欠陥もあり、自公支持者や「眠り猫」の皆さんがそれを支えているという稀有な国。「主権在民」「国民主権」どころか、「主権在アベ様」であり、それを「良し」とする、世界的に見て大変に珍しい国家。お隣の国々を嗤えません。

   『●「主権在アベ様」=「地域住民ごときが文句を言うのは
                 許されないというのが安倍政権の立場」

 それが典型的に現れているのが沖縄。
 翁長雄志知事・・・・・・「「強い憤りを感じている」と批判した。「あらゆる手法を用いて辺野古に新基地は造らせない」と述べ、辺野古移設を阻止する意向を重ねて示した。翁長氏は5月下旬にも訪米し、辺野古移設に反対する考えを米政府に直接伝達する意向を表明。地元の理解なしに辺野古移設を進めるのは不可能だと強調し「頓挫することによって起きる事態はすべて政府の責任」と警告」、「「移設が普天間飛行場の継続的な使用を回避する唯一の解決策と再確認したことに、強い憤りを感じる」と批判」、「名護市辺野古(へのこ)への新基地建設が唯一の選択肢と再確認」。
 「人権や言論の自由も軽視され、植民地支配と同じ」状態の沖縄。沖縄県民の民意を完全に無視。

   『●アベ様の周りには忠実なシモベばかり・・・
          辺野古破壊「続行を」、「強硬論次々」だそうです

   『●アベ様と菅官房長官らが辺野古でやっていること・・・
        「人権や言論の自由も軽視され、植民地支配と同じ」

   『●「政治の堕落」: 上から目線で「力のある者が、
      自分の意を通すだけの政治なら、民主制など空虚な看板」』』

   『●沖縄県民に対するアベ様達の振る舞いを、
          番犬様の米国へ説明してみたらどうか?


 所詮、番犬様の飼い主の米国が言う「民主主義」なんてWASPのためだけのものであり、一方、ニッポンでは沖縄県民は「ニッポン国民」ではないようだ。沖縄に対する差別性の極み
 そして、「日米が協力することで日本の安全は守られる」という安全・安心神話題目、呪文〆は、いつもの「国民に丁寧に説明していきたい」と強調するが、そうした例(ためし)はない。第一、国会で議論すべきことを、米議会から「お知らせ」頂いてもね、トホホ。

   『●『松嶋×町山 未公開映画を見る本』読了
   『●『標的の村』三上智恵さんインタビュー
   『●子供にもSLAPPする国:
     三上智恵監督・映画『標的の村 ~国に訴えられた沖縄・高江の住民たち~

   『●2010年11月の沖縄知事選の選択はやはり誤りだった
                          ~そうさせた「本土」の重い責任~

   『●「辺野古の海を守ろう」:
       アベ様の「政権が抱える差別性の極み」に屈せずに

   『●米軍の「差別性の極み」:NNNドキュメント’14
       『続・放射線を浴びたX年後 日本に降り注いだ雨は今』』』

   『●辺野古「この風景は戦争」:
       誇り高き「海猿」の実像は番犬様の飼い主「アベ様のイヌ」

   『●菅義偉官房長官曰く「この問題は過去のものだ。争点にはならない」
                              ・・・・・・なんという言い草!!

   『●辺野古破壊者は沖縄で4度目の完敗だというのに、
                         「ロコツな“沖縄イジメ”」

   『●「法令に基づいて粛々と対応する」「法治国家」ニッポンならば
                         辺野古破壊を直ぐに停止すべき


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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2015040602000133.html

【私説・論説室から】
閣議で決める安倍政治
2015年4月6日

 自衛隊を海外に派遣する最初の恒久法、国連平和維持活動PKO)協力法は一九九二年に制定された。カンボジアに派遣される航空自衛隊の編成完結式の訓示で、当時の石塚勲航空幕僚長は「国軍としての自衛隊」と述べ、問題になった。

 翌日の記者会見で石塚氏は「言い方がまずかった……アジアの人は国軍として見るかもしれない。みんな規律正しく誠実に気をつけてほしいと言うつもりだった」と釈明した。翻って、自衛隊を「わが軍」と呼んだ安倍晋三首相の発言は、まともに追及される様子もない海外派遣そのものが大問題だった九二年当時と海外における武力行使まで認めようとしている現状との違いが現れている。

 現在の状況をつくり出しているのは、自民党が一強の国会というより、党内で一強となっている安倍首相である。

 その証拠に安全保障にかかわる重要案件の多くは国会ではなく、閣議で決定されている。積極的平和主義を盛り込んだ国家安全保障戦略、武器輸出を解禁した防衛装備移転三原則、集団的自衛権行使を認めた昨年七月の閣議決定政府開発援助(ODA)を他国軍へ広げた開発協力大綱など。そして与党は閣議決定を追認するばかりだ。

