[※ 『原発に挑んだ裁判官』(磯村健太郎・山口栄二) 朝日新聞出版(https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=21028)↑]
東京新聞の二つの記事。宮尾幹成記者によるインタビュー記事【<東海第二原発 再考再稼動>(1)耐震性と老朽化に問題 元福井地裁裁判長・樋口英明さん】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201911/CK2019112802000166.html)と、
松村真一郎記者によるインタビュー記事【台風被害は復興できる でも、原発事故は… <東海第二原発 再考再稼働>】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201911/CK2019112802100030.html)。
《営業運転開始から28日で41年となる首都圏唯一の原発をこのまま再稼働させていいの か》。
《二十八日は東海第二原発が営業運転を始めてから四十一年。老朽化が進む一方で、再稼働に向けた手続きは止まらない。首都圏唯一の原発の再稼働に疑問を持つロックバンド「BRAHMAN(ブラフマン)」のボーカルTOSHI-LOWさんに聞いた》。
東京新聞の記事【署名6万人分 原電、初の受け取り 東海第二再稼働反対】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201911/CK2019112802000140.html)によると、《茨城県東海村にある東海第二原発の再稼働に反対し、廃炉を求めている市民団体が二十七日、原発を保有する日本原子力発電(原電)の本店(東京都台東区)を訪れ、六万三千三百二十八人分の署名を提出した。原電は昨年六月から署名の受け取りを拒否してきたが、初めて受け取った》。
四十年廃炉ルール無視、特例中の特例のはずが…日本原電は東海第二原発の再稼働をしたいらしい…。正気じゃないね。《日本の国策は「安全な原発を動かす」》…《安全》な《原発》というのは、形容矛盾だと思います。
『●四十年廃炉ルール無視、特例中の特例のはずが…
日本原電は東海第二原発の再稼働をしたいらしい…』
《日本原電は、来年四十年の運転期限を迎える東海第二原発の
二十年延命を、原子力規制委員会に申請した。3・11後の
安全強化で、原発はもはや割に合わなくなった。老朽化が進めば、
なおさらだ…3・11後、安全対策のハードルは高くなり、
四十年廃炉のルールもできた。延長は、本来例外的に認められるが、
さらに特別な対策が必要とされている》。
政府や自公お維はどうしても発電機能付き「海暖め装置」を動かしたくて仕方ないらしい。「たかが電気のために」。地球温暖化対策の切り札とでも嘯きながら。よほど美味しいおカネの「濁流」があるようだ。
『●核発電は「金のなる巨大木」…《自民党の最近のルールは
「返せば問題ない」と、なかったことにできるというもの》』
『●《稲田朋美…世耕弘成…安倍側近が…関電受注企業から献金
証人喚問を含め、国会の場で徹底的に調査するほかない》』
『●「桜を見る会」税金接待というアベ様模倣犯・世耕弘成経産相
…関西電力〝濁流〟問題でも《関電受注企業から献金》』
相も変わらず原子力規制委員会はデタラメ。最後の砦の司法に訴えても、裁判所も役に立たない…。再エネへの切り替えに乗り遅れ、救いようのない国に堕ちていくニッポン。この自公政権のままではダメです。元福井地裁裁判長・樋口英明さん《地震大国の日本には、北海道から沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない》と仰っています。そんな簡単なことが分からないとはねぇ。
『●「上告断念は、最高裁への抗議と不信任「最高裁には
もはや何も期待できない」」…アベ様支配の最「低」裁』
『●裁判所も歪む…《国が開発の政策的な枠組みを決め、
その下で電力会社に》核発電所を…《そして裁判所も一体となり…》』
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201911/CK2019112802000166.html】
<東海第二原発 再考再稼動>(1)耐震性と老朽化に問題 元福井地裁裁判長・樋口英明さん
2019年11月28日
東海村の日本原子力発電東海第二原発の再稼働の是非を巡り、「中立」を掲げていた山田修村長が雑誌で容認と受け取れる発言をして、波紋を広げた。再稼働に向けた資金のめどがつき、事故対策工事も着々と進む。営業運転開始から28日で41年となる首都圏唯一の原発をこのまま再稼働させていいのか。有識者や文化人に考えを聞き、随時掲載していく。
二〇一四年五月に福井地裁の裁判長として、関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の運転差し止め判決を出した。今も自分が正しいと確信を持っている。
大飯原発の基準地震動(耐震設計上の想定の揺れ)は七〇〇ガル(揺れの勢いを示す加速度の単位)で、重大事故につながる限界点は一・八倍の一二六〇ガルだと関電は主張していた。
私は裁判前は、三〇〇〇ガルのような強い揺れに原発が耐えられるかどうかが争点になると予想していた。ところがふたを開けてみれば、一二六〇ガルが来たらおしまいだというのは争いがなかった。主な争点は「敷地内に一二六〇ガルを超える地震は来ない」という関電の主張の信用性だった。
それが争点なら難しい工学的判断は不要で、理性と良識があれば簡単に解ける問題となる。地震大国の日本では、原発で基準地震動を超える地震が頻発しており、大飯も「ロシアンルーレット」状態だった。
日本の国策は「安全な原発を動かす」であって、「何が何でも動かす」ではない。私の「極めて危険だから動かしてはいけない」という判断は、国策にも忠実だったと思っている。
仮に私が日本原子力発電(原電)東海第二原発の差し止め訴訟を指揮するなら、ポイントは三つあると思う。一つは、基準地震動を超える地震が来ないと言えるかどうか。これは他の原発と共通の問題だ。
東海第二の建設当初の基準地震動は二七〇ガルだが、東京電力福島第一原発事故後に原電が約一〇〇〇ガルに引き上げ、新規制基準の審査も通った。だが、耐震補強工事をしたところで、四倍も耐震性を上げることは可能だろうか。例えば八〇〇ガルの地震に本当に耐えられるのか。これがもう一つの問題になる。
三つめは、既に原則四十年の運転期限を超えていること。自動車や家電なら老朽化で突然止まっても、その後は安全だ。だが、原発は止まった後がとてつもなく危ない。きちんと冷やすことができなくなれば、四~五時間でメルトダウンする。
これ以上に争点を広げると、裁判官の能力を超えてしまう。この三つに絞れば誰にでも理解できるし、反論が極めて難しい。
東海第二の周辺人口が他の原発より多いのは事実だが、人口が多くても少なくても原発事故の深刻な被害に変わりはない。地震大国の日本には、北海道から沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない。
東海第二のように、再稼働の事前同意対象を立地自治体の周辺にも広げる運動は、原発を止める手段としては、裁判による差し止め以外では最も有効だ。
(聞き手・宮尾幹成)
<ひぐち・ひであき> 1952年、三重県鈴鹿市生まれ、京都大法学部卒。83年、判事任官。静岡、名古屋などの地裁・家裁、大阪高裁などを経て、2014年5月に福井地裁で大飯原発差し止め判決、15年4月に高浜原発再稼働差し止めの仮処分決定を出した。17年8月、名古屋家裁を最後に定年退官した。
<東海第二原発> 日本原子力発電が1978年11月に営業運転開始。出力は110万キロワットで、電気を東京電力や東北電力に供給していた。東日本大震災時は外部電源を失い、冷温停止まで3日半かかった。都心に最も近い原発で、都庁までの距離は福島第一からの半分程度の約120キロ。重大事故が起きた場合、首都圏全域に甚大な被害を及ぼす可能性がある。
2018年11月に原子力規制委員会が最長20年の運転延長を認めた。再稼働の対策工事は21年3月までかかる見込みで、資金支援のため、東京電力などが約3500億円を拠出する構図も固まった。再稼働には、東海村や水戸市など6市村の同意が必要で、首長がどう判断するかが焦点になる。
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201911/CK2019112802100030.html】
台風被害は復興できる でも、原発事故は… <東海第二原発 再考再稼働>
2019年11月28日
茨城県東海村の日本原子力発電東海第二原発の再稼働を巡り、「中立」を掲げていた山田修村長が雑誌の取材で再稼働容認とも受け取れる発言をし、波紋を広げた。二十八日は東海第二原発が営業運転を始めてから四十一年。老朽化が進む一方で、再稼働に向けた手続きは止まらない。首都圏唯一の原発の再稼働に疑問を持つロックバンド「BRAHMAN(ブラフマン)」のボーカルTOSHI-LOWさんに聞いた。
(ふるさとへの思いを語るBRAHMANの
ボーカルTOSHI-LOWさん=東京都渋谷区で)
東京電力福島第一原発事故で、茨城県産のホウレンソウが出荷できなくなった。水戸市の実家が営む冷凍食品会社はホウレンソウが主力商品だったので、大ダメージを受けた。関西圏への出荷分は全部だめになり、何年も続いた。原発問題はエネルギーではなく生活の問題だと認識した。
自分は若い頃に東京に出て、ふるさとを捨てた人間だと思っていた。でも福島の事故が起きたことで、ふるさとって大事なんだという郷土愛に気付いた。
茨城県だって住めなくなるんだ、地元を喪失するかもしれないんだ、と現実味を帯びて感じた。ふるさとがなくなっていいとは思えなかった。
それ以来、原発反対の声を上げている。アーティストだからではない。アーティストである前に国民であり、親であり、人間。おかしいことはおかしいと言う。
ファンは非日常を求めてライブに来るから、嫌がる人もいる。だけど、何を歌うかなんて自分たちの自由だと思っている。
曲作りでは、聴く人の心に描かれる風景が、自分の訴えたいことと合っていればいい。「鼎(かなえ)の問」という曲では、原発事故をイメージしながら、自分が大事にしているものが失われていく情景を書いた。大事なものが何か、考えるきっかけになってほしい。
ライブで原発の話をすることもある。「気付くのも気付かないのも自分次第。でも、気付いたら何かしなければならない」と伝えている。
十月の台風19号では実家も被災した。ボランティアで、県内の被災地で災害ごみの片付けなどを手伝った。台風のような災害は片付けたら復興できる。でも、原発事故はそれができない。
原発事故は起こらないと言われていたのに起きてしまった。東海第二でも起こり得る。福島の事故はなぜ起きたか。答えが出ないまま、東海第二を再稼働させる理由は一つもない。
再稼働を判断した時の首長は、何かあった時に責任を取ってくれるのか。これからは事故が起きたら、再稼働を容認した人に責任を取ってもらうようにしたらいい。「それでも再稼働しますか」と問いたい。
二十~三十年後、自分の曲を聴いた人に「原発なんてものがあったんだ」と思ってもらえる世の中になってほしい。(聞き手・松村真一郎)
<トシロウ> 本名・宮田俊郎。水戸市出身。15歳でバンドを始める。1995年に結成したロックバンド「BRAHMAN(ブラフマン)」でボーカルを担当し、国内外で活動。甲子園の応援で使われる曲もある。東日本大震災後にNPO法人「幡ケ谷再生大学復興再生部」をつくり、被災地の復興支援に取り組む。
<東海第二原発> 日本原子力発電が1978年11月に営業運転開始。出力110万キロワットで、電気を東京電力や東北電力に供給。東日本大震災時は外部電源を失い、冷温停止まで3日半かかった。都心に最も近い原発で、都庁までの距離は福島第一からの半分程度の約120キロ。重大事故が起きた場合、首都圏全域に甚大な被害を及ぼす可能性がある。2018年11月に原子力規制委員会が最長20年の運転延長を認めた。対策工事は21年3月までかかる見込み。再稼働には東海村や水戸市など六市村の同意が必要で、首長がどう判断するかが焦点になる。
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子どもの日を大きく過ぎてしまいましたが…琉球新報の【<社説>こどもの日 社会全体で育てよう】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-712932.html)。
…と、その前に。大朗報。素晴らしい!! 百田尚樹氏らデマ屋・ヘイト屋に…。
沖縄タイムスの記事【本紙・阿部岳記者に「日隅一雄賞」奨励賞 高江ヘリパッド問題を発信】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/250135)によると、《表現の自由や情報公開などに力を入れる個人・団体をたたえる一般社団法人「日隅一雄・情報流通促進基金」(東京都)は10日までに、「第6回日隅一雄賞」奨励賞に沖縄タイムス北部報道部長の阿部岳記者(44)を選んだ…同基金は、受賞理由として米軍基地を巡る報道と執筆活動を挙げ「沖縄の現場の状況を精力的に取材し、全国に発信した」と評価した。阿部記者は「高江の山奥に封じ込められていた国家の暴力の実態を、特に本土の人々に伝えたくて本を書いた。本土側で評価していただいたことはとても光栄で、励まされる」と話した》。
『●追悼・日隅一雄さん』
『●百田尚樹氏、沖縄の地で「デマを並べ、
沖縄への米軍基地集中を正当化」…態度・人間性・思考のお粗末さ』
さて、本題に戻って。
《沖縄の未来を担う子どもたちの夢や希望をかなえられる社会でありたい。沖縄県の子どもの貧困率は29・9%で、3人に1人が貧困状態だ。ひとり親世帯に限れば58・9%に達する。子どもの貧困を放置すると、生活面だけでなく進学や就職にも大きく影響する。子どもの貧困は親だけの責任ではない。社会全体で子育てをする環境を整える必要がある》。
『●沖縄県「子どもを育てている県内世帯の3分の1以上が貧困」
…アベ様らは「思いやる」先を間違ている』
「■湯浅誠さんによると(大竹まことゴールデンラジオ 2016年2月9、
https://www.youtube.com/watch?v=lJNG1tPoapQ)、県別での
データ公開は画期的。沖縄県が先駆的。一方、内容は衝撃。
全国平均16%、沖縄は30%。 @BARANEKO @dd_hassie
沖縄タイムス 沖縄・子どもの貧困(13)母子3人、食費1日200円」
未来への重要な〝投資〟…《子どもの貧困は親だけの責任ではない。社会全体で子育てをする環境を整える必要がある》というのに、アベ様や沖縄イジメを繰り返す最低の官房長官らときたら…。番犬様を「思いや」れば、沖縄の子どもの貧困問題は解決するのですか?
『●一体何をどれ程「思いやらされている」?…
「われわれはカネを出さない。どうぞ米軍は撤退してください」』
『●「思いやり」に溢れた、番犬様にとっての「天国」ニッポン
…子どもの貧困問題などは置き去り』
《日本が負担する在日米軍経費は米兵の光熱水料まで含まれ、
本年度五千五百六十六億円。基地を抱える各国中、
ダントツの負担額、負担割合である。加えて高速道路の
「ただ乗り」だ。米兵の天国ではないか》
「《トランプ次期米大統領が主張する「安保ただ乗り論」》どころか、
番犬様こそがフリーライダー…アベ様によるとんだ「思いやり」。
《七億二千九百万円…五千五百六十六億円…》って、ニッポンの
子どもの貧困を見捨てて、どれだけ番犬様を思いやっているのか?
