あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

秋冬山水図 雪舟 ・ 東京国立博物館 国宝室

2008-01-25 11:17:10 | 日本美術
この雪舟という人に、なんとはなしに憧れている。
中国にわたり、当時最高の技術を身に付けるため、精進した。
晴れて帰国してもなお、僧侶としての存在もさることながら、
禅宗の理想を追い求めて、
閑居しながらも、禅門をするかのように墨絵を描き続けていた。
相国寺には帰りたくなかったのだ。

というのは、私の妄想だが、
狩野派の武門に受ける絵師達のお手本にもなる、
あの野太い、岩のカクカクした線、無意味にさえ見える墨の点々。
それでも漂う空気感が溢れる。

その後、長谷川等伯が雪舟の後を継ぐような事を始め、
墨絵の継承が国宝室で確かめることができた。

牧谿のような、俯瞰する、たなびくぼやっとした元祖朦朧体表現にも
驚くけれど、
墨に七色ありとこの雪舟で知る。
レオナルド・ダ・ヴィンチがモナリザの背景に書き込んだ
景色にも通じる。
限られた画面に思いっきりの奥行き。

でも、なんだか、この秋冬山水図からは、
夢のようなありえない理想郷が見えてくる。
雪舟はここに何を見たのだろう?

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