2011年、厳しい一年が終わろうとしています。
様々なことが起きて、様々なことが降りかかってきました。
3,11 の傷跡は今もなお人々の心に重たくのしかかったままだと思います。
それでも、こうしてアート鑑賞の感想を連ねることに
なんともいえないしあわせと感謝を感じます。
いつもの年とは違って、
深い思いと共に胸に刻まれることを願っています。
ランキングに際して実に悩ましい位置づけですが、
やっぱりこれは譲れない、というぎりぎりのところでこうなりました。
10 メタボリズム 森美術館
昭和の熱狂と、建築の熱い関係。
大阪万博を遠くに思う、ベラボーな時代。
よくぞここまでの展示をしてくれたことだと。
夢と妄想と実現の端境にあって
地球という自然と共存する建築の難しさを
今年は特に感じた。
東北大震災経験した後に
夢の都市とはなにか?
トランス状態にも近い、うなされた時代があったことを
薄ら寒く思った。
新陳代謝を強いるのは、文明か、時間か、自然か?
9 浅川伯教・巧兄弟の心と眼 千葉美
常日頃、朝鮮工芸を憧れている私にとって、垂涎の展覧だった。
浅川兄弟の研究を膨大な資料と共に集約。
民芸運動の柳宗悦に朝鮮工芸美を伝えたのは彼らだった。
兄弟死語は、柳宗悦がその研究を引き継ぐように
白樺派へも影響を与えてきた。
その柳宗悦の子息柳宗理氏がつい先日逝去された。
朝鮮に住み、情熱を傾けて美術品を収集し研究してきた。
大阪東洋陶磁にも収蔵されていてる名品も登場。
8 イケムラレイコ展 近代美
近代美術館がとても温かなぬくもりに満ちた展示に。
彼女の作りたいもの、描きたいものが
ぶれなく詩的に表現されていた。
ふっきれた優しさと肌にフィットする作品群。
彼女の言葉の魅力も忘れがたい。
7 名物刀剣 根津美
内覧の時の突然の豪雨、雷鳴轟く中、
庭園のあきれるほどの雨の景色に圧倒されたことと、
名刀の薄ら寒くなるほどの煌めきとが
一つとなって、とても印象深い展覧となった。
照明が刀の不滅な底力を、威厳ある姿を、物静かに照らしていた。
6 森と芸術 庭園美
今はリニューアルのために休館となってしまったが、
毎回あの朝香邸の建築とのコラボが楽しみな美術館。
巌谷國士氏の監修の元、ここが選ばれたことが
おおいに納得できる、澁澤龍彦ファンならずとも
森の深みと森の向こうに連れて行かれる
不思議なファンタジーを体感できる展覧だった。
図録もとても充実なうれしい作品となった。
5 野見山暁治展 ブリジストン美
今回初めて野見山氏の通史的個展を拝見した。
今もなお現役でご活躍の90歳を越えた氏は
震災後の作品も展示。
描くことの自由を得るための
なんというすさまじい戦いをされてきたかと
ただ魅力ある色の抽象に圧倒されたのだった。
ブリジストン美学芸の中村さんのギャラリートークも
秀逸だった。
4 シュルレアリスム展 国立新美
この展覧が遙か遠い日にあったように思う。
あのシュールな世界が絵画においての
新しい表現としてエネルギッシュに展開されてきた。
無意識の美を見つける運動。
常識を安定とすることへの不安と幻滅と新しい事への挑戦。
そんな時代を眩しく憧れの眼で見つめた。
3 生誕250年記念展 酒井抱一と江戸琳派の全貌 千葉美
今年の千葉美は圧倒的に素晴らしかった。
そのなかでも抱一率いる江戸琳派の展覧は
その作品群と資料の量に圧倒された。
姫路城で見たことがある酒井家のお家柄も
おぼっちゃまは何をなさっても品が落ちないのだと
得心し、鈴木其一達の後継者にもますます
魅力を感じてきたのだった。
2 不滅のシンボル 鳳凰と獅子 サントリー美
不滅なのは何故かというところをずらり
名品を鑑賞して深く納得した。
この世にない霊獣をおめでたいシンボルとして
身近に置いて愛でてきた。