番犬様にとっての《天国》ニッポン。《基地を抱える各国中、
ダントツの負担額、負担割合》って、番犬様は内心ほくそ笑んでいる
でしょうに。真の右翼や極右の皆さんは、アベ様の自公政権を
恥ずかしいとは思わないのでしょうかね?」
「住民分断」「沖縄差別」を恥じぬアベ様ら。沖縄県の「子どもを育てている県内世帯の3分の1以上が貧困」…アベ様らは「思いやる」先を間違えている。人殺し・戦争のための「番犬様」にふんだんに「思いやる」前に、やることがあるはず。
『●アベ様は「沖縄の方々の気持ちに寄り添いながら、
基地負担の軽減に全力を尽くす」…って、はぁ?』
『●稲嶺進さんの「この8年の実績と誠実な姿勢は、
多くの市民が認めている」(目取真俊さんのブログ)』
『●名護市長選後の「アメとムチ」…勝たせてはいけなかった新市長と
負けさせてはいけなかった稲嶺進さん』
『●「米軍再編交付金を政府は再開…。なんじゃそりゃ。
あんたは鳥取城を兵糧攻めで落とした秀吉か!」』
「《札束の力で自治体をねじ伏せ、住民を分断させる恫喝(どうかつ)政治。
これ、民主主義なんですか》? 勝たせてはいけなかったのに…
大変に残念だった名護市長選の結果。「アメとムチ」の露骨なサツタバ
恫喝政治…。ニッポンに…、少なくとも沖縄に民主主義は無い。
《それでも名護市は交付金に頼らない行政を貫いて、全学校への
冷房設置や校舎の耐震化、小中学生の医療費無料化まで実現させた》…
負けさせてはいけなかった」
『●速攻辞任…県民の命は政局の取引材料ではない。
政府が真剣かどうかは、選挙後に分かる。(阿部岳)』
『●横田一さん名護市長選ルポ:
「詐欺集団の安倍自民党が“フェイク演説”で市長ポストを騙し取った──」』
「さて、この名護市長選について、ルポ冒頭の、横田一さんの
この一言に尽きる…《詐欺集団の安倍自民党が“フェイク演説”で
市長ポストを騙し取った》。やはり、《前代未聞の詐欺的手法で当選》の
勝たせてはいけなかった新市長と、一方、負けさせてはいけなかった
稲嶺進さん。「本土」の自民党国会議員による〝フェイク演説〟…」
『●最低の官房長官のフェイク言説「基地容認の民意」は「架空の代物」
…それに悪乗りするアベ様広報紙』
『●決裁文書書き換えという犯罪…「最低の官房長官」が
沖縄に向けて言い放った「法治国家」を取り返さねば』
『●辺野古高江裁判とヒラメ…《「人権のとりで」としての
司法がその役割を果たさず、行政と一体化すれば…》』
名護市長が交代したとたんに、交付金を出す…。あまりのアザトさではないか。最低の官房長官は《法治国家》とか、《民主主義》などと口に出せる「政」をやっているのか? 勝たせてはいけなかった新市長と負けさせてはいけなかった稲嶺進さん…。
『今日の東京新聞』(http://a-tabikarasu.hatenadiary.com/)から、いつもすいませんが、【稲嶺前名護市長「非暴力で抵抗」 辺野古で座り込み】(http://a-tabikarasu.hatenadiary.com/entry/2018/04/29/133623)によると、《2月の沖縄県名護市長選で、米軍普天間飛行場…の名護市辺野古移設反対を訴えて敗れた稲嶺進前市長(72)が、辺野古での抗議の座り込みに参加している。今月25日には県警機動隊員に強制排除された。「市長権限はなくなったが、非暴力の抵抗を続ける」と決意を新たにする》。
『●斎藤貴男さん「人権を否定することに喜びを感じている
変質者集団」…「人権の砦」のはずが最「低」裁…』
『●「菅官房長官は徹底抗戦の姿勢を崩さない翁長知事を
念頭に、「わが国は法治国家だ」と牽制」だって!?』
『●新作『標的の島~風かたか~』の監督・三上智恵さん、
「あなたが穴をあけた森はもう元には戻らない」!』
『●「歳出抑制が狙い」ならば、教育破壊ではなく、
「害遊」のカネバラマキ「害交」こそ何とかしなさいよ』
『●未来に投資しない国: 「そういうせりふは、
ハコモノではなく、子どもたちのために言ってほしいものだ」』
『●そもそも、子どもたちのためにこそ
「ドブガネしている」税金を使ったらどうなのか?』
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【https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-712932.html】
<社説>こどもの日 社会全体で育てよう
2018年5月5日 06:01
きょうは「こどもの日」。沖縄の未来を担う子どもたちの夢や希望をかなえられる社会でありたい。
沖縄県の子どもの貧困率は29・9%で、3人に1人が貧困状態だ。ひとり親世帯に限れば58・9%に達する。子どもの貧困を放置すると、生活面だけでなく進学や就職にも大きく影響する。子どもの貧困は親だけの責任ではない。社会全体で子育てをする環境を整える必要がある。
県は2016年度を「子どもの貧困対策元年」と位置付け、対策に乗り出している。国の補助金を活用し、子ども食堂などの交流の場を約130カ所整備した。各地に設けた無料学習塾は17年度の受け入れ数が700人を超えた。県民の寄付を財源に給付型奨学金も創設した。
とりわけ親から子への「貧困の連鎖」を断ち切ることが大きな課題となっている。
親も貧困の環境で育ち、入浴習慣や偏りのない食事の大切さを知らなかったり、障がいやストレスを抱えて子どもに教えられなかったりすることが多いという。
低収入などの理由で親が遅くまで働く子ども向けに、放課後から夜まで大人と過ごす「もう一つの家」づくりが全国で進んでいる。歯磨き、手洗い、宿題、食事の後片付けなど生活習慣を確立させる。こうした取り組みが子どもたちの「生きる力」に結び付くのだという。県は先行事例を積極的に取り入れてほしい。
子どもの貧困対策として、一人でも多くの子を進学させる取り組みが進む中、妊娠を理由に高校を自主退学する例がある。若年妊産婦向けに学業と子育てを両立できる仕組みづくりが急務だ。
会員制交流サイト(SNS)をきっかけに、犯罪に巻き込まれる子どもが増え続けている。
警察庁によると、昨年1年間にSNSをきっかけとして性犯罪などの被害に遭った18歳未満の子どもは1813人で、統計がある08年以降で最多だった。
スマートフォンの普及が子どもにも広がる中、SNSで知り合った相手に、自分の裸を撮影して送るよう強要される「自画撮り被害」が増え、児童買春は13年の226人の倍近い447人だった。
被害者は高校生が51・9%で過半数を占めた。中学生は37・3%、小学生は2・3%。8歳の小3女児は、ユーチューブで知り合った相手に自分で体を撮影した写真を送らされていた。
子どもたちを犯罪から守るため、学校や家庭でインターネットやSNSを適切に使いこなす知識をどう教えるかが課題だ。
家庭にも問題がある。母親の3人に2人は子どもと遊んでいる最中にスマートフォンをいじっているという。玩具販売会社のアンケート結果で明らかになった。目の前の子どもとしっかり向き合って、成長を見守ってほしい。
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沖縄タイムスの記事【沖縄3世帯に1世帯が貧困状態 子どもの貧困も全国最悪】(http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=148485)。
琉球新報の記事【子の貧困率、沖縄37%最悪 12年全国の2・7倍】(http://ryukyushimpo.jp/news/entry-198383.html)。
《沖縄県内で必要最低限の生活を保つための収入がない人の割合を示す「絶対的貧困率」は、2012年に34・8%、また18歳未満の子どもがいる世帯の「子どもの貧困率」は同年で37・5%といずれも都道府県別で最悪》。
《沖縄はこの20年間、常に貧困率が最も高い地域であった…多くの困窮世帯に支援の手が届いていない現状も浮かび上がっている》。
『●「歳出抑制が狙い」ならば、教育破壊ではなく、
「害遊」のカネバラマキ「害交」こそ何とかしなさいよ』
『●未来に投資しない国: 「そういうせりふは、
ハコモノではなく、子どもたちのために言ってほしいものだ」』
『●そもそも、子どもたちのためにこそ
「ドブガネしている」税金を使ったらどうなのか?』
昨夜のつぶやき:
「■湯浅誠さんによると(大竹まことゴールデンラジオ 2016年2月9、
https://www.youtube.com/watch?v=lJNG1tPoapQ)、県別での
データ公開は画期的。沖縄県が先駆的。一方、内容は衝撃。
全国平均16%、沖縄は30%。 @BARANEKO @dd_hassie
沖縄タイムス 沖縄・子どもの貧困(13)母子3人、食費1日200円」
「住民分断」「沖縄差別」を恥じぬアベ様ら。沖縄県の「子どもを育てている県内世帯の3分の1以上が貧困」…アベ様らは「思いやる」先を間違ている。人殺し・戦争のための「番犬様」にふんだんに「思いやる」前に、やることがあるはず。
『●「政府は沖縄を分断し、苦渋の判断をさせ続けている」:
「住民分断」「沖縄差別」を恥じぬアベ様ら』
『●番犬様の(ウラアリな)オモテナシは随分とお高い』
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【http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=148485】
沖縄3世帯に1世帯が貧困状態 子どもの貧困も全国最悪
2016年1月5日 10:01
沖縄県内で必要最低限の生活を保つための収入がない人の割合を示す「絶対的貧困率」は、2012年に34・8%、また18歳未満の子どもがいる世帯の「子どもの貧困率」は同年で37・5%といずれも都道府県別で最悪、さらに伸びも全国平均を大きく上回ることが、山形大の戸室健作准教授の研究で4日、分かった。県内で3世帯に1世帯は貧困状態にあり、その層が急速に拡大していることが明らかになった。
県内の貧困率34・8%は2位鹿児島県の24・3%と10・5ポイント、全国平均18・3%と16・5ポイント差で、伸びは07年から5・5ポイント(全国平均3・9ポイント)と急激に上がった。
「子どもの貧困率」37・5%も、2位大阪府の21・8%と15・7ポイント、全国平均の13・8%より23・7ポイント高く、伸びも07年から6・8ポイント(全国平均3・8ポイント)増えた。戸室さんは「この20年間、沖縄は常に貧困率が最も高い地域。背景に、産業のぜい弱さや低賃金があるのではないか」と指摘した。
また就業世帯のうち最低生活費以下の収入しか得ていない世帯(貧困就業世帯)の割合を示す「ワーキングプア率」も県内は25・9%と最悪で、2位の大阪府14・2%と11・7ポイント差と大きな開きがあった。
研究は、12年の総務省「就業構造基本調査」を用い、世帯収入が生活保護費以下のデータを調べた。戸室さんによると、都道府県別の子どもの貧困率が明らかになるのは初めて。論文は、2月刊行の「山形大学人文学部研究年報」に掲載予定。(中部報道部・安里真己)
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【http://ryukyushimpo.jp/news/entry-198383.html】
子の貧困率、沖縄37%最悪 12年全国の2・7倍
2016年1月5日 05:05
2012年の沖縄の子どもの貧困率が37・5%に上り全国最悪になっている状況が、山形大学の戸室健作准教授(社会政策論)の調査で4日までに分かった。18歳未満の子どもを育てている県内世帯の3分の1以上が、貧困に陥っていることが浮き彫りになった。全国平均は13・8%で沖縄は全国平均の約2・7倍。2位の大阪府(21・8%)を10ポイント以上上回り突出して高い。戸室准教授は、大人のみの世帯も含む全体の貧困率についても算出。沖縄は34・8%で3世帯に1世帯以上が貧困との結果となり、全国平均を16・5ポイント上回った。
国民生活基礎調査を基にした厚労省による最新の全国の貧困率は16・3%(2012年)。
戸室准教授は2月発表予定の論文で「沖縄はこの20年間、常に貧困率が最も高い地域であった」と指摘した。貧困率の改善に向けて「生活保護費を全額国庫負担にすべきだ。それで全国で(生活保護の)捕捉率の上昇が期待できる」と提言した。その上で「最低賃金の金額を大幅に引き上げることや、非正規雇用の活用を規制することが必要」と国の施策を求めている。
働く貧困層「ワーキングプア」の割合は、沖縄は25・9%で全国ワーストとなり、全国平均9・7%を大幅に上回った。前回調査(2007年、20・5%)に比べ5・4ポイント上昇し、悪化の一途をたどっている。
さらに、貧困世帯で生活保護を受けている世帯の割合を示す生活保護の「捕捉率」を見ると、沖縄は11・5%と1割にとどまっている。多くの困窮世帯に支援の手が届いていない現状も浮かび上がっている。
戸室准教授は国の「就業構造基本調査」と「被保護者全国一斉調査」、「被保護者調査」を基に、1992年から2012年にかけて5年ごとに都道府県別の貧困率と「捕捉率」、「ワーキングプア」の割合などを算出した。「子どもの貧困率」は、18歳未満の末っ子がいる世帯のうち最低生活費以下の収入しかない世帯の割合としている。
戸室准教授の論文は、2月刊行予定の「山形大学人文学部研究年報第13号」に掲載される予定。
英文へ→Okinawa hits record high child poverty rate of 37%, 2.7 times higher than 2012 nationwide rate
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CMLに出ていた記事【[CML 030956] (原発利権を追う 九電王国:上)麻生一族と九電、結束脈々 圧倒的な影響力】(http://list.jca.apc.org/public/cml/2014-April/030975.html)、
【[CML 030994] (原発利権を追う 九電王国:下)カネと票、知事に食い込む】(http://list.jca.apc.org/public/cml/2014-April/031013.html)からの孫引きで、すいません。
石炭から石油へ、そして、原子力へ・・・・・・で、麻生一族と九電の癒着関係は脈々と続いているようです、今も変わらず・・・・・・「2011年の原発事故後、今度は窮地の九電に麻生一族が手をさしのべる・・・・・・自民党と電力会社が結束して地域を掌握する。九州は特にその岩盤が強い」。
『●『創 (12月号)』読了 (2/2)』
『●『追われゆく坑夫たち』読了(2/3)』
『●『差別と日本人』読了(3/4)』
『●『野中広務 差別と権力』読了(2/3)』
『●炭坑王一族の末裔による凄まじいまでの暴言・差別意識』
「九電元幹部は「政治家側から支援を頼んでくるのが昔からの伝統」」と言い放ったそうですが、もはや、自公議員や翼賛野党議員への投票は大罪、だと思う。金権腐敗に絡む鹿児島補選では、九電の川内原発再稼働問題も絡んでいるにもかかわらず、自公議員を易々と当選させてしまい、それは自公支持者のアホな投票行動に加えて、思考停止と無関心の虚しい選挙結果の典型としか思えない。
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【http://list.jca.apc.org/public/cml/2014-April/030975.html】
[CML 030956] (原発利権を追う 九電王国:上)麻生一族と九電、結束脈々 圧倒的な影響力
BARA ・・・・・・
2014年 4月 22日 (火) 10:53:08 JST
新聞記事
(原発利権を追う 九電王国:上)麻生一族と九電、結束脈々 圧倒的な影響力
2014.4.22
朝日新聞・朝刊
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11097530.html?ref=nmail
高祖父は大久保利通、祖父は吉田茂。
華麗な政界家系に生まれた麻生太郎副総理兼財務相(73)には、あまり
知られていないもう一つの家系がある。
実父が九州電力の初代会長なのだ。
福岡県飯塚市で炭鉱を営んでいた父・太賀吉(たかきち)氏が九電会長に
就任したのは、吉田首相がサンフランシスコ講和条約に調印して戦後日本が
新たな一歩を踏み出した1951年。
この年、九州では二つの電力会社が統合して九電が誕生。指導者として
財界実力者の太賀吉氏に白羽の矢が立った。
それから63年、第9代九電会長として九州財界に君臨してきた松尾新吾・
現相談役(75)が、現在の麻生氏の後ろ盾になっている。
今年3月29日、博多湾を見下ろす福岡市内のホテルで、麻生氏が地元で
年1度開く政経文化セミナーが催された。
1200人がひしめく会場で主催者として登壇したのは松尾氏だった。
チケット代1万円。
飲食は一切なし。
「そのかわり頭と心にたっぷりの栄養をもたらします」と、松尾氏は笑いを誘った。
麻生氏は続いてあいさつし、アベノミクスの実績をアピール。
降壇後、最前列に座っていた松尾氏に真っ先に歩み寄り、その手を握った。
福岡県内の議員や首長に加え、九電子会社や下請けの幹部が会場に
詰めかけていた。
その一人は「麻生さんに『早く原発を再稼働させて』と頼んでおいた」と記者に
言った。
別の会社幹部は「チケット10枚ぐらいは買った」と明かした。
麻生氏は初当選する39歳まで父らが築いた麻生グループの中核会社で
社長を務めていた。
元側近は、政界のプリンス・麻生氏の別の顔をこう明かす。
「経営や商売に精通していて財界人とのつながりも深い、という絶対的な
自負がある」
■ ■
麻生氏の事務所によると、麻生政権が総選挙に敗れて自民党が下野した
翌年の2010年、松尾氏は麻生氏側の要請でセミナー主催者となった。
九電は「個人として就任している」というが、地元では「九電社長、会長を
歴任した松尾氏に依頼すれば『オール九州』の支援が得やすい」(地元議員)
と言われる。
九電は電力業界で東京・関西・中部の3電力に次ぐ規模だが、九州での
存在感は圧倒的だ。
東京商工リサーチによると、九州・沖縄に実質上の本社を置く企業を売上高で
比べると、九電は調査開始から12年度まで36年連続でトップ。
JR九州に比べ従業員は1・4倍の1万3千人、売上高は4・5倍の1兆5千億円。
地域独占で得る電気料金を設備投資やグループ会社86社に流す。
建設業など地元経済への影響力は絶大だ。
約960社で作る「九州経済連合会」(九経連)の運営費や人員の多くを負担。
九経連会長職は創立以来、松尾氏まで7代続けて九電会長が務めた。
国会議員に資金提供してきた九電元幹部は「原発推進に協力し、官庁に
圧力をかけてもらうのが目的」と明かすが、麻生氏への期待はそれにとどまらない。
2011年の原発事故後、今度は窮地の九電に麻生一族が手をさしのべる。
■ ■
佐賀県にある玄海原発の運転再開を巡る「やらせメール問題」が九電を
直撃し、松尾氏は12年に会長辞任。
13年には九経連会長も退いたが、後任選びは引き受け手がおらず難航した。
その座に九電出身者以外で初めて就いたのは、麻生氏の実弟である麻生泰
(ゆたか)・麻生セメント社長だった。
「いざという時に九電と麻生一族は手を結ぶ。これほど固い政財界の結びつきは
東京や大阪ではありえない」と麻生氏の元側近は話す。
自民党と電力会社が結束して地域を掌握する。九州は特にその岩盤が強い。
鹿児島県にある九電川内原発が再稼働第1号に有力視されていることについて、
麻生氏は18日の記者会見で「地域における電力会社への信頼は高い」と胸を
張った。
九電が「原発復権」へのブレークスルーとなるのは、圧倒的な「地元掌握力」と
無縁ではない。
(明日に続く)
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【http://list.jca.apc.org/public/cml/2014-April/031013.html】
[CML 030994] (原発利権を追う 九電王国:下)カネと票、知事に食い込む
BARA・・・・・・
2014年 4月 24日 (木) 12:13:30 JST
新聞記事
(原発利権を追う 九電王国:下)カネと票、知事に食い込む
2014.4.23
朝日新聞・朝刊
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11101154.html
再稼働第1号になる見通しの九州電力川内原発を抱える鹿児島県の
伊藤祐一郎知事は、前のめりの発言を続けている。
「3月末までには原子力規制委員会の審査は終了してほしい」(1月6日)
「いつまでも(原発を動かせない)今の状況を放置できない」(2月14日)
再稼働に必要な地元の同意は県知事と原発のある薩摩川内市の市長、
それぞれの議会で足りるとし、規制委員会が地元の要請があれば開くと
した公聴会も「お願いする予定は全くない」と言い切っている。
伊藤知事と九電は親密だ。
九電は2008年知事選直前、再選に挑む伊藤知事の政治資金パーティー
券を購入。
これが報じられた後も知事は事実関係を明かさなかった。
