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●足利事件と飯塚事件と、そして「国家は人を殺す」: 谷垣禎一法相「死刑制度は国民から支持」

2014年02月18日 00時00分31秒 | Weblog


asahi.comの記事【死刑議論のきっかけに、関連8作品連続上映 東京・渋谷】(http://www.asahi.com/articles/ASG273RJXG27UTIL00B.html?iref=comtop_list_nat_n03)と、
福岡伸一さんによる書評【殺人犯はそこにいる―隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件 [著]清水潔】(http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2014020900003.html?iref=comtop_fbox_d2_02)。

 「8人に死刑を執行した」谷垣禎一法相の言葉「日本では死刑制度は国民から支持」・・・・・・に絶望を感じる。

   『●死刑制度廃止: 米追従はしないのか?
  
    「日本では死刑存置に8割近くの人が賛成しているそうである。
     フランスでは6割の人が存置に賛成していたにもかかわらず、
     死刑を廃止した。いつもはアメリカに追従することが多い
     にもかかわらず、もちろん、州による対応は異なりはするが、
     死刑制度廃止に関しては追従しないのはなぜ? それにしても
     日本では8割の人が死刑制度存置に賛成という数字は驚きである

   『●血の通わぬ冷たい国の冷たい司法:
                  「奥西勝死刑囚(87)・・・・・・死刑囚の心の叫び」は届かず

 書評によると、「著者はある人物を突き止めた。ルパン三世に似た男。警察に情報を提供したが動かない。なぜか。著者は疑う。もし真犯人が逮捕されれば、過去のDNA型鑑定の誤りが明白になる。すると同じ鑑定で死刑が執行された飯塚事件はどうなるか」・・・・・・。恐ろしいことだ。

   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
                        飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行
  
      2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
      2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
      2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず

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http://www.asahi.com/articles/ASG273RJXG27UTIL00B.html?iref=comtop_list_nat_n03

死刑議論のきっかけに、関連8作品連続上映 東京・渋谷
2014年2月14日16時09分

 死刑を題材にした国内外の映画を連続上映する「死刑映画週間」が15日、東京都渋谷区の映画館「ユーロスペース」で始まる。テーマは「国家は人を殺す」。死刑廃止を求める市民団体が「死刑制度の存廃をめぐる議論が高まれば」と企画した。21日まで。

 上映されるのは、三重県名張市で5人が死亡した「名張毒ブドウ酒事件」(1961年)の奥西勝死刑囚(88)を仲代達矢さんが演じた「約束」や、韓国・ソウルの刑務所に赴任した新人刑務官の苦悩を描く「執行者」など8作品。

 国内では昨年、法務省が8人に死刑を執行した。谷垣禎一法相は「日本では死刑制度は国民から支持されている」と述べている。
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http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2014020900003.html?iref=comtop_fbox_d2_02

殺人犯はそこにいる―隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件 [著]清水潔
[評者]福岡伸一(青山学院大学教授・生物学)  [掲載]2014年02月09日

■執念に満ちた取材で闇に迫る

 たいへんな問題作である。著者は桶川ストーカー事件で犯人を突き止め、警察の怠慢を暴いた記者。彼の嗅覚(きゅうかく)は栃木県足利市で1990年に起きた幼女誘拐殺人事件を巡る経緯の不自然さを捉えた。
 パチンコ店から4歳の女児が連れ去られ、翌日、無残な姿で発見された。91年、市内に住む45歳の独身男性が逮捕された。本書は、著者がこの事件を調べ始めた07年から始まる。
 執念に満ちた取材で、自供の矛盾点、捨て去られた目撃証言、最有力証拠だったDNA型鑑定の問題点を次々とあぶり出す。著者のナイーブなまでの正義感、過剰な自分語りがねっとりとまとわりつくが、それが却(かえ)って読む者をわしづかみにする。報道が奏功し、DNA再鑑定の道が開かれ、ついに09年、無実の罪で17年間獄中にあった男性、菅家利和氏が釈放される。
 ならば真犯人は? 本書の核心はここにある。実は菅家氏逮捕後、類似の事件が隣市で起きていた。著者はある人物を突き止めた。ルパン三世に似た男。警察に情報を提供したが動かない。なぜか。著者は疑う。もし真犯人が逮捕されれば、過去のDNA型鑑定の誤りが明白になる。すると同じ鑑定で死刑が執行された飯塚事件はどうなるか(警察は「犯人のDNA」は鑑定で全量消費されてしまったと言う。本当か。DNAは簡単に増幅できる。試料を全量使うことと半量使うことの間に質的な差は出ない慎重な研究者なら原試料の一部を保存しているはずだ)。著者の推測通りなら、司法の威信が根幹から揺らぐ隠蔽(いんぺい)された闇は限りなく深い
 ただ本書には重大な欠陥がある。どうやってルパンを特定できたのか。機微なことが一切書かれていない。ひょっとしてそれは欠陥ではなく意図的? そうか、著者は全く諦めていないのだ。最強のカードを切る瞬間を計っているのだ。これから何かが始まる。そんな予感がする。

    ◇

 新潮社・1680円/しみず・きよし 58年生まれ。日本テレビ報道局記者・解説委員。『遺言』など。
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