あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

井上雄彦 最後のマンガ展 ・上野の森美術館

2008-07-09 12:40:16 | 美術展
おばさんAは、急にその某イケメン青年に近づいて尋ねる。
 A:あの、昨日で終わりじゃなかったのですか?
 M:はい、今日だけ一日限り延期したのです。
 A:じゃぁ、並ばないで、みられるの?
 M:はい、どうぞ!

おほほほ、120分待ちで並んで入場された方、スミマセン!

もう、待ち人誰もいない状況で、
会場の平均年齢を一人で上げて、
拝見して参りました。

まったく何も知らないおばさんAは、
場内の若者にギロッと一瞥を喰らいながら、
墨の世界の男美にバキュ~ンされました。

男の美というものを時々羨ましく思う。
心底惚れた師匠に己を捧げる。
人生を捧げる。
それが絶対となる。

空(くう)をひらり蝶が舞う。

剣先が光る。

おぅ、きたか。
と微笑む青々とした剃髪の青年僧。
めちゃくちゃイケメン、ではなく美青年。
クラッとくる。
僧姿、これが曲者、泣かせどころだ。

魂の霊にささった棘が痛い。

ザザ~~
白浜に遊ぶ。

あなたが、最後に帰る場所はどこですか?

今までのストイックな画面から
突然広々と天井も高く解放された場所に、
抱き合う母子の姿。

刺さったまんまの棘は、
抱きしめられた母の胸の中で溶け落ちたのだろうか。

一つのストーリーが展覧の道のりとなって
何も知らないおばさんAでも充分楽しめた。
あの僧姿の美青年がハガキになっていたら、
拉致しようと思ったけれど、残念。ありませんでした。

墨と白紙、これが何と美しい世界なのだろう。
切れ味のよい美学が流れ、
久しぶりにいい男を見た気がして、
嬉しくなった。

なにしろ、美術館前のでかでかとした
いい男の横顔、これに惹かれたのだ。
美しいじゃありませんか。

「対決」の余韻はとりあえず置いておいて、
久々のいい男にくぅ~となり、
心も晴れ晴れ。

梅雨明け前のじっとり重たい空気の中、
逢えて嬉しかったわ!
そう言い残し、
上野の緑深い公園を通り抜けた。

公式HPはこちら 見応えあります。

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4 コメント

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えっえーっ! (悲歌・哀歌)
2008-07-09 14:11:04
羨まし過ぎる!
そんな事があって良いのだろうか?
でも良かったね!
イケメンのお兄さんに案内してもらい、中ではもっとイケメンな絵が待っていたのですね。
男の美学!万歳!
返信する
悲歌・哀歌 さま (あべまつ)
2008-07-09 17:18:25
こんにちは。
月曜日は最高に贅沢な一日でした。
めちゃくちゃラッキーでした。

生まれた時からの業に振り回されながらも
抜け出せずにもがき、苦しみ、痛み、
剣の技を磨きつつも心に棘が刺さった
美しい男の物語。
常套だとは思いつつ、正しい!
と思ってしまったのでした。
返信する
Unknown (ogawama)
2008-07-14 00:06:00
あの剃髪僧、めっちゃ美しかったですね。
武蔵もカッコ良すぎです。
惑わされます~。
返信する
ogawama さま (あべまつ)
2008-07-14 14:33:53
お暑うございます。

美剃髪僧に反応、嬉しい!です。
根性の汚い男達よ、
バカボンドで禊ぎをするように!
と思ったのでした。
返信する

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