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新型肺炎も…国会は何をしているのか? 野党の「いつもの追及劇」にシラける国民

2020-02-15 14:38:08 | 意見発表

【ニュースの核心】新型肺炎も…国会は何をしているのか? 野党の「いつもの追及劇」にシラける国民 

<time datetime="2020-02-15">2020.2.15zakzak</time>
  • 北村氏
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中国発の新型肺炎に対する懸念が高まる一方だ。私は新幹線や飛行機に乗る機会が多いが、マスク姿の人が目立って増えてきたように思う。

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 都心では、マスクがなかなか買えない。そこで先週、佐賀県に出かけたついでに、「こちらなら買えるかも」と期待して、地元の人に聞いてみたら「朝、20分くらいで売り切れですよ」という。

 感染者、ないし感染疑いのある人の数は増える一方なので、当分、あれこれと心配な状態が続くだろう。

 それなのに、国会は何をしているのか。野党は相変わらず、首相主催の「桜を見る会」問題で政府を追及している。先週から攻撃の矢面になったのは、北村誠吾地方創生相(公文書管理担当)である。

 野党が、内閣府の提出した会の推薦者名簿が一部、白塗り状態になっていた点をとらえて違法性をただすと、北村氏は答弁がしどろもどろになり、最後は「刑法上の改竄(かいざん)ではない」と答えた。

 すると、野党側は「刑法上の判断をする担当大臣か」などと攻め立て、先週末は野党議員が一斉に退席して、衆院予算委員会がそのまま散会する事態になった。

 野党の質問に、上手に答えられない大臣も大臣とは思う。北村氏は地方創生に絡んで、AI(人工知能)やビッグデータを活用したスーパーシティ構想について聞いた記者の質問にも、満足に答えられなかったようだ。勉強不足と指摘されても、やむをえない。

 ただ、野党も野党だ。

 質問で大臣を立ち往生させるのはいいとしても、勝手に国会を退席してしまうのは、どうか。国会議員は質問するために歳費をもらっているのを忘れてもらっては困る。

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  •  

 そもそも、野党は政府与党との戦い方を根本的に勘違いしてはいないか。

 大臣を立ち往生させた時点で「勝った」と思い込んでいるのだ。だから「追及はおしまいで退席」という発想になる。だが、席を立ってしまったら、国民には審議放棄に見える。粘っていれば、真剣に見えるのに、これでは下手な三文芝居にすぎない。

 野党自身が「いつもの追及劇」を演じているくらいにしか思っていない。国民がシラケるのも当然である。

 かと思えば、国民民主党の小沢一郎衆院議員は9日、主催する政治塾に共産党の志位和夫委員長を招いて講演させた。志位氏は共産党を含む野党連合構想に野党が参加するよう訴えた。

 小沢氏は次の衆院選で、共産党を含めた野党共闘を実現させたい考えなのだ。確かに、小選挙区で一定の支持票がある共産党が加わらなければ、他の野党が一緒になっても、与党を脅かす大きな勢力にはならない。

 だからといって、自衛隊や日米安全保障条約に対する意見の違いはどうするのか。共産党は野党連合構想に党の主張を持ち込まない姿勢だが、それでは、仮に政権を握ったとしても、野党はそこを徹底追及するだろう。

 小沢氏は、大臣の立ち往生対策をいまから考えておくべきではないか。

 ■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務める。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。最新刊に『明日の日本を予測する技術』(講談社+α新書)がある。