九電は09年、川内原発3号機の増設を県に申し入れた時期に福岡市で
開催中のミュージカルの観劇券を知事に渡したことが発覚し、問題となった。
玄海原発を抱える佐賀県も同様だ。
九電は10年、古川康知事が3選への出馬表明をした直後にパーティー
券を購入し、関係会社にも購入をあっせんした。
九電の政治資金は11年、玄海原発を巡る「やらせメール問題」を
調べた第三者委員会から不透明と指摘された。
原発立地自治体の首長と「疑念を生じさせる行為を一切行わないこと」と
提言を受け、九電は首長に限りパーティー券購入や献金の廃止を打ち出した。
だが、九電にはもう一つ切り札がある。選挙だ。
■公然と対立候補
九電本店がある福岡県に原発はない。それでも県知事ポストは19年間、
原発を所管する経済産業省のOBが独占し、九電は最大の支援者であり続けた。
経産省OBの麻生渡前知事の後継を決める3年前の知事選は象徴的だ。
自民党県連が元県議会議長の擁立を決めた直後、九電の松尾新吾会長
(現相談役)は県内主要22社とともに、経産省出身の小川洋氏を推す組織を
公然と立ち上げた。
麻生太郎元首相、麻生前知事も小川氏を推し、形勢は一挙に逆転。
元県議会議長は出馬を断念した。
松尾氏は小川氏の後援会長に就任し、初当選に導いた。
松尾氏の影響力の背後には、九電の強力な選挙支援がある。
出入り業者約1400社で作る親睦組織「九電商友会」は「選挙の実動部隊」と
呼ばれ、東京電力幹部や東京・永田町の自民議員秘書は「他にはない
日本一の強さ」と口をそろえる。
商友会は九電の意向に沿う候補者の選挙が始まると、名簿を集め、
候補者の立ち回り先を用意して決起大会を開く。
自民県議は「候補者を決めたら、まず九電に支援の依頼に行くのがしきたり」。
九電元幹部は「政治家側から支援を頼んでくるのが昔からの伝統」と話す。
福岡県知事選勝利の「効果」はさっそく表れる。
■再稼働の突破口
昨年6月に佐賀県鳥栖市にオープンしたがん治療施設「サガハイマット」は
当初、九電からの総額40億円の寄付を中心に造る計画だった。
だが原発事故を受け九電は原発を停止。経営が悪化し、支払いが滞った。
救いの手をさしのべたのが、小川知事が率いる福岡県だった。隣県の
民間施設にもかかわらず5億9千万円の補助金拠出を決定し、九電の面目を
保ったのだ。
九電は原発に頼る比率が高い。九州で再生可能エネルギーに取り組む
関係者は「九電は経産省が進める原発政策のレールを長くひた走ってきた」と言う。
電力各社は地域独占で得る潤沢な電気料金を原発立地自治体へ流し込み、
原発政策への同意を取りつけてきた。
原発事故後、新潟県知事をはじめ再稼働に慎重な首長が全国各地に現れたが、
九州では原発復権の流れにあらがう声は広がらない。
その「九電王国」を突破口に、国は再び原発を動かそうとしている。
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(ずいぶん前に書いていて、出すのが遅くなりました。)
asahi.comの記事【バッシングの嵐 話せば伝わる(考 民主主義はいま)】(http://www.asahi.com/articles/ASG24417CG24PTIL00T.html?iref=comtop_6_06)。
東京新聞の記事【週のはじめに考える 積極的平和主義を疑う】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014021702000118.html)と、
コラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2014021702000096.html)。
孫引きで大変に恐縮ですが、CMLに出ていたBARAさんの投稿【[CML 029674] この浅はかな日本 二分法の世界観 映画監督・是枝裕和】(http://list.jca.apc.org/public/cml/2014-February/029674.html)。
「10年前、イラクで武装勢力の人質となり、激しい批判にさらされた今井紀明さん(28)。社会からわき起こる憎悪が一個人へ向けられる恐ろしさを、身をもって経験」・・・・・・当時のあの異様な雰囲気が本当に怖い。現状、それが悪くなっていはいまいか? 猛毒法・(非)特定秘密「隠蔽」法で「話す」ことも許さず、「騙されることの責任」というよりも「話しても」伝わらないという「無関心の責任」。
『●『戦争と平和 ~それでもイラク人を嫌いになれない~』読了(1/2)』
『●『戦争と平和 ~それでもイラク人を嫌いになれない~』読了(2/2)』
「しかし、彼女ら (郡山さんと今井さん) の予想は全く裏切られ、
「自己責任」とばか騒ぎし、醜悪なバッシングの嵐。解放後、
「生まれ故郷に帰るのに「覚悟」が必要」(p.141) な国って、
いったい何?? 解放後の「新たな不安と恐怖」(p.147) は、
拘束時以上だったのではないだろうか・・・。」
『●『ご臨終メディア ~質問しないマスコミと一人で考えない日本人~』読了 (2/3)』
『●『ルポ 改憲潮流』読了(2/3)』
『●『だまされることの責任』読了(2/3)』
『●『靖国/上映中止をめぐる大議論』読了(3/3)』
『●『安心のファシズム ―支配されたがる人びと―』読了』
『●『それでもドキュメンタリーは嘘をつく』読了(2/2)』
『●見損ねた』
『●『筑紫哲也』読了』
『●『ルポ戦場出稼ぎ労働者』読了』
『●「自己責任」を叫ばれた人の立場』
すいません、孫引きです。でも、「考える」ために読んだ方が良いCMLの記事『[CML 029674] この浅はかな日本 二分法の世界観 映画監督・是枝裕和』(http://list.jca.apc.org/public/cml/2014-February/029674.html)。「そんな変な価値観がまかり通っているのは日本だけです・・・・・・多様な価値観を持った人たちが互いを尊重し合いながら共生していける、豊かで成熟した社会をつくりたいからです」。
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【http://www.asahi.com/articles/ASG24417CG24PTIL00T.html?iref=comtop_6_06】
バッシングの嵐 話せば伝わる(考 民主主義はいま)
2014年2月7日07時09分
■イラク人質、今井さんのいま
10年前、イラクで武装勢力の人質となり、激しい批判にさらされた今井紀明さん(28)。社会からわき起こる憎悪が一個人へ向けられる恐ろしさを、身をもって経験した。いま、大阪で通信制高校の生徒を支援する活動に取り組んでいる今井さんに、社会はどう映っているのだろうか。
◇
高校卒業直後の18歳だった。劣化ウラン弾による子どもらの戦争被害を知り、「現地の人の力になりたい」と入国したイラク。バグダッドへ向かう車中で、覆面の武装勢力に襲われた。
8日後に解放され、帰国。待っていたのは、すさまじいバッシングだった。
・・・・・・・・・。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014021702000118.html】
【社説】
週のはじめに考える 積極的平和主義を疑う
2014年2月17日
国際協調に基づく「積極的平和主義」は安倍晋三首相の外交・安全保障の看板政策。そこに軍事による平和の傲(おご)りが潜んでいないか、深く憂慮します。
憲法九条を柱にした日本の安保・外交が「一国平和主義」の批判を浴びるようになったのは一九九一年の湾岸戦争からでした。
イラクのサダム・フセインのクウェート侵攻に多国籍軍が編成されたこの戦いに日本は百三十億ドルの資金提供をしましたが、クウェートが戦後、米国の新聞に掲載した感謝広告に日本の名前がなく、「国際社会は日本の財政的貢献を評価していない」とのキャンペーンが展開されたのでした。
◆当事者の和平欲求こそ
実際にはクウェートの戦争記念館には日本の貢献を説明する特設パネルが設けられ、資金提供とは別に、横須賀、佐世保、岩国、沖縄・嘉手納など日本の米軍基地の貢献度は絶大だったのですが、政府は湾岸戦争の反省として人的貢献へ踏み出します。湾岸での遺棄機雷掃海や九二年のカンボジア国連平和維持活動(PKO)の自衛隊の海外派遣でした。
明石康国連事務次長が暫定統治機構代表に就任し、六百人の自衛隊員が参加したカンボジアPKOは、成功した国際貢献といえるでしょう。民間ボランティアと文民警察官の犠牲を出しましたが、民主選挙が実施され、曲がりなりにも和平が到来、二十年後の今日、アンコールワットには観光客があふれ、首都プノンペンにはイオンが出店予定、急速な発展途上にあるからです。
成功の条件は何か。紛争当事者たちの厭戦(えんせん)と内からの和平欲求-です。当時のカンボジアを取材しての実感でした。自衛隊は世界各地のPKOに派遣されていきますが「停戦の合意」が派遣の条件になっている理由がわかります。
◆賢者の傲りが愚行生む
日本の国際貢献は九〇年代になって「消極的平和主義」から「能動的平和主義」とも呼ばれるようになりましたが、そこには憲法九条の要請から、戦闘行動には参加しないとの原則が貫かれています。首相は能動的平和主義はなじみがなく、自らの政権では積極的平和主義と唱えるようにしたそうですが、集団的自衛権の行使容認の憲法解釈変更や憲法改正を目指していることで、「積極的」平和主義は「能動的」とは明らかに違います。非軍事から軍事的貢献への大転換が意図されているのだと受け取れます。
首相は施政方針演説で「日本は米国と手を携え世界の平和と安定のために、より一層積極的な役割を果たす」と表明しましたが、九条の歯止めがなくなれば、かつて米国の同盟国の韓国、タイ、フィリピンがベトナム戦争に派兵したように、日本の派兵拒否は難しくなります。それでいいのか。
米国大使キャロライン・ケネディさんの父親が大統領だった六〇年代は米国の黄金時代でした。デービッド・ハルバースタムの「ベスト&ブライテスト」は、若き輝ける大統領の下に参集した「最良にして最も聡明(そうめい)」な米国の英知たちが、なぜ残忍で愚劣極まりないベトナム戦争の泥沼に国を引きずり込んでいったかをめぐるニュージャーナリズムの傑作でした。
ハルバースタムの指摘は「賢者の傲り」でした。能力や軍事力、経済力への過信がベトナムについて学ばない傲慢(ごうまん)を生み、判断を誤らないための確固たる道徳的信念も欠いていた、と仮借ない筆致。文官が将軍を統制する道は戦争を起こさないことだと手厳しいものです。
国防長官だったロバート・マクナマラは九五年の回顧録で十一項目の失敗を列挙しました。ナショナリズムの過小評価、歴史・文化・政治への無知、近代のハイテク軍備の限界を認識せず、国民に十分説明しなかった。軍事行動は国際社会が支持する多国籍軍と合同で、との原則を守らなかった。ベトナムの愚行は、誤れるイラク戦争でもそのまま、歴史に学ぶことはありませんでした。
正しいと信じたベトナムの八年間の戦いで、マクナマラが認めなければならなかったのは、誰もが人間。そして人間は過ちを免れないという事実でした。二十世紀には一億六千万人が戦争で死んだそうです。二十一世紀をそんな世紀にしてはならない、とマクナマラは言うのでした。
◆専守防衛こそが「本道」
軍事力や経済力への過信はないのか、積極的平和主義に暴走の恐れはないのか。昨年暮れに閣議決定された国家安全保障戦略や新防衛大綱には、わが国の防衛の基本方針として「日本国憲法の下、専守防衛に徹し、軍事大国にならないとの基本方針に従い」と書かれています。それこそが国際協調主義に基づく日本の平和主義の本道と考えます。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2014021702000096.html】
【コラム】
筆洗
2014年2月17日
喜劇を書くとする。人はなぜ笑うのか。諸説ある。プラトンさんは「他人への優越感」、カントさんは常識からの予期せぬズレと考えたそうである▼予期せぬズレ。分かりやすい例は立派な紳士がバナナの皮で、すってんと滑って転ぶ伝統的なギャグだろう。すまし顔の紳士。ヘマをしないような人物が転ぶから笑いが起きる▼黒木夏美さんが書いた『バナナの皮はなぜすべるのか?』によるとバナナの皮で滑るギャグは誰かが突然、思いついたものではないという。十九世紀後半、米国ではバナナの皮を平気で路上に捨てていた。滑って転び、場合によっては死亡する事故が続出していた▼冗談ではなく、一八七〇年にはニューヨークで「反オレンジの皮・反バナナの皮協会」なる団体が結成されている。バナナの皮で滑って転ぶという現実。その中でバナナのギャグがいつしか生まれ、やがて定着していった▼「バナナの皮」は英語では政治用語でもある。政権を悩ませることになる災いや落とし穴などを意味する。安倍首相。立憲主義を軽視した発言は言うに及ばず、意見を異にする者への憎悪むき出しの国会答弁を見るとバナナの皮が敷き詰められた道を目隠しで歩いているようである▼滑っても笑えない。こんな調子の政治ならいずれ転んでも当たり前。笑いを生む予期せぬズレではない。どう転んでも喜劇にはならぬ。
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【http://list.jca.apc.org/public/cml/2014-February/029674.html】
[CML 029674] この浅はかな日本 二分法の世界観 映画監督・是枝裕和
BARA ・・・・・・
2014年 2月 16日 (日) 11:26:00 JST
今こそ政治を話そう 二分法の世界観 映画監督・是枝裕和
2014.2.15
朝日新聞・朝刊
http://digital.asahi.com/articles/DA3S10979945.html
世界はね、目に見えるものだけでできているんじゃないんだよ――。
「そして父になる」でカンヌ国際映画祭審査員賞を受賞するなど
世界的評価の高い映画監督・是枝裕和さんが脚本を手がけた
テレビドラマのセリフだ。
敵か味方か。勝ちか負けか。
二分法的世界観が幅を利かせるこの日本社会を是枝さんはどう
見ているのか、聞いた。
――昨年12月に発足した「特定秘密保護法案に反対する
映画人の会」に賛同されていましたね。
「ひとりの社会人として、責任がありますから」
――政治的な「色」がつくという懸念はなかったですか。
「そんな変な価値観がまかり通っているのは日本だけです。
僕が映画を撮ったりテレビに関わったりしているのは、多様な
価値観を持った人たちが互いを尊重し合いながら共生していける、
豊かで成熟した社会をつくりたいからです。
だから国家や国家主義者たちが私たちの多様性を抑圧しようと
せり出してきた時には反対の声をあげる。当然です。
これはイデオロギーではありません」
――ならば、日本政治や社会を告発するようなドキュメンタリーを
撮ろうとは考えませんか。
世界的に名高い是枝さんの手になれば、社会の空気を変えられる
かもしれません。
「たとえば『華氏911』でマイケル・ムーアが表明したブッシュ
政権への怒りの切実さが、多くの人の心を揺さぶったのは
間違いない。
だけど豊かなドキュメンタリーというのは本来、見た人間の思考を
成熟させていくものです。
告発型のドキュメンタリーを見ると確かに留飲が下がるし、怒りを
喚起できるし、それによって社会の風向きを変えることもあるかも
しれない。
でもそのこと自体を目的にしたら、本質からずれていく気がします」
「あるイベントで詩人の谷川俊太郎さんとご一緒したのですが、
『詩は自己表現ではない』と明確におっしゃっていました。
詩とは、自分の内側にあるものを表現するのではなく、世界の側に
ある、世界の豊かさや人間の複雑さに出会った驚きを詩として
記述するのだと。
ああ、映像も一緒だなと。撮ること自体が発見であり、出会いです。
詩やメッセージというものがもしあるのだとしたら、それは作り手の
内部にではなく世界の側にある。
それと出会う手段がドキュメンタリーです。
ドキュメンタリーは、社会変革の前に自己変革があるべきで、
どんなに崇高な志に支えられていたとしても、撮る前から結論が
存在するものはドキュメンタリーではありません」
――じゃあ何ですか。
「プロパガンダです。
水俣病を撮り続け、海外でも高く評価された土本典昭さんは
『不知火海』という作品で、補償金をもらって陸に上がった漁師が、
品のない家を建てて金ぴかの調度品で部屋を飾っている様子も撮って
います。
そのような、水俣病を告発するというプロパガンダからはみ出した部分
こそがドキュメンタリーの神髄です。
間の豊かさや複雑さに届いている表現だからこそ、人の思考を深め、
結果的に社会を変えられるのだと思います」
「安倍政権を直接的に批判するドキュメンタリーもあっていい。
だけどもっと根本的に、安倍政権を支持している私たちの根っこにある、
この浅はかさとはいったい何なのか、長い目で見て、この日本社会や
日本人を成熟させていくには何が必要なのかを考えなくてはいけません」
――この浅はかさ。何でしょう。
「昔、貴乃花が右ひざをけがして、ボロボロになりながらも武蔵丸との
優勝決定戦に勝ち、当時の小泉純一郎首相が『痛みに耐えてよく
頑張った。感動した!』と叫んで日本中が盛り上がったことがありましたよね。
僕はあの時、この政治家嫌いだな、と思ったんです。
なぜ武蔵丸に触れないのか、『2人とも頑張った』くらい言ってもいいん
じゃないかと。
外国出身力士の武蔵丸にとって、けがを押して土俵に上がった国民的
ヒーローの貴乃花と戦うのは大変だったはずです。
武蔵丸や彼を応援している人はどんな気持ちだったのか。
そこに目を配れるか否かは、政治家として非常に大事なところです。
しかし現在の日本政治はそういう度量を完全に失っています」
「例えば得票率6割で当選した政治家は本来、自分に投票しなかった
4割の人に思いをはせ、彼らも納得する形で政治を動かしていかなければ
ならないはずです。
そういう非常に難しいことにあたるからこそ権力が与えられ、高い歳費が
払われているわけでしょ?
それがいつからか選挙に勝った人間がやりたいようにやるのが政治だ、
となっている。政治の捉え方自体が間違っています。民主主義は多数決
とは違います」
「政治家の『本音』がもてはやされ、たとえそれを不快に思う人がいても
ひるまず、妥協せずに言い続ける政治家が人気を得る。
いつから政治家はこんな楽な商売になってしまったのでしょう。
『表現の自由』はあなたがたが享受するものではなくて、あなたが私たちに
保障するものです。
そのためにはあなたの自己表出には節度が求められるはずです」
――しかし政治に限らず、「勝たなきゃ終わり」という価値観が世間では
幅を利かせています。
「世の中には意味のない勝ちもあれば価値のある負けもある。
もちろん価値のある勝ちが誰だっていい。
でもこの二つしかないのなら、僕は価値のある負けを選びます。
そういう人間もいることを示すのが僕の役割です。
武蔵丸を応援している人間も、祭りを楽しめない人間もいる。
『4割』に対する想像力を涵養するのが、映画や小説じゃないかな。
僕はそう思って仕事しています」
「ただ、同調圧力の強い日本では、自分の頭でものを考えるという
訓練が積まれていないような気がするんですよね。
自分なりの解釈を加えることに対する不安がとても強いので、批評の
機能が弱ってしまっている。
その結果が映画だと『泣けた!』『星四つ』。こんなに楽なリアクションは
ありません。
何かと向き合い、それについて言葉をつむぐ訓練が欠けています。
これは映画に限った話ではなく、政治などあらゆる分野でそうなっていると
思います」
「昨年公開した『そして父になる』の上映会では、観客から『ラストで
彼らはどういう選択をしたのですか?』という質問が多く出ます。
はっきりと言葉では説明せずにラストシーンを描いているから、みんな
もやもやしているんですね。
表では描かれていない部分を自分で想像し、あの家族たちのこれからを
考えるよりも、監督と『答え合わせ』してすっきりしたいんでしょう。
よしあしは別にして、海外ではない反応です。
同じく日本の記者や批評家はよく『この映画に込めたメッセージは
なんですか』と聞きますが、これも海外ではほとんどありません」
――そうなんですか。
「聞かれないどころか、ロシア人の記者に『君は気づいてないかも
しれないが、君は遺された人々、棄てられた人々を描いている。
それが君の本質だ』って言われたことがあります。
で、確かにそうだった。
ずっと『棄民』の話を撮りたいと思っていたから。
すばらしいでしょ。
翻って日本では多数派の意見がなんとなく正解とみなされるし、星の数が
多い方が見る価値の高い映画だということになってしまう。
『浅はかさ』の原因はひとつではありません。
それぞれの立場の人が自分の頭で考え、行動していくことで、少しずつ
『深く』していくしかありません」
――「棄民」を撮るんですか。
「ブラジルの日系移民の話をいつか劇映画でやりたいと思っています。
彼らは国に棄てられた『棄民』ですが、第2次世界大戦が始まるとむしろ
日本人として純化していく。
情報遮断状態におかれた移民たちは日本の敗戦を知らず、うわさを聞いても
信じない。
そして負けたと主張する仲間を『非国民だ』と殺してしまう。似ていませんか?