 閣議によって日本が変わり安倍首相の一人勝ちが演出される。専制的な政治手法のもと、国民主権がかすんでみえる。 (半田滋
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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015042901001522.html

沖縄知事、辺野古確認に強い憤り 日米首脳会談を批判 
2015年4月29日 18時38分

 沖縄県の翁長雄志知事は29日、県庁で記者会見し、安倍晋三首相とオバマ米大統領が28日の日米首脳会談で米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古移設を確認したことに対し「強い憤りを感じている」と批判した。「あらゆる手法を用いて辺野古に新基地は造らせない」と述べ、辺野古移設を阻止する意向を重ねて示した。

 翁長氏は5月下旬にも訪米し、辺野古移設に反対する考えを米政府に直接伝達する意向を表明。地元の理解なしに辺野古移設を進めるのは不可能だと強調し「頓挫することによって起きる事態はすべて政府の責任」と警告した。

(共同)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015043002000123.html

翁長知事憤り 「来月訪米、直接訴え」
2015年4月30日 朝刊

 沖縄県の翁長雄志知事は二十九日、日米の首脳会談と外務・防衛閣僚会合(2プラス2)を受けて県庁で臨時に記者会見し、日米両政府が米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設を再確認したことに関し「移設が普天間飛行場の継続的な使用を回避する唯一の解決策と再確認したことに、強い憤りを感じる」と批判した。五月末にも訪米し、米政府に直接、新基地建設反対を訴える考えも明らかにした。

 安倍晋三首相がオバマ米大統領との共同記者会見で「普天間飛行場の危険性を辺野古に移設することで一日も早く除去する」と表明したことに関し、翁長氏は「首相のかたくなな固定観念が示されたことは残念。大変遺憾だ」と述べた。その上で「辺野古へ新基地を建設することは不可能だ」と重ねて強調した。

 翁長氏は、日本政府の姿勢を「米軍基地の運用について、日本政府はほとんど口を挟めない。辺野古の問題も県民と米国政府の問題だ」と指摘。自らの訪米に関し「県民の思いを米政府やシンクタンクなどさまざまな人に訴える。あらゆる手法を用いて辺野古に新基地を造らせない公約の実現に向けて取り組む」との意向を示した。

 辺野古での工事に関しては、大型コンクリート製ブロックが岩礁破砕の許可区域外のサンゴ礁を傷つけている可能性が高いとして、五月中に県の立ち入り調査を認めるよう、外務・防衛両省に文書で要求したことも明らかにした。 (後藤孝好)
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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015042990070120.html

「辺野古に基地」再確認 同盟強化で日米首脳
2015年4月29日 07時01分

 【ワシントン=中根政人】安倍晋三首相は二十八日午前(日本時間同日深夜)、オバマ米大統領とワシントンのホワイトハウスで会談した。安全保障や経済分野で日米同盟の強化を確認した。米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設問題では、首脳会談で、名護市辺野古(へのこ)への新基地建設が唯一の選択肢と再確認した。

 会談後の共同記者会見で安倍首相は「在日米軍基地再編を着実に進める決意を確認した。普天間飛行場を辺野古に移設することで一日も早く危険性を除去する」と表明した。

 従軍慰安婦問題については「人身売買の犠牲となった筆舌に尽くし難い、つらい思いをされた方々を思い、非常に心が痛む。河野談話は継承し、見直す考えはない」と明言した。

 両首脳は日米共同ビジョン声明を発表した。声明では、新たな日米防衛協力指針ガイドライン)について「この地域およびそれを越えた地域において、日米両国が海洋安全保障を含む事項についてより緊密な形で取り組む」と表明。日米両国が地球規模で軍事協力することを確認した。

 他国を武力で守る集団的自衛権の行使や、自衛隊が地球規模で米軍に協力することで、日本が危険に巻き込まれるとの懸念も出ている。安倍首相は共同会見で「戦争に巻き込まれるという議論が日本で行われていることは残念だ。日米が協力することで日本の安全は守られる。それがガイドラインの狙いだ。国民に丁寧に説明していきたい」と強調した。

 また、安倍首相が唱える積極的平和主義とオバマ大統領が進めるアジア太平洋リバランス戦略を通じ、「地域および世界の平和で繁栄した将来を確かなものにするために緊密に連携する」と表明した。

 環太平洋連携協定(TPP)では「日米両国は二国間交渉で大きな進展があったことを歓迎し、迅速かつ成功裏の妥結を達成する」と表明した。首脳会談でTPPの迅速な妥結を確認したことで、日本が米国に譲歩するようなことになれば、日本の国益を損なう可能性も否定できない。

 両首脳の会談は昨年十一月、訪問先のオーストラリアで開いて以来五カ月ぶり。

(東京新聞)
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コメント
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●「自己責任」バッシングの嵐: 「話す」ことも許さず、「話しても」伝わらず

