あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

澁澤龍彦の脅威の部屋  ・ギャラリーTOM

2007-05-14 11:14:49 | 美術展
土曜日に私が一人時間をもらえた絶好のチャンスに、渋谷松濤にある、
小さなギャラリーに行くことを目論んだ。

久しぶりのにぎわいの渋谷。
若い頃に出歩き倒した渋谷とは随分様変わりしたけれど、
裏道に残る面影は、変わらないような。

Bunkamuraの横を通り抜けると、ダラダラな坂道が続き、
閑静で豪奢な住宅がある中、松濤美術館があり、その一寸先にそこがある。
時々、面白いテーマの展覧会を企画していて、気になるギャラリーの一つだった。

コンクリートと、白木のドアが効いている、コンパクトな建物で、
温かなかわいらしい雰囲気を醸し出している。

ドアを引くと(押すと?)吹き抜けの天井が高い避暑地のようなお家。
中二階に誘う階段も素敵だ。
四谷シモンの人形がいるから、あ、ここは澁澤邸の分家だと気が付く。
合田佐和子の記憶の収拾箱。
アート・トップという美術雑誌にここの紹介があって、
その中にスコープ作家桑原弘明の作品がとても魅力的だったので、
ぜひにもこの眼で確かめたかったのだ。

残念ながら、数は少なく、しかも光が届かない状況で、
小さなクルミの中に潜んでいる不思議の世界はのぞき込んでも
真っ暗なまま、姿を見せてくれなかった。
でも、本が出ていたので、早速入手。
工芸と、幻想世界と、のぞきの極小のミニチュア世界。

私の好きな、タルコフスキーの「ノスタルジア」を思う「夜」という作品。
題名にも心騒ぐ。
白日夢

回想記
天使卵
・・・・

良いでしょう~~~

こんなお家だったら、きっと、澁澤ファミリー作家の作品も喜んでくれるでしょう。そんな隠れ家のような所でした。

出品作家
池田龍雄、大槻雄二郎、加納光於、桑原弘明、合田佐和子、
アンティエ・グルメス、鈴木真、建石修志、谷川晃一、
中西夏之、四谷シモン

5月20日まで。
ギャラリーTOM

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8 コメント

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Unknown (遊行七恵)
2007-05-15 15:12:37
実にうらやましい限りです。
いいなーいいなー
建石修志の作品って大好きです。
そして桑原弘明。
秘めやかな展覧会は閉じられた庭園のようですね・・・

ただただときめきます。
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遊行 さま (あべまつ)
2007-05-15 21:14:48
遊行さんにうらやまし~を頂き、ちょっと火照ります。小さな箱に仕舞われた、スコープのような展覧会って感じでした。
この帰りに、Bunkamuraのギャラリーに寄ったら、
「幻想と異端の図書室」とうたった、澁澤ファミリーのオンパレード。まさか、ベルメールがあるとは思いませんでした。
原稿や、ポスターや、貴重となった本などが、
うぉ~な値段で売られていました。
ここは買えなくとも、見てるだけで楽しかったです。
この次は、第二弾として、アングラ時代のポスターだそうです。
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渋谷で澁澤づくし (飾釦)
2007-05-15 23:06:31
の一日。私も文化村ギャラリーのベルメールにはびっくりしました。
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TOMは (oki)
2007-05-16 12:24:34
もともと視覚障害者でもアートををモットーにしているギャラリーですよね。
村山知義でしたっけね、メインは。
ギャラリーに入るとここをどうやって知りましたか?ときかれたでしょう。
僕はブンカムラか松涛といつもはしごです、ここだけだと物足りない。
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飾釦 さま (あべまつ)
2007-05-16 22:02:59
なんだか、ずっと澁澤龍彦の磁力に引きつけられているようです。さすがに小学生の男の子がいるから、大股開きは・・・
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oki さま (あべまつ)
2007-05-16 22:10:00
そう、どちらでここを知りましたか?って、聞かれました。松濤美術館も訪ねたく思いましたが、その日は、他にも用事があったので、Bunkamuraギャラリーから、たばこ塩を慌ててみて、代々木に行ったのでした。モジリアーニと奥さんの展覧会は、
あまり得意じゃないのでパスなのです。
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過激な (飾釦)
2007-05-17 00:17:59
発言一歩手前が素敵です!!(ストイックと形容していいものか?)失礼しました。
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飾釦 さま (あべまつ)
2007-05-17 15:01:56
知ってる人しか通じない、ストイックなネタ。
そこが幻想界の壺、それこそが原動力とも。
穴に落ちたら、終わりでしょう?
受けて下さって、感謝いたします!
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