あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

三井家のおひなさま ・三井記念美術館

2009-03-01 14:14:14 | 日本美術
毎年恒例となった、三井のおひな様達。
由緒あるお家の正しい節句のお道具達に
うっとりする。

一家安寧、子孫繁栄、健康祈願、無事成育、

姫達への願いは、ミニチュアに凝縮され、
日々の生活のお守りにもなる。
どうか、今年も無事に息災に過ごせますように。

三井は展示室1が茶道具の重厚なコーナー。
「春の取り合わせ」として、
仁清の美しい香合2品。
尺八と糸巻き。
形のすんなりとした美しさは仁清において他はない。
阿蘭陀の向付が新鮮。
染め付けの蕎麦猪口のような愛らしい草花文。
黒楽四方茶碗 一入作 銘四ツ目
長次郎のムキ栗を進化させたような感じ。
彫三島茶碗、ざっくりとした表情と素直な形。
外にも彫があるので、外花といわれ数が少ないものとか。

如庵は、宗旦の一行書を掛け、信楽耳付水指を置く。
主茶碗はノンコウの赤楽茶碗 銘再来
「山里の馳走ふりなり竹のつえ」と書かれた茶杓入れを使う。
それだけで春来たる、になる。
桃の一枝でも入れようか。

他、明治、大正、昭和の着物が並ぶ。
時代が進む事に近代化されたデザインと、
染料が使われている。
もっと、女性達は色を楽しんで、
華やかになってもいいな、と思った。

今回の驚きは
新規寄贈品「三井好 都のにしき」
木版とは思えないほど細密で美しい。
水野年方という人が作る。
月岡芳年の弟子だったという。
絵の下方に英語の題もあって、海外のお客も掴もうとしたのか。
画像はその中の一作品。
ぜひ目の前で芸の細かさを凝視して下さい。
詳細は三井記念美術館のサイトで。
こちら

なんとなく、デパートも春支度に替わり、
おめでたい気分。
おひな様用の御菓子などもぶら下げて
うきうきな日本橋だった。

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2 コメント

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三井好 (もか)
2009-03-13 09:47:14
水野年方の≪三井好 都のにしき≫は良かったですね!
浮世絵以降も、彫の技がたしかに継承されているのを感じました。
英語タイトルの方が詳しく、わかりやすいのが、面白かったです。
返信する
もか さま (あべまつ)
2009-03-15 22:23:14
こんばんは。

お返事遅くてスミマセン!
水野年方の新しい浮世絵版画でしたね。
色が美しかった!

名門三井家にも新しい寄贈が今もあるのですね。こうやって初めて見る事ができる作品がまだまだあるのでしょうね。
これからも楽しみです。
返信する

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