2014年04月26日 00時00分02秒 | Weblog


(ずいぶん前に書いていて、出すのが遅くなりました。)

asahi.comの記事【バッシングの嵐 話せば伝わる(考 民主主義はいま)】(http://www.asahi.com/articles/ASG24417CG24PTIL00T.html?iref=comtop_6_06)。
東京新聞の記事【週のはじめに考える 積極的平和主義を疑う】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014021702000118.html)と、
コラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2014021702000096.html)。
孫引きで大変に恐縮ですが、CMLに出ていたBARAさんの投稿【[CML 029674] この浅はかな日本 二分法の世界観 映画監督・是枝裕和】(http://list.jca.apc.org/public/cml/2014-February/029674.html)。

 「10年前、イラクで武装勢力の人質となり、激しい批判にさらされた今井紀明さん(28)。社会からわき起こる憎悪が一個人へ向けられる恐ろしさを、身をもって経験」・・・・・・当時のあの異様な雰囲気が本当に怖い。現状、それが悪くなっていはいまいか? 猛毒法・(非)特定秘密「隠蔽」法で「話す」ことも許さず、「騙されることの責任」というよりも「話しても」伝わらないという「無関心の責任」。

   『●『戦争と平和 ~それでもイラク人を嫌いになれない~』読了(1/2)
   『●『戦争と平和 ~それでもイラク人を嫌いになれない~』読了(2/2)
   
     「しかし、彼女ら (郡山さんと今井さん) の予想は全く裏切られ、
      「自己責任」とばか騒ぎし、醜悪なバッシングの嵐。解放後、
      「生まれ故郷に帰るのに「覚悟」が必要」(p.141) な国って、
      いったい何?? 解放後の「新たな不安と恐怖」(p.147) は、
      拘束時以上だったのではないだろうか・・・。」
   
   『●『ご臨終メディア ~質問しないマスコミと一人で考えない日本人~』読了 (2/3)
   『●『ルポ 改憲潮流』読了(2/3)
   『●『だまされることの責任』読了(2/3)
   『●『靖国/上映中止をめぐる大議論』読了(3/3)
   『●『安心のファシズム ―支配されたがる人びと―』読了
   『●『それでもドキュメンタリーは嘘をつく』読了(2/2)
   『●見損ねた
   『●『筑紫哲也』読了
   『●『ルポ戦場出稼ぎ労働者』読了
   『●「自己責任」を叫ばれた人の立場

 すいません、孫引きです。でも、「考える」ために読んだ方が良いCMLの記事『[CML 029674] この浅はかな日本 二分法の世界観 映画監督・是枝裕和』(http://list.jca.apc.org/public/cml/2014-February/029674.html)。「そんな変な価値観がまかり通っているのは日本だけです・・・・・・多様な価値観を持った人たちが互いを尊重し合いながら共生していける、豊かで成熟した社会をつくりたいからです」。

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http://www.asahi.com/articles/ASG24417CG24PTIL00T.html?iref=comtop_6_06

バッシングの嵐 話せば伝わる(考 民主主義はいま)
2014年2月7日07時09分

■イラク人質、今井さんのいま

 10年前、イラクで武装勢力の人質となり、激しい批判にさらされた今井紀明さん(28)。社会からわき起こる憎悪が一個人へ向けられる恐ろしさを、身をもって経験した。いま、大阪で通信制高校の生徒を支援する活動に取り組んでいる今井さんに、社会はどう映っているのだろうか

     ◇

 高校卒業直後の18歳だった。劣化ウラン弾による子どもらの戦争被害を知り、「現地の人の力になりたい」と入国したイラク。バグダッドへ向かう車中で、覆面の武装勢力に襲われた。

 8日後に解放され、帰国。待っていたのは、すさまじいバッシングだった

 ・・・・・・・・・。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014021702000118.html

【社説】
週のはじめに考える 積極的平和主義疑う
2014年2月17日

 国際協調に基づく「積極的平和主義」は安倍晋三首相の外交・安全保障の看板政策。そこに軍事による平和の傲(おご)りが潜んでいないか、深く憂慮します。

 憲法九条を柱にした日本の安保・外交が「一国平和主義」の批判を浴びるようになったのは一九九一年の湾岸戦争からでした。

 イラクのサダム・フセインのクウェート侵攻に多国籍軍が編成されたこの戦いに日本は百三十億ドルの資金提供をしましたが、クウェートが戦後、米国の新聞に掲載した感謝広告に日本の名前がなく、「国際社会は日本の財政的貢献を評価していない」とのキャンペーンが展開されたのでした。


当事者の和平欲求こそ

 実際にはクウェートの戦争記念館には日本の貢献を説明する特設パネルが設けられ、資金提供とは別に、横須賀、佐世保、岩国、沖縄・嘉手納など日本の米軍基地の貢献度は絶大だったのですが、政府は湾岸戦争の反省として人的貢献へ踏み出します。湾岸での遺棄機雷掃海や九二年のカンボジア国連平和維持活動(PKO)の自衛隊の海外派遣でした。

