あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

KOKOROのかたち 勅使河原茜の花 ・スパイラルガーデン

2011-06-05 13:46:12 | 
草月は初代、勅使河原蒼風、2代霞、3代宏
そして2001年に当代4代目の茜家元によって継承されてきました。

初代の勅使河原蒼風の偉業は
花のみならず、造形、絵画、書、など多岐にわたり
いけばなの枠からはみ出て広く芸術界にも大きな影響を及ぼしてきました。

2代の霞は若くして広く海外に於いても草月の名を知らしめてきましたが、
残念ながら急逝してその美貌と生み出す花の魅力を
存分に届け続ける事ができませんでした。

3代目の宏はいけばなの草月からもっと広く
芸術家でした。
映画監督、絵画、造形、陶芸、前衛芸術家の旗手としてもおおいに
その才能を開花させました。

青山一丁目にある草月会館は彼の残した名建築でもあります。
イサムノグチとのコラボレーションでもあり、
巨匠丹下健二によって建築された名建築だと思います。
今でもあの建物からあふれる魅力は褪せていません。
学生だった頃、そこでスペインの教会を延々と作り続ける
ガウディの映画を見た記憶が今でも鮮明に残っています。

その溢れる芸術魂も命の終わりによって
新しい草月が始まりました。
それが、当代の茜家元の活動です。


スパイラルガーデンの巨大インスターレーション。
竹を使った龍の様に螺旋階段の頂上に激しく向かっています。
 *画像は会場で私が撮ってきました。

まだ50代前半の若さ溢れる家元ではありますが、
10年の家元継承でどっかりブレのない、堂々とした
花を表現されています。

ただびっくりするようなエンターテイメントの花ばかりでなく、
手のひらサイズの小さな表現もあり、
幼稚園の先生の経験から子供たちの指導にも
心力を注いでいます。

このスパイラルガーデンと同時に
草月会館でも「歴代家元とともに」展も開催されました。
今日、5日まででした。
家元はじめ、錚々たる師範たちの花が勢揃いしていました。

花を通して様々な表現がある事、日本の空間を彩ってきた歴史、
これからもずっと普段から花とにつきあいは終わらなく、
ハレとケの世界に於いてもいつもそばにいてくれる
大事な自然界の代表である花、その美の紡ぎ手として、
草月の繁栄を微力ながら祈ったのでした。

ここで、私の草月とのおつきあいをちょっと。
ただ日常生活を暮らす中で
家の中に閉じこもっていたのでは何か刺激が足りないと思っていた頃、
子供も学校に通い始めて主婦の自由時間も取れるようになって
何かを始めたくて模索していました。
ビーズをやったり、手作りの袋を作ってみたり、
色々チャレンジしてみましたが、
外にでて人とふれあう欲求が強くなり、
以前ちょっとかじった事のある花を習いたいと思いました。
フラワーアレンジメントも体験してきましたが、
盛りだくさんの花々に私の気持ちがフィットしないことが
わかり、先生の事情もあって、中断してしまいました。

そこで出会ったのが、今の草月のお教室です。
カルチャーセンターならば、なじまなければ
気兼ねなく辞退する事ができます。
ところが、先生はとても気さくで、女性独特のきらびやかさがなく、
さっぱりした先生で、
拙い私を快く受け入れて下さいました。
以来、毎週木曜日、きっちり通い続け、6年。
ひとえにY先生、のお陰です。

また、教室に通う生徒さんたちは私よりも大先輩ばかり。
何十年も草月に通っている、方ばかり。
それでも毎回初心者のように届けられた花と向かい合います。
人生の先輩たちからも沢山教わることがあります。
花は人とのコミニュケーションのつなぎ手、言葉だと感じます。

段々とステップアップする事も励みになります。
4級師範になれば指導する事もできるし、
草月の名前をもらう事もできます。

これからは様々な花展に参加し、もっと刺激を頂ける機会を
作りたいと思います。
お陰さまで4級師範を頂き、雅号も頂戴しました。
もう少しで3級師範になれそうです。

人生において先生と呼ぶ尊敬できる方との遭遇は実に豊かなことと実感します。

今回は家元継承10年の節目の記念イベントではありましたが、
期せずして自身の花との付き合いを顧み、また今後へと
思いを新たにした花展となりました。

草月のサイトはこちら
どこかで草月の花と出会えますこと、
つたない立場ではありますが、願っています。

トップの画像は草月のサイトから。

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