木彫作家、佐々木誠展が湯島、受験生の守護神、湯島天神の真向かいにある
湯島ハイタウンというマンション1階の羽黒洞というギャラリーで開催されています。
明日、20日土曜日が最終日で、駆け込みをぜひお勧め致します。
2012年、何度かこのブログでもご紹介しましたが、
有楽町の国際フォーラムで開催中のアートフェアに佐々木誠さんの
木彫を拝見して以来、機会が許されるかぎり拝見してきました。
そのものをみてしまった後は、追いかけずにはいられなくなりました。
惹きつけるものは何かと言えば、
想像を絶する鑿跡の時間と造形の狂気的な、なまめかしさ、でしょうか。
生命体のはかなさとは別次元の、異界の誠、存在しない世界の圧倒的実存とでもいいましょうか。
悩ましいのです。朽ち果てない生命体への畏怖のようなもの。
今回は人体立像はなく、去年巡回し好評だった「スサノヲ展」のルーツを
探るような、縄文時代の、始原への扉を展開されていました。
ドアを開けるなり目に飛び込むのが縄文の欠片。
その圧倒的な時空を超えてきた存在感に息をのみます。
一万五千年前のその時に誰かがこの土を持って、造形した、
手の仕事の残映ではなく、そのもの、があるのです。
それだけでも、理解不能な時間の経過の宇宙サイズに目眩を覚えます。
当時の人生はおよそ30年といわれていますが、
きっとやきものをつくる、という神がかりな技術を発見し、手にして
どのくらいの意識変化が生まれたのでしょう。
個展のタイトルが『あらがねの土』
精錬されていない鉱石の土、と理解すれば良いのでしょうか。
その鉱物的な表現を木彫で縄文魂がもりこまれた重厚な作品が展示されました。
材料となった木材そのもの本来の姿を感じ取ることもできます。
今回の案内ハガキには作品の一部、「さざれ石」が紹介されました。
木彫を制作するときに手にする鑿を硬筆の鉛筆に持ち替えて、
永遠に続くような素描が石の表情に近い分厚い和紙に広がりました。
どのような『あらがねの土』であっても
佐々木さんはカツカツと音を立てて削り込む、その作業を
縄文以来の神々に捧げているのかも知れないと思ったのでした。
時は平成28年となり、いよいよ神々の作られた時代と繋がっている実感など
持ちようのない時代となりましたが、
ご案内ハガキによる、佐々木さんのこだわりの
皇紀2676年の2月8日~20日までの展示も
いよいよ明日が最終日となりました。
11時から18時半まで、湯島天神の梅も見頃です。
愛らしい小さな木彫の祠、狛犬なども並んでいます。
慌ただしい日常からふっと離れてこの土地のルーツに迫る
魂の一欠片を体感することお勧め致します。
羽黒洞のサイトはこちら
また、「日本美術全集」が小学館から刊行されていますが、
その最後第20回配本予定「日本美術の現在・未来」の巻には
山下祐二先生が佐々木誠さんを担当し執筆されるそうです。
嬉しい情報を佐々木さんご自身から伺いました。
今後益々のご活躍を願うばかりです。
湯島ハイタウンというマンション1階の羽黒洞というギャラリーで開催されています。
明日、20日土曜日が最終日で、駆け込みをぜひお勧め致します。
2012年、何度かこのブログでもご紹介しましたが、
有楽町の国際フォーラムで開催中のアートフェアに佐々木誠さんの
木彫を拝見して以来、機会が許されるかぎり拝見してきました。
そのものをみてしまった後は、追いかけずにはいられなくなりました。
惹きつけるものは何かと言えば、
想像を絶する鑿跡の時間と造形の狂気的な、なまめかしさ、でしょうか。
生命体のはかなさとは別次元の、異界の誠、存在しない世界の圧倒的実存とでもいいましょうか。
悩ましいのです。朽ち果てない生命体への畏怖のようなもの。
今回は人体立像はなく、去年巡回し好評だった「スサノヲ展」のルーツを
探るような、縄文時代の、始原への扉を展開されていました。
ドアを開けるなり目に飛び込むのが縄文の欠片。
その圧倒的な時空を超えてきた存在感に息をのみます。
一万五千年前のその時に誰かがこの土を持って、造形した、
手の仕事の残映ではなく、そのもの、があるのです。
それだけでも、理解不能な時間の経過の宇宙サイズに目眩を覚えます。
当時の人生はおよそ30年といわれていますが、
きっとやきものをつくる、という神がかりな技術を発見し、手にして
どのくらいの意識変化が生まれたのでしょう。
個展のタイトルが『あらがねの土』
精錬されていない鉱石の土、と理解すれば良いのでしょうか。
その鉱物的な表現を木彫で縄文魂がもりこまれた重厚な作品が展示されました。
材料となった木材そのもの本来の姿を感じ取ることもできます。
今回の案内ハガキには作品の一部、「さざれ石」が紹介されました。
木彫を制作するときに手にする鑿を硬筆の鉛筆に持ち替えて、
永遠に続くような素描が石の表情に近い分厚い和紙に広がりました。
どのような『あらがねの土』であっても
佐々木さんはカツカツと音を立てて削り込む、その作業を
縄文以来の神々に捧げているのかも知れないと思ったのでした。
時は平成28年となり、いよいよ神々の作られた時代と繋がっている実感など
持ちようのない時代となりましたが、
ご案内ハガキによる、佐々木さんのこだわりの
皇紀2676年の2月8日~20日までの展示も
いよいよ明日が最終日となりました。
11時から18時半まで、湯島天神の梅も見頃です。
愛らしい小さな木彫の祠、狛犬なども並んでいます。
慌ただしい日常からふっと離れてこの土地のルーツに迫る
魂の一欠片を体感することお勧め致します。
羽黒洞のサイトはこちら
また、「日本美術全集」が小学館から刊行されていますが、
その最後第20回配本予定「日本美術の現在・未来」の巻には
山下祐二先生が佐々木誠さんを担当し執筆されるそうです。
嬉しい情報を佐々木さんご自身から伺いました。
今後益々のご活躍を願うばかりです。