あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

東博 平成館特集陳列  考古室 

2008-05-22 23:15:54 | 美術展
ブログにこの予定をもらした後、思いがけないところから
薬師寺展のチケットが舞い降りてきた。
三井、出光を廻った時に割引券を手にしたので、
それでもちっとは役に立つだろうと思っていたところ。

ありがたや~~

okiさんからも声を掛けて頂いた。

ご縁に感謝です。

水曜日、東京駅で母を拾い、
叔母達と待ち合わせした上野に向かった。
11時前に上野に着くと、
同じような年代の人達がみんな同じ方向に向かって歩いている。
むむ・・・これはいけません。
大混雑必定。

そこで、ちょっと早いけれど、お昼ご飯の段取りに切り替えた。
狙ったところもまた、既に10人ぐらい並んでいる。
叔母は、東京ってどこでも並ぶのねぇ~と感歎。
今日は特別よ、と、私。

昼食する店に呼ばれるまでの小一時間を、
上野の東照宮にお参りすることにした。
日光はユニセフご指定の世界遺産で、
手厚く護られているのに対し、ここは・・・
以前もここの荒んだ様を嘆いた私だが、本当にお気の毒だ。
でも、修繕に入ることが看板に書かれていたので、
ようやくそういう時期を迎えたのだと、安堵もした。
左甚五郎の龍がジリジリ暑い太陽に参っているように見えた。

叔母達はすっかりここを気に入って、良いところ見せて頂いたわ~と
喜んでくれた。

念願のお昼ご飯も無事にお腹に入り、
ようやく東博、平成館へ。
しかし、列は消えず、70分待ちのプラカード。
2時過ぎていたのに。
灼熱の太陽光線ガンガン降り注ぎ、70分の立ちんぼで、
70代の年配者には厳しい現実。
叔母達はまだ若いので、平気よ~と快く並ぶことも楽しんでくれた。
真面目に並び、いよいよ中に入る。

私は既に見ているので、平成館の考古室を眺めたり、
薬師寺の簡単なビデオを見たり、
本館1階をぐるり一回りして楽しんだ。

実は、これがどっきりの発見。

画像はその中のもの。
クリックして解説をご覧下さい。
驚愕!!
縄文時代のものです!
巻き貝土製
仁清が後に貝の美しい陶器を作ったが、
これは一体いつ頃のものか。
まったくものつくりの人は凄いったらすごい。
赤に染まった巻き貝。存在感溢れていた。
これだって、やきものだ。

また、1階の企画展示室では、
「海外の日本美術品の修復」という特集陳列があり、
これもまた小さいながらも深いものがあった。

海外で修復を待つ日本美術品も相当あるのだろう。
日本に里帰りして、丁重に修復される過程がパネルになって紹介されている。
気の遠くなる作業だ。
1~2年あまり掛けて、無事に清められ衣替えされた美術品達。
麗しい姿を見せてくれていた。
「日吉山王祭礼図」ヒューストン美術館
「花鳥図」 波月等薩筆 ヴィクトリア国立美術館
などの圧巻の屏風に出会うことができた。

しばらくして、母達がよれよれになって降りてきた。
聖観音様がとても綺麗だったといっていた。

叔母は念願の観音様達と対面できて満足そう。
良かった。
疲れた身体を癒すため、レストランで休憩し、
帰路についた。

文化会館前には、暑さにほだされて、
銀杏の木をつたって、蛇が現れ、ちょっとした激写スポットになっていた。

ともかくは、無事に薬師寺展に参詣でき、
みんな安堵したのだった。

考古の陳列室も、ちゃんと見なければ!
祖先のものつくりを忘れてはイケナイと思ったのでした。

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4 コメント

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東博 (nageire)
2008-05-24 11:22:39
自分も薬師寺展をみてきましたよ。
さすがに、すぐに入れましたが人が多くて
辟易してしまいました。聖観音さまの周りを廻る
人をみて「まるでメッカ」のようだと感じたり
してきました。
この貝、仁清なのですか!
驚きの造型ですよね。
返信する
nabeire さま (あべまつ)
2008-05-24 11:50:16
こんにちは。
丁度パソコンを触ってましたところ、コメント頂戴しました。
巻き貝について、東博の解説を貼り付けましたので、
クリックしてみて下さい。
縄文時代、後期のものだそうです。
驚きです。
仁清は、もっともっと後に色絵付けの貝を作ったと思います。
造形の神様がいると思いました。
薬師寺は、一昨年、夜間に拝観してきまして、
暗闇の中、光背に照らされた3尊像に圧倒されてきたのが良い思い出です。若いお坊さんの良い声もお話も心地よかったです。

返信する
おっ! (悲歌・哀歌)
2008-05-24 14:07:04
あべまつ様
こんにちは!
巻貝の画像をみて、おっ!でした。
なつかしぃ~っ! 以前は東博へ行けば、考古展示室へ寄って、巻貝を撫でるような気持ちで見たものでした。昔の考古少年としては、縄文も弥生も吹っ飛んで、驚異の造形美に圧倒されぱなしでした。
考古学は「もの」が、美しいかどうかより、その「もの」をもたらした文化が、どの時代に有ったのか、どのように有ったかが重要で、美術史とはスタンスがちょいと違うと思うのです。
でも、この巻貝はそれらを超越した存在ですね。
「薬師寺展」、母上様と叔母上様、よくぞ行列に耐えてご覧になられましたね。お疲れ様!
蛇は吉兆の徴とか、良き事あれ!
返信する
悲歌・哀歌 さま (あべまつ)
2008-05-24 23:03:26
こんばんは。
考古少年の懐かしの巻き貝とだったとは、驚きです。
時々、祈りの強さに押し倒されそうなくらい、ドキッとするものが考古室に現れます。
縄文時代って、何年前?驚きです。
そんな遠い時代のものから、恐ろしいくらい魂の力が溢れていました。
土偶や土器などのデフォルメも迫力満点でした。
私達の祖先は、何を祈って、願っていたのでしょう。

お陰様で、薬師寺展が、母や叔母達を引き寄せてくれました。同じ時を過ごすことが幸せなのだと叔母達と過ごした時間を思い返しています。
蛇は、東照宮の甚五郎の龍の化身?
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