あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

没一年 ダニエル・シュミット監督

2007-08-13 15:51:22 | 映画
ダニエル・シュミット監督の映画を全てみているわけではないが、

「今宵限りは・・・」
「ラ・パロマ」
「ヘカテ」

などを見ていた。
なんという耽美的な世界、オペラの世界、ヨーロッパの貴族的な空気、退廃の時代を彷彿とさせる豪華な画面、流れる音楽の色っぽさに強く憧れたものだった。
そして、私のヨーロッパへの憧れもその時がピークだったように思う。
同時期に「ディーバ」というこれもまた美しい映像美の映画もあった。
これは、六本木のシネヴィバンがあった頃だったと思う。

怖いほどの宗教と芸術の繋がり、人々の物作りへの誇り、
男と女の揺るぎない関係の肯定。ボディに対する尊敬、愛情。
それらを語り継ぐ物語。

麻薬にも近い、陶酔の世界。

陶酔はまた、覚醒剤で、その振り子が振れると、
反対に暗闇に引き込まれる。
その暗闇がまた、エロティックなのだ。

媚薬の香漂う、怪しいまでの夢物語。

そんな世界を見せてくれた、古典を今に生きる監督だったように思う。

今一度、あの匂い立つ耽美な世界を見直したくなった。
映画から離れて、しばらく経つし、
そろそろ見ていない映画を見ておかなければと思う。
やることは沢山あるのに、なかなか進まないのが現状で、
気の向くまま、時の来るのを待ちましょう。
シュミット監督のご冥福を改めて祈ります。 

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