いまの日本に。国に棄てられた被害者が加害の側に回る、そこに何が
あったのかを描いてみたいんです」
「精神科医の野田正彰さんは、加害の歴史も含めて文化だから、
次世代にちゃんと受け渡していかなければならないと指摘しています。
その通りです。
どんな国の歴史にも暗部はある。
いま生きている人間は、それを引き受けないといけません。
だけど多くの人は引き受けずに、忘れる。東京電力福島第一原発事故も
そうでしょう。
『アンダーコントロール』だ、東京五輪だって浮かれ始めている。
どうかしていますよ」
「いまの日本の問題は、みんなが被害者意識から出発しているということ
じゃないですか。
映画監督の大島渚はかつて、木下恵介監督の『二十四の瞳』を徹底的に
批判しました。
木下を尊敬するがゆえに、被害者意識を核にして作られた映画と、それに
涙する『善良』な日本人を嫌悪したのです。
戦争は島の外からやってくるのか? 違うだろうと。
戦争は自分たちの内側から起こるという自覚を喚起するためにも、被害者
感情に寄りかからない、日本の歴史の中にある加害性を撮りたい。
みんな忘れていくから。誰かがやらなくてはいけないと思っています」
(聞き手 論説委員・高橋純子)
*
これえだひろかず
映画監督・テレビディレクター 62年生まれ。ドキュメンタリー番組の演出を
手がけ、95年に映画監督デビュー。作品に「誰も知らない」「奇跡」「そして父になる」など。
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すいません、CMLからの孫引き(http://list.jca.apc.org/public/cml/2013-July/025537.html)。asahi.comに出ている森達也さんの論評。
森さんは言う、「不安と闘いながら世界に理念を示し続けたこの国に生まれたことを僕は何よりも誇りに思う」。自公議員その他の壊憲派は「世界に理念を示し続け」ることを止め、「戦争できる国」に仲間入りしましょうという訳です。「誇り」も何もない国にしたいらしい。「銃を持った善人」になりたいらしい。
『壊憲派に、フリーハンドを渡してはならない』
「「壊憲」して、「誇りある国へ」とはあきれる。戦前の「埃」まみれの
危険な体制に戻したくてしょうがないらしい。「戦争したくてしょうがない」
「戦場に行かせたくてしょうがない」
「戦争できる国にしたくてしょうがない」らしい。」
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【http://list.jca.apc.org/public/cml/2013-July/025537.html】
[CML 025619] 9条の国、誇り高き痩せ我慢/森達也
BARA ・・・・・・
2013年 7月 28日 (日) 02:44:05 JST
新聞記事
朝日新聞・WEB
2013.7.25
9条の国、誇り高き痩せ我慢/森達也
http://digital.asahi.com/articles/TKY201307240705.html?ref=comkiji_redirect
アメリカでは銃の誤射や乱射事件が起きるたびに、銃規制についての議論が
高まるが、結局は尻すぼみとなってまた事件が起きる。
昨年12月にコネティカット州の小学校で児童ら26人が殺害されたとき、
全米ライフル協会(NRA)の副会長は記者会見で、「銃を所持した悪人の
行為を止められるのは、銃を持った善人だけだ」と述べて銃規制に反対し、
アメリカ全土では銃の売り上げが急増したという。
アメリカの銃社会をテーマとしたドキュメンタリー映画『ボウリング・
フォー・コロンバイン』でマイケル・ムーアは、黒人や先住民族を加虐して
きた建国の歴史があるからこそ、アメリカ市民は銃を手放せないのだと
主張した。報復が怖いからだ。
つまり銃を手もとに置く人は勇敢なのではない。臆病なのだ。
こうしてアメリカの正義が発動し、正当防衛の概念が拡大する。
丸腰の高校生を射殺した自警団男性の正当防衛が認められて、無罪評決
になったことは記憶に新しい。
NRAの主張に同意する日本人は少ないだろう。
頭の回路がどうかしていると思う人もいるはずだ。
でも実のところこの思想と論理は、世界のスタンダードでもある。
核兵器や軍隊の存在理由だ。
我が国の軍隊は、他国に侵略する意図などない。
でも悪い国が軍隊を持っている。
だから攻められたときのために、国家は軍隊を常備しなくてはならない。
つまり抑止力。理屈はNRAとまったく変わらない。
こうして誤射や過剰防衛が起き、それをきっかけに戦争が始まる。
人類はそんな歴史を繰り返している。
しかし第2次世界大戦後にこの国は、新しい憲法で武力放棄を宣言した。
その憲法が公布される前の衆院本会議で共産党の野坂参三議員が、
「侵略の戦争は正しくないが自国を守るための戦争は正しいのでは?」との
趣旨で質問し、これに対して吉田茂首相は、「正当防衛や国家の防衛権に
よる戦争を認めるということが結局は戦争を誘発する」との趣旨で答弁した。
記録ではこのとき議事堂では、与野党を超えた議員の大きな拍手が響いた
という。
もちろん日本の背後には、世界最強の軍隊と大きな核の傘を持つアメリカ
がいた。だから不安や恐怖を押し殺して痩せ我慢ができた。
極論すれば憲法9条の1項は、すべての国に共通する理念でもある。
でも現行憲法には、軍事力と交戦権を放棄することを宣言した2項がある。
アメリカに軍事的に庇護される国は数多いが、ここまでラディカルな宣言を
した国はない。
その後に冷戦の時代が幕を開ける。
ご近所はすべて銃を持っている。
でも暴力に対して暴力の抑止は成り立たない。
自衛の意識が戦争を起こすのだ。
だから我が家は銃を持たないと決めた。
アメリカからは何度も改正を要求されながらも、結果として日本は9条を60
余年間にわたって守り抜いた。
いろいろ妥協もしたけれど直接的な戦争には一度も参加せず、国民総生産
(GNP)世界第2位を達成した。
改憲派は平和ボケなどと嘲笑するけれど、9条は抑止論にとらわれた
世界への、とてもラディカルな提言となっている。
スペインのグランカナリア島には、9条の碑が設置されている。
戦争地域ではよく、「日本は9条の国だ」と話しかけられる。
世界に対して日本は、身をもって稀有な実例を示し続けている。
この街から銃が消える日はまだ遠い。
でもこの精神だけは手放さない。
誰もが銃を持たない社会。その実現のために、我が家は街で最初に銃を
捨てる宣言をした。
怖いけれど高望みを維持し続けてきた。
自衛隊を軍隊にして誇りを取り戻そうと言う人がいる。
意味がわからない。
他の国と同じで何が誇らしいのだろう。
不安と闘いながら世界に理念を示し続けたこの国に生まれたことを僕は
何よりも誇りに思う。
(もり・たつや
56年生まれ。映画監督・作家。明治大特任教授。近著に『虚実亭日乗』)
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原発スラップ(SLAPP、SLAPP)の背景をマスコミが漸く記事化。asahi.comの二つの記事(http://www.asahi.com/national/update/0716/TKY201307150315.html?ref=reca、http://www.asahi.com/national/update/0716/TKY201307150312.html?ref=reca)。孫引きですが、CMLの記事(http://list.jca.apc.org/public/cml/2013-July/025346.html)も。
『週刊金曜日』の記事に対して、田中稔さんへのスラップ。その背景にある裏金問題、「東電の影」。「影」や「裏」は核=原子力や原発という「光」と「表」あってのこと。これでようやく原発スラップにも「光」が・・・?
小沢一郎氏に対する自民・民主党議員によるばか騒ぎ事件に出てきた西松建設・・・?
『●原発スラップを許すな!』
『●原発SLAPP(スラップ)=原発恫喝訴訟による原発批判への委縮効果を狙って 』
『●『週刊金曜日』(2012年10月26日、917号)についてのつぶやき』
『●「差別を考える」: 『週刊金曜日』(2012年11月16日、920号)についてのつぶやき』
『●「二〇年後の日本を考えよう」『週刊金曜日』(2012年12月14日、924号)についてのつぶやき』
『●原発SLAPP続報: 原子力ムラを書いたら訴えられた』
『●「アベノミクスに騙されないための政治経済学」『週刊金曜日』(2013年3月29日、937号)』
『●「安倍晋三首相の本音」『週刊金曜日』(2013年5月31日、945号)についてのつぶやき』
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【http://www.asahi.com/national/update/0716/TKY201307150315.html?ref=reca】
2013年7月16日3時1分
「東電の影」、裏交渉役 施設誘致から関与か
「原子力施設の立地は裏仕事なしに実現しない」。東京電力幹部はこう語り、日本初の使用済み核燃料中間貯蔵施設の立地に貢献した警備会社ニューテック会長の白川司郎氏(67)を評価していた。白川氏やその側近らは、施設用地の買収だけではなく、青森県むつ市に誘致する段階かえら東京電力に先行して重要な役割を果たしていたという。地元関係者は白川氏らを「東電の影」と呼んだ。
施設の立地計画では、2003年に当時の杉山粛(まさし)・むつ市長(07年死去)が正式に施設誘致を表明。05年には青森県知事も受け入れ表明と順調に進んだ。同年までに用地買収もほぼ終了したが、最後の懸案として残ったのが問題の買収対象地だった。
・・・・・・・・・。
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【http://www.asahi.com/national/update/0716/TKY201307150312.html?ref=reca】
2013年7月16日3時0分
東電用地買収に裏金疑惑 西松建設、2億円肩代わり
【市田隆、久木良太】 東京電力が青森県むつ市に建設中の使用済み核燃料中間貯蔵施設をめぐり、2007~08年に西松建設の裏金2億円で用地買収工作を進めていたことが、関係者証言や西松建設の内部資料で分かった。東電の清水正孝元社長と皷(つづみ)紀男元副社長(当時はいずれも副社長)が西松側に資金支出を依頼したという。原発関連施設の立地で東電首脳が関与した裏工作疑惑が表面化した。
問題の買収対象地は、使用済み核燃料が陸揚げされる港と中間貯蔵施設を結ぶ約1・5キロメートルの専用道路に貫かれる形で両側に隣接する二つの土地計約1ヘクタール。地権者からこの土地の買い上げを東電側が求められていた。
東電幹部らによると、東電側は当初、この土地の買収を避けるため、地下トンネルを掘ることを検討したが、建設費が高額となるため断念。買い上げ交渉を、東電役員と付き合いがあった警備会社「ニューテック」(青森県六ケ所村)の白川司郎会長に依頼した。白川氏の周辺関係者によると、白川氏は買収前、「トンネルを通すと費用がかさむため、自分が東電から相手方との調停役を頼まれた。数億円かかる」と話していたという。
朝日新聞が入手した西松建設の内部資料や、同社の石橋直副社長(当時)の証言によると、東電副社長だった清水、皷両氏が07年11月ごろ、西松の国沢幹雄社長(当時)、石橋氏と東京・新橋周辺の飲食店で面談。清水氏らは、むつ市の用地買収で「法外な金額を要求されており、2億~3億円かかる」と打ち明けた上で、「白川氏は『西松建設に頼んだらどうか』という。工面してもらいたい」と依頼し、西松側はその場で了承した。東電側は「白川氏と相談してほしい」と西松側に伝えたという。
朝日新聞が入手した白川氏の顧問弁護士名の文書には、西松が調達した2億円が地権者側に渡り、さらに不足分を白川氏側が立て替えたとの記載があった。西松側の作成資料にも、同じ内容が記されていた。
内部資料によると、西松側は使途を明らかにしない資金から2億円を支出したとされ、その時期に近い08年6月、東電の関連会社で、中間貯蔵施設を運営する「リサイクル燃料貯蔵」は、この対象地を額面上は約2千万円で買収した。買収工作が完了した後、ニューテックは10年までに、施設の警備業務を数十億円で受注している。
一方、西松側資料には、石橋氏が用地取得後に東電幹部と会い、「10年間で計500億円の発注を約束するとの発言を得た」との記述もあった。西松は、東電福島第一原発の増設工事などを希望したが、東日本大震災の後、増設計画は白紙撤回された。
東電や西松関係者によると、東電の発電所などへの設備投資額は年間5千億~7千億円で推移し、ゼネコン各社は東電を重要な取引先と位置づけている。西松建設は、発注額が大きい原発関連事業の受注を狙い営業活動を強めていた。
■東電「承知せず」 西松「資料ない」
朝日新聞の取材に対し、東京電力広報部は「当時の役員の一つ一つのやり取りについては承知しておりません」と答え、現時点で清水元社長らに事実確認をする意思はないとの見解を示した。西松建設は広報部長名の文書で「内容を確認できる内部資料は、弊社には存在せず、回答はできません」とした。白川司郎氏は文書で「用地買収などに関係したことは一切ございません」などと自身の関与をすべて否定した。「東京電力社員にお会いしたのは、過去から現在までせいぜい5~7人でなかろうかと思います」と述べている。
「リサイクル燃料貯蔵」は、「私契約に関することであり、回答は控える」とした。
■しわ寄せ、利用者に
【村山治】 電力会社は一般の会計監査に加え、経済産業省の監査もあり、秘密資金を捻出することが難しい。電力会社が前面に出ず、ゼネコンが「前さばき役」として地元対策を代行することがあるとされてきた。
東京電力が西松建設に裏資金を肩代わりさせ、西松側には後から工事発注で穴埋めしようとしたのだとすれば、工作を露見しにくくするためコンプライアンス違反を犯した疑いが濃い。
東電の経営は、ほぼ電気料金収入で成り立っている。原発関連施設の立地に伴うこうした裏のコストは、結局は電力利用者が負担させられる。
東電福島第一原発の事故以降、将来も原子力エネルギーを選択すべきか否かの国民的議論が起こった。もし、裏のコストを隠したまま原発運転を強行することになれば、利用者の理解を得られまい。
東電は「当時の役員のやりとりは承知していない」というが、問題の施設はまさにこれから稼働するものだ。東電は早急に自ら事実関係を調査し、結果を説明する義務がある。
◇
〈中間貯蔵施設〉 原発の外で使用済み核燃料を再処理するまで保管する施設。震災前、全国の原発から出る使用済み燃料は年約1千トンで、六ケ所村再処理工場で処理できる年最大800トンを超えるため、中間貯蔵が必要とされた。原発内の貯蔵量が限界に近づき、原発の運転継続には、中間貯蔵の整備が不可欠とされる。青森県むつ市で建設中の「リサイクル燃料備蓄センター」は、東電80%、日本原電20%の出資による全国初の施設。使用済み燃料計5千トンを最長50年間貯蔵する予定だ。2010年8月に建屋の工事を始め、建設費は約1千億円。今年10月の操業を目指してきたが、国は12月施行の新規制基準への適合が必要だとしている。
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【http://list.jca.apc.org/public/cml/2013-July/025346.html、孫引き】
[CML 025431] 東電用地買収に裏金疑惑 青森の核燃料中間貯蔵施設
BARA ・・・・・・
2013年 7月 17日 (水) 01:58:32 JST
新聞記事
朝日新聞・WEB
2013.7.16
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「東電の影」、裏交渉役 施設誘致から関与か
「原子力施設の立地は裏仕事なしに実現しない」。東京電力幹部はこう語り、日本初の使用済み核燃料中間貯蔵施設の立地に貢献した警備会社ニューテック会長の白川司郎氏(67)を評価していた。白川氏やその側近らは、施設用地の買収だけではなく、青森県むつ市に誘致する段階から東京電力に先行して重要な役割を果たしていたという。地元関係者は白川氏らを「東電の影」と呼んだ。
施設の立地計画では、2003年に当時の杉山粛(まさし)・むつ市長(07年死去)が正式に施設誘致を表明。05年には青森県知事も受け入れ表明と順調に進んだ。同年までに用地買収もほぼ終了したが、最後の懸案として残ったのが問題の買収対象地だった。
東電関係者らによると、この地権者は買い上げを求める一方で、中間貯蔵施設のあり方に異議を唱える文書などを青森県知事やむつ市長に送っていたという。
東電社員らが何度も交渉にあたったが、東電側が最終的に頼ったのが白川氏だった。
そもそも、白川氏のグループはむつ市が施設を誘致するきっかけとなった場面から動いていた、と東電関係者は明かす。
誘致の中心人物で、むつ市長だった杉山氏が生前、朝日新聞記者に証言したところによると、1999年に杉山氏に誘致を打診したのは、白川氏の当時の側近だった。杉山氏はその後、この側近の勧めで東電本店に行き、山本勝・総務担当副社長(当時、01年死去)と初めて会った。そこから施設誘致の本格的な交渉が始まったという。
杉山氏は取材に対し、上京した際に白川氏と会合を持ったことを認めた。東電に代わり地元対策を担っていた白川氏のグループについて、杉山氏は「東電のゴースト(影)」と呼んだ。
一方の白川氏は、「むつ市の関係者と会ったことは一度もない」と完全否定した。
白川氏らは85年にニューテックの前身である「日本安全保障警備」を設立。同社は、青森県六ケ所村にある使用済み核燃料の再処理工場の警備や警備システムのリースが主な業務だ。
■「別に8千万円立て替えた」 西松と金銭トラブル
【田内康介、野上英文】 東電が西松建設に裏資金の捻出を要請した疑惑で、当時、西松を捜査した東京地検も把握できなかった両社の首脳同士の密議。これが発覚したのは、用地交渉にかかわった警備会社会長・白川司郎氏と西松の間で金銭トラブルが起き、西松で社内調査が実施されたためだった。
複数の西松関係者によると、白川氏は09年、西松が調達した2億円とは別に、むつ市の用地買収資金として自分が8千万円を立て替えたとしてこれらの追加支払いを西松側に要求。ほかの過去の取引でも西松に対する債権があると主張したという。朝日新聞が入手した西松の内部資料は、こうした白川氏側の要求や、西松の社内調査結果をまとめたもので、A4判で数十枚に上る。
さらに白川氏側は、顧問弁護士名で「経過の概要」と題した文書にこの要求内容をまとめて西松側に通知したとされる。
この文書では、東電をT社、西松をN社などとイニシャルで表記。白川氏側が「土地を2億8000万円で買い受ける合意を取り交わすことに成功しました」としたうえ、2億円は「N社で調達」、残る8千万円は「やむなく当方が立て替え」と記載されていた。
一方、08~09年に東京地検特捜部が西松の裏金について捜査。国沢幹雄社長らが別の違法献金事件などで逮捕され、有罪判決を受ける事態になった。
当時、特捜部は東電と西松のつながりにも関心を持ち、西松関係者らを事情聴取するなどしていた。むつ市の用地取得の動きは、この捜査中に進行していた。ただ、特捜部は事実関係をつかみきれなかったとされ、西松側の資料には、石橋直副社長が東電幹部に「事件化はしていない。安心してほしい」「当社側からも、白川氏側からも公にならずに済みそうだ」と説明したことが書かれていた。
■東電元副社長、面識は認める
用地買収で裏金2億円の支出要請があった会談の出席者とされる東京電力と西松建設の首脳4人。朝日新聞の取材に、西松元副社長の石橋直氏以外は事実関係を認めなかった。
東電元社長の清水正孝氏には、自宅に質問状を送ったが回答はなかった。同元副社長の皷紀男氏は「記憶がないし、そういう事実も知らない」と述べた。ただ、白川氏と面識があることを認め、「中間貯蔵施設の建設では、当初お世話になった」と話した。
西松建設元社長の国沢幹雄氏は「記憶にない」と話した。石橋氏は、国沢氏と一緒に東京・新橋周辺の飲食店で東電の清水、皷両氏に会い、用地買収の依頼を受けたことを認めた。ただ、石橋氏はこの取材から1週間後、「否定ということにしておいてください」と記者に電話をかけてきた。
用地を売却した地権者は2億円について「もらってない」と否定している。
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沖縄の人々にとっての「屈辱の日」について、東京新聞の社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013042802000135.html)とコラム「筆洗」(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013042802000132.html)、そして、CMLの記事(http://list.jca.apc.org/public/cml/2013-April/023793.html)。
衆院選での自公政権復権で浮かれている。当初は「安全運転」するつもりだったらしいが、どんどんと箍が緩んできている。自公(や元両〝ト〟知事のトンデモ党)に投票した人たちや、支持者の人達は何も感じないのでしょうかね?