若冲、永徳らの屏風の迫力に大満足した。
サントリー美開館50周年記念の一年、
他にも名だたる名宝に毎回ワクワクさせてもらった。
1 五百羅漢 増上寺の秘宝 江戸博
結局、この五百羅漢を今年の顔として選んだ。
一信への脚光と絵の魔術と、
その偉業をたたえたい。
五百羅漢ナビの山下先生トークも拝聴したし、
つい先月には増上寺の羅漢様を拝むこともでき、
今年ならではの体験をさせてもらった。
法然上人記念事業ではあったが、
この震災、原発災害の年に心強く
後光も怪しくきらめき、守護してくださっていると信じたい。
他にも素敵な魅力あふれる展覧が沢山あったのだが、
今夜はあえて、10に絞ってのアップ。
時間を作ってギャラリーの展覧なども上げていきたいと思う。
震災後、アートサークルというグループで、図録を義援金に、という
うれしい企画にも参加できたし、
年末にかけては色んな事を企画する案にも加わったり、
何かをする、「場」の重要なことも感じているので、
来年は何か、小さくともその「場」を求めて動いてみたいと思っている。
ブログアップもままならず、まめなことができないことが多く
おおいに反省しているけれども、
自分のできることも限りがあるので、
自分のできること、自分のペースを大事にしながら、
アートへの気持ちだけはいつもワクワクしていたいと思います。
今年一年、おつきあいに深謝、感謝申し上げます。
様々なことが起きて、様々なことが降りかかってきました。
3,11 の傷跡は今もなお人々の心に重たくのしかかったままだと思います。
それでも、こうしてアート鑑賞の感想を連ねることに
なんともいえないしあわせと感謝を感じます。
いつもの年とは違って、
深い思いと共に胸に刻まれることを願っています。
ランキングに際して実に悩ましい位置づけですが、
やっぱりこれは譲れない、というぎりぎりのところでこうなりました。
10 メタボリズム 森美術館
昭和の熱狂と、建築の熱い関係。
大阪万博を遠くに思う、ベラボーな時代。
よくぞここまでの展示をしてくれたことだと。
夢と妄想と実現の端境にあって
地球という自然と共存する建築の難しさを
今年は特に感じた。
東北大震災経験した後に
夢の都市とはなにか?
トランス状態にも近い、うなされた時代があったことを
薄ら寒く思った。
新陳代謝を強いるのは、文明か、時間か、自然か?
9 浅川伯教・巧兄弟の心と眼 千葉美
常日頃、朝鮮工芸を憧れている私にとって、垂涎の展覧だった。
浅川兄弟の研究を膨大な資料と共に集約。
民芸運動の柳宗悦に朝鮮工芸美を伝えたのは彼らだった。
兄弟死語は、柳宗悦がその研究を引き継ぐように
白樺派へも影響を与えてきた。
その柳宗悦の子息柳宗理氏がつい先日逝去された。
朝鮮に住み、情熱を傾けて美術品を収集し研究してきた。
大阪東洋陶磁にも収蔵されていてる名品も登場。
8 イケムラレイコ展 近代美
近代美術館がとても温かなぬくもりに満ちた展示に。
彼女の作りたいもの、描きたいものが
ぶれなく詩的に表現されていた。
ふっきれた優しさと肌にフィットする作品群。
彼女の言葉の魅力も忘れがたい。
7 名物刀剣 根津美
内覧の時の突然の豪雨、雷鳴轟く中、
庭園のあきれるほどの雨の景色に圧倒されたことと、
名刀の薄ら寒くなるほどの煌めきとが
一つとなって、とても印象深い展覧となった。
照明が刀の不滅な底力を、威厳ある姿を、物静かに照らしていた。
6 森と芸術 庭園美
今はリニューアルのために休館となってしまったが、
毎回あの朝香邸の建築とのコラボが楽しみな美術館。
巌谷國士氏の監修の元、ここが選ばれたことが
おおいに納得できる、澁澤龍彦ファンならずとも
森の深みと森の向こうに連れて行かれる
不思議なファンタジーを体感できる展覧だった。
