asahi.comの記事【死刑議論のきっかけに、関連8作品連続上映 東京・渋谷】(http://www.asahi.com/articles/ASG273RJXG27UTIL00B.html?iref=comtop_list_nat_n03)と、
福岡伸一さんによる書評【殺人犯はそこにいる―隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件 [著]清水潔】(http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2014020900003.html?iref=comtop_fbox_d2_02)。
「8人に死刑を執行した」谷垣禎一法相の言葉「日本では死刑制度は国民から支持」・・・・・・に絶望を感じる。
『●死刑制度廃止: 米追従はしないのか?』
「日本では死刑存置に8割近くの人が賛成しているそうである。
フランスでは6割の人が存置に賛成していたにもかかわらず、
死刑を廃止した。いつもはアメリカに追従することが多い
にもかかわらず、もちろん、州による対応は異なりはするが、
死刑制度廃止に関しては追従しないのはなぜ? それにしても
日本では8割の人が死刑制度存置に賛成という数字は驚きである」
『●血の通わぬ冷たい国の冷たい司法:
「奥西勝死刑囚(87)・・・・・・死刑囚の心の叫び」は届かず』
書評によると、「著者はある人物を突き止めた。ルパン三世に似た男。警察に情報を提供したが動かない。なぜか。著者は疑う。もし真犯人が逮捕されれば、過去のDNA型鑑定の誤りが明白になる。すると同じ鑑定で死刑が執行された飯塚事件はどうなるか」・・・・・・。恐ろしいことだ。
『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行』
2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
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【http://www.asahi.com/articles/ASG273RJXG27UTIL00B.html?iref=comtop_list_nat_n03】
死刑議論のきっかけに、関連8作品連続上映 東京・渋谷
2014年2月14日16時09分
死刑を題材にした国内外の映画を連続上映する「死刑映画週間」が15日、東京都渋谷区の映画館「ユーロスペース」で始まる。テーマは「国家は人を殺す」。死刑廃止を求める市民団体が「死刑制度の存廃をめぐる議論が高まれば」と企画した。21日まで。
上映されるのは、三重県名張市で5人が死亡した「名張毒ブドウ酒事件」(1961年)の奥西勝死刑囚(88)を仲代達矢さんが演じた「約束」や、韓国・ソウルの刑務所に赴任した新人刑務官の苦悩を描く「執行者」など8作品。
国内では昨年、法務省が8人に死刑を執行した。谷垣禎一法相は「日本では死刑制度は国民から支持されている」と述べている。
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【http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2014020900003.html?iref=comtop_fbox_d2_02】
殺人犯はそこにいる―隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件 [著]清水潔
[評者]福岡伸一(青山学院大学教授・生物学) [掲載]2014年02月09日
■執念に満ちた取材で闇に迫る
たいへんな問題作である。著者は桶川ストーカー事件で犯人を突き止め、警察の怠慢を暴いた記者。彼の嗅覚(きゅうかく)は栃木県足利市で1990年に起きた幼女誘拐殺人事件を巡る経緯の不自然さを捉えた。
パチンコ店から4歳の女児が連れ去られ、翌日、無残な姿で発見された。91年、市内に住む45歳の独身男性が逮捕された。本書は、著者がこの事件を調べ始めた07年から始まる。
執念に満ちた取材で、自供の矛盾点、捨て去られた目撃証言、最有力証拠だったDNA型鑑定の問題点を次々とあぶり出す。著者のナイーブなまでの正義感、過剰な自分語りがねっとりとまとわりつくが、それが却(かえ)って読む者をわしづかみにする。報道が奏功し、DNA再鑑定の道が開かれ、ついに09年、無実の罪で17年間獄中にあった男性、菅家利和氏が釈放される。
ならば真犯人は? 本書の核心はここにある。実は菅家氏逮捕後、類似の事件が隣市で起きていた。著者はある人物を突き止めた。ルパン三世に似た男。警察に情報を提供したが動かない。なぜか。著者は疑う。もし真犯人が逮捕されれば、過去のDNA型鑑定の誤りが明白になる。すると同じ鑑定で死刑が執行された飯塚事件はどうなるか(警察は「犯人のDNA」は鑑定で全量消費されてしまったと言う。本当か。DNAは簡単に増幅できる。試料を全量使うことと半量使うことの間に質的な差は出ない。慎重な研究者なら原試料の一部を保存しているはずだ)。著者の推測通りなら、司法の威信が根幹から揺らぐ。隠蔽(いんぺい)された闇は限りなく深い。
ただ本書には重大な欠陥がある。どうやってルパンを特定できたのか。機微なことが一切書かれていない。ひょっとしてそれは欠陥ではなく意図的? そうか、著者は全く諦めていないのだ。最強のカードを切る瞬間を計っているのだ。これから何かが始まる。そんな予感がする。
◇
新潮社・1680円/しみず・きよし 58年生まれ。日本テレビ報道局記者・解説委員。『遺言』など。
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