アメリカボストンにある、ボストン美術館には日本の美術の宝庫がある。
岡倉天心、フェノロサと同様に日本をめぐり、禅にも関わり、眼に叶った日本美術を集め倒してアメリカに持ち帰った医師のビゲロー氏。
氏が集めたものが膨大でありすぎたため、
研究が遅くなって、近年700点あまりの肉筆画が見つかり、
話題を呼んだその中から、80点の名品がやってきたわけだ。
肉筆画だから、一点ものだ。
庶民が求めたものではないということ。
だから、総じて技量が高く、品がよい。
がさつなところがないのだ。
そういう人々に望まれて作られてのだということ。
優雅な遊び、「江戸の誘惑」というタイトルが
ぴったりなことも嬉しい。
その中でもやはり、北斎が抜きんでていた。
鳳凰図屏風は思いの外、小品だったが、何とも言えない怪しげな空気、
極彩色に染められた鳳凰の羽ばたき、気高い瞳、屏風のサイズ。
最高にすばらしかった。
唐獅子図は、袱紗絵というから、袱紗として用いたのだろうか。
なんという贅沢。
絹の縮緬具合も近くに行ってみればこそ、風合いがわかるというもの。
色を使えるという幸せも伝わる。
鏡面美人図も去年東博で開かれた北斎展の肉筆画を思い出す。
これから来るであろう、殿方のお気に入りが取れるよう、
鏡に映す女心、いじらしいじゃありませんか。
それと驚きの提灯絵、2点。
これが太田美術館にやってくるギメが所蔵の龍図、太田が持つ虎図の合体もの。
北斎の虎は、なんだかいつもコケティッシュだ。
これで、龍と戦えるの?って思ってしまう。
もう一つの龍蛇図の蛇は、力が抜けていて、八岐大蛇にはなれないだろう。
軍配はどちらも龍。
私も虎や蛇が来たら、龍に助けて欲しい。
陰陽に叶っているのかも知れない。
後、李白観瀑図。
滝の絵は何時の世もエキセントリック心を掴んで離さない。
山種美術館に来ている、千住博氏も滝で、新しい日本画にチャレンジしている。
来年の干支、月下猪図。
なんだかもの悲しい猪だ。
遠吠えが聞こえてきそうなのだ。
他、見返り美人図の菱川師宣達の優雅な遊女達、吉原の花魁図、
英泉の芸妓もあった。
北斎の娘、応為の英泉風なタッチの三曲合奏図もなかなかいい。
芝居小屋に掲げられた、絵看板も楽しい。
ともかくすばらしい肉筆絵の大集合に、圧倒され、
ずっぽり江戸の絵図に巻き込まれた、絵図行脚となった。
おまけ
ここのミュージアムショップはかなり楽しい。
今回は、ポチ袋と、紋切り型を買った。
紋切り遊びを現代にも楽しめるよう、簡単にガイドしてくれるものだ。
紙とハサミがあれば思いがけない形が現れ、楽しいこと請け合いだ。
また、小さな会場に東京の伝統工芸品 チェレンジ大賞という展示会があって、
お気に入りに票を入れてきた。
参加賞にオリガミが付いてきた。
今日は紙にご縁があるのだな。
あぁ、さても楽しき行脚の日、年末差し迫るとお足も遠くになりにけり。
岡倉天心、フェノロサと同様に日本をめぐり、禅にも関わり、眼に叶った日本美術を集め倒してアメリカに持ち帰った医師のビゲロー氏。
氏が集めたものが膨大でありすぎたため、
研究が遅くなって、近年700点あまりの肉筆画が見つかり、
話題を呼んだその中から、80点の名品がやってきたわけだ。
肉筆画だから、一点ものだ。
庶民が求めたものではないということ。
だから、総じて技量が高く、品がよい。
がさつなところがないのだ。
そういう人々に望まれて作られてのだということ。
優雅な遊び、「江戸の誘惑」というタイトルが
ぴったりなことも嬉しい。
その中でもやはり、北斎が抜きんでていた。
鳳凰図屏風は思いの外、小品だったが、何とも言えない怪しげな空気、
極彩色に染められた鳳凰の羽ばたき、気高い瞳、屏風のサイズ。
最高にすばらしかった。
