衆院選は「自民・公明」「希望の党・日本維新の会」「立憲民主党・共産・社民」の三つどもえの構図だ。
政治学者木下ちがやさんに「ポピュリズムという言葉を鍵に読み解いてもらった。(黄澈)

 ポピュリズムには、カリスマ政治家が大衆迎合的に市民を扇動するイメージがあるが、素直に訳すと「民衆主義」。「民衆の立場から既成政治の変革を目指す運動」ともいえる。

 トランプ米大統領、フランスの右翼・国民戦線のルペン党首らの政治手法が政治家主導の「垂直的ポピュリズム」なら、

安保法制に反対する大規模集会が繰り返された現象は市民が動く「水平的ポピュリズム」だ。

 7月の東京都議選では、この二つのポピュリズムが結果に大きく影響した。

 森友・加計問題などで安倍政権の支持率が急落。報道も過熱し、劇場的空間が整った。この中で小池百合子都知事の「小池人気」に乗った「都民ファーストの会」が安倍政権に嫌気がさした無党派層を吸収した。

 水平的ポピュリズムが働いたのは選挙戦最終日の秋葉原SNSを介して自発的に集まった人々が「安倍やめろ」の声をあげ、首相が「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と応酬してしまった

 結果は自民の歴史的大敗。縦と横の二つのポピュリズムに挟撃された。

 次期衆院選も、自公に対し、小…」以下略