あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

琳派から日本画へ ・ 山種美術館

2008-12-10 13:37:46 | 日本美術
一月前、あの大きな東博の平成館で見た、
ダイナミックな雰囲気とは違って、
九段の千鳥ヶ淵界隈の落ち着いた雰囲気の中で、
山種コレクションの近代日本絵画と共に
山種による、山種の琳派展が開催されている。

大御所、宗達・光悦をはじめ、
琳派の作が今も尚日本の美術の根幹として
大きな影響を与えてきたことを示してくれている。
影響されたのは、誰ではなく、
誰もが知らずして影響を受けてきたのだと思う。

あべまつお気に入りの宗達・光悦コンビの
短冊帖がまた間近に目にすることができて、
ご機嫌だった。

また、本阿弥光甫の絵が3幅対で初めて見ることができたのは、
大収穫だった。
光甫のサインが画中の蓮の葉の中や、
藤の花房の中やもみじの幹に墨書されていた。
こういう工夫が楽しい。
素晴らしい構図だと思った。
乾山の近くに、光甫がいたのだろうと思った。

其一の四季花鳥図屏風は、彼のお気に入りひまわりが
登場していた。
其一は、今とても気になる存在だ。
抱一を凌いでいるのではないかとさえ。

目黒雅叙園に荒木十畝の部屋があって、
ジュサブローの源氏物語展をそこでみた。
螺鈿がふんだんに使われ、天井絵を荒木十畝が
描いたという立派な部屋だった。
ここに春夏秋冬、四季花鳥図が4幅並んでいるのは、
驚きだった。異彩を放っていた。
どこか、若冲とアールヌーボーのミュシャが
描きこみと夢見る色使い。

他、御舟の代表作、「名樹散椿」が
宗達、其一に挟まれて展示。
これができるのが、山種なのだ。

土牛、平八郎、青邨、春草、観山、古径、
珍しく加山又造の裸婦もあったり、
収穫の多い、充実の展覧会だった。

25日まで。

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6 コメント

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Unknown (すぴか)
2008-12-10 22:03:48
こんばんは。
山種はほんとにゆっくりした気分で見られて、
よかったです。
本阿弥光甫ってはじめて知り驚きでした。
其一の《四季花鳥図屏風》、ほんとにすてき、
あの向日葵は誰も真似できないような、
不思議な魅力をたたえていましたし、
御舟の《名樹散椿》もゆっくり見て、
まばゆいばかり、宗達・光悦のあの短冊帖が
じっくり心に沁みました。
返信する
すぴか さま (あべまつ)
2008-12-10 22:22:09
こんばんは。
早速のコメント、ありがとうございます。
近代日本画はまだまだ知らないことだらけなのですが、今回の山種は沢山初めて見るものがあって、
大収穫でした。
光甫、気になる人です。作品数も少ないのではないでしょうか。
山種といえば、御舟、良いものを沢山所蔵ですね。
返信する
感動ふたたび (もか)
2008-12-12 09:27:20
行かれたと伺っていたので、UPを楽しみにしていました♪
観た時の感動が蘇りました。。。

荒木十畝=若冲×ミュシャ?…なるほどです!
あまりの華やかさに気おされて、それほど惹かれなかったのですけど、もう一度観てみたくなりました。

TBさせて頂きました。(実は初トライなんです、うまく行きますかどうか…)
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ひまわり (Tak)
2008-12-12 10:21:25
こんにちは。

其一のひまわり
確かに気になります。
一本だけどーんと
描いた作品もありますよね。

あれなど当時どのように
受け入れられたのか
興味津々です。
返信する
もか さま (あべまつ)
2008-12-12 22:34:46
こんばんは。

TBありがとうござます。
ちゃんと飛んでくれたようです。
>荒木十畝=若冲×ミュシャ?…なるほどです!
そう思って頂けて、嬉しいです。
ほんとうに、ヌーボー系の色使いで、
南画の超書き込み具合がそう思わせてくれました。

近代日本画に弱いのですが、
今年の山種の一番だったと感じました。


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Tak さま (あべまつ)
2008-12-12 22:38:30
こんばんは。

其一の植物は、どこか不思議な気配がありますよね。
草花ではなく、植物、と思わせるような。

ひまわりはいつ日本画に入ってきたのでしょう?
ゴッホが種まきしたとか?まさか。
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