あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

太田記念美術館 英山と英泉

2006-12-11 10:35:41 | 日本美術
まず出向いた先が、表参道のイルミネーション復活の行灯がニュースなところ。
表参道ヒルズもまだ行っていない。
でも、そんなことはどうでも良くなってきた。

ワクワクする脳みその場所が変化してきたって事か??

ラフォーレの真裏にある、太田記念美術館。
あぁ、お久しぶりです。
何十年ぶりでしょうか??
若かりし頃、よくお邪魔しに来てました。
いつも一人でした。
それは今日も変わらずです。

先日、地元情報で太田に、ギメ美術館から北斎の龍図と、太田の所蔵の虎図が対のものとわかり、
ついに百年ぶりのご対面を果たすというニュースが載っていたのです。
ついでに無料講演会と、鑑賞券付きの応募もバッチリしましたが、
どうか当たりますように

これは、この後に行った、江戸博のボストン美術館から来た、北斎の提灯図の龍と、虎のセットを見て、本当に驚きました。
この絵をバラバラにして、対にしたような絵だったから!!!

それはさておき、
下足をスリッパに履き替え、館内にはいると、薄暗く、畳敷きのケースがある。
そこはいつも目玉作品達の並ぶところ。
一寸先まで間近に見られる幸せ。
入館者は、20人に満たない程度。
このくらいが一番鑑賞しやすい。

東博に通い始めて、浮世絵の凄さに気が付いた。
その中に、エキゾチックな画面を作る渓斎英泉という絵師がいることを知った。
北斎はダントツに抜けているのだけれど、
この人もまた、ねっとり、あぶないしつこさがあって、おどろおどろしいところが気になった。

その英泉の師匠が菊川英山だ。彼の絵はずっと品が良く、端正で、きれいだ。
それに飽き足らなくなる弟子英泉。
端正な美人が好きな人、英山。
ちょっとコケティッシュで、小悪魔的な人が好きな人、英泉。
そう言うことなのかな。

二人を丁寧にテーマごとに並べてあるので、わかりやすかった。

また、花鳥図がなかなかいいのだ。
花草に虫が絡んでいたり、小品ながら、かわいいし、小さな額に入れて
飾ってみたい。

着物や、小道具、美人とされてきた吉原の太夫達、
その近くで生活していただろう絵師達の目線。
殿方の飽くなき女人に対する想い。
彫り師のすさまじき毛彫り。
画面の隅々に心配りを忘れない、こだわり。

ガラス越しではあったけれど、べったり張り付いて、
とても嬉しい時を過ごせた。

作品目録のようなサービスがないのが残念だけれど、
どれもこれも素敵な作品だった。

来年のギメのパンフレットをもらって、今から楽しみにしたい。

鑑賞した後、立ち寄っていた、喫茶店はどこへ??
時代は変わっていたのだ。

さて、いざ、両国へ。
大御所の絵師達に会いに行こう~~

本当に良いものを観させてもらった。
満足満足。

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4 コメント

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Unknown (遊行七恵)
2006-12-11 12:51:20
英泉はけっこう好きです。
彼を描いた『百日紅』杉浦日向子、『みだら英泉』皆川博子 いずれも面白く読んだりしていました。
幕末を舞台にした小説の中でも「英泉ゑがくは子供に毒だ」という台詞があったりで、人気があったのだと思います。
女の手の甲と指に脂が乗っているのを感じます。
それと目つきの妖しさ。
うわ…という感じです。

英山はむしろ今現在の少女マンガにみていたい顔の女を描くなぁと感じます。
その意味で現代的なのかも…

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遊行さま (あべまつ)
2006-12-11 14:20:20
夭折された杉浦さんの本があるのですね。
歴史物の本はほとんど手つかずです。
「みだら英泉」と言われるものを描いていたんだから、仕方ないですね。
日活ポルノを経て立派な監督となるのと同じ様な感じでしょうか。時流であったのでしょうか。
こちらはすでに油抜きです。へぇ。
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Unknown (一村雨)
2006-12-13 07:29:08
ねっとり、あぶないしつこさ、おどろおどろしさ・・・
なるほど、英泉にぴったりの表現ですね。
私には、醜さと美しさが同居している不思議な表情に感じられます。
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一村雨 さま (あべまつ)
2006-12-13 11:19:45
そう、ねっとり、あぶない、おどろおどろしい、これが私の鑑賞キーワードです。
これがないと、寂しいのです。美醜ない交ぜがゾクッとする世界を醸し出してくれます。
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