『●改憲などしている場合か? ~壊憲派に勝たせてはならない~』
『●トンデモな両元〝ト〟知事がリーダーの「維新」を支持する価値はあるのか?』
『●橋下元大阪〝ト〟知事の問題というよりも、投票者・支持者の問題?』
『●来るところまできた原発推進、
3.11東京電力原発人災は一体何の教訓をもたらしたのか?』
『●東京電力原発人災、大熊町双葉病院の患者遺族が東電を提訴』
『●元大阪〝ト〟知事は単なる目立ちたがり屋!? 「あざとい」・・・』
『●民意薄き圧勝: 原発推進してきた自民党』
コラム「筆洗」の云う「仲井真弘多沖縄県知事は欠席する。当然だ。沖縄にとっては、祖国から切り離された「屈辱の日」なのだから▼「憲法改正よりも日米地位協定を改定することが主権回復だ」。保守系の翁長雄志那覇市長が語っていた。こうした正論は安倍晋三首相の耳には聞こえないようだ」、に全く同感。
「屈辱の日」を祝う神経を疑う。
「安倍政権を礼賛している右寄りの人たちは、実は自分たちも切り捨てられる側にいることに気づいていない」、これってハシズムを大絶賛している人たちにも言えます。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013042802000135.html】
【社説】
週のはじめに考える 日本の真の独立を思う
2013年4月28日
きょう二十八日は主権回復の日。天皇、皇后両陛下も出席されての初の式典開催ですが、沖縄の当然ともいえる反発があっては虚心にはなれません。
サンフランシスコ講和条約が発効した一九五二年四月二十八日はどんな日だったか。データベースを検索して当時の新聞各紙を読み比べると、歓喜と不安が交錯する日だったことがわかります。
六年八カ月の軍事占領からの解放。中日新聞(当時中部日本新聞)は一面に「雲ひらく」と題した横山大観画伯の大きな多色刷り富士山頂図を奮発しています。
◆歓喜と不安交錯の記念日
朝日新聞は天声人語の「二つの日本に分割されなかった幸い」や「有史以来初の主権在民の独立国になったのである」に高揚感を漂わせます。「自主独立が外交の基本」-夕刊紙だった東京新聞はこの朝の吉田茂首相と内閣記者団との一問一答を掲載しています。
不安は東西冷戦に由来します。五〇年六月、北朝鮮軍の砲撃から始まった朝鮮戦争は、死者四百万~五百万人、その大半が一般市民という凄惨(せいさん)な事態となりますが、まだ休戦に至っていません。講和も旧ソ連や大陸の中国との締結のない単独講和でした。
中日新聞に「独立に想(おも)う」を寄稿した社会学の清水幾太郎は「アメリカのソ連包囲網の一環になったまでのこと。新しい大戦の危険は大きい」と不気味な予言。「八千五百万人の日本人が独立の気力をもって現実に働きかければ」と期待しました。「共産主義が歴史の必然」ともいわれた時代。世界の行方などわからないものです。
講和条約と同時に発効した日米安全保障条約によって、西側陣営に立ち、反共の砦(とりで)の役割を担うことになった日本。戦後社会をけん引したのは吉田首相の軽武装・経済重視の「吉田ドクトリン」路線でしたが、最近の昭和史研究や豊下楢彦前関西学院大教授の「昭和天皇・マッカーサー会見」(岩波現代文庫)は、外交、防衛、安全保障面で昭和天皇の果たした役割の大きさを明らかにしています。昭和天皇の沖縄メッセージや講和条約交渉への天皇の介入は、沖縄の運命や日本の防衛や安全保障に決定的だったように見えます。
◆沖縄の犠牲に支えられて
沖縄メッセージは四七年九月、天皇御用掛の寺崎英成氏が連合国マッカーサー総司令部に伝えた極秘メッセージ。天皇が米軍の沖縄占領継続を希望し、占領は長期租借(二十五年ないし五十年、あるいはそれ以上)で-などの内容。七九年の文書発掘は沖縄に衝撃を与え、その後、入江侍従長の日記で内容がほぼ事実と確認されたことで、沖縄の人々は大きく傷ついたといわれます。
豊下前教授はダレス米国務省顧問を相手にした講和条約、安保条約交渉でも、吉田首相と昭和天皇の二重外交があったことを論証しています。当時の天皇にとっての脅威は朝鮮半島にまで迫った共産主義でした。共産主義から天皇制を守ることは日本を守ることでもあったのでしょう。戦争放棄の憲法と非武装となった日本で天皇が頼ったのは米軍、それが沖縄占領継続の希望や基地提供でした。
そこにはパワーポリティクスや外交的駆け引きの余地はなく、ダレスに対日交渉での当初からの目論見(もくろみ)「望むだけの軍隊を、望む場所に、望む期間だけ駐留させる権利の確保」を勝ち取らせることになってしまいました。およそ独立にふさわしくないこの条約は、今も日米地位協定の不平等のなかに潜まされ、変えられていません。
講和条約三条で沖縄は本土から分離され米国の施政権下に移されました。講和条約や安保条約の成立過程の検証は、本土の独立が沖縄の一方的犠牲の上に築かれていることを教えます。
沖縄への理不尽は、世界一危険な普天間飛行場移転問題に集約的に現れます。沖縄の四十一全市町村長の反対にもかかわらず、政府は県内の辺野古移転を変えません。米軍の移転候補基地の比較衡量で満点は「本土の自衛隊基地」。辺野古への固執は本土移転回避の政治的理由としか思えません。
日米安保の重要性は否定できません。それなら負担は国民が等しく、本土でも米軍基地を引き受けていくべきです。憲法改正に声高な政府や政治家が日米地位協定改定には及び腰なのはなぜか。国民のために当たり前のことを主張し要求していくのが独立国の政府、正しいことに勇気をもって立ち向かうのが独立国の国民。
◆日本全体で考える
昭和を継いだ今上天皇の沖縄への思いはことに深いようです。昨年十二月の七十九歳の誕生日のお言葉は「日本全体の人が沖縄の人々の苦労を考えていくことが大事」でした。沖縄こそ真の主権回復の一歩にしたいものです。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013042802000132.html】
【コラム】
筆洗
2013年4月28日
<パスポート笈(おい)底深く復帰の日>。『南島俳句歳時記』(瀬底月城著)から志多伯得壽さんの句を引いた。笈とは背負って歩く木製の箱。沖縄が復帰するまでの間、本土への渡航に必要だったパスポートをしまい込んだ感慨を詠んだのだろうか▼一九五八年、夏の全国高校野球大会に沖縄代表として初出場した首里高校の選手もパスポートを携えて渡航した。甲子園のグラウンドから土を持ち帰ろうとすると、検疫で「外国の土」とみなされ、那覇港で廃棄させられた▼五二年四月二十八日、サンフランシスコ講和条約が発効し、連合国軍総司令部(GHQ)の占領が終わった。沖縄にとってはさらに二十年間に及ぶ米軍統治の始まりだった。米軍基地はそっくり残り、再び本土の「捨て石」にされたのである▼政府はきょう、主権回復を記念する式典を開く。仲井真弘多沖縄県知事は欠席する。当然だ。沖縄にとっては、祖国から切り離された「屈辱の日」なのだから▼「憲法改正よりも日米地位協定を改定することが主権回復だ」。保守系の翁長雄志那覇市長が語っていた。こうした正論は安倍晋三首相の耳には聞こえないようだ▼講和条約と同時に結ばれた日米安保条約の下で沖縄の人々が強いられてきた犠牲は、本土のメディアや国民の無関心によって一層強められた。「屈辱の日」に立ち上る声に耳を澄ませたい。
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【http://list.jca.apc.org/public/cml/2013-April/023793.html】
[CML 023924] 主権と回復 慶応大学教授・片山杜秀さん
BARA ・・・・・・
2013年 4月 27日 (土) 11:28:10 JST
新聞記事
朝日新聞2013.4.27朝刊
http://digital.asahi.com/articles/TKY201304260492.html?ref=comkiji_redirect
4月28日、安倍政権は「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」を開き、天皇、皇后両陛下も出席する。
閣僚の靖国神社参拝などと相まって国家主義的な動きが強まっているように見えるが、政治思想史家の片山杜秀さんは「国民国家が崩壊過程にあるからこそ起きる現象だ」と語る。
いったいどういうことなのだろうか。
――「主権回復の日」をどうみますか。
「実に『安上がり』な国民統合の仕掛けですね。安倍政権が主権や国防軍、日の丸、君が代といったナショナルなシンボルをやたらと強調するのは『もう国は国民の面倒はみない。それぞれ勝手に生きてくれ』という、政権の新自由主義的なスタンスと表裏の関係にあります」
「日本という国は明治以来、天皇の下で国民統合が図られてきました。革命が起きて天皇制がつぶれたり、共和国になったりすることをずっと怖がってきて、社会主義や共産主義を抑圧しようと幸徳秋水を殺し、大杉栄を殺し、治安維持法を制定し、その一方で国民に不満を持たせないように、食わせるための努力をしてきた。社会党や共産党よりも天皇を仰ぐ私たち保守の方が皆さんを食わせることができますよと、実際に札ビラを見せながらやってきたのが戦後自民党で、池田勇人の所得倍増計画はその典型です。しかし今の安倍政権はそういう保守ではもはやない。税金や徴兵など国民に犠牲を強いるかわりに後々までちゃんと面倒みるよ、というのが国民国家ですが、安倍政権の国家観はすでにそこからズレていっています。そのことをまずは深く認識すべきです」
――どういうことでしょうか。
「例えば自民党の改憲草案では、わざわざ条項を新設し、『家族は、互いに助け合わなければならない』とうたっています。オールド左翼は『天皇を家長とする家族主義的国家の復活だ』といった方向から批判をしていますが、全くピントがずれている。これは自助努力の文脈で捉えなければなりません。家族で助け合ってくれれば安上がりですから」
「草案には天皇の元首化や国防軍の創設なども盛り込まれているため『右傾化』『軍国主義』といった枠組みで批判されがちですが、問題の本質を見誤っています。安倍政権の特質をひとことで言うなら『安上がり』です。国民の面倒はみない、でも文句を言わせないための安上がりな仕掛けをたくさん作っておこうというのが安倍政権の改憲路線です。国民皆兵にして海外で戦争を……なんて考えているわけがない。面倒なことは少しでもやりたくないというのが新自由主義ですから」
「ただ、面倒をみなければ当然、国家としての凝集力は弱まります。富裕層は国外に流出するかもしれないし、貧乏人は暴動を起こすかもしれない。さあどうするか。以前のようにお金をバラまけないのなら、とりあえずは精神で統合をはかるしかありません。日の丸。君が代。靖国神社。主権回復の日。あるいは国民栄誉賞もそうかもしれませんが、『俺たちは日本人だ』という雰囲気を盛り上げ、つらい目にあっている人ほど持っている『連帯したい』という感情を糾合し、文句を言わせないようにしようと。安倍政権を礼賛している右寄りの人たちは、実は自分たちも切り捨てられる側にいることに気づいていないし、左の人たちは批判のポイントを間違っていて、その意味では両方ともうまくごまかされてしまっています」
■ ■
――確かに、式典を批判する側の足場は「沖縄の心」に偏っていて、どうにも心もとない感じです。
「サンフランシスコ講和条約と同時に日米安保条約が結ばれたことによって、主権とアメリカ、どちらを立たすか難しい『二頭立て』の状態が現在も続いています。沖縄にとって4・28が『屈辱の日』であるのはその通りで、それを祝うなんて沖縄に失礼だ、申し訳ないというのはひとつの正しいロジックです。ただそれは逆にいうと、沖縄を犠牲にして本土はいい思いをしたということを裏で認めることになる。真っ先に語られるべきは、4・28は日米安保とセットだったということで、『沖縄が怒っている』ではない。沖縄に極端に出ている問題を本土もまた抱えているのだという視点を強調せずに、沖縄に寄りかかって批判していると、筋がズレてしまいます」
――式典には天皇も出席します。
「『最低価格』での連帯感の維持を考えた時、最も有効なのは天皇を政治的に利用することです。天皇が来なければ、せっかくの式典の価値が減じます。国歌や国旗と違って、天皇は生身ですから。お言葉を発したり歌を詠んだりすれば、別に懐は温まらなくても『日本人でよかった』という連帯心が醸成される。日本に天皇がいなかったら、国民統合にかかるコストは今とは比較にならないくらい高くついたでしょう」
「今上天皇はまさにアメリカが占領時代に日本に植えつけた民主主義的な価値観を、ある意味最も体現している人物でもある。もし自らの意見を表明することが許されるなら……。一番よくわかっておられる。そう信じています」
――安く上げるために、利用価値があるものは何でも利用すると。まさに新自由主義的ですね。
「安倍政権が戦後の保守とは質を違えていることはまさに、4・28で歴史に線をひくという発想に現れています。軍国主義から平和主義へ。天皇主権から国民主権へ。天皇のいる民主主義国家をつくり、守っていくための仕掛けは、占領時代、日米の絶妙な政治的駆け引きによって生まれ、だからこそ自民党の長期政権も可能になったのです。4・28以前の日本は占領軍に手足を縛られ、何も思うようにできなかったかのごとく言うのは、歴史の歪曲(わいきょく)であり、戦後保守の自己否定です」
「さらに占領期のネガティブな面を強調し、4・28を一種の解放記念日のように位置づけることは、反米ナショナリズムに火をつけ、自主防衛、日米安保破棄論につながりかねません。反米世論を抑え、アメリカを『番犬』にしながら日本を豊かにして国民に分け前を与えるというのが戦後保守の王道なのに、下手をするとその構図を壊しかねません」
■ ■
――それでもあえて4・28を強調するのはなぜでしょうか。
「改憲への地ならしにしたいという意図ははっきりしています。『憲法は占領時代に押し付けられた。自分たちでつくり直さなければ真の自立とはいえない』という言説を振りまき、そうだったのか、じゃあとりあえず96条を改正して憲法を変えやすくした方がいいかもしれない、という世論を形成したいのでしょう」
――憲法を変えれば日本は良くなるなんて、ずいぶんナイーブというか精神主義的な議論ですね。
「日本の精神主義は、『持たざる国』であることからきています。地政学上、日本のライバルは中国、アメリカ、旧ソビエトですから、嫌でも資源に乏しい国であることを自覚せざるを得ません。その結果、人口が足りないから産めよ増やせよとか、資源を求めて植民地主義に走るとか、現実を直視せずに常に背伸びをして頑張る、頑張っていればきっとそのうちなんとかなるさ……という習性が身についています」
「背伸びをさせるには精神主義しかありません。戦争中、レーダーを開発するお金がなくても、日本人は目がいいから大丈夫だとか、空襲も音で判断しろと学校でレコードを聞かせ、『これはB29だ』と教えている。体が小さい日本人は大きくて小回りが利かないアメリカ人よりも戦闘機乗りとして有利だと、本に真面目に書いてありますから。『持たざる国』だという現実を美化するためのロジックは無尽で、あとは精神力でカバーすればなんとかなると。そうやってずっとやってきたのです」
■ ■
――為政者にしてみれば、安上がりな統治がしやすいと。
「そういうことになりますね。安上がりに済ますにはうってつけの精神的風土があることは疑いない。ただ、それでも戦前の日本は、『この戦争に勝てば大東亜共栄圏ができて日本は繁栄する』と、将来のビジョンを示している。所得倍増計画だって、みんな電化製品に囲まれていい暮らしができるよというビジョンを見せて、それなりに実現させることによって国民を統合していました。ところが、今の安倍政権はビジョンを見せたり約束したりはしてくれません。『美しい国』なんて何の実態もないし、『アベノミクス』もお祭り囃子(ばやし)に過ぎないでしょう。踊れや踊れ、でもその後は自助だよ知らないよと開き直るのは、日本においては新しい統治のパターンです」
「そもそも日本が国民国家であるということが、もはや当たり前ではなくなってきています。フランスでは高額な税率を嫌い、有名人が実際に国籍を捨てている。高度資本主義国家のたどる末路です。安倍政権は、日本も将来、そういう国にならざるを得ないというビジョンは持っているのではないでしょうか。国民国家が崩壊の過程にあるからこその、主権の強調。今回の『主権回復』をめぐる動きは、そういう歴史の皮肉として捉えられるべきです」
(聞き手・高橋純子)
*
かたやまもりひで 63年生まれ。
専門は政治思想史。音楽評論家としても活躍し、東京芸術大学で非常勤講師を務める。著書に「未完のファシズム」など。
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asahi.comの記事(http://www.asahi.com/politics/update/0403/TKY201304030409.html)。孫引きですいません、CMLから(http://list.jca.apc.org/public/cml/2013-April/023380.html)。
福島瑞穂(福島みずほ)さんの適切な指摘。ともに改憲・壊憲派の自公か維新か、なんていう究極の二択にさせてはいけない。
『●橋下元大阪〝ト〟知事の問題というよりも、投票者・支持者の問題?』
『●掲げてもいない脱原発の看板を下ろす:
今に始まったことではないし、驚きもしないが・・・』
『●国会議員にしてしまった自称〝勝海舟〟氏や元〝ト〟知事の危うさと胡散臭さ』
『●元大阪〝ト〟知事は単なる目立ちたがり屋!? 「あざとい」・・・』
『空疎な小皇帝』・石原慎太郎元東京〝ト〟知事のインタビュー記事(孫引きです、すいません)、是非、ご覧下さい。
「核武装を議論」「日本は強力な軍事国家・・・になるべきだ」「日本人のメンタリティーとゆがんだ価値観をつくったのが憲法」「僕は橋下君を首相にしたい」「彼は革命家になれる」「彼は『平成革命』をやると期待している」「自分のことを特殊兵器だと思っているが、自民党がそれを使い切れなかった」「選挙制度はよく分からない」・・・・・・等々、トンデモ発言の数々。トンデモと云わずして、誰を「ト」と呼ぶ!? 朝日新聞はコ~ンなの掲載していて大丈夫か?
