今年に入って初入館してきた根津美術館。
ほとけさまの教えを請うために、などという高尚な気持ちは持ち合わせていないのですが、
会場に入ると、美術館というより、
重厚なお寺の宝物館に入ったような気持ちとなりました。
「ほとけの教え、とこしえに。」というタイトルの企画展が
3月31日まで開催中です。
日本美術の上質な作品を鑑賞したいと望むならば、
根津美術館はいつもハイレベルな優品を揃えてくれます。
今回の展覧では根津美術館所蔵の
「絵過去現在因果経」になごみながら、
他、多種多様な曼荼羅図を拝観します。
特筆すべきは常盤山文庫所蔵の宝物の
「山越阿弥陀仏」
神々しくも大きなお姿に身を引いて拝んでしまいました。
また、「釈迦三尊十六羅漢像」の怪しきお姿も19幅並ぶと壮観でした。
増上寺の狩野一信の五百羅漢をみてきた後でしたから、
羅漢様達の異形ぶりに改めて敬意をささげました。
それにもまして、根津美術館蔵の
「兜卒天曼荼羅」には驚かされました。
大きさにもおどろくのですが、画面全体にきりかねが施されていて光り輝き、
飛天が優雅に舞い、夢のような世界観に圧倒され、
しばし時を忘れてみとれました。
同時に2階では旧竹田宮家のおひな様がずらり。
三井記念美術館でもおひな様が並びましたが、
こちらも品格のある良いお顔と姫道具の小さな豆つぶの調度品が
完成度高くこしらえている職人さん達もきっとにこにこ作っていたんではないかと
思いました。
お茶の部屋は「春情の茶の湯」
銘 ハッサイを持つ、道入の赤楽茶碗が目を引きます。
どことなくひなびた春の陽ののどかさが感じられるものでした。
気持ちよく拝見した後、久しぶりに庭園も歩いてきました。
画像をご紹介します。
所々手を入れ、整備されてきた庭園ですが、あんまり整いすぎない程度の
良さも残っていて、そこが嬉しいところです。
次回はゴールデンウィーク恒例、かきつばたシーズンがやってきます。
その前に、この世の人々は花見をしませんと。