あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

アート鑑賞記録

2008-09-17 22:07:50 | アート鑑賞記録
16日
科博で、「金GOLD]黄金の国ジパングとエル・ドラード展を見る。
目がキン、出目キン。キンキラキン。
人間は本当に金が大好き。
茶室やドレスや打ち掛けは、そこまでする必要があるのか
私には解らないけれど。
金は使いようによって、ゴージャスになり、華やかにもなるけれど、
間違って使うと、ただのキンキラになってしまう、
危ない素材でもあるのだ。

その後、銀座に出て、
「白洲次郎と白洲正子展」を松屋で見る。
なにしろこんな夫婦は見たことがない。
一本心棒が貫かれ、審美眼は血統の良さが思い知らされるのだが、
コレクションの一々が唸る物ばかり。
何気なく、宗達の軸が3幅。
仙の軸が2幅、白隠の寿という書がさらりとかけてある。
ビトンの旅行カバンや、クロコのアタッシュケースが
紳士物の仕立ての良いスーツ、ツイードの上下、
ブルータス特集せよ!の垂涎ものが並ぶ。
織部の楽しい皿、魯山人の土瓶、集めた染付けそば猪口、
などなど、塗りや、古木の台に飾られ、
武相荘の上質な豊かな雰囲気を味わった。

丁度松屋では江戸職人展も開催されていて、
同時に様々楽しめた。
Mr,Oさん松屋チケットありがとうございます!

ところで松屋ですごいものを見てしまった。
陶芸コーナーでのこと。
花屋さんで売っているままの黒いビニールの
鉢カバーモロ出しの小さな花が
発表されている作品の中に無造作に置かれていたのだ。

こんなショックな光景は、なかなかお目にかかれない。
自作のものをどう使って貰いたいのだろう?
もう少し愛情注いで、美を注いでもらいたいと切に願った。
黒いビニールの鉢カバー、あれがどれだけ陶器の作品の
命を曇らせていることか・・・号泣!

17日
今日は凄く頑張った。
まずは畠山美術館で、「赤のやきもの」展
金襴緞子のような絵付けであったことから、
金襴手と呼ばれたとか。
赤絵のゴージャスな鉢、花入れ、壺などが目白押し。
その中でも一入の黒楽「馬たらい」
鈴木其一の「ひまわり」
そういえばこれは植物学的にはありえない花だとか、
新・日曜美術館で放送されたように思う。
本阿弥光甫の信楽振出「銘 老茄子」
これは、突然なもので、幼稚なのか、下手なのか、
わざとなのか、きちんと成型することから離れたのか、
ものすごい異次元の土ものだ。
あの茶事の世界で、この粗野で野のような土。
驚いた。
本阿弥光甫は前から気になっている人だ。
などなど、盛りだくさんで、
後から小さくても記事にしたい。

出口でこの辺で美味しいお昼ごはんご存知ですか?
と、美術館の方に尋ねたら、
ほほ、教えてくださいました。
安くてきっちり美味しいてんぷらやさん。
私の心とお腹はシアワセに満ち溢れ、
畠山に行く時は、必ずセットでここのてんぷらを
食べることにしようと誓った。
どこ?って、今のところ、ひ・み・つ!
(意地汚いなぁ。)
そして、横浜の源氏に行くか、
上野に行って、東博スリランカと常設に行くか、
悩んだ結果、
上野に針が動いた。

はたして、これが大正解。
上野に1時過ぎについて、
出たのが4時過ぎ。長居をしたものだ。

まずはスリランカを堪能。
金GOLDを見た後だったのが幸い。
キンキンまばゆい光源氏の観音菩薩坐像が現れた。
エキゾチックで、なまめかしく、
肉体美が滲み出ていた。
その土地の人々がそれだけ美しい身体を持っていたからなのだろうと思う。
日本人は、肉体的に、身体的に
どう比べたって貧しいから、
着物に頼らざるを得なかったのだろう。
ちらっと小袖を思い出す。

その後、
東洋館で特集陳列「中国書画精華」を楽しむ。
毎年この頃に中国書画特集が組まれるようだ。
まぁ、本当に超絶技巧!
この国の技術力には敵わないと思う。
目がさすがに疲れてきた。

本館では、面の特集があったり、
平成館では「茶人好みのデザイン」として、
これまた金襴手の赤絵茶碗やらと対面して、
今日は金と赤の特集を見ているようだ。
彦根更紗というジャンルを初めて知ったが、
更紗の彦根バージョンというもの。
更紗自体が素敵な色の布なので、大好きだが、
これまた、大倉や、五島で展覧会が待っているらしい。

いやはや濃厚、濃密、絢爛、ゴージャス、
二日にかけて、こんなにものを見ると、
目が、脳みそが混乱をきたす。

しかし、二日後、また怒涛の鑑賞を予定している。
見られるものとのご縁に感謝するばかり。
チケットのご縁も多々恵まれて、
降りかかる幸にただただ感謝するだけです。
とりあえず、今日はこのくらいで。

学校行事のお手伝いあり、秋のお墓参りあり、
様々イベント目白押しではあるけれど、
それぞれ頑張って、心も体も天高く肥ゆる秋を体験するのみ!!
の、あべまつなのでした。

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4 コメント

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Unknown (meme)
2008-09-20 22:14:06
相変わらずの東奔西走ぶり、眼福の日々ですね。
てんぷら大好物なのです。
畠山美術館にはまだ一度も行っておりませんが、
ぜひ、受付の方よりお店情報を入手しようと
食の方に食指が動いております。
返信する
meme さま (あべまつ)
2008-09-20 23:06:04
こんばんは。
東奔西走は、memeさんにはかないませんよ~
でも、久しぶりに充実な一週間でした。
眼福、眼福。
畠山、なかなかこぢんまりとしていて、
五島に近い感じで、ホッとします。
天ぷら好きのmemeさんにこっそり、
お教え致しましょう~
高輪台の駅近くの「天寿」だったと思います。営業日は注意した方が方がよさそう。
根津にも近くに天ぷら屋さんがあって、
毎回楽しみでした。
日本橋や、浅草、勿論銀座にも美味しいところありますね★
返信する
ありがとうございます! (meme)
2008-09-21 20:39:49
東京では食に疎い私です。
根津はまるやま、てる井どちらかでしょうか?
美術鑑賞も良いですが、食欲の秋、おいしいものを
いただきたいものです。
返信する
meme さま (あべまつ)
2008-09-22 23:10:54
こんばんは。
memeさんが天ぷら好きとわかったので、
気をつけて名前など見ておきますね。
根津、は根津美術館のことで、今閉館工事中で残念ですが、「みや川」という天ぷら屋さんによく行きました。
谷千根の根津方面はまだまだ不案内です。
最近は年の所為か、日本食が一番落ち着きます。
返信する

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