唐獅子図は、袱紗絵というから、袱紗として用いたのだろうか。
なんという贅沢。
絹の縮緬具合も近くに行ってみればこそ、風合いがわかるというもの。
色を使えるという幸せも伝わる。
鏡面美人図も去年東博で開かれた北斎展の肉筆画を思い出す。
これから来るであろう、殿方のお気に入りが取れるよう、
鏡に映す女心、いじらしいじゃありませんか。
それと驚きの提灯絵、2点。
これが太田美術館にやってくるギメが所蔵の龍図、太田が持つ虎図の合体もの。
北斎の虎は、なんだかいつもコケティッシュだ。
これで、龍と戦えるの?って思ってしまう。
もう一つの龍蛇図の蛇は、力が抜けていて、八岐大蛇にはなれないだろう。
軍配はどちらも龍。
私も虎や蛇が来たら、龍に助けて欲しい。
陰陽に叶っているのかも知れない。
後、李白観瀑図。
滝の絵は何時の世もエキセントリック心を掴んで離さない。
山種美術館に来ている、千住博氏も滝で、新しい日本画にチャレンジしている。
来年の干支、月下猪図。
なんだかもの悲しい猪だ。
遠吠えが聞こえてきそうなのだ。
他、見返り美人図の菱川師宣達の優雅な遊女達、吉原の花魁図、
英泉の芸妓もあった。
北斎の娘、応為の英泉風なタッチの三曲合奏図もなかなかいい。
芝居小屋に掲げられた、絵看板も楽しい。
ともかくすばらしい肉筆絵の大集合に、圧倒され、
ずっぽり江戸の絵図に巻き込まれた、絵図行脚となった。
おまけ
ここのミュージアムショップはかなり楽しい。
今回は、ポチ袋と、紋切り型を買った。
紋切り遊びを現代にも楽しめるよう、簡単にガイドしてくれるものだ。
紙とハサミがあれば思いがけない形が現れ、楽しいこと請け合いだ。
また、小さな会場に東京の伝統工芸品 チェレンジ大賞という展示会があって、
お気に入りに票を入れてきた。
参加賞にオリガミが付いてきた。
今日は紙にご縁があるのだな。
あぁ、さても楽しき行脚の日、年末差し迫るとお足も遠くになりにけり。
江戸の誘惑は本当に素晴らしい展覧会でした。
ずいぶん熱心に美術展めぐりをされていますね。
知り合いの美術ファンの書き込みが多くてビックリしています。
中途半端な主婦しておりまして、
ただひたすら引かれる所に飛んで行っております。
皆様には、ド素人に快くお付き合い下さっています。まったく拙く、申し訳ないのですが、お願い致します。
コメントとTBをありがとうございました。
>太田美術館にやってくるギメが所蔵の龍図、太田が持つ虎図の合体
そのような作品だったのですね。
俄然、来年のギメの展覧会が楽しみになって参りました。
>ミュージアムショップはかなり楽しい
それこそ江戸風情を味わえるようなミュージアムショップですよね。
来年の干支のお飾りがたくさん出ていて、
とても楽しく見ることが出来ました。
ついつい長居してしまいます。
ひたることができましたね。
ぜいたくな展覧会でした。
こちらからもコメント、TBありがとうございます。とっても楽しんで暮らしていたことが伝わって、遊ぶことの大事な事、学ばねば。と思った次第です。
★一村雨 さま
あんまり沢山あって、休憩に芝居小屋のお茶タイムがあれば、と願いつつも、たっぷり遊ばせてもらいました。
★いづつや さま
TBは、時々ご機嫌がわからなくなりますので、お気になさらないで下さいマシ。皆様がおおいに楽しまれたこと、絵師達もお喜びのことでしょうね!
ギメ、楽しみです。
最終日大混雑でしたね。
美術館ではニアミスでしたが
ブログでは遅々として文が書けず。。。
今頃やっとアップしました。
TB送らせていただきます。
Takさんのブログ、奥深かったです。
北斎、ただ者じゃないと思っていましたが、
そんな軽い話じゃ片づかないお人のようですね。
こちらからもTBさせていただきま~す♪