大惨事の後の展覧はその出品作品をどう収集してくるかが
大きな仕事となってくるだろうが
この出光、所蔵品が充実しているので、
今回の展覧はすべて自前で賄っている。
おそるべし、出光コレクション。
それで始まったのが
「花鳥の美」
いかにも得意ジャンルな展覧だ。
しかし、考えてみれば花鳥の文様を抜きに日本美術は考えられない。
どんなものにも花鳥が描かれてきたのだと
改めて思い知らされる。
1花鳥が出会う水辺
ここでは伝雪舟の屏風、織部の千鳥向付5客、蒔絵硯箱
やきものでは朝鮮の青磁象嵌に柳水禽文、蒲柳鷺唐子文などの瓶。
絵付けのお皿では桃山の絵唐津、
景徳鎮の青花芙蓉手花鳥文皿、古九谷の色絵松竹鶴文の大皿。
水際に遊ぶ鳥達の絵の章。
何度見ても素敵な空気感があるのは
山本梅逸の「四季花鳥図屏風」
絵具が色薄い使い方なのにとても沢山の花鳥達が
登場するし、墨も抑えめなのにどこか惹かれる魅力がある。
また、下がったところの一角には
狩野永納の「遊鶴図屏風」がゆったり鑑賞できる。
まじまじみれば鶴の親子がこんなに微笑ましく描かれ
こんな屏風が他にあっただろうかと、思わず見入ってしまった。
描かれる花達も鍛錬に描かれ、
見知った気持ちでいる事を反省しつつしばし
鶴の親子の散歩につきあう事にした。
2 文様の美を競う
ここには珍しい事に堆朱のお盆、食籠などが並んだ。
漆の固まりがものの見事に彫り抜かれ、重厚な朱が
中のものを守護している。
終わりに「四季草花図屏風」喜多川相説 の作。
端正で屏風の仕立て具合も親しみやすい。
喜多川相説 という人を初めて見た。
3 富貴花の展開
初めに田能村竹田の「春園富貴図」が掛かる。
その横から、みごとに中国のやきもの、景徳鎮が並んで壮観。
やきものにも沢山花が添えられてきたのだ。
法花牡丹文香炉 中国・明 嘉靖時代
この香炉をみて、寛次郎を思った。
4 幻想世界に迎えられた鳥たち
鳥といっても霊鳥、神様のお近くに存在してきた
鳥の中でも一番くらいの高い鳥たち。
鳳凰、孔雀、鶴などが様々なところに現れる。
絵画であったり、鏡であったり、お皿であったり。
壷になったり。
鳥の位が神々しいと使う人の位も高くなる事が
よくわかる。
鳥の人相(鳥相?)さえ、つんと品よくセレブな雰囲気が漂ってくるものだ。
5 人々に愛された花鳥の主題
最後の章はもっと身近な鳥たちと花たち。
二つの頭を並べた青花鴛鴦形水注 ベトナム
この鴛鴦は仲がいいのか、怪しげな人相で
使う人も楽しんだのではないだろうか。
鶏も図柄として外せまい。
ラストに
堂々と「花車図屏風」
桃山時代の豪華絢爛「吉野龍田図屏風」で締めくくられた。
出光の春爛漫の花鳥たちから
めくるめく命の息吹を堪能できる、
充実のコレクション展であった。
24日からは
「遊鶴図屏風」の代わりに
あの「日月四季花鳥図屏風」が登場です。
皇居の景色を借景しつつ、お茶で一服もまた至福な時間です。
ぜひ、心躍るひとときを。
次回は
「明・清陶磁の名品」やきものファン垂涎ものと出会えるはずです。
大きな仕事となってくるだろうが
この出光、所蔵品が充実しているので、
今回の展覧はすべて自前で賄っている。
おそるべし、出光コレクション。
それで始まったのが
「花鳥の美」
いかにも得意ジャンルな展覧だ。
しかし、考えてみれば花鳥の文様を抜きに日本美術は考えられない。
どんなものにも花鳥が描かれてきたのだと
改めて思い知らされる。
1花鳥が出会う水辺
ここでは伝雪舟の屏風、織部の千鳥向付5客、蒔絵硯箱
やきものでは朝鮮の青磁象嵌に柳水禽文、蒲柳鷺唐子文などの瓶。
絵付けのお皿では桃山の絵唐津、
景徳鎮の青花芙蓉手花鳥文皿、古九谷の色絵松竹鶴文の大皿。
水際に遊ぶ鳥達の絵の章。
何度見ても素敵な空気感があるのは
山本梅逸の「四季花鳥図屏風」
絵具が色薄い使い方なのにとても沢山の花鳥達が
登場するし、墨も抑えめなのにどこか惹かれる魅力がある。
また、下がったところの一角には
狩野永納の「遊鶴図屏風」がゆったり鑑賞できる。
まじまじみれば鶴の親子がこんなに微笑ましく描かれ
こんな屏風が他にあっただろうかと、思わず見入ってしまった。
描かれる花達も鍛錬に描かれ、
見知った気持ちでいる事を反省しつつしばし
鶴の親子の散歩につきあう事にした。
2 文様の美を競う
ここには珍しい事に堆朱のお盆、食籠などが並んだ。
漆の固まりがものの見事に彫り抜かれ、重厚な朱が
中のものを守護している。
終わりに「四季草花図屏風」喜多川相説 の作。
端正で屏風の仕立て具合も親しみやすい。
喜多川相説 という人を初めて見た。
3 富貴花の展開
初めに田能村竹田の「春園富貴図」が掛かる。
その横から、みごとに中国のやきもの、景徳鎮が並んで壮観。
やきものにも沢山花が添えられてきたのだ。
法花牡丹文香炉 中国・明 嘉靖時代
この香炉をみて、寛次郎を思った。
4 幻想世界に迎えられた鳥たち
鳥といっても霊鳥、神様のお近くに存在してきた
鳥の中でも一番くらいの高い鳥たち。
鳳凰、孔雀、鶴などが様々なところに現れる。
絵画であったり、鏡であったり、お皿であったり。
壷になったり。
鳥の位が神々しいと使う人の位も高くなる事が
よくわかる。
鳥の人相(鳥相?)さえ、つんと品よくセレブな雰囲気が漂ってくるものだ。
5 人々に愛された花鳥の主題
最後の章はもっと身近な鳥たちと花たち。
二つの頭を並べた青花鴛鴦形水注 ベトナム
この鴛鴦は仲がいいのか、怪しげな人相で
使う人も楽しんだのではないだろうか。
鶏も図柄として外せまい。
ラストに
堂々と「花車図屏風」
桃山時代の豪華絢爛「吉野龍田図屏風」で締めくくられた。
出光の春爛漫の花鳥たちから
めくるめく命の息吹を堪能できる、
充実のコレクション展であった。
24日からは
「遊鶴図屏風」の代わりに
あの「日月四季花鳥図屏風」が登場です。
皇居の景色を借景しつつ、お茶で一服もまた至福な時間です。
ぜひ、心躍るひとときを。
次回は
「明・清陶磁の名品」やきものファン垂涎ものと出会えるはずです。