あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

春が来た 

2009-03-26 21:57:01 | つらつら思うこと
1日 三井記念美術館 おひなさま
   日本橋三越 土門拳

5日 草月の稽古
   息子の病院

6日 新橋演舞場 

7日 ご主人を亡くした友人とその息子
   共通の知人と4人で、偲ぶ会

8日 娘が中学卒業式を控えた友人の式服を
   求めて、銀座へ

12日 草月稽古

13日 中学へPTAの活動

14日 出光美術館 小杉放菴と大観
    日本橋高島屋 上村三代展

15日 某同人誌編集会議

19日 草月稽古
 
20日 墓参
    江戸東京博 薩摩焼

21日 畠山記念館 日本の美
    都庭園美術館 ポワレとフォルチュニイ

22日 私が生まれた日

23日 中学授業参観、保護者会

26日 中学春休み~4月6日まで

27日 定期健診 

30日~伊豆へ


・・・ということで、
案外とっても濃い時間を過ごしていたことに気が付く。

ボーイの担任は、よく彼を理解してくれて、
成績、出席数云々よりも、体調復活を喜んでくれた。
本人もただならぬ自分の状況に深く傷ついたことだろうし、
時間をかければ、治っていくことも実感したことだろう。
自然治癒力。

母としては少々うろたえもしたが、
なるようにしかならない、と腹をくくった。
投薬は一時しのぎに過ぎず、
結局は自力で治っていくことを
信じて見ているしかなかった。

青白かった彼の顔は、ようやく赤みが差し、
体力もぼちぼち復活の兆しあり。
頑張りすぎることの弊害と、自身の力量のアンバランス。
成長期のホルモンバランスが崩れると自律神経もやられる。
彼はいつの間にか私の背を越してしまった。
上昇志向の薄い、のんびりマイペースな彼には
団体生活がなじまないのだと思う。
何でそんなに一々頑張らなきゃいかんのかと。

くたびれた心には、電車とカメラ。
やせた体には、たっぷりな睡眠と栄養。

それだけで元気になったような気がする。
それでいいのだ。

お陰で随分ボーイと話をすることができた。
まだまだ幼い心にも、思うことがいっぱいあったのだ。

核家族で、毎日狭い世界で生きていて、
人と付き合うコツを知らない、不器用な真面目君。
自然の力を頂かないまま、
都会のコンクリートで固められる華奢な心。
危なっかしい。
それでも、学校を辞めるといわなかったし、
転校したいとも言わなかった。
また、同じ学校に通うのだと諦めが付いた。
制服も春休み中はクリーニング屋さんだ。

様々なことが起きた中1だった。
母としても、勉強になることだらけだった。

長年の友から突然の攻撃に驚いた。
友と思っていても、無理して付き合うことの
理不尽を知った。
こちらにも落ち度は沢山あったけれど、
この年でもはや我慢することはないと諦めた。
お互いの距離感が守れないところから
ガタガタが生じる。

久しぶりに
文章を書くということに悩まされた。
でも、なんとも新鮮で、へとへとになった後の
これでよし!という快諾がとても嬉しかった。

そんな中、それなりに美術鑑賞する時を持てたのが
幸いだった。

土門拳は、泥臭い昭和の生活と、顔にあふれる魂力
古寺の佇まい、気配、仏の慈愛、躍動する愛情に感銘する。

出光の小杉放菴と大観は、とてもいい企画で、
放菴の変遷した画面と大観や、今村紫紅、芋銭、
などとの交流もいきいきと思い起こせた。
牧歌的な暖かな画風に癒された。

江戸博の薩摩焼は、重厚かつ斬新。
薩摩は奥深いと知った。

畠山記念館で、やはりお茶道具の畠山。
品のよい、穏やかな収集品をじっくり見せてもらった。
富士山の香炉は、煙たなびく様をぜひ見たいものだと思った。

都庭園美術館は、朝香邸ならではの雰囲気に溶け込む
素敵なドレス群。
使われていたビーズがベネチアントンボ玉と知って
驚いた。私が好きで集めているものと同じだった。
どのように使われていたのかが、しっかり目の前で
確認できたのは収穫だった。

な~~んて、濃いひと月。
うっかり年を一つ増やした。
52歳。

人生まだまだいろんなことが飛び込んでくる。
うかうかしちゃいられないのだ。

ほうら、桜だって、もう、満を持して。

願わくは 花の下にて 春死なむ
 そのきさらぎの 望月の頃  (西行)

散っていった人の人生が
花びらとなって、ひらひら舞い落ちるような今年の春。 

年をとるのも、案外いいものかもと思ったり。
長々しのメモ・・・でした。

春眠をむさぼりませ。

画像は、先日の庭園美術館の庭園から。

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2 コメント

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平泉 (いしい)
2009-03-28 22:53:35
世田谷美術館にいって特別展平泉を見てきましたよ。数年前に中尊寺に行って展示されている仏像には会っていたのですが、今回の特別展ではぐっと近くに寄ってみることができました。平安時代に都から遠く離れたこの地に、運慶とならぶような技術とセンスを持った仏師が活躍していたということにあらためて驚きました。私の大好きな邪鬼達もいっしょに上京していて、ここでもやっぱり踏んづけられています。「せっかく東京まで出てきたんだからよお、ちょっと自由時間が欲しいよなあ。」とつぶやいているような気がしました。
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いしい さま (あべまつ)
2009-03-29 22:14:48
こんばんは。

世田谷美の平泉、相当気になります。
来週、息子の中学が始まったら、ぜひにと思っています。
東博で、2年前だったか、仏像展で展示された、鉈彫りの仏像を初めてマジマジと見て、
東北地方の仏像をしっかり現地で見たいと願いました。土っぽい雰囲気が愛着のある質感となっていました。
邪鬼達の叫びも見てきましょう。楽しみです。
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