一方、こちらは天に唾するお言葉の数々、「民主党がいかに無能で可能性がない政党か」「我欲がはびこり、権利を主張するばかり」「みんなの党は、よく分からない党」「あの人は自分に自信があるのは結構だが、我が強くて人の言うことを聞かない」「正統な歴史に自覚がない政党」「橋下が・・・言葉が乱暴な時がある。『政治は独裁だ』と言ったり」「竹中平蔵氏なんてインチキだろ」「お前の言っていることは全部間違っているよ」・・・・・・。
「今の国際社会は核を持ってない限り発言力がない」なんて、北朝鮮やイランに対して言ってるのだろうか?
あ~、そうそう、先日、つぶやいたのですが、「蚤(ノミ)と鑿(のみ)の誤解」:
「AS@ActSludge 4月6日
■自身を「蚤」にたとえる!? 石原元「ト」知事が随分謙遜したな
と思ったら、溝を刻んだりするための「鑿」ね!
随所で笑えるインタビューです」
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【http://www.asahi.com/politics/update/0403/TKY201304030409.html】
維新の自民批判は「ポーズ」 福島・社民党党首
「こういう綱領を出す改憲まっしぐらの維新の会と、しっかり対決していきたい。橋下徹共同代表は「自公の過半数を阻止しながら、憲法改正を目指す勢力で参院議員の3分の2を確保することを目指す」と言った。結局、自民党を批判するポーズをとりながら、でも、自民党と組んで憲法改正をしますよという宣言だ。本当に自民党の補完勢力、あるいは、もっと悪い。「自民党と一緒に憲法改正をやります」と言うならまだ分かる。自分たちこそ憲法改正のキーパーソンだと言いたいのだろう。維新は初めは脱原発的な装いを持っていたけど、やっぱりこれは石原新党でしかない。国民は維新にだまされるな、と言いたい。
(国会での記者会見で)」
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【http://list.jca.apc.org/public/cml/2013-April/023380.html】
[CML 023523] 参院選の争点、憲法改正据える/石原慎太郎
BARA ・・・・・・
2013年 4月 5日 (金) 21:37:54 JST
朝日新聞2013.4.5朝刊
http://digital.asahi.com/articles/TKY201304040453.html
【岡本智】約1カ月半ぶりに政治活動を再開した日本維新の会の石原慎太郎共同代表(80)が4日、朝日新聞の単独インタビューに応じた。
夏の参院選の争点に憲法改正を据える考えを強調。
橋下徹共同代表の首相就任に道筋をつけるのが、自らの最後の仕事だと語った。
◇
石原慎太郎・日本維新の会共同代表のインタビューの詳細は、次の通り。
――夏の参院選では憲法改正が争点になりますか。
「争点にしなければいけない。
日本は世界で孤立し、相手にされなくなっている。
国内では我欲がはびこり、権利を主張するばかりで義務がないがしろにされる。
こういう日本人のメンタリティーとゆがんだ価値観をつくったのが憲法だ。
国際的に地位を確保するためにも、憲法を改正しなければならない。
それが衆院で3分の2を占める安定政権の責任だ」
――維新綱領は憲法を「日本を孤立と軽蔑の対象に貶めた」としています。これには異論があります。
「日本は周辺諸国に領土を奪われ、国民を奪われ、核兵器で恫喝されている。
こんな国は日本だけだが、国民にそういう感覚がない。
日本は強力な軍事国家、技術国家になるべきだ。
国家の発言力をバックアップするのは軍事力であり経済力だ。
技術が経済をつくる。経済を蘇生させるには防衛産業は一番よい」
「例えば、米国が今開発している『コンベンショナル・ストライク・ミサイル』という全地球測位システム(GPS)を駆使して完全に命中する、
遠距離を飛んで一度宇宙空間に出てから下降してくる兵器が日本なら開発できる。
そういうものを本気で考える時期にきているんじゃないか。
核武装を議論することも、これからの選択肢だ。日本が核を持つためにはいろんな障害はある。
しかし、今の国際社会は核を持ってない限り発言力がない。
持っても使いませんよ。
使ったらえらいことになるから」
――軍事力を強化すると、ほかの国に警戒されませんか。
「米国もそれを一番恐れている。
だから日本の飛行機産業を徹底してつぶしてきた。
今でも日本の飛行機産業の復活を絶対歓迎しないだろう」
――維新は参院選で「自公過半数阻止」「改憲勢力で3分の2確保」を掲げています。矛盾しませんか。
「何が矛盾しているのか。
『政治が進むのは維新のおかげだ』となる体制をつくる必要がある。
正しい主張をしても数がそろわないとだめだ。
民主党は分裂したらいい。
民主党がいかに無能で可能性がない政党かを際だたせる。
民主党が割れれば政界再編の動きが早まる」
――みんなの党も改憲に賛成です。協力できますか。
「みんなの党は、よく分からない党だ。
渡辺喜美代表とはずいぶん話をした。
ただ、あの人は自分に自信があるのは結構だが、我が強くて人の言うことを聞かない。
あの党の中は、いったいどうなっているのだろうか」
――公明党は改憲に慎重です。
「ものすごく妨げになると思うね。
そこで踏み絵を踏まされる。
国民政党かどうかの素性が出てくるんじゃないか。
あとはそれを国民がどう判断をするかだ。
正統な歴史に自覚がない政党が、政党として立ちゆくわけがないんだよ」
――参院選後、自民党と連立するのですか。
「さあ分からんね。
みんなすぐ連立、連立と言うが、閣僚を出す出さないというのは小さな話だ。
問題は政治イシュー(課題)にどう取り組むかだ。
今のような高福祉低負担は成り立たない。
この国の基本を変えていかないとならない」
――100日を迎えた安倍晋三首相をどう評価しますか。
「まあ当たり障りないなあ。
祖父の岸信介元首相のような教養はない。
僕は橋下君を首相にしたい。
度胸があるし命がけで仕事をしている。
男同士の共感がある。
日本維新の会はしょせん、大阪維新の会の二番煎じだよ。
大阪が本家なんだから。
彼は革命家になれる。
今は『維新』という名前だけど、彼は『平成革命』をやると期待している」
――石原さんが首相を目指す考えはありませんか。
「おれはもう、体力がない。
自分のことを特殊兵器だと思っているが、自民党がそれを使い切れなかった。
一癖も二癖もある政治家がいっぱいいたけど、いなくなっちゃったな」
――橋下さんに参院選への立候補を促しています。
「おれの人生なんかね、トンネルを掘る時のノミの先っぽの切り口みたいなもの。
穴を開ける時はそれで開けるんだけど、トンネルが開通してテープカットする時にはおれはいなくたっていい。
橋下君をもり立てていくのが政治家としての最後の仕事だ。
参院選を実りあるものにするために、やっぱり橋下君に立候補してほしい」
――2月末に体調を崩して入院する前は、「橋下君は次の衆院選に出るべきだ」とおっしゃっていましたが、考えが変わったのですか。
「ぼやっと一カ月も病室にいれば、複合的にいろいろ考える。
せっかく彼がやってきた維新の会を育てるためにも、今度の参院選はひとつのメルクマール(指標)となる。
橋下君は、200%出ないと言った大阪府知事選に出て、その後、出ないと言った大阪市長選にも出た。
その時は、相当な決心が必要だったはずだ。
大阪の行政を直すために、彼は本当に命がけでやっている。
参院選への立候補は、一人の政治家としても人間としても苦しい選択になると思う」
――長男である自民党の石原伸晃環境相は、次世代のリーダーになれますか。
「もうちょっと言いたいこと言った方がいいね。
それほど馬鹿でもねーんだから」
――伸晃さんはポスト安倍の一人と目されています。
「橋下がいいよ。
てきぱきしてて。
ただ、言葉が乱暴な時がある。
『政治は独裁だ』と言ったりして。
確かにその通りで、強いリーダーが出てこないとしょうがないが、『独裁なんて言うのはまずいぞ。トップダウンとか、
それくらいの言い方にしなさい』とアドバイスした。
おれは彼が本当に好きだ。シンプルに好きだ」
――衆院の選挙制度は小選挙区定数の「一票の格差」を是正する「0増5減」案をめぐって、与野党が対立しています。
選挙制度はどうあるべきですか。
「選挙制度はよく分からないし関心もない。
もともと、おれは小選挙区反対の中選挙区論者だったから。
理想的には、ドイツみたいに三大政党になって、その間に緑の党みたいにスパイシーな政党があること。
その意向を斟酌することで健全な政策が出てくる」
「しかし、この国は本当につまんない国になってきたなあ。
(昨年の衆院選で維新の候補者選びの委員長を務めた)竹中平蔵氏なんてインチキだろ。
あいつ後輩だけど、言ったんだよ。
『お前、アダム・スミスの国富論を読んだことねえだろ。お前の言っていることは全部間違っているよ』。
そしたら『そうですかねえ』って。市場原理主義を採用したのが本当に間違いだ」
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東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013011501002282.html)。WP『小出裕章(京大助教)非公式まとめ/京大原子炉実験所助教 小出裕章氏による情報』(http://hiroakikoide.wordpress.com/)の記事を二つ(http://hiroakikoide.wordpress.com/2012/12/26/ibaraki_2012dec24/#more-4979、http://hiroakikoide.wordpress.com/2013/01/01/mbs1179_2012dec31/#more-5023)。
「活断層の直上禁止」、当たり前すぎて、何をいまさら言っているのだろう。それに、きっと「直上」の定義をあいまいにするにきまっている。「直上」じゃなければ大丈夫、と言うにきまっている。
これまでそんな危険なところに原発を建設してきた責任を、自民党と電力会社の一体誰がとったのか? 追求しないマスコミにも責任。騙された人々も責任を自覚しなければ、また、参院選でもきっと騙される。そうなれば、さらなる絶望感が広がる。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013011501002282.html】
活断層の直上禁止、明記へ 原発重要施設で新基準案
2013年1月15日 22時27分
原子力規制委員会(田中俊一委員長)は15日、7月施行予定の原発の新安全基準に、地盤をずらす活断層の直上に原子炉など重要な施設を設置してはならないと明文化する方針を決めた。今月末にまとめる骨子案に盛り込む。
国はこれまでも活断層上に重要施設の設置は認めていないが、根拠となる2010年改定の「安全審査の手引き」では「設置は想定していない」などと曖昧な記述にとどまっていた。
電力業界などは「ずれる量を計算して、小さいと予測できれば原子炉などを設置しても問題ない」と主張していたが、予測手法が実用化されていないため採用しない。
(共同)
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[※ブログ主: すいません、勝手に動画を貼らせていただいております]
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【http://hiroakikoide.wordpress.com/2012/12/26/ibaraki_2012dec24/#more-4979】
12月24日 「豆腐の上の原子力発電所」小出裕章さん講演/第二回 脱原発サミット in 茨城(文字起こし)
2012年12月24日に開催された「第二回 脱原発サミット in 茨城」に小出裕章氏が出演され、その動画がYouTubeに掲載されていましたので、このブログでも共有させていただきます。また、以下の通り文字起こししました。
▼文字起こしは以下。
◆質問者
小出さんにお聞きしたいんですけれども、東海第二原発というのがですね、実は調べてみるっていうと、え〜、あの〜、原子炉自体は、あの〜、非常に強固な岩盤の上に作らなければいけないと、そういう風にまあ決められている、え〜、で、実際にあの〜、え〜、あの〜日本原電が出しているようなあの安全、安心パンフレットを見ますというと、強固な岩盤の上にあるという風に書いてあるんですが、あの〜、ネットなどでですね調べてみたり、学者のあの論文等を読んでみたり、政府の発表物を見たりするっていうと、東海第二原発は、5メートルの、え〜とコンクリートの板に乗っていると、その下に8メートルのコンクリートを更に打って、人工岩盤という風にしてる、更にその下には、あ〜、泥岩というあの岩がある、で、え〜政府事故調などは、暗室岩盤と言って、え〜、既にあの強固な岩盤と言っていないのですが、こういう原発というのは、どういう風になるとお考えでしょうか?
◆小出
今、ちゃんとお話くださったけれども、東海第二原発だって、全然強固な岩盤じゃない、ですよね。でも、そんなこと言ったら、日本中強固な岩盤に建っている原発なんてない、んだろうと私は思います。浜岡だって相楽層とか言ってますけど、ボロボロですよね、あの手で持ったらパリパリと割れるようなところだし。
え〜、東京電力の柏崎刈羽原発、原子力発電所なんていうのは、砂丘の上に建てようとした、いくらなんでも砂丘はマズいだろうと言って何十メートルも穴を堀ったけれども、いくらやってもちゃんとした岩盤が出て来ないというとこで、そこに建ててしまった。
え、昔から「豆腐の上の原子力発電所」と呼ばれていた、そこが地震に襲われ、襲われたら、物凄い揺れになって、あちこちボロボロに壊れてしまったというのが、え〜つい何年か前にあったということで、この世界中の地震の、1割か2割が日本で起きるという、そんな国で安心して原子力発電所を建てられるような場所は元々無かったんです。
無いのに、とにかく建てたいということで、用地さえ買収できてしまえばもうどこでもいいと、あとは地盤が悪ければ人工岩盤だというようなことで、これまでやってきてしまった、という歴史があったと思います。
今、敦賀の、え〜、日本原電の、第二原発というところでも、原子炉の下に活断層があると、実はそれだってはじめから分かっていた筈だと私は思います。
でも、とにかくそこに建てるしかないということで、審査をする人たちが、これは活断層ではないと言ってしまえば、もう、そこに建ってしまうという、そういうことだった、と思いますし、え〜、東海第二原発も適地ではないし、日本中原子力発電所の適地はどこにもないのだという風に思っていただきたいと思います。
(拍手)
◆質問者
え〜、そうする…あの〜そのこととちょっと関連致しまして、小出さんにお伺いいたしますが、あの〜、私はあの学生時代に、あのたくさんの大学の学生が入る学生寮におりまして、あの〜、航空工学というものをやっている学生とよく話をしたんですけれども、え〜、その人と話して、工学上非常に重要であるのはフェールセーフであると、え〜、フェールセーフという思想が生きないっていうと、あの〜、そういうものは作ってはいけないんだと、あの〜、彼はすごく理想主義的であった、そういう風におっしゃった。
原子力発電所はいつまで経ってもあの熱が取れない、え〜、で、いつまでも永久に冷やし続けないっていうといけない、そういうのってフェールセーフって言えるのかな、人類の工作物としていいのかな、というのは感じるんですがいかがでしょうか?
