あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

遊びの流儀 遊楽図の系譜  サントリー美術館

2019-08-10 22:54:38 | 日本美術
 
サントリー美術館チラシより

 サントリー美術館の展覧会で、おしゃれで抜群に素敵な展示品が並ぶ度に歓喜します。
 特に、ガラス、日本美術の屏風、絵巻、という得意ジャンルには垂涎ものが居並びます。
 今回は、「遊楽図」に絞って、日本で遊ぶことに特化した絵図、絵画を紹介してくれます。
 なんて蠱惑的な企画でしょう!
 メンバーに届けられるサントリー美術館ニュースの展覧案内からも
 素晴らしさが横溢しています、わくわくです。

 毎年、6月頃にメンバーの更新時となるので、
 それもかねて、ともかくは前期に駆け付けました。
 更新特典に頂いた、カフェ券で、お隣のcafe不室屋で
 豆乳のケーキとお茶を格安で頂けきラッキーでした。

 その後、会期末となってから、どうしても松浦屏風が見たくて
 再訪してきました。ようやく目の前で松浦屏風を確認することができて、
 それだけで心満たされたのでした。

 ところで、この、年間メンバーズクラブの素晴らしさ、絶賛させて頂きます。
 サントリー美術館が赤坂見附から、六本木に移転して以来、
 毎年更新を欠かさず、メンバーとなって、サービスを活用させてもらっています。
 年会費5000円で何度でも入館できます。1人随行者がいても入館可能。
 2回誰かを伴って入館するだけで元が取れてしまいます。
 1人でも、4回程度で元取れ、です。さすがのサントリー太っ腹です。
 その上、内覧会、様々な講演会などの情報、ショップの割引などなど。
 (詳しくは、サントリー美術館サイトをチェックしてみて下さい)

 本当にクオリティの高い展覧会を堪能することが出来る、
 コスパ最高のメンバーズなので、激烈オススメ致します。
 そのお陰か、内覧会のスライドレクチャーが大人気。
 整理券確保も長蛇列で覚悟していかねばなりません。ご注意下さい。

 また、サントリー美術館、今秋11月11日から来年5月中旬頃まで《休館》となります。
 寂しい期間となりますこと、お気をつけ下さい。
 この展覧会の後、「美濃の茶陶」展終了後休館となります。

 サントリー美術館情報はこのくらいに。

 いざ、遊びの世界へ。

 貴人たちが蹴鞠をしている絵をご覧になったことがあると思います。
 その蹴鞠が調度品と化して展示されました。
 白い皮でもっと楕円形かと想像していましたが、案外真円に近く、
 球体の真ん中を蒔絵が施された蹴鞠挟にとりつけられた形での展示です。

 室町、桃山、江戸時代に渡って人々が遊ぶ姿が描かれた絵図があり、
 そこからその時代の風俗を垣間見ることができます。
 その遊楽の図を集めての今回の展覧会
 「遊びの流儀」
  作法ではなく、流儀、なのです。なんか、とても斬新でクールです。

 京都国立博物館、徳川美術館、永青文庫、滴翠美術館、大和文華館、
 根津美術館、細見美術館、千葉市美術館
 これらの名だたる美術館からも展示品が集いました。

 滴翠美術館、芦屋の銀行マン、山口吉郎兵衛氏の収集、安井武雄氏の建築。
 一度訪問したい美術館です。

 会場に並ぶ、遊楽図、邸内遊楽図の数々。壮観です。
 貝合わせ、羽子板、お香道具、琴棋書画、などが、遊び道具として紹介されます。
 また、野外へ遊山しに出かけます。
 人間は何処ででも遊ぶことができるものなのだなぁと感心します。
 今回は、煌びやかな双六や、うんすんかるたが展示されました。
 その遊び道具の美しいこと。デザインも素晴らしいのです。

 絵図の中で一心に遊ぶ人々の姿も興味深く、様々な衣裳は勿論、
 髪型も様々で、思い思いに自分を飾って、楽しんでいます。

 珍しい、南蛮人になりたかったのか、南蛮衣裳を着込んでいる人も。
 上野界隈には芝居小屋が建ち、中村かんざぶろう、看板も見えました。
 着物の着方もとても自由で、帯の幅も今のものより細く、
 襟元もゆったり、自由な着方をしています。着付け教室なんてなかったことでしょう。

 ギョッとしたユニークな風炉先屏風がありました。
 「押絵輪舞図風炉先屏風」
 一瞬、どんな絵の具で描かれたのだろうと目をこらすと、
 絵の具ではなく、布を使って、表情豊かな細かな絵となっていたのです。
 屏風の形も面白く、上下半分下に押絵が施され、半分上はなにもなく枠だけになったもので、
 その形そのものがしゃれた風炉先屏風でした。
 京都市の所蔵で江戸時代のもの。

 魅力あふれる「邸内遊楽図屏風」で遊ぶ人々を見る時に
 単眼鏡がとても役立ちます。
 時々立ち止まっては掌に単眼鏡を収めて焦点を合わせて絵の中に入り込みます。
 おもいがけなく絵の世界が目の中に迫ってきます。
 まだ使い慣れていない感はあるのですが、老眼の目にもわくわくを連れてきてくれます。
 
 なかでも、「遊楽図屏風」(相応寺屏風)徳川美術館所蔵
 これがまたもの凄い描き込み、情報の詰まったもので、
 単眼鏡で現場を追いかけてもなかなか全体にたどり着けないくらいでした。
 みんな遊びに夢中なのです。いいなぁ〜楽しそうだなぁ、
 そんな雰囲気に包まれています。

 
 サントリー美術館チラシより

 多数の展示作品の中で、
 「婦女遊楽図屏風」(通称 松浦屏風) 国宝 大和文化館所蔵
 この作品を間近に初めて拝見できたこと、息をのむかっこよさに、目を奪われました。
 登場人物18人のそれぞれの着物衣裳の素晴らしさ、細やかさ、その人の表情、
 全体の立ち位置のバランスの良さ、多彩な色使いなのに、煌びやかであっても
 品の良さが立ちこめて、
 白檀のお香を焚いているかのような芳しさが立ちこめていました。
 多様な髪型も興味深く、手にしている遊び道具、カルタや、煙管、三味線、などなども
 みていて飽きが来ません。

 ふと、今の私達、こんなに素敵に遊ぶことができているのだろうか。
 と、心配になりました。

 「あそびをせんとやうまれけむ」

 余裕のない、忙しい毎日の中で、ギスギスした心ない事件などを
 耳にすることが多くなった昨今、
 少し、肩の力を抜いて、遊ぶこと、楽しみましょうよ、と
 お誘いを頂いているような、そんな享楽の絢爛に身を落としたくもなるような、
 危ない展覧会、さすがサントリーというべき展覧会も、お盆をすぎて
 いよいよ8月18日までの開催となりました。

 ゆとりの遊びを学ばなければ、いけません。大人としても。

 次回が、またいけませんね、悪徳の香りが〜〜
 しびれるぜ、桃山
 「黄瀬戸・瀬戸黒・志野・織部ー美濃の茶陶」展

 桃山の茶陶、人心を狂わします。
 しびれるぜ、なんてもんじゃ収まるわけがなかろう、魔界へようこそです。
 いまからわくわくしています。
 この展覧会でサントリー美、休館に入るというわけです。
 全身全霊で目に、胸に刻み、心震わせたいと思います。!!



月刊「目の眼」も桃山茶陶特集です❣️
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