あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

源氏絵と伊勢絵 ・出光美術館

2013-05-14 22:09:41 | 日本美術
 
 出光美術館では5月19日まで
 「源氏絵と伊勢絵」展が開催中です。
 一月ちょっとの短い会期に見逃せないと、行ってきました。
 行ってきたのは、ゴールデンウィーク始まってすぐです。
 会期末が迫ってきたので、慌ててUpします。

 出光の展覧にはぶれがなく、落ち着いてその展示品と向かい合えることが
 鑑賞者の一番ご贔屓の要因点ではないでしょうか。

 展示品数も50点あまり。

 とてもゆったりした空間が快適です。

 いきなり、岩佐又兵衛の二幅が並んで迎えてくれます。
 源氏物語 野々宮図
 在原業平図
 
 今回の展示の主役二人の紹介が
 又兵衛ということも心憎い企画です。
 
 お得意の雅な男子の切れ長のおとがいのながいご面相。 
 光源氏も業平も男女が憧れた、貴族のもて男代表。

 この展覧の副題は
 土佐光吉没後400年記念
 大和絵の雅な王朝の薫り高いきらびやかな世界観です。
 一段下がる大きなガラスケースには
 土佐光信の娘、千代の手による源氏物語図屏風が展示されてます。
 女性の手による源氏物語屏風も珍しいものではないでしょうか。

 扇面流貼付屏風は屏風絵を海北友松、扇面図は土佐派のもの。
 ここでは狩野派、土佐派の源氏物語表現を見ることが出来ます。

 つぎに現れるのが伊勢物語。
 伝、俵屋宗達の伊勢物語図屏風
 どこか、鄙びたのどかな画面です。

 そしてもう一人の主役、土佐光吉の屏風が並びます。
 その相方を勤めるのが宗達で、出光のお宝です。
 
 その二つの物語は留守模様として発展します。
 
 宇治橋柴舟図屏風。
 抱一の八ッ橋図屏風。

 主人公達は影を潜めていますが
 誰もが主がいたことをわかって残り香を愉しみます。

 開場の所々には関連した模様、意匠を纏った工芸品が
 空間美を作ります。
 こういった工芸品とのコラボがいつもワクワクさせてくれます。
 鍋島のお皿、向付、古伊万里の虫籠型香炉、
 筒井筒蒔絵硯箱などなど。


 出光美術館サイトの解説がとてもわかりやすく、
 画像紹介もありますので、ご参照下さい。→こちら
 
 ここに海北友松の仕事があったこと、
 京都の建仁寺で友松の大作を見てきたばかりなので、
 嬉しさ倍増です。

 緑濃くなり、日差し厳しくなるころ、目にも心にもクールダウンに
 ぴったりな品格ある展覧でした。

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