あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

今週見た展覧会 

2008-07-02 22:42:21 | アート鑑賞記録
火曜日、上野界隈はぐっと緑が濃くなり、木々の葉がわさわさと茂っていた。
バカボンドの120分待ちの行列に驚きながら、
西洋美術館に向かった。

久しぶりの西洋美術館。
かのルーブルからお出ましになったコローの名画が
国内初めての展覧となるのだそうだ。
近ごろ、洋画にどうも気が乗ってこない。
ファンの方には申し訳ないけれど、
事実、乗ってこないものはどうしようもない。

そうはいっても10年をかけてこの展覧に尽力した
というお話もあったのだから、
敬意を表さなければ。
実際、光とそのものの実質を捉える超技術に
驚きを感じた。
モーツァルトを聴くような、優雅な空気が充満していた。

あぁ、それにしても感想をまとめる力がない。

その後、東博の「フランスが夢見た日本」を
ステキな建物、表慶館で見た。
この建物が大好きだ。

展覧は1階だけで、
以前鍋島・仁清をやった時よりずっと小規模なもの。
オルセー美術館のコレクションから、
ルソー・ランベールセットが
元絵の北斎や、広重、暁斎の図と一緒に展示されて、
わかりやすい。
さぞこれらの巨匠の絵力に見惚れたのだろうと思った。
日本の版画が悲しいぐらい引き立ってしまっていた。

お皿そのものの出来も甘いし、
憧れて写したことは微笑ましかったけれど、
テーブルコーディネイトは、さらによくわからなかった。
本館に立派なやきもや、浮世絵があるから、
割合とあっさり見て、本館に移動した。
これで、1000円はチト厳しくないかなぁ?
私はパスポートがあるし、
一緒に行った友人はチケットを頂いていたので、
とても有り難かったけれど。
暁斎の「暁斎楽画」格好良すぎでした!
さすが!!

東博って、本当に毎度毎度驚くものを見せてくれる。

仏像、刀剣、やきもの、漆器、絵画、仏教美術、
茶器、甲冑、浮世絵、工芸、着物、根付け 簪・・・・・

今回もめくるめく逸品に出会った。
浮世絵では、
歌麿の花火の他、北斎の「百物語」
祇園井特の「京美人夏化粧図」「婦女と幽霊図」
と出会えたのが嬉しい。
特筆は、国芳の
「百物語・化物屋敷の図 林家正蔵工夫の怪談」!
怪しげなるお化けの展覧会。
夏が来たのだ。
工芸コーナーには、
柴田是真の漆絵画帖を見ることができた。

それから、国際子ども図書館から、寛永寺を散歩して、
上野を後にした。

そして今日、金曜日。
ギンギンに暑くなってしまった東京。
あぢ~!かったです。
でも頑張って
東京都現代美術館、大岩オスカール「夢見る世界」
「屋上庭園」を見に行ってきました。

オスカールは期待以上、とっても楽しめた。
最初からずっと私の顔はゆるみっぱなし。
現美のサイトに楽しい絵が紹介されているので、
ぜひ。
絵のサイズが大きいので、それがまた功を奏して、
パノラマ、シネラマ状態。
独特な俯瞰と、浮遊感と、霧、ミスト、湿気のある空気
よくよく見ないと隠れた物を見過ごしてしまいそうで、
それがまた楽しい。
精神が健全で、繊細で、時空と地球の事件を深く描いている。
意外とメッセージ力もあったりして。
7月6日、日曜日までです。

「屋上庭園」は、
先日一人で盛り上がった「誌上のユートピア」を見た後で良かったと
しみじみ実感。
河野道勢のダ・ヴンチのような茶色のぺん画。
「月吠」「誌と版画」などに掲載された
版画の紹介。
この辺りが一番の見所で、
後の繋がりがよくわからない。
それでも、ステキな版画を見ることができたので、
満足。

常設展がお休みで、残念だったけれど、
その代わり、
26日から始まる常設展覧のチケットを頂いた。
また、来ましょう。

バタバタしている割には楽しいアート鑑賞をしているのでした。

来週は対決が始まります。
他に、渋谷ツアーを考えています。
夏休みに入る前に、ガッツリ鑑賞に励みたいところです。
また、東博のデジカメツアーも
やりたいと思っているところ。

源氏、ゆるゆる進行中。
様々な本を並べて、同時進行という変な読み方しています。

暑くなりました。
皆様体調管理、ご自愛下さいませ~

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6 コメント

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Unknown (oki)
2008-07-06 11:46:49
「フランスが夢見たー」、僕は幸野媒嶺という人を初めて知りました。
まあ千円ですが、平常展も観られるわけで、平常展プラス四百円と考えましよう。
大岩オスカール、皮肉が効いてますね、「ガーデニング」とは!
僕はこれから損保ジャパンです。
返信する
Unknown (遊行七恵)
2008-07-06 17:18:49
こんにちは
東博、作品の入れ替えが始まりましたか。
次は8月に出かけるので、今の浮世絵など見れるかしら・・・
ぎをん・せいとく、大好きです。あの「せいとく」のサインが可愛いです。

フランスが夢見た日本、Takさんの記事を見てから、ガレとジャポニズムを天保山のサントリーまで再度見に行きまして、フムフムでした。

しかし特別展は全て千円以上と言うのが、イタイですね。
返信する
oki さま (あべまつ)
2008-07-06 22:25:47
こんばんは。
これを書いてから、
そうか、常設に行かれるから、400円か。と思ったところでした。
こちらが気合い入らないので、記事もいい加減で、申し訳ない気もしてますが、ご勘弁を。
オスカールで、すっかり元気を取り戻したのでした。熱中症対策怠りませんように。
返信する
遊行 さま (あべまつ)
2008-07-06 23:02:21
こんばんは。
7月1日に入れ替えあったようです。
今の浮世絵は多分今月末で入れ替わるのでは?せいとくが、3枚ど~んとあったので、
驚きました。東博いい物持ってるジャン!と。

「対決」と、「フランスが夢」はセット価格があるようです。どこも千円以上が当たり前になってきましたね。
大阪も凄いけれど東京の8月も暑いですよ~。
遊行さんは夏がお強いから大丈夫かしらん。
夏休み中なので、自由度に限りありますが、
ご一緒できれば嬉しいです。
返信する
渋谷ツアー (菊花)
2008-07-07 19:14:19
旧朝倉家住宅(代官山)
http://www.city.shibuya.tokyo.jp/est/asakura.html
ご存知ですか?
私、渋谷・代官山・中目黒あたりは
ウロウロしているくせに、最近その存在を知りました。
平日6時まで開館(入館は5時半)なのを幸い、
会社を5時に飛び出して、5時半直前に朝倉家に飛び込みました。
こういうのが「邸宅」なのね、とうっとりでした。
返信する
菊花 さま (あべまつ)
2008-07-07 23:05:29
こんばんは。
旧朝倉家、知らなかったです!
明日は民芸館から、駒場公園までの予定ですが、必ず代官山、行きます!
建築は芸術を納める大切な箱、なのですもの。

しばらく代官山行ってなかったなぁ。
おいしい情報、ありがとうございます!
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