あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

マウリッツハイス美術館展 ・東京都美術館

2012-07-04 17:16:42 | 海外美術
 今、一体何人の分身された「真珠の耳飾りの少女」が日本を魅了していることでしょう?
 それほど日本で愛されるフェルメールの少女が上野に二人来ています。
 一人は国立西洋美術館で開催中の「ベルリン」展に「真珠の首飾りの少女」が。

 もう一人「真珠の耳飾りの少女」が東京美術館のリニューオープンこけら落としに。

 マウリッツハイス美術館の改修に合わせての来日展。
 
 ありがたい事に9日の月曜日に特別開館の情報に助けられて
 待ち時間0分の看板も有り難く、2時過ぎに入館。




 都美の外観全体の姿は変化無かったが、
 階段で動くことがなく、エスカレーターが完備された。
 都美の企画展はいつも狭い階段で振り回され、狭いエレベーターで降りる
 そういう印象が強かったが、一挙に解決され、
 広々としたゆったり感が生まれた。

 小さな冊子になった作品リストをもらって、中に入った。

 まずはマウリッツハイス氏の堂々とした胸像で出迎えを受ける。
 ここはB1
 マウリッツハイス美術館のイントロ。
 17世紀にオランダ総督オラニエ公の傍系ヨーハン・マウリッツが
 オランダ・バーグの中心地に建てた「マウリッツ邸」
 1822年美術館として開館。800展の所蔵だが、上質の作品群で
 「絵画の宝石」と呼ばれているとか。
  17世紀の至極の絵画を日本に居ながらにして鑑賞できるという
  有り難いチャンス。
 胸像の後には関係者のオラニエ公、ヴィルヘルミナ妃の肖像、
 ラストに「レンブラントの間」という絵。
 画題から彼がどれだけ重用されていたか、を知る。
 その奥に風景画、歴史画のコーナー
 何気なくルーベンスや、レンブラント、フェルメールが並ぶ。
 「四季の精から贈り物を受け取るケレスと、
  それを取り巻く果実の花輪」
 密集した濃密な喜びの凝縮はフリューゲル(父)とファン・バーレンの作。
 濃厚、香煙の香りが咽せてくるようでもある。
 そこからいよいよな気配に包まれ
 1階へエスカレーターで導かれる。
 
 上がったところにお待たせの「真珠の耳飾りの少女」特設コーナー。
 この名画を目当てに大勢が鑑賞するという配慮からの
 列は辛いが致し方無い処置だが、
 私は列に参加せず、横から失礼した。
 確かに、本物、じっくり拝見。

 次が圧巻の肖像画コーナー
 レンブラントの肖像画が壁一面にずらりは垂涎だった。
 小品ではあるが「笑う男」の存在が目をとらえた。
 去年、西洋美術館でレンブラント展があり、
 その時は版画が主流であったが、あのモノクロの世界にも
 光の神々しさにため息を漏らしたこと、和紙の使い方にも
 驚いたことを思い出す。
 17世紀の美術界で彼の光の描写はどれだけの影響があったのかしれない。
 人生においても光と闇を生き、絵に命を捧げた彼の
 切なさは「笑う男」にさえも滲んでいるように見えた。

 続きはエスカレーター階上の2階。
 静物画はどれも見所満載でどの作品も楽しい。
 ろうそくのある静物からは日本のろうそくの画家と言えば
 高島野十郎だと思い出す。
 しかし、静物の実存振りには目眩がする。
 中国の陶磁器に活けられた花も素敵だ。
 ブリューゲルが結構気になっていることを自覚した。
 最後に風俗画。
 フェルメールの時代、オランダの日常のような
 ほっとするシーンの絵画群。
 レースを編んだり、手紙を書いたり、バイオリンを弾いたり。

 今回はざっと新しくなった都美の中と展覧会場を体験するように
 見て回ったが、
 もう一回ぐらいはきちんと絵と対峙したいと思う。
 (大混雑を承知しなければならないと思うが、平日の閉館間際狙いをして)

 重厚感ある壁の色使いや、床も消音効果があり
 落ち着いた雰囲気の中、鑑賞環境が整った感じを受けた。

 今回の展覧に先駆けて、
 アートブログの青い日記帳の管理人、@taktwi氏の尽力を
 影ながら応援させて頂いたが、
 グッズへの参加に密かな期待を持ってショップを覗かせて頂いた。 
 これがまた、いつもならスルーしがちなショップに
 長い時間かけてうろうろする羽目に。
 グッズを通してのアートつながりというのも、
 また楽しい機会なのだった。

 買い占めたモノをちらりご紹介









 9月までの開催期間、長丁場のようで、夏休みを挟めば
 あっという間のことだろう。
 たとえ観光遊山な美術鑑賞になったとしても
 これはこれですてきな体験なのではないかと思った
 楽しい展覧だった。
 
 詳しいことはこちらのサイトから 





 オフィシャルキャラクターの武井咲さんが着た?真珠の耳飾り少女の衣装も展示されてます。 

 エスカレーターホールには休憩できるカラフルな椅子があって、
 ホッと出来る。

 ミュージアムショップの充実振りにお財布の悲鳴が上がるが、
 これも美術を支えるサイドとしての協力という大義も使えるかもしれない、
 などど、様々楽しんできた。

 これからも期待できる企画が目白押し。
 上野は至近距離でもあるのでしっかり通って堪能させて頂きます。

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