 明石康国連事務次長が暫定統治機構代表に就任し、六百人の自衛隊員が参加したカンボジアPKOは、成功した国際貢献といえるでしょう。民間ボランティアと文民警察官の犠牲を出しましたが、民主選挙が実施され、曲がりなりにも和平が到来、二十年後の今日、アンコールワットには観光客があふれ、首都プノンペンにはイオンが出店予定、急速な発展途上にあるからです。

 成功の条件は何か。紛争当事者たちの厭戦(えんせん)と内からの和平欲求-です。当時のカンボジアを取材しての実感でした。自衛隊は世界各地のPKOに派遣されていきますが「停戦の合意」が派遣の条件になっている理由がわかります。


賢者の傲りが愚行生む

 日本の国際貢献は九〇年代になって「消極的平和主義」から「能動的平和主義」とも呼ばれるようになりましたが、そこには憲法九条の要請から、戦闘行動には参加しないとの原則が貫かれています。首相は能動的平和主義はなじみがなく、自らの政権では積極的平和主義と唱えるようにしたそうですが、集団的自衛権の行使容認の憲法解釈変更や憲法改正を目指していることで、「積極的」平和主義は「能動的」とは明らかに違います。非軍事から軍事的貢献への大転換が意図されているのだと受け取れます。

 首相は施政方針演説で「日本は米国と手を携え世界の平和と安定のために、より一層積極的な役割を果たす」と表明しましたが、九条の歯止めがなくなれば、かつて米国の同盟国の韓国、タイ、フィリピンがベトナム戦争に派兵したように、日本の派兵拒否は難しくなります。それでいいのか。

 米国大使キャロライン・ケネディさんの父親が大統領だった六〇年代は米国の黄金時代でした。デービッド・ハルバースタムの「ベスト&ブライテスト」は、若き輝ける大統領の下に参集した「最良にして最も聡明(そうめい)」な米国の英知たちが、なぜ残忍で愚劣極まりないベトナム戦争の泥沼に国を引きずり込んでいったかをめぐるニュージャーナリズムの傑作でした。

 ハルバースタムの指摘は「賢者の傲り」でした。能力や軍事力、経済力への過信がベトナムについて学ばない傲慢(ごうまん)を生み、判断を誤らないための確固たる道徳的信念も欠いていた、と仮借ない筆致。文官が将軍を統制する道は戦争を起こさないことだと手厳しいものです。

 国防長官だったロバート・マクナマラは九五年の回顧録で十一項目の失敗を列挙しました。ナショナリズムの過小評価、歴史・文化・政治への無知、近代のハイテク軍備の限界を認識せず、国民に十分説明しなかった。軍事行動は国際社会が支持する多国籍軍と合同で、との原則を守らなかった。ベトナムの愚行は、誤れるイラク戦争でもそのまま、歴史に学ぶことはありませんでした。

 正しいと信じたベトナムの八年間の戦いで、マクナマラが認めなければならなかったのは、誰もが人間。そして人間は過ちを免れないという事実でした。二十世紀には一億六千万人が戦争で死んだそうです。二十一世紀をそんな世紀にしてはならない、とマクナマラは言うのでした。


専守防衛こそが「本道」

 軍事力や経済力への過信はないのか、積極的平和主義に暴走の恐れはないのか。昨年暮れに閣議決定された国家安全保障戦略や新防衛大綱には、わが国の防衛の基本方針として「日本国憲法の下、専守防衛に徹し、軍事大国にならないとの基本方針に従い」と書かれています。それこそが国際協調主義に基づく日本の平和主義の本道と考えます。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2014021702000096.html

【コラム】
筆洗
2014年2月17日

 喜劇を書くとする。人はなぜ笑うのか。諸説ある。プラトンさんは「他人への優越感」、カントさんは常識からの予期せぬズレと考えたそうである▼予期せぬズレ。分かりやすい例は立派な紳士がバナナの皮で、すってんと滑って転ぶ伝統的なギャグだろう。すまし顔の紳士。ヘマをしないような人物が転ぶから笑いが起きる▼黒木夏美さんが書いた『バナナの皮はなぜすべるのか?』によるとバナナの皮で滑るギャグは誰かが突然、思いついたものではないという。十九世紀後半、米国ではバナナの皮を平気で路上に捨てていた。滑って転び、場合によっては死亡する事故が続出していた▼冗談ではなく、一八七〇年にはニューヨークで「反オレンジの皮・反バナナの皮協会」なる団体が結成されている。バナナの皮で滑って転ぶという現実。その中でバナナのギャグがいつしか生まれ、やがて定着していった▼「バナナの皮」は英語では政治用語でもある。政権を悩ませることになる災いや落とし穴などを意味する。安倍首相。立憲主義を軽視した発言は言うに及ばず、意見を異にする者への憎悪むき出しの国会答弁を見るとバナナの皮が敷き詰められた道を目隠しで歩いているようである▼滑っても笑えない。こんな調子の政治ならいずれ転んでも当たり前。笑いを生む予期せぬズレではない。どう転んでも喜劇にはならぬ
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http://list.jca.apc.org/public/cml/2014-February/029674.html