◆小出
え〜、原子力発電所の場合には、フェールセーフという言葉、要するに何か間違えたことをやっても安全なんだというフェールセールという言葉もありますし、フールプルーフという言葉もありました。
それは、フール、バカですね、え〜運転員がバカなことをやっても、え〜、きちっと保証出来るような、するという、それが設計思想になっていると、ずうっと彼らは言ってきたわけで、設計思想としてそうするということは、むしろ当たり前のことでもあるのですね。
え〜、人間が間違えたことをするし、何か具合が悪いことが時によっては起きるというのは、当たり前なことなのであって、それに対して設計上対処しておくということは、当然の考えかた、です。
しかし、それが、原子力発電所の場合には成り立たない、のです。
皆さん、クルマで今日ここに来られた方がいらっしゃると思います。
例えば、時速40キロか50キロで、走っていて、走っている途中にタイヤが一つポロリと取れる、落ちてしまったと、といったら、みなさんビックリしてすぐにブレーキを踏んで、ある人はエンジンを切るかもしれない、そしたらまあ何十メートルかは走るかはしれないけれど、そこで時速0キロメートルになりますね。
必ず止まります。
しかし、原子力発電所という、ものは、ウランの核分裂を起こさせて、熱を発生させるわけですが、核分裂を起こさせる、起こさせた途端に、核分裂生成物という放射性物質が原子炉の中に貯まってくる、のです。
放射性物質はそのもの自身が熱を出す、というものが基本的な性質、です。
で〜、今日の原子力発電所は100万キロワットというのが標準になって、いますが、100万キロワットの原子力発電所というのは、電気になるのが100万キロワットと、いう意味です。
原子炉の内部では300万キロワット分の発熱をしていて、わずか3分の1だけが電気になって、3分の2、つまり大半の200万キロワット分は、使うことができないまま、海に捨てているという、そういう馬鹿げた装置、なんです。
で、その上に300万キロワット発熱しているというその熱のうち、7パーセントは、ウランが核分裂しているのではなくて、既に炉心に貯まってしまった核分裂生成物、そのものが出しているんです。
何か事故が起きて、ウランの核分裂反応を止めるということは、かなり比較的容易です。
たぶん福島の事故の場合にも止められたと私は思っています。
しかし、原子炉の中に、核分裂生成物が止まってしまっている限りは、7パーセント分のエネルギーは止めることは出来ないんです。
発熱は。
つまり事故があった、もうここで止まらなければいけないと思って、どんなにブレーキを踏んでも、エンジンを切っても、クルマが止まらないんです。
それが街中の人混みの中であろうと、山の中の崖っぷちであろうと、タイヤが外れたまま走り続けなければ、壊れてしまうというのが、原子力発電所というそういう機械なのです。
え、どんなフェールセールも、どんなフールプルーフも、もう成り立たないという、はじめからそういう基本的な性質を抱えた機械、です。
ですから、まあ設計思想として、フェールセール、フールプルーフということをやることは私は当然だし、いいことだと思いますけれども、(原子力発電所)というのは、それが成り立たない技術であると、思っていただきたいと思います。
(拍手)
▼動画
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[※ブログ主: 膨大な文字お越し作業、有難うございます。
音声ファイルは同所にありますので、下記アドレスに直接アクセス!]
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【http://hiroakikoide.wordpress.com/2013/01/01/mbs1179_2012dec31/#more-5023】
12月31日 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章先生が出演/MBS1179 報道するラジオスペシャル(文字起こし)
2012年12月31日、MBS1179 報道するラジオスペシャルに小出裕章氏が出演され、その動画がYouTubeに掲載されていましたので、このブログでも共有させていただきます。 また、以下の通り放送を文字起こししました。
▼出演者
【パーソナリティ】
水野晶子
近藤勝重(毎日新聞専門編集委員)
【ゲスト】
小出裕章さん(京都大学原子炉実験所)
【テーマ】
「来年」。政権も変わった日本の来年がどうなるのか、どうなってほしいのか。
▼文字起こしは以下。
京都大学原子炉実験所助教、小出裕章さんです。
◆水野
小出さ〜ん。
◆小出
はい。
◆水野
こんにちは、というかこんばんはになってまいりましたがね。
◆小出
はい、こんばんは。
◆水野
どうぞよろしくお願いします。
◆小出
こちらこそ。
◆水野
近藤さんは、お久しぶりとはございませんか。
◆近藤
いや〜ぉ、お久しぶりです、えっ。
◆小出
そうですね。
◆近藤
お元気ですか。
◆小出
はい、何とか生きています。
◆近藤
そうですか。
◆水野
は〜い、あの今日もこの大晦日という日に小出さんとお話させていただく、たいへんお忙しいのに申し訳ないんですが、やはり、どうしても、この、今年2012年にね、原発巡る動きがどうであったのか、そして、来年どうなって行くのか、というのは、何としてでも小出さんに伺いたいという思いがございます。
え〜、そして、小出さんに質問したいというリスナーの方もいろいろと、あの〜、送ってきてくださっているんです〜。
で、まず、一番多くのお声をいただいているのは、何かといいますと、今日、毎日新聞の1面トップ、近藤さん、これ、毎日新聞がドドンと掲げましたね。
◆近藤
えぇ。
◆水野
安倍首相、原発新設に意欲。つまり、新しく作るという意味ですね。
新たに作っていく原発は、40年前の古いもの、事故を起こした福島第一原発のものとは全然違う、何が違うのかについて、国民的理解を得ながら、それは新規に作っていくことになるのだろう、という風に安倍総理がおっしゃったと、つまり新しく作って増やしていくという意味ですね。
◆近藤
うぅ〜ん。
◆水野
で〜、これについてですね〜、聞いてくださっている方が多いんです。
笑顔が一番さんも、大掃除しながら聞いていますけど、え、え、そういうことなんですか、再稼働に向けて、どんどん、あの、動き出しているんですか?とかですねぇ、あの〜、ホンマに前とは違う、福島とは違うものなんでしょうかっていう風に聞いてくださっているんです。
ここのところからまず始めたいと思いますが(はい)、え〜、まず安倍総理の発言について、どうお感じになりますぅ?
◆小出
呆れた人だと思います。
◆水野
呆…、そおぅですか…。
◆小出
はい。
◆水野
あの〜、ジュンジイトイさんというリスナーの方もですね、今の原発は昔のものと全然違うと、お〜、安倍さん言いますが、じゃ具体的にどこがどう違うんですか?小出先生教えてください、とおっしゃっております。
いかがでしょう。
◆小出
え〜、まず日本で原子力というものを進めてきたのは、自民党なんですね(はい)。
え〜、福島第一原子力発電所も含めて、え〜、日本国内に50何基もの原子力発電所を建ててしまったのは、すべて自民党、のせいです(はい)。
福島第一原子力発電所の事故を起こしたのも、自民党のせいです(うぅん)。
え〜、その自民党が、また新しい原子力を作ると、いうようなことを言っているわけですが、福島第一原子力発電所だって、自民党が安全な原子力発電所で運転していいと許可を出した…。
◆水野
そうか、そういうことですね〜、自民党政権のときに政府が許可を出したわけですよね。
◆小出
そうです。
日本の原子力は技術が進んでいる、日本だけは事故を起こさないというようなことを、自民党がずうっと言いながら来て、事故を起こしているのです(はい)。
まずその責任というものを、安倍さん自身がきっちりと言わなければいけないし(う〜ぉ)、これから新しい原子力発電所を作ると言うなら、まずそれがどこがどう違っているかを、安倍さん自身が言わなければいけません(はい)。
そして、私から見れば、まったく変わってはいない(ん〜)のです(はい)。
今は、改良型の軽水炉、えぇ、改良型の加圧水型原子炉、改良型の沸騰水型原子炉といういうようなものをこれから造ると言っているわけですけれども…。
◆水野
改良型って名前が付いているんですね?
◆小出
そうです。
◆水野
そうすると、私たちは、素人は、あっ改良されたんだ(はい)、大丈夫なんだというイメージを持つわけです。
◆小出
はい。技術というのは、少しずつ進歩していくわけで(はい)、悪いところを見ながら改良していくというのは、当たり前のことなのであって、1年経てばまた少しずつまた改良されているということは(うふっ)、当たり前のことなんですね(はい)。
はい、特に日本の場合には、その改良ということが、例えば原子炉の大型化であったり(ふぅ〜ん)、経済性の追求であったり(はい)、そういうことで来てしまったわけで、改良というのはむしろ私からみると改悪になってしまっている、のです(はぁ〜)。
で、いかなる原子力発電所も、原子炉というものを使う限りは、放射能を作ってしまいますし、機械である以上は、壊れるということは、ときにはあるということは覚悟をしなければいけないものなのです。
え〜、そういう意味で言えば、まったく変わっていない、旧態依然としたものを、また自民党がやろうとしているという、ことです。
◆水野
うぅ〜ん。近藤さん。
◆近藤
はぁい。
◆水野
自民党、安倍政権は、その〜原発推進シフトで閣僚はかなり固めているんですってねぇ。
◆近藤
う〜ん、そうですよ。甘利さんとかね(はぃ)。
いずれにしても僕は12政党の中で、脱原発に最も消極的だったのが自民党だったわけです、近藤の選挙でも(そうですね)。
で〜、にも関わらず、それが政権政党になっちゃったわけです。
え、そこんところがね、自民党のものの言い方っていうのは、結構いろいろ曖昧な部分があって、原発に依存しなくても良い社会を目指すっちゅう予防線を張ったり、いろんなことを言って、なんとなく争点からボカしていったんですよ。
◆水野
選挙のときになかなか争点になりませんでした。
◆近藤
そう、ですからね、そういう争点外しを意図的にやった上で、今になってですよ、原発新設に意欲を見せるような発言をするっていうのは(うぅん)、それはやっぱり〜、1000年に一度と言われる未曾有の災害、そのことのいろいろな豊かさの本質とかそんなこと問う選挙ででね、原発の問題を本当に問う選挙でね、そういうことを外して、国民に投票させて、そしてその後にですよ、こういうことを言い出すってのはね(はぁ)、僕はある意味そりゃフェアじゃないと思うんだよね。
んん、んだから、ここはやっぱり公明党がね(はい)、一緒に政権作っているわけですけれども(えぇ)、その話にどう反応するのかってことをね、とりあえずそこんところをまぁ見なくちゃいけないなっていう気がしていますけどね。
◆水野
小出さん、今起こっていることのもう一つの側面でね、福島原発事故を巡って、検察当局が東電の幹部から、事情を任意で聞いているっていうそういう事実もあるんですね。
で、あの〜、このポイントがどこかって言いますと、津波の危険性を予測しながら、津波に対する安全対策を怠ったんじゃないか、ここがどうだったんだというのがポイントになっているということなんですよ(はい)。
これ〜について、小出先生、どう見ていらっしゃるか教えていただきたいんですが〜。
◆小出
もちろん津波に対しての対策を怠っていた、のですね(はい)。
で〜、それだけでなくて、原子力発電所が機械であって、え〜、さまざまな要因でその機械が壊れるということについて、十分な対策を取らないまま来てしまった、わけです(えっえっ)。
もちろん地震という出来事で、原子力発電所の一部が壊れたかもしれないということは、え〜、福島第一原子力発電所の国会事故調査委員会すらが指摘している、わけで、え〜、東京電力の責任は私は猛烈に重いと(ん〜)、思います。
え〜、例えば、皆さん考えていただきたいのですが、どこかの小ちゃな町の工場が、毒物を回りに何か漏らしてしまって、周辺の人に迷惑をかけた、というようなことをすれば、すぐに警察が踏み込んで、え〜、某かの法的な手続きを取る筈だと思いますけれども、福島第一原子力発電所の事故の場合には、何十万人もの人が家を奪われる(え〜)、そして、その中で命を落としていくというようなことが進行してきている、今でも進行しているわけですし(う〜ん)、何百万人もの人が、放射線の管理区域に指定しなければいけないようなところで、生活を強いられてしまっていると、いう事実があるのです(はい、はい)。
それなのに、東京電力の会長、社長以下、誰も責任をと、問われていないという、この国はいったいどういう国なのかと私は思います。
◆近藤
あの〜、刑事責任のレベルで言うと〜(はい)、やっぱり津波の高さをね、そのどの程度彼らが想定してたかが大きなポイントになる(ポイントになるんですね)。ん〜、だから、所謂6メートル説、15メートル説、いろいろあるけども、東電の現場では、例えば15メートルと見ていたとすればね、その〜そんなら対策をとってたかとってないっていうことになると大きな違いがあるわけですよね(はぁ〜)。
あの、地検が関心を持っているのは、まずとりあえず津波の高さをどの程度想定できてたかと…。
◆水野
あぁそこになるんですか、ただ…。
◆近藤
だから、出来てない…。
◆水野
ってことであれば次の問えなくなるわけですね。
◆近藤
所謂予見可能性の問題だよね。
◆水野
でも、そうしますとね、ある意味、津波の危険性をどう捉えていたかっていうポイントの、訴訟だからそれはしょうがないんでしょうけれども、告訴、告発になってのことだからしょうがないのかもしれないけども、じゃ、津波が無かったら、原発は安全なんだと、いう話にも繋がっていきやすい論理じゃないですか?
◆近藤
それはまたその話の別個の性格として出て来ますよね(ねぇ)。
とりあえず起きた事故は、その津波と無縁じゃないわけで(もちろんね)多いに関係あるわけだから、あのそこで過失を問えるか問えないかっていううのはやっぱそこのところは大きいって判断をあると思うんです…
◆水野
しかし、問えないって可能性もあるってことですよね。
◆近藤
あるでしょうね。
あの〜、刑事事件的に言えばね(ん〜)。そういう性格のもんでしょうね。
◆水野
小出さ〜ん、今年というのは、5月5日に、全ての原発がストップしたんですよね。
◆近藤
そうでしたね。
◆水野
あのときの小出さんの、その言葉、あたし覚えているんですよね。
◆小出
はい。
◆水野
あ〜、こんな日がやってくるんだと、いう、非常に感慨深いものがおありだったと思うんですが〜。
◆小出
嬉しかったです。
◆水野
ねっ、そうおっしゃった。
しかし、続きませんでしたね、その状況は。
◆小出
そうでしたね。
◆水野
その後、2ヶ月弱で、え〜、大飯の3号機が再稼働するという形、7月1日に再稼働しましたので、2ヶ月弱で、全ての原発が停止している状況は、日本から消えました。
◆小出
はい。
◆水野
で、その間ね、何があってそういう風になったのかっていろいろ見ていくと、例えば大飯の再稼働に反対していた関西広域連合が、ま、限定的だったら再稼働は認めざるを得ないという風に態度を変えたと、いうようなこともあります。
え〜、そしてどんどんどんどん雰囲気が変わっていったんじゃないかと思うんですけれども、小出さんはその辺り、どんな風に日本の人たちの気持ちの変化を見ていらっしゃいますか?
◆小出
え〜、大飯の再稼働ということは、再稼働をしないと停電になるぞと(えぇ)、脅しをかけられたのですね。
で〜、橋下さんなどは、コロリと再稼働反対から容認に変わってしまうと、いうことになりました。
しかし、事実で言うのであれば、大飯なんか再稼働させなくても、電気は十分足りたのです(えぇ)。
それを、国民が皆さん、騙された。
橋下さんも騙されたフリをして結局認めていくということになりました。
私は日本の電力需給の状況というのを、もっと皆さんがしっかり知らなければいけないと思いますし、国と電力会社が正直に現在の状況というものを説明すべきだと私は思います。
◆水野
実際、再稼働無しでもこの夏電力不足にならなかったというのは、まぁ、後で検証してみたら、はっきりしたんですよねぇ。
◆小出
もちろん後でしてもはっきりとしましたし、はじめから分かっていたことなのです。
◆水野
小出先生は、始めから分かっているとおっしゃって(そうです)、そのベースになるデータは、国が出しているとおっしゃていますよねぇ。
◆小出
あの、国がデータ、どこの原子力発電所が何万キロワット、火力発電所が何万キロワットというデータを公表していますし(う〜ん)、え〜、そのデータを見る限りは、現時点で、原子力発電所を即刻全て止めたところで、いついかなるときも停電にはならないのです。
そのことを皆さんどうして分かってくれないか、私はたいへん不思議です。
◆近藤
そこのところがね、あれなんでね〜、あの選挙の間、そこのところが浸透してたらまた話が変わっていたんだよねぇ。
◆小出
そう思います。
◆近藤
それとね、僕ね(はい)、先ほどあの自民党の責任案あんぬんかんぬんの話で、そうしても今日付け加えて、先生のことに付け加えて言いたいんだけど、その東通原発の問題で、学者の方全員でしょ、全員が活断層の危険を言うてますよね(はい)。
にも関わらず、東北電力はそれを豊潤だ地下水を吸ってんだということで、要するに安全なんだということでまかり通ったわけでしょ(はい)。
で、まかり通らしたのはそしたら誰の政権のときだったのかと考えれば、これは自民党ですよね(そうです)。
そうすると、この手の活断層を巡るいい加減な、ある意味いい加減な処理のしかた、あるいはそのとき何がどうでOKになったのかというその経過、ここらあたりをもう一回やることがですね、あの、すごく大事なことなんじゃないかと、僕、最近よく思うんですよ。
◆小出
はい。
◆近藤
こんないい加減な形でぼんぼんぼんぼん原発が出来ていったのかと、今ゾッとするような感じの所謂原発、原子力ムラというものはこういうことだったのかというのがね、実態すら何か私そこに感じるんですけどね。
◆小出
そうですね(ん〜)、マスコミの方、報道の方にもっとしっかりとそういう事実をキチッと調べて報道して欲しいと願います。
◆近藤
本当に、今になってねぇ、え〜、何かそういうことを言ってもむなしさあるんだけども、でも、追求する側として遅くない気はするんですよね。
◆小出
そうですね、はい。
◆水野
う〜ん、やらねばやらないことですよね。
そして、あたし、返す返すもあのとき何やったんやろと思い出すのは、民主党がね、2030年代原発ゼロって言っておきながら、閣議決定しませんでしたよね。
◆小出
はい。
◆水野
あの辺りのことを小出先生、どう見ていらっしゃいますか?
