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●『筑紫哲也』読了

2010年10月27日 05時02分53秒 | Weblog

筑紫哲也』、10月に読了。週刊朝日MOOK、2009年11月発行。編集後記の執筆者の一人に諸永裕司氏の名が(p.280)。
 編集後記、「・・・ジャーナル時代・・・。こう強調してもいました。「ジャーナルは儲けを期待されている雑誌ではない。でも赤字を出さないことが、社内外に対する言論の自由の基盤として大切だ」」(p.280)。

 多事争論傑作選、「TBSは今日、死んだに等しいと思います」(p.22)。

 「石原(慎太郎)さんを倒すのは、やっぱり同じ世代のじゃないですか? ああいう人を出した、筑紫さんの世代の責任じゃないですか?」(pp.28-29)。家族の反対で思い止まる。「・・・房子は夫にこうたずねた。/「私が反対していなかったら、あなたやってた?」/即座に返ってきたのは、「やった」という答えだったという」。
 「私が最も真剣に考えたのは、東京都のひどさでした。この年齢になってきたら、世代の責任というものもあるのではないかという気もしましたが、・・・」(p.134)。

 井上陽水さん「傘がない」(p.32)。「最後のニュース」、「・・・また、文明の終わりが迫っているという意味の最後ともとれる・・・」(p.34)。

 「「『現在』を知るために『過去』を学べ」/「『学ぶ』とは、『疑う』ことだ。自分を、常識を、現在を疑え」/と説いた」(p.47)。「最後の生出演となった08年28日の「多事争論」で、筑紫さんは「23のDNA」を三つ挙げた。/大きな権力に対する監視の役を果たそうとすること。/▽少数派であることを恐れないこと。/多様な意見や立場を登場させて、この社会に自由の気風を保つこと。/そして、こう続けた。/「これからも、その松明(たいまつ)は受け継がれていきます」」。

 「筑紫さんもクロンカイトも実に「品性」(decency)があった。そしてともに文化のありようと価値をよく理解し、歴史認識を研ぎ澄ましていた」(p.52)。

 イラクで人質となった3人およびその家族に対する「自己責任」という批判の嵐。「・・・たくさんの嫌がらせや誹謗中傷があったということです。/私が「多事争論」と言っておりますのは、いろんな意見があっていいということですけれども、その域を超えた中傷と嫌がらせは大変に問題だろうと私は思います」(p.63)。

 永六輔さん(p.64、215)。國弘正雄さん(p.132)。野中広務氏(p.177)。小田実(p.178、232、247)。城山三郎さん(p.243、246)。

 オーラル・ヒストリー。「ですからこの年入社組には常識のないやつが多いと言われ、社内では「常識なしの34年(昭和34年入社)組」と呼ばれていました。それに懲りて、翌年直ちに常識問題を復活させましたけれども。とにかく同期入社には、本多勝一、上前淳一郎など、個性的な人が多かったと思います」(p.118)。
 「・・・政治家からの供与。お金はもちろん受け取りませんけれども、飲み食いの問題です。少なくとも私がいたころの政治部の不文律で、おごられたら必ず返す。/・・・暗黙のルールでした」(p.131)。
 「・・・森喜朗さんでした。彼が総理大臣になるとは思っていなかったのです。なるべき人ではないと思いましたしね。自民党幹事長時代に非常に文句が多くて、細かいくだらないことにまめにクレームをつけてくる・・・」(p.131)。
 本田靖春さん『我、拗ね者として生涯を閉ず』(p.136、173)。
 記者クラブ制度。「政治記者たちが「あんなことは、みんな知っていた」と言うなら、なぜ書かなかったのか。これは大問題でした」。

 中島みゆき、「生きとし生けるものへの誠意」(p.230-231)。「最後の女神」。

 残日録(抄)(pp.242-251)。「ゲルニカ・・・ロンドン、ドレスデン、重慶・・・ヒロシマ、ナガサキに至る戦争の残虐化、ジェノサイドの系譜・・・」(p.248)。忌野清志郎(p.249)。

 福光恵氏「全国へ旅立つ/筑紫さんの愛した本」(pp.264-268)。

 筑紫房子氏「最後に棺に言えた「パパ、ありがとう」」(pp.16-21)。
 写真作家筑紫拓也氏「筑紫哲也×僕×パパ」(p.252-263)。
 公表された最後のメッセージ。WEB多事争論08年8月1日、「遺言/この国のガン」(pp.272-275)。「・・・教育しか取りえがないという国ですね。・・・/・・・医療費というものをきちんと使っていない国なんです。・・・そういう国が高齢者に対して、たくさんのパイを与えているとは言えない。つまり未来にも投資していない、過去にも投資していない、・・・。/つまりお金が変なところに行ってて、・・・。/で、私は今病気〝ガン〟ですから、・・・。人間の体がガンに侵されますと、本来使うべき栄養とかエネルギーとかいうものが、ガンと戦うためにそっちに取られてしまうんですね。本来人間が生きていくために使うべきところに向かなくなっちゃう。ですから、この国というのは一言で言えば、ガンにかかっている。そういう状況だというのが、この国の状況だろうと思います」。
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