[CML 029674] この浅はかな日本 二分法の世界観 映画監督・是枝裕和
BARA ・・・・・・
2014年 2月 16日 (日) 11:26:00 JST

今こそ政治を話そう 二分法の世界観 映画監督・是枝裕和
2014.2.15

朝日新聞・朝刊
http://digital.asahi.com/articles/DA3S10979945.html

世界はね、目に見えるものだけでできているんじゃないんだよ――。
「そして父になる」でカンヌ国際映画祭審査員賞を受賞するなど
世界的評価の高い映画監督・是枝裕和さんが脚本を手がけた
テレビドラマのセリフだ。
敵か味方か。勝ちか負けか。
二分法的世界観が幅を利かせるこの日本社会を是枝さんはどう
見ているのか、聞いた。

 ――昨年12月に発足した「特定秘密保護法案に反対する
映画人の会に賛同されていましたね。

 「ひとりの社会人として、責任がありますから


 ――政治的な「色」がつくという懸念はなかったですか。

 「そんな変な価値観がまかり通っているのは日本だけです。
僕が映画を撮ったりテレビに関わったりしているのは、多様な
価値観を持った人たちが互いを尊重し合いながら共生していける、
豊かで成熟した社会をつくりたいからです。
だから国家や国家主義者たちが私たちの多様性を抑圧しようと
せり出してきた時には反対の声をあげる。当然です。
これはイデオロギーではありません」


 ――ならば、日本政治や社会を告発するようなドキュメンタリーを
撮ろうとは考えませんか。
世界的に名高い是枝さんの手になれば、社会の空気を変えられる
かもしれません。

 「たとえば『華氏911』でマイケル・ムーアが表明したブッシュ
政権への怒りの切実さが、多くの人の心を揺さぶったのは
間違いない。
だけど豊かなドキュメンタリーというのは本来、見た人間の思考を
成熟させていくものです。
告発型のドキュメンタリーを見ると確かに留飲が下がるし、怒りを
喚起できるし、それによって社会の風向きを変えることもあるかも
しれない。
でもそのこと自体を目的にしたら、本質からずれていく気がします」

 「あるイベントで詩人の谷川俊太郎さんとご一緒したのですが、
『詩は自己表現ではない』と明確におっしゃっていました。
詩とは、自分の内側にあるものを表現するのではなく、世界の側に
ある、世界の豊かさや人間の複雑さに出会った驚きを詩として
記述するのだと。
ああ、映像も一緒だなと。撮ること自体が発見であり、出会いです。
詩やメッセージというものがもしあるのだとしたら、それは作り手の
内部にではなく世界の側にある
それと出会う手段がドキュメンタリーです。
ドキュメンタリーは、社会変革の前に自己変革があるべきで、
どんなに崇高な志に支えられていたとしても、撮る前から結論が
存在するものはドキュメンタリーではありません


 ――じゃあ何ですか。

 「プロパガンダです。
水俣病を撮り続け、海外でも高く評価された土本典昭さんは
『不知火海』という作品で、補償金をもらって陸に上がった漁師が、
品のない家を建てて金ぴかの調度品で部屋を飾っている様子も撮って
います。
そのような、水俣病を告発するというプロパガンダからはみ出した部分
こそがドキュメンタリーの神髄です。
間の豊かさや複雑さに届いている表現だからこそ、人の思考を深め、
結果的に社会を変えられるのだと思います」

 「安倍政権を直接的に批判するドキュメンタリーもあっていい。
だけどもっと根本的に、安倍政権を支持している私たちの根っこにある、
この浅はかさとはいったい何なのか、長い目で見て、この日本社会や
日本人を成熟させていくには何が必要なのかを考えなくてはいけません


 ――この浅はかさ。何でしょう。

 「昔、貴乃花が右ひざをけがして、ボロボロになりながらも武蔵丸との
優勝決定戦に勝ち、当時の小泉純一郎首相が『痛みに耐えてよく
頑張った。感動した!』と叫んで日本中が盛り上がったことがありましたよね。
僕はあの時、この政治家嫌いだな、と思ったんです。
なぜ武蔵丸に触れないのか、『2人とも頑張った』くらい言ってもいいん
じゃないかと
外国出身力士の武蔵丸にとって、けがを押して土俵に上がった国民的
ヒーローの貴乃花と戦うのは大変だったはずです。
武蔵丸や彼を応援している人はどんな気持ちだったのか。
そこに目を配れるか否かは、政治家として非常に大事なところです。
しかし現在の日本政治はそういう度量を完全に失っています