図録もとても充実なうれしい作品となった。
5 野見山暁治展 ブリジストン美
今回初めて野見山氏の通史的個展を拝見した。
今もなお現役でご活躍の90歳を越えた氏は
震災後の作品も展示。
描くことの自由を得るための
なんというすさまじい戦いをされてきたかと
ただ魅力ある色の抽象に圧倒されたのだった。
ブリジストン美学芸の中村さんのギャラリートークも
秀逸だった。
4 シュルレアリスム展 国立新美
この展覧が遙か遠い日にあったように思う。
あのシュールな世界が絵画においての
新しい表現としてエネルギッシュに展開されてきた。
無意識の美を見つける運動。
常識を安定とすることへの不安と幻滅と新しい事への挑戦。
そんな時代を眩しく憧れの眼で見つめた。
3 生誕250年記念展 酒井抱一と江戸琳派の全貌 千葉美
今年の千葉美は圧倒的に素晴らしかった。
そのなかでも抱一率いる江戸琳派の展覧は
その作品群と資料の量に圧倒された。
姫路城で見たことがある酒井家のお家柄も
おぼっちゃまは何をなさっても品が落ちないのだと
得心し、鈴木其一達の後継者にもますます
魅力を感じてきたのだった。
2 不滅のシンボル 鳳凰と獅子 サントリー美
不滅なのは何故かというところをずらり
名品を鑑賞して深く納得した。
この世にない霊獣をおめでたいシンボルとして
身近に置いて愛でてきた。
若冲、永徳らの屏風の迫力に大満足した。
サントリー美開館50周年記念の一年、
他にも名だたる名宝に毎回ワクワクさせてもらった。
1 五百羅漢 増上寺の秘宝 江戸博
結局、この五百羅漢を今年の顔として選んだ。
一信への脚光と絵の魔術と、
その偉業をたたえたい。
五百羅漢ナビの山下先生トークも拝聴したし、
つい先月には増上寺の羅漢様を拝むこともでき、
今年ならではの体験をさせてもらった。
法然上人記念事業ではあったが、
この震災、原発災害の年に心強く
後光も怪しくきらめき、守護してくださっていると信じたい。
他にも素敵な魅力あふれる展覧が沢山あったのだが、
今夜はあえて、10に絞ってのアップ。
時間を作ってギャラリーの展覧なども上げていきたいと思う。
震災後、アートサークルというグループで、図録を義援金に、という
うれしい企画にも参加できたし、
年末にかけては色んな事を企画する案にも加わったり、
何かをする、「場」の重要なことも感じているので、
来年は何か、小さくともその「場」を求めて動いてみたいと思っている。
ブログアップもままならず、まめなことができないことが多く
おおいに反省しているけれども、
自分のできることも限りがあるので、
自分のできること、自分のペースを大事にしながら、
アートへの気持ちだけはいつもワクワクしていたいと思います。
今年一年、おつきあいに深謝、感謝申し上げます。
どちらかというと苦手な私ですが
五百羅漢とメタボリズムには圧倒されました。
五百羅漢のなかに天災の幅があったこと
何時の世にも変わらぬ自然の脅威を感じましたね。
名物刀剣は確かにあの日の状況を思い出しますね。
刀から発せられる、小さな雷光とも言うべき妖しい白い光にノックアウトでした。
本年もお世話になりました。来年も宜しくお願いします!
本当に、去年は量に圧倒され感の多い展覧だったように思います。震災後の展覧が実にありがたかったのも印象的でした。
今年もよろしくおつきあいお願い致します。
天災の荒ぶる姿に一信も畏怖したことだと思う画像もあって、
自然界こそが神の業と思えば、
なんとなく腑に落ちるのが日本人的な気が致しました。
もの、素材への思いの深さに敬意をもって
また工芸の美しさと出会いたいものです。
こちらこそ、今年もよろしくお願い致します。
はろるどさんの心配りあるブログには
いつも感心感服しております!