◆小出
情けないことだと思いました。
え〜、元々民主党政権が、国民にパブリックコメントというのを求めて、2030年に0にするのか15にするのか25にするのかといって意見を求めたのですね。
◆水野
何%原発に依存するのかって話ですね。
◆小出
そうですね。
え〜、その政権の求めに応じて、多くの国民が意見を寄せました。
そして、その大部分はゼロにせよと、そして、2030年ではなくて、即刻ゼロにしろという意見が多かった、のです。
◆水野
そうでしたね、はい。
◆小出
それを受けて、民主党政権は、今度は30年代という、一つ代という言葉を付け加えて…。
◆水野
最初、2030年まででしたよねぇ。
◆小出
そうです。
2030年にと言っていたのですが。
◆水野
いや〜、まに〜もゼロにすると言ったら切ろと言ったら2030年代に10年も増えていましたよね。
◆小出
そうです、そうです。
2039年12月31日まで延ばしてしまった。
つまり10年そこでパッとさばを読んでしまった(えぇ)、わけで、それでもまあ一応はゼロと、を目指すと言ったのですね。
ただ、その閣議決定すらが出来ないという状態で、情けない政権だなと私は思いました。
◆近藤
これはあのすごく大きかったんですよ。僕は民主党政権の普天間の問題もおかしかった、そして、八ッ場ダムもおかしかった、そこに持って来て30年代でボヤケてしまって閣議決定しなかったでしょ(はい)。
こういう連続の中で民主党に対するイメージって言いますかね(はい)、ん〜、何かボヤけちゃったですね〜。
◆小出
そうでしょうね。こんな政権はやはり支持を失うと私は思います。
◆水野
その間ですね、株式市場で何が起こったか、東京電力の株価はですね、まぁ、あの事故後ずうっと落ちて行ったわけですけれども、ま、今やですね、一番低かった夏場の株価の倍以上に跳ね上がりました。
え〜、安倍さんたち自民党が圧勝と伝えられた直後の株式市場、東京電力はもうこれ以上値が付けれませんというストップ高にまでなるという、跳ね上がったんですよね。
で、小出先生ね、えっと更にこんなこと安倍さん言ってます。
福島第一原発の廃炉の作業を政府が全面支援すると、いう風にまぁ言っているんですねぇ(はい)。まあ、政府としてそれはやって貰わなあかんという気持ちもする一方で、ということは、東電が廃炉にしていく費用を、税金、つまり私らのお金で、負担していくってことになるんじゃ違うんですかね?
◆小出
そうですね。
え〜、私らのと水野さんのお金もある(みんながね)、私のお金、近藤さんのお金でもあるわけだし、何よりも、福島原子力発電所の事故で今家を奪われて(はい)、流浪化している人たちとして汚染地帯に捨てられてしまった人たち、そういう人たちのお金を使って、東京電力を救済すると…。
◆水野
そういうことになりますよね〜。
◆小出
いうことをやるのです。
◆水野
はぁ〜。
廃炉に、あのこの福島についてもね、廃炉にほんまにできるんですかと、これは和田さんという方も聞いてらっしゃいますけど、それぐらい思うような廃炉って、お金どのぐらいかかるんですか?
◆小出
分からないのです。要するに、人間が初めて遭遇したことなのですね、今、一度に4基もの原子炉が溶け落ちて、しまって、放射能がそこから吹き出してきていると、いう状況になってしまっているわけで、いったいどうやれば廃炉に出来るのか、そのこと自身が分からない、のです。
え〜、もちろん東京電力が自分でやろうとすれば簡単に倒産するという、それほど難しいことであって、日本の国家がなにがしかの財政負担をやらなければならないということは、当然なことなのですけれども、え〜、こんなことを引き起こした責任というものをまず、東京電力も、そして自民党という政党も、自覚をしなければいけないと思いますし、その全ての負担を国民、そして今苦しめられている人たちにまた負わせようとしている、のです。
◆水野
え〜、コマーシャル挟んでも少しお話聞かせてください。
☆☆☆
◆水野
今日は、京都大学原子炉実験所助教、小出裕章さんにお話を伺っております。
小出さ〜ん、引き続き伺いたいんですけれども、あの〜、多くの方たちが脱原発を望んだという事実がまぁあります。
しかしながら、今になったらですね、え〜、ま、選挙で大勝した政権のリーダーは、新しく造って行くということに意欲を示しているという、これが今日本の実情なんですよね。
◆小出
そうですね。
◆水野
何でこんなことになるのかと、いうこと、ま、いろんな見かたがあると思いますけれども、小出さんはどう思われます?
◆小出
また、騙された、ですね。
◆水野
また騙されたですか?
◆小出
要するに、近藤さん、先ほどキチッとおっしゃってくださったけれども、え〜、選挙のときには、自民党が明白に自分たちは進めるということは言わなかった。
◆水野
10年でいろいろ考えますの話でしたね。
◆小出
はい、でも始めから明白に進めるということは彼ら腹をくくっていたわけ、ですし、それを言わないまま選挙というものは行われて、国民がまた騙されたということです。
◆水野
あの〜、この、騙されたという感覚ね。
ん〜、確かにそれは騙されたかもしれないけど、あたしは〜こういう風に原発政策を自民党は考えているだろうということを、安倍さんがはっきりおっしゃらなくても、感じてましたよ。
◆小出
そうですね。
◆水野
小出先生ももちろん、小出先生はもちろんですけれども、感じている人は私だけじゃなくって、あっ、自民党はたぶんこうするんだろなって、感じてたんじゃないですか〜?
◆近藤
騙されたっていうかね、あの〜、要するに優先度が下がったんですよ。
国民の意識の中で。
自民党のものの言いかたで。
も、う〜ん。
◆水野
今すぐ株上げてほしい、自分の暮らしを良くしてほしいのが、上がったっていうことですか?
◆近藤
うぅ、そっちのほうがむしろ、ううん、所謂生活者レベルの感覚のほうが上へ上がっちゃったんだよね。
そやけど本当を言うと、主権者、主権者としての感覚が一番優先されなければならない総選挙だったんだわ。
◆水野
本当はね(うん)。
そこのところ、騙された、騙されてしまう私たちっていう、ところ小出さんは、どう見てらっしゃるのか、小出先生もね、子どもの頃は、騙されたっておっしゃっていたじゃないですか(はい)。
戦後間もない時代にね、子ども時代を迎えられて、あの戦争の話と原発の話って似てるとこありませんか?
◆小出
はい、私はずうっとそう言って来ましたし、え〜、私が関わり続けてきた原子力の歴史というものを見ると、戦争のときとそっくりだなと(え〜)、思い続けてきましたし、今でもそう思います。
◆水野
どういうことでしょう?
◆小出
え〜、要するに国家という存在が、戦争をやると決める、あるいは原子力をやると決めて、え〜、体制というものが全部でそれにのめり込んで行くという、そういう流れだった(う〜ん)、だと思います。
え、戦争はもちろんそうでしたし(はい)、原子力もそうでした。
えぇ、マスコミも含めて、みんなが原子力こそ夢のエネルギーで、事故など決して起こさないというような宣伝、流れを作ってしまって、国民の多くはそれをただただ信じて、きてしまったという流れだったと思います。
でも、少なくとも、原子力に関しては、福島第一原子力発電所の事故というものが起こって、今現在進行しているのです(そうですね〜)。
え、苦しみが何も軽減されないまま、人々の苦しみが続いているわけで、せめてしっかりと目を見開いて見てくださいと私はお願いしたいと思います。
◆水野
何で私たちは騙されてしまうのでしょうか?
◆小出
今まあ近藤さんおっしゃってくださったけれども、やはり生活、日々の生活、もっと景気が良くならないかとか、そうしたものにやはりどうしても引きずられてしまうということが一番大きな要因だと思います。
◆水野
う〜ん、あの〜、戦争についても近藤さん、あれですね、こう、責任をちゃんと取れているのかと、いうことをずっと問われ続けて来た日本ですよねぇ。
◆近藤
で〜、広島、長崎を見て、そして福島を見たわけですよ。
これはまさに核と原子力の負の連鎖ですよね。
こんな国ないですよ(んん)。
ないときに選挙があったんだけど、その答えが出なかった。
◆水野
私たちは出せなかった。
◆近藤
んん、そうですね。
そこがね、辛いところです。
◆水野
はぁ〜、自民党の得票率が、ね、決して上がっているわけではないという事実がそこにあるわけですね。
え〜、小出さん。
◆小出
はい。
◆水野
この番組は来年どうなっていくのかという話をまぁ皆さんに伺っているんですが、小出さんはこの原発問題に関して、どう見ていらっしゃいますか?
◆小出
まぁ少なくとも自民党が政権を取ったわけですから、え〜、脱原発、あるいはその原子力をゼロに目指して行くという流れは、大きく変えられてしまうだろうと、私は思います。
ただし、このまま、反省のないまま、また新しい、再稼働どころじゃないんですね、自民党の場合は。
◆水野
新しく造るですから。
◆小出
そうです。再稼働なんか当たり前で、更にまた新しく造ろうということを自民党という政党は言っているわけですね。
私はそんなことを到底させたくないと思いますし、え〜、次のまた次の参議院選挙があるわけですから、え、キチッと皆さん考えていただきたいと思います。
◆水野
そうですね。
また来年7月に、私たちが問われる段階がやってくるんですね。
◆小出
そうですね。
◆水野
でも、そのとき、またこの原発の問題、隠れるかもしれませんね。
◆小出
え、また、自民党はたぶん参議院選挙までは、あまり明確に進める進めると言わない作戦に出るんだろうなと思っています。
そして、また国民が騙されて、自民党を支持してしまうようなことになれば、もうそれで終わりということになると思います。
◆水野
はぁ〜、小出さん、またん〜来年希望のある話を聞かせてください、なんて簡単に言えないんですけれど、何とか希望のある話が出来ればという風に願っております。
◆小出
はい、思います。
◆水野
はい、どうもありがとうございました。
◆小出
ありがとうございました。
◆水野
京都大学原子炉実験所助教、小出裕章さんにお話をいただきました。
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CMLより(http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-October/012162.html)。また、化石賞まで受賞したという、これもCMLの記事(http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-October/012234.html)。
「欠ける」ということは少しぐらいは内省したということ。本当かな? トイレの〝無い〟マンション、ブレーキの〝無い〟車と同じで、内省の〝無い〟国が正解かな? 海外の見る目の厳しさにさへ、気づいていない。
「日本は作業部会で、「途上国で原発を造った場合も、CDMの対象とすべきだ」と求めたという」、呆れた! 一体どんな神経をしてるんだか!! 「「国民に途方もない苦難をもたらした技術を途上国に輸出し、見返りに排出枠を得ようとしている。不適切かつ無責任で、道徳的に誤っている」と、批判」されたそうだ。恥ずかしくてしょうがない、全く・・・・・・。FUKUSIMAでの原発人災後に、「「わが国として従来言ってきたことを今回も言ったということだ」と言及」した細野豪志環境相の自覚の無さにも呆れかえるばかり。
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【http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-October/012162.html】
[CML 012300] 【茨城新聞】 「原発を考えるインタビュー 村上東海村長 極めて内省に欠ける国」
・・・・・・
2011年 10月 1日 (土) 16:54:58 JST
良い記事です。地方紙や全国紙の地方面が大手新聞よりよほどまともな報道をしています。
「-最後に、今後の日本のエネルギー政策への提言を。
エネルギー消費を減らして経済のスピードを落とし、思い切って自然エネルギーの導入に向けて政策誘導すればいい。自然エネルギーはこれまで、政府が後押しした電力会社が壁となり入り込めなかった。自然エネルギーに対する助成を、新しい技術開発に向けた投資だと思ってやったらいい。ドイツがやると言っているのに日本でできないわけがない。あとは政治家の決断だ。」
【茨城新聞】2011年10月1日(土)
原発を考えるインタビュー 村上東海村長 極めて内省に欠ける国
-2度の原子力事故を目の当たりにして思うことは。その教訓とは何か。
JCO臨界事故も慢心が招いたもので、この国はいつまでも反省しないという印象だ。利益を追求するあまり、原発推進を「国策だ」と言い続け、安全神話を作るなど、極めて内省に欠ける国だということ。JCO臨界事故の時も思ったが、今回も案の定だ。何にも学んでいない。福島第1原発事故の初期対応を見ても、何という国だと思った。
-国の原子力政策、エネルギー政策をどう見るか。震災と福島第1原発事故で見えてきた日本の電力供給の問題点とは。
日本は地震多発地帯で、1900年からの100年間でM8以上の地震回数は世界一という報告がある。そんな国に54基も原発を置いていいのか。正気の沙汰とは思えない。しかし、日本は原子力推進そのものがエネルギー政策で、自然・再生可能エネルギーの発展を封じていた面がある。原発は炭酸ガスを出さないから環境にいいと言い、放射能・放射線の問題にはふたをして、原発の後処理も後世に先送りしてきた。それはまさに、哲学なきエネルギー政策だという気がする。
-「脱原発」は可能か。日本における再生可能エネルギーの可能性は。普及を進める鍵は。
福島第1原発事故を起こした以上、日本は脱原発について真剣に考える義務がある。脱原発を追求しなければならず、できるできないはその次でいい。自然エネルギーについても、ドイツやデンマークなどは既に取り組んでおり、技術開発も進んでいる。日本でも可能性はある。日本人の勤勉さやこれまで蓄積した技術からみても可能だろう。世界最高水準になれると思う。あとは政府のやる気次第だ。
-東海第2原発の再稼働をどのように判断するか。
私は、福島のように全村避難して戻れないとか、東海村が地図上から消えていく、そういう事態にはしたくない。福島の事故で、国は避難した人たちをどう救済するのか。つまり、国がわれわれの安全を保障できるのか。そこが担保されない以上、判断はできない。
津波対策や非常用電源対策の強化だけでは十分ではない。福島第1原発事故の問題も明らかにしてもらわなければならない。ストレステストは、再稼働のための政治的方便ではないか。
それと安全規制体制をどうつくるのか。原子力安全庁の話は出ているが、さっぱり見えない。これも判断の鍵となる。(東海第2原発の再稼働は)今の時点ではまったくの白紙だ。
-最後に、今後の日本のエネルギー政策への提言を。
エネルギー消費を減らして経済のスピードを落とし、思い切って自然エネルギーの導入に向けて政策誘導すればいい。自然エネルギーはこれまで、政府が後押しした電力会社が壁となり入り込めなかった。自然エネルギーに対する助成を、新しい技術開発に向けた投資だと思ってやったらいい。ドイツがやると言っているのに日本でできないわけがない。あとは政治家の決断だ。
http://ibarakinews.jp/news/news.php?f_jun=13174534196411
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【http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-October/012234.html】
[CML 012372] 【不名誉…今年すでに3回目!日本に「化石賞」】 授賞理由「地球温暖化対策を理由に、原発を輸出しやすい仕組みづくりを求めた」、気候ネット「今年3回目の受賞。確実に世界最多」、日本政府「気にしてません」⇒少しは気にしろ!
・・・・・・
2011年 10月 5日 (水) 14:33:33 JST
「化石賞は気候変動関連の国際会議の会期中にCANが選定。一度に複数国に対し贈られることもあるが、そのすべてを日本が占めた過去もあるなど、産油国と並んで受賞が多い不名誉な常連となっている。日本の環境NGO/NPO「気候ネットワーク」では「今年3回目の受賞。確実に世界最多だと思います」としている。
共同電によると、今回、授賞理由に挙げられたのは「地球温暖化対策を理由に、原発を輸出しやすい仕組みづくりを求めた」というもの。日本は6月6~17日にドイツ・ボンで開催された作業部会でも同様の理由で2度選ばれている。
⇒「細野豪志環境相は会見で、作業部会での日本の主張について「わが国として従来言ってきたことを今回も言ったということだ」と言及。環境省の地球環境局国際連携課国際協力室は「決定基準もよく分からないので気にしてません」と話した。」
⇒少しは気にしろ!
不名誉…今年すでに3回目!日本に「化石賞」
3日、中米パナマで日本政府への「化石賞」授与を発表する環境保護団体
Photo By 共同
中米パナマで開催中の気候変動枠組み条約の特別作業部会で、各国の環境保護団体でつくる「環境行動ネットワーク(CAN)」は3日(日本時間4日)、温暖化交渉で後ろ向きな姿勢をとった国に贈る「化石賞」に日本を選んだ。授賞理由は福島第1原発事故を起こしたにもかかわらず、原発輸出を促すような主張をしたとするもの。日本の受賞は今年すでに3度目。
化石賞は気候変動関連の国際会議の会期中にCANが選定。一度に複数国に対し贈られることもあるが、そのすべてを日本が占めた過去もあるなど、産油国と並んで受賞が多い不名誉な常連となっている。日本の環境NGO/NPO「気候ネットワーク」では「今年3回目の受賞。確実に世界最多だと思います」としている。
共同電によると、今回、授賞理由に挙げられたのは「地球温暖化対策を理由に、原発を輸出しやすい仕組みづくりを求めた」というもの。日本は6月6~17日にドイツ・ボンで開催された作業部会でも同様の理由で2度選ばれている。
二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの削減目標などを規定する「京都議定書」には、先進国が発展途上国などで行った事業に伴う温室効果ガスの削減分を自国の目標達成向けにカウントできる「クリーン開発メカニズム(CDM)」という制度を定めている。原発は発電段階でCO2を排出しないが、事故の危険性や放射性廃棄物などの課題があり、現行のCDM対象からは除外されている。
日本は作業部会で、「途上国で原発を造った場合も、CDMの対象とすべきだ」と求めたという。CANは、「国民に途方もない苦難をもたらした技術を途上国に輸出し、見返りに排出枠を得ようとしている。不適切かつ無責任で、道徳的に誤っている」と、批判した。
野田佳彦首相は原発への依存度を極力下げ、輸出については事故の検証も踏まえて対応すると発言。しかし、政府は事故後も一貫して、交渉で原発推進の意見を示したことになり、首相の方針との整合性が問われそうだ。
細野豪志環境相は会見で、作業部会での日本の主張について「わが国として従来言ってきたことを今回も言ったということだ」と言及。環境省の地球環境局国際連携課国際協力室は「決定基準もよく分からないので気にしてません」と話した。
▽化石賞 気候変動に関する国際会議の会期中、CANが各国の後ろ向きな発言を検証し選ぶ不名誉な賞。基本的に毎日選ぶが、該当者なしの日もあるという。また発言内容に応じ、その日の1位、2位、3位などランク付けした形で発表されることもある。賞の名称は、CO2を排出する化石燃料との意味や、考え方が古いとの意味が込められている。
[ 2011年10月5日 06:00 ]
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2011/10/05/kiji/K20111005001758600.html
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