 「例えば得票率6割で当選した政治家は本来、自分に投票しなかった
4割の人に思いをはせ、彼らも納得する形で政治を動かしていかなければ
ならないはずです
そういう非常に難しいことにあたるからこそ権力が与えられ、高い歳費が
払われているわけでしょ? 
それがいつからか選挙に勝った人間がやりたいようにやるのが政治だ、
となっている。政治の捉え方自体が間違っています。民主主義は多数決
とは違います

 「政治家の『本音』がもてはやされ、たとえそれを不快に思う人がいても
ひるまず、妥協せずに言い続ける政治家が人気を得る。
いつから政治家はこんな楽な商売になってしまったのでしょう
表現の自由』はあなたがたが享受するものではなくて、あなたが私たちに
保障するものです
そのためにはあなたの自己表出には節度が求められるはずです」

 ――しかし政治に限らず、「勝たなきゃ終わり」という価値観が世間では
幅を利かせています

 「世の中には意味のない勝ちもあれば価値のある負けもある。
もちろん価値のある勝ちが誰だっていい。
でもこの二つしかないのなら、僕は価値のある負けを選びます
そういう人間もいることを示すのが僕の役割です。
武蔵丸を応援している人間も、祭りを楽しめない人間もいる。
『4割』に対する想像力を涵養するのが、映画や小説じゃないかな。
僕はそう思って仕事しています」

 「ただ、同調圧力の強い日本では、自分の頭でものを考えるという
訓練が積まれていないような気がするんですよね。
自分なりの解釈を加えることに対する不安がとても強いので、批評の
機能が弱ってしまっている。
その結果が映画だと『泣けた!』『星四つ』。こんなに楽なリアクションは
ありません。
何かと向き合い、それについて言葉をつむぐ訓練が欠けています。
これは映画に限った話ではなく、政治などあらゆる分野でそうなっていると
思います」

 「昨年公開した『そして父になる』の上映会では、観客から『ラストで
彼らはどういう選択をしたのですか?』という質問が多く出ます。
はっきりと言葉では説明せずにラストシーンを描いているから、みんな
もやもやしているんですね。
表では描かれていない部分を自分で想像し、あの家族たちのこれからを
考えるよりも、監督と『答え合わせ』してすっきりしたいんでしょう
よしあしは別にして、海外ではない反応です。
同じく日本の記者や批評家はよく『この映画に込めたメッセージは
なんですか』と聞きますが、これも海外ではほとんどありません


 ――そうなんですか。

 「聞かれないどころか、ロシア人の記者に『君は気づいてないかも
しれないが、君は遺された人々、棄てられた人々を描いている。
それが君の本質だ』って言われたことがあります。
で、確かにそうだった。
ずっと『棄民』の話を撮りたいと思っていたから。
すばらしいでしょ。
翻って日本では多数派の意見がなんとなく正解とみなされるし、星の数が
多い方が見る価値の高い映画だということになってしまう
『浅はかさ』の原因はひとつではありません。
それぞれの立場の人が自分の頭で考え、行動していくことで、少しずつ
『深く』していくしかありません」


 ――「棄民」を撮るんですか。

 「ブラジルの日系移民の話をいつか劇映画でやりたいと思っています。
彼らは国に棄てられた『棄民』ですが、第2次世界大戦が始まるとむしろ
日本人として純化していく。
情報遮断状態におかれた移民たちは日本の敗戦を知らず、うわさを聞いても
信じない。
そして負けたと主張する仲間を『非国民だ』と殺してしまう。似ていませんか?
 いまの日本に。国に棄てられた被害者が加害の側に回る、そこに何が
あったのかを描いてみたいんです」

 「精神科医の野田正彰さんは、加害の歴史も含めて文化だから、
次世代にちゃんと受け渡していかなければならないと指摘しています。
その通りです。
どんな国の歴史にも暗部はある
いま生きている人間は、それを引き受けないといけません
だけど多くの人は引き受けずに、忘れる。東京電力福島第一原発事故も
そうでしょう。
アンダーコントロール』だ、東京五輪だって浮かれ始めている。
どうかしていますよ

 「いまの日本の問題は、みんなが被害者意識から出発しているということ
じゃないですか。
映画監督の大島渚はかつて、木下恵介監督の『二十四の瞳』を徹底的に
批判しました。
木下を尊敬するがゆえに、被害者意識を核にして作られた映画と、それに
涙する『善良』な日本人を嫌悪したのです。
戦争は島の外からやってくるのか? 違うだろうと。
戦争は自分たちの内側から起こるという自覚を喚起するためにも、被害者
感情に寄りかからない、日本の歴史の中にある加害性を撮りたい
みんな忘れていくから。誰かがやらなくてはいけないと思っています」

