あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

東京国立博物館本館 2019年8月4日 

2019-08-11 22:57:07 | 東京国立博物館
 東京国立博物館に通って何年?
 どれだけ通っても毎回発見に胸アツになる、トーハクファンです。
 昔、今、何が欲しい?という質問に
 「東博」
 と答えたことを恥ずかしく思い出しますが、今でも、本気です。

 その頃から思えば、「東京国立博物館」を「東博」と略して呼ぶようになり、
 今となっては、「トーハク」と気軽に親しげに呼び捨て気分です。

 トーハク、素晴らしすぎる魔界のスペシャルなワンダーランドです。

 年間パスポートを手に入れ、ともかく隙を狙って月に一度は尋ねたいところです。
 (最近、ちょっと間が空いてしまって、反省中)

 先日のトーハクをご紹介します。

 見学したのは、主に2階。
 時間に限りが有り、残念ながら
 「三国志」「日本のよろい」はまた次回にしました。
 東洋館では恒例「博物館でアジアの旅」が9/10〜10/14に開催されます。
 毎年のお楽しみイベントです。会期中、様々な関連イベントもあります。
 サイトチェック、重要です!
 一日中いても時間が足りなくなるラインナップです。

 とはいえ、あまり予備知識ガチでいくと、うわぁ!という驚きにブレーキがかかるので、
 なるべく予習はしないようにしていきます。

 いつものように、
 1階階段脇のエレベーターに乗り込み、2階の縄文「火焰型土器」をちらみしつつ
 古墳時代の展示品を通り抜け、国宝室に向かいます。

 この日が最終日だったことを後で知って、ラッキーでした。
 「国宝 餓鬼草紙」平安時代12世紀 (写メOKでした)
 六道のひとつ、餓鬼道の苦しみを凄惨な絵でふるえさせる効果
 絶大です。しかし、苦行の画面は悲惨であればこそ
 惹きつけられもするのでした。
 今は、畜生道、阿修羅道が展示されているようです。9/1まで。










 次に目がとまったのは、扇面図。
 
  扇面画帖 室町15~16世紀





  清水寺図扇面 伝土佐光久 室町16世紀



  源氏物語図扇面 伝土佐光元 室町16世紀



  雅な世界、お公家さんたちの典雅な佇まいを思います。


 そして、なんと、雪村、雪村が現れたのです。
 2017年に芸大美術館で雪村展が開催されたことをワクワク思い出します。
 その雪村のパワフルっぷりを想像するのに十分な作品です。
 雪村は86才まで生きた長寿パワーをお持ちだったようです。

 「蝦蟇鉄拐図」












 鉄拐が口から上に向かって、ふうっと吹き上げています。

 その先に行くのは、小さくなった自分の姿?魂といわれているところから、
 分身なのかも知れません。

 その反対側では、蝦蟇仙人が3本足の蝦蟇を操っています。

 蝦蟇は息を吹き上げて、鉄拐の分身に向かっています。
 この妖しげな雰囲気、最高です。
 
 茶の美術では、
 瀬戸唐津茶碗の素朴で素直な姿にわびさびを見るわけです。





 夏になれば涼しげな、染付の器が登場します。




 これらは広田松繁氏(不弧斎)コレクションからの展示でした。

 雪村の蝦蟇鉄拐図の残像がまだ消えきらないうちに、 
 中村芳中の「蝦蟇鉄拐図屏風」が現れて、ドキッとしました。  
画像紹介ができなく残念ですが、 
のんびりとした琳派絵師という印象からまったく想像もできないくらいの  
堂々とした、大画面への挑戦にも見えました。  
屏風3点の展示にはいつも心踊ります。  大画面の迫力はやはり叶うものがありません。  
狩野派の天才絵師、探幽の屏風も並びました。





   「周茂叔・林和靖図屏風」  周茂叔、林和靖ともに中国の文士で周は蓮、林は梅を愛したということから  
文士と花のセットとなったそうです。 
他にも、陶淵明は菊、黄山谷は蘭、文士と花のセットは画題として  
よく取り上げられたようです。

    池大雅「林逋帰亭図屏風」  
この作品も、梅を愛し、鶴を愛したという林和靖が自宅へ帰る姿を  
描いたものだとのこと。元は襖絵だったそうです。 






 池大雅 小品もありました。 
  「茄子糸瓜図賛」  




「高砂図賛」  



さらりと軽妙な江戸の粋を感じます。 

  尾形光琳「李広射石図」 
 光琳も中国の武将を描いたのでした。 




石を虎と見誤った李広が矢を射たところ、  弓の名人の矢はその石に刺さったという気迫あるシーンを  
描いたそうですが、緊張があるような表情の下に  
おちゃめなユーモアが潜んでいるように見えるのでした。    
その後の展示にも文士っぽい気配がありました。  
三国志の国、中国を意識してのことなのでしょうか。 

  久隅守景 「許由巣父図屏風」 




   許由が帝の話に耳を洗うと、巣父はその同じ水で牛に水を飲ませずに  
帰った、という理想の高士の例えを絵にしました。  
農村風景などのゆったりした絵が得意だった久隅守景、  
硬派な画題ですが、悠然と瀧が落ちる音や、水飛沫も感じられる  
巧みな屏風絵だと感じました。 

そしてそして、長いガラスケースの中に、  若冲の「玄圃瑤華」が並んでいるではないですか!  
東京ステーションギャラリーのメスキータがお好きな方なら、  
きっとシンパシーを感じて下さるのではないかと  
余計なことを想いながら、  
本当に、モノクロの植物と虫の画帖に心奪われます。  
仙人の居るところ、玉のように美しい花と言う意味の  
「玄圃瑤華」若冲まだ53才の若い時の作品です。  
9/1までの展示です。ぜひ!  

















   浮世絵の展示は、今国立西洋美術館で開催中の松方コレクションの  
連携企画として4期にわたって、トーハク所蔵の浮世絵が展示されます。   
松方コレクションの浮世絵は初期浮世絵が充実しているそうです。  
今見ても生き生きとした浮世絵を鑑賞できる好機です。  
三期は8/25まで。四期は8/27〜9/23まで。  












  
 ということで、ぼうっと生きていてはいられない、東博、トーハクなのです。  
また、いかねば。  
画像だらけ、長々しい記事にお付き合い感謝申し上げます。  
そして、  残暑お見舞い申し上げます。
  
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