あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

山口晃展 東京旅ノ介 ・銀座三越 

2011-01-06 22:14:11 | アート鑑賞記録
去年の暮れ市ヶ谷のミヅマギャラリーで「いのち丸」を開催したばかりの
山口晃氏。

ものすごい勢いで作品を生み出している。
展覧会グッズでもお目にかかることがあるし、
ご自身の個展も続々。

しかし、ご本人はいたって落語界の噺家さんみたいな感じ。

実はこの方を知ったのは従姉妹からの情報。
彼女は今は閉めてしまったが、ギャラリーを経営していた。
小さな体で芸術家の間を取り持つ仕事をしてきたのだ。
で、山口氏の作品も取り扱ったことがあったそうで、
彼の作品を数点持っている。

三越の会場にも彼女の所蔵品がかかっていて、
あまりにも眼前に接近して見ているおばさんを発見し、
係の方を通してご注意お願いした。

そんなことをブログにしていいのかと聞いて
OKをもらったので、今頃こんなことを書いている次第。

山口氏の頭の中はいったいどうなっているのか、
一つ書き出したらいろんなスケッチメモが
何枚も重なり、飛び交って、
それが金雲のもやの中で見事に集約されて
一つの画面構成されているのかと思えば、
綿密な下図も現れる。

どうも高いところがお好きなようだ。

それで、電信柱の美学につながり、
電柱華道とか得体の知れない世界を見せてくれる始末。
これがとてもおかしくて楽しかった。

今は東京スカイツリーがにぎやかな下町だが、
東京タワーらしきタワーに
唐破風の展望台をつけてしまうし、

町の電柱には厨子を背負わせる。
勧進帳か!と。

俯瞰する癖はどこからきたのだろう?

従姉妹のギャラリーから旧式の電柱が見えたとき、
妙にテンション高くみとれていたことがあったそうな。

軽妙なあり得ない構成と人々のリアルな表現と、
あちこちを飛び交う山口晃、旅ノ介のあちこちをご覧にぜひ。

追記。
河井寛次郎展の後にみると
あまりにも時代が変わってしまったことを実感できる、
不思議な体験もあったのでした。
それと、ぺらぺらの波板の一畳茶室は今いったいどこにいるのか
気になった次第。

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