 (聞き手 論説委員・高橋純子

    *

これえだひろかず 
映画監督・テレビディレクター 62年生まれ。ドキュメンタリー番組の演出を
手がけ、95年に映画監督デビュー。作品に「誰も知らない」「奇跡」「そして父になる」など。
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●沖縄と報道カメラマン・石川文洋さん

2013年01月26日 00時00分05秒 | Weblog


魚住昭さんの『魚の目』(http://uonome.jp/)に出ていた記事(http://uonome.jp/article/uozumi-wakimichi/2630)。

 沖縄出身の「伝説の」報道カメラマン・石川文洋さんについての、魚住昭さんによる記事。衆院選でもほとんど話題にならず、争点にならない沖縄。米国侵略によるベトナム戦争取材で著名な石川さん、今も続く米軍基地問題、どう感じておられるのだろう? いまに始まったことではないが、米兵の犯罪やオスプレイヘリパッド問題・・・・・・。

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http://uonome.jp/article/uozumi-wakimichi/2630

わき道をゆくその7 県民大会行きのバス
2012 年 11 月 28 日 
魚住 昭

 石川文洋さん(七十四歳)は伝説の報道カメラマンである。
 1964年4月、二十六歳で世界一周無銭旅行を計画して沖縄からオランダ船にタダで乗せてもらい、香港に渡った。所持金は27ドルしかなかったが、以前、勤めた「毎日映画社」で覚えたムービーカメラの撮影技術を買われ、香港の写真スタジオに雇われた。
 その年8月、トンキン湾事件で米軍が北ベトナムを爆撃した。その反響を取材するためドイツテレビの仕事でサイゴンへ。これをきっかけにベトナムに4年も滞在することになる。彼がベトナムやカンボジアの激戦地などを駆けめぐって撮った写真の数々は、戦争の悲惨さと生命の躍動感を私たちの心に深く刻み込んだ。
 その石川さんが沖縄北部のやんばるにやってきた。 “オスプレイパッド”(着陸帯)建設阻止の座り込み現場を取材するためだ。
 小柄で銀髪。一刀彫の円空仏を思わせる、切れ長の大きな目。そして赤く日焼けした顔。首からオートフォーカスのカメラ(「キャノンの一番安いやつ」で4万円台だそうだ)をぶら下げている。
「今は長野に住んでるけど、私も沖縄出身だから」と言いながら、座り込みテントの空気に溶け込んでいく。迷惑をかけぬよう絶えず気配りしながら質問し、メモを取り、カメラのシャッターを切る。
 誰とでも親しくなって雰囲気を和ませ、取材を終えると「じゃ、これで失礼します」と言って飄々と去っていく。

 翌朝、思わぬところでまた石川さんに会った。那覇のバスターミナルだ。この日「オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会」が海浜公園(宜野湾市)で開かれる。彼は会場行きの無料乗車券を手にしていた。2日前の琉球新報や沖縄タイムスに掲載されたものだ。それを切り取って運転手に見せると、バス代がタダになる。
「無料券を持ってるんですか。いいなあ。僕は手に入らなくて」
 私が言うと、傍らの中年女性が、
「あら、その切符1枚で2人まで乗れるんですよ」
 と、親切に教えてくれた。私は石川さんの無料券のお世話になることにした。伝説のカメラマンと県民大会へ向かう、そんな機会に巡り会えたことに感謝しながら。
 車内はほぼ満席。私は最後部窓際の石川さんの隣りに 座った。
「沖縄のどちらのお生まれなんですか?」
 発車して間もなく彼に尋ねた。
「(那覇の)首里なんです。でも、五歳の時の1942年に大阪に出て、間もなく東京に移りました」
「それは、お父さんの仕事の関係か何かで?」
「父は沖縄の歴史小説や沖縄芝居の脚本を書いていましてね。それで(本土で)一旗揚げようとしたんですが、揚げられなかった」
 1942年と言えば、県民の5分の1以上にあたる12万2千人余が亡くなった沖縄戦の3年前だ。
「そうですか。でも、おかげで命拾いされましたね」
 私は当然「はい」という返事を予想していた。だが、彼は一瞬間を置いてぽつりと言った。 
「沖縄戦のときに(沖縄に)いなかったという引け目をずっと、今も持っ てるんです」
 ドキッとした。不用意に彼の心の深い襞に触れてしまったと思ったからだ。そこでごめんなさいと謝ればいいのに、私はまた軽はずみな言葉を口にした。
「ああ!その引け目が石川さんを戦場取材に駆り立てたんですか」
 彼はその問いにはたしかイエスともノーとも答えなかったと思う。私の記憶に残っているのは次のような彼の言葉である。
「沖縄から遠く離れれば離れるほど、沖縄を思う気持ちが強くなるんです。だから沖縄に帰ってきたら、こうやってバスに乗るのが好き。だって乗客はみんなウチナーンチュでしょう。そのなかにいると、何だかホッとするんです」
 石川さんは私の軽薄な言動を責めるでもなく、無視するでもなく、穏やかな言い方で大事なことを教えてく れた。それは、人の痛みをわがことのように感じる「肝苦(ちむぐり)さ」の感情と、それによって作られる沖縄の人々の強烈な一体感である。
 この一体感は琉球王朝の昔から培われてきたものだ。薩摩藩による琉球侵攻、明治12年の琉球処分、沖縄戦後の米軍占領支配を経ても、それは変わらなかった。
「祖国復帰」から40年たった今も、沖縄は在日米軍基地の74%を押しつけられたまま空飛ぶ恥オスプレイを強行配備されようとしている。そんな不平等で危うい状況が沖縄の「肝苦さ」を極限に追いつめ、日米両国への不信感となって噴出しつつある。

