あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

生誕100年 松田正平展 ・神奈川県立近代美術館

2013-08-15 14:31:29 | 美術展
 今回鎌倉に行ったのはこの松田正平展と野中ユリ展を梯子する、それが願望で
 旧友達が参加してくれたので
 酷暑もなんのその、鎌倉小町通りをおばさんズであちこちひやかしながら
 目的地までなかなかたどり着けない、そんな呑気な道中も楽しく
 ふらふら歩いてきました。

 鎌倉八幡宮へはお参りもせずに
 大谷石に囲まれ、蓮池を目の前にした
 近代美術館に入りました。

 「生誕100年 松田正平展 
  陽だまりの色とかたち」

 チラシに使われている「四国の犬」の
 ざっくりした単純且つ素朴で愛嬌のある表情に誰もが頬を緩めるでしょう。
 ご本人もとても飄々としたお顔立ちです。
 
 生誕百年を記念した松田正平展を開催するのは関東圏では初めての回顧展となった
 そうです。
 1913年~2004年 91才まで生きた画家です。
 
 東京美術学校で学び、1937年に渡欧しコローを模写するなど
 西洋画を学びました。
 後に独特な線と単純な対象物の表現にオリジナルな世界を見いだします。
 
 日本画家も、西洋画家も一旦西洋に憧れ、学び、そして自らの絵と向かい合ってきた
 結果、その呪縛から解放されるために筆を執り続けます。
 そういった時代を経て今の現代があるのだと知らされるのですが、
 松田正平に流れる、飄々とした湿度のない
 愉快な感覚はとても心地よく、
 実に絵に縛られることなく、その絵によって見る側も解放された
 風に吹かれる気がしたのでした。
 なんのことはない、その絵に肩の力を抜いていいのだと
 教わります。

 四国の犬を代表者として、
 ただわんわんと吠えるそんな緩い存在に
 へへ、と笑える絵、なかなかないと思います。

 これはグッズキャラクターとしても一役買ってもらって、
 Tシャツなどあったらつい手を出してしまいそうです。

   
  
 松田正平展のサイトはこちら

 机の上に何点かの葉書でもいいから
 行き詰まったときにそれを見て、力を抜く練習をしてもいいかもしれません。

 夏の鎌倉、まだまだ暑い日が続きますが、
 そよぐ風は都会の泥臭い風にはない、軽やかさがありました。

 神奈川県立近代美術館の中庭などの画像撮ってきましたので
 ご紹介します。



















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