 バスは約30分で会場に着いた。運転手は無料券をろくに確認しようとせず、ゾロゾロと降りていく客たちにニコニコ顔で「いってらっ しゃい」と声をかける。その光景がいかにも沖縄らしい。
 石川さんは「聞きました?運転手さんが『いってらっしゃい』だって。ふふ」と仄かに笑う。
 広大な海浜公園は、炎天下にかかわらず10万1千人(主催者発表)の人波で埋め尽くされた。
 石川さんと別れてあちこち歩いていたら、東京新聞の半田滋記者(五十七歳)に出くわした。防衛省詰め二十年、おそらく日本で一番軍事に詳しい記者だろう。
「これだけ多くの人が反対しても欠陥機を配備するのか」
 と、聞いたら、彼が言った。
「ウン。岩国の試験飛行で安全性を見せつけてから普天間に飛んでくる。それは(米海兵隊の存亡がかかった)賭けだよね。でもサイコロ賭博で絶対に出ない目なんてないじゃない。必ずいつかオスプレイは事故を起こす
 海浜公園に近い普天間周辺の住宅地にオスプレイが墜ちる不吉な映像が頭をよぎる。2日前に会った琉球新報の若い記者は「僕らはオスプレイで死の危険に曝される。だから毎日必死で(反対の)記事を書いている」と言っていた。
 編集局幹部は「このままだと米軍基地全体が敵意に囲まれ不安定化する。基地への電気・水道の供給を止めようという話も聞くが、敵意がどんな形で噴き出すか予測できない」と真顔で憂いていた。
 沖縄はこれからどこへ向かうのだろうか。会場から見上げる青い空には、人々の肝苦さが満ちているような気がした。(了)

(編集者注・これは週刊現代連載「わき道をゆく」の再録です)
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●水ビジネスは住民を幸せにするのか?

2011年12月06日 00時27分58秒 | Weblog


asahi.comの記事(http://www.asahi.com/national/update/1004/TKY201110040714.html)。

 都知事や副知事が〝水商売〟に〝個人的〟に勤しんでいないことを祈ります。
 企業や行政がこれほど盛り上がる水ビジネス。でも、世間がほとんど興味を示さないのが哀しい、その本質に気づこうとしないのが虚しいTPPといい、小泉政権が振りまいた害悪・新自由主義コモンズであるべき水まで商売のタネにし、カネ儲けしようという訳。マネーでやり取りしようということ。水、そして、水へのアクセスは基本的人権

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http://www.asahi.com/national/update/1004/TKY201110040714.html

2011105949
東京都、ベトナムで水ビジネス 浄水場建設や管理担う

 東京都の猪瀬直樹副知事は4日、ベトナムのハノイで、現地の水道公社と浄水場を建設するプロジェクトを進めていることを明らかにした。来年度、着工して約5年後に日量15万トンの給水をめざす。出資比率などは協議中。都によると、自治体の水道事業の技術を海外に売り込む「水ビジネス」で、本格的な浄水場建設は初めてという。

 都出資の第三セクター「東京水道サービス」と、日本の民間水処理会社、ハノイ市水道公社が合弁会社を設立する。ハノイ市郊外のドン川の表流水を水源とする浄水場を建設し、維持管理も担うという。

 ハノイ市は、経済成長に伴う工場進出や人口増にインフラ整備が追いつかない状況。都の水ビジネスを進めてきた猪瀬副知事は「将来は30万トン供給する予定で、本格的な海外進出になる」と話した。都はノウハウを生かして国際貢献するとともに、収入を都の水道事業に還元したい考えだ。

·                     関連リンク

·                     儲けすぎ?都水道局 それでも料金下げる気なし(9/29)

·                     大阪市水道局などベトナムで水事業 政府輸出策の一環で(7/16)

·                     大阪市「水ビジネス」ホーチミン市と協定 上下水道整備(7/8)

·                     北九州市、カンボジアの水事業受注 海外は自治体で初(3/10)

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