あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

久しぶりにアート鑑賞・日本橋編

2010-02-02 22:49:27 | アート鑑賞記録
スタートは東京駅上の大丸ミュージアム。

内藤ルネ展へ。

母の世代がオンタイム。
私はちょっと遅れてファンシーグッズに親しんでいた。
会場はもう可愛い女子の憧れのお部屋になっていた。
白いペンキを塗った化粧棚に胸キュンの
かわいらしいものたちが勢ぞろい。
女の子達のあこがれの時を過ごす様々な魔法が仕掛けられていた。
フエルト縫いぐるみなどは型紙があればすぐ作りたくなる。

苺やマーガレット、天道虫などがコップに印刷されているのを
みて、当時のデパートの売り場さえ思い出してしまう。
おやつも明治や森永が全盛を極めた。
私はバービー人形の着せ替えにはまり、洋服なども
適当に作っていたように思う。
手作りのうっとりするかわいらしさ。

彼自身、BLなひとで、生涯パートナーとして仕事の助手として
ずっと共にした人がいた。

女の子達は夢見ることから生活を潤す方法を学んでいったのだ。

サンリオキャラクターの元祖的な存在だろう。
ただただかわいらしかった。

8日まで。

イノダコーヒーでランチをして、高島屋に移動するが、
丸善の企画看板に引き寄せられる。

「奈良絵本の宇宙」
3階の小さな会場で思いもかけない奈良絵の展示。
大学で唯一楽しかった授業が御伽草子だったので、
いまだに御伽草子好き。
奈良絵のほのぼのとしたゆるさも大好き。
芸大美や、民芸館にも良い奈良絵が所蔵されている。
小さな会場と侮るべからず。
関係資料50点の展示だ。
充実の研究成果がつまった小さな冊子が無料で配られ、
時間が合えばギャラリートークも拝聴できる。
時間が押していたので残念ながら退出。

慶応大学では絵入り本プロジェクトが立ち上がり、
石川透研究所が奈良絵本のデジタル化を進めているとのこと。
散逸消失される運命の中、残されたものを
現代の力で保存に当たるすばらしい活動だ。
願わくば復刻本で楽しく所蔵したいものだ。
ともかくは日本の文芸の元祖と挿絵のコラボは
勤勉で真面目な日本人の心の血肉となっていたことを
しみじみ実感できる。
なつかしくも心のふるさとを感じるのだ。
絵巻はなく、冊子に限っての展示だったが、
ともかく、なんともかわいらしい愛すべき絵本なのだった。
家に帰り、昔の絵本御伽草子関連を引っ張り出して
ニヤニヤしていた。
残念ながら、2日まで。

つぎは
高島屋で異端の華道家 中川幸夫 生ける花
6階の美術画廊Xで鑑賞。
自身の生けた花を自身で写真に捉えた。
三輪休雪の若い頃のハイヒール陶器に仏手柑を置く。
真紅のチューリップの花びらを山のように盛り上げる、魔の山。
光悦の筆の軸に枯れた蓮の葉を置く。
須恵器などの古陶なども使う。
池坊に身をおいたが脱会し以来彼自身の生き様のような
生と死を生々しく表現し、前衛作家達とのコラボも盛んにした。
土門拳は当初、写真を担当していた。
書もやれば、写真も、オブジェも作る。
芸術家はその人の持つ魂の塊度が一番問題なのだと
言われた気がした。
じりじりする花ばかりではなく、深深とする花もある。
じつに興味深い花たちだった。
1日で終了。

最後に三越へ移動し、竹久夢二を見た。
彼の作品は周知のことだが、
今回は初公開最期の油彩画「扇をもつ女」と
晩年旅した欧米のスケッチ。
数々の女性達を描いてきた夢二とは違った
とても軽やかなスケッチを沢山見ることができた。
そうはいってもやはり夢二の世界は
女性達の姿。

粋な縞に表装された細い女性達のけだるさに出会って
ほっとした。
心中物の徳兵衛と梅川の陶酔の背中とか、
吉原あたりの芸者衆の香りとか、
やっぱりこの人の生きた世界はここだろうと思ったのだった。

欧米への旅の後、51歳で亡くなってしまうが、
新しい挑戦には既に力尽きていたのかもしれない。
場内には大正ロマンの着物姿の女史もちらほら。
こういうファンがいるから夢二は不滅なのだった。

首筋のコリのピークは何とか脱出し、
懸案事項もなんとか通過し、
様々な不調が回りに点在するけれれども
生きていればいろんなことがあるさ、
正面からぶち当たっていきましょう!という心意気で
やっています。
来週は花展にいよいよ初出品。
なんとか先生にご迷惑をかけないように
がんばります。
作品画像が撮れたら御紹介させていただきます。

では、明日の節分、お豆の仕込みお忘れのなきよう。
恵方巻は関東にはなかったけれど・・・
日本のお付き合いで家族の分用意しましょうかね?

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (遊行七恵)
2010-02-03 12:47:53
こんにちは
慶応大のデジタルはますます充実してゆきそうで、嬉しい限りです。
大学のデジタルアーカイヴはわりにそういうのをマメにしてるなぁと感心します。
奈良絵本の研究は絵だけでなく、物語のほうもwebで見れるのが何点かありますし・・・

はやく首凝りよくなって、今度はぜひどこかへご一緒したいです。
返信する
Unknown (meme)
2010-02-03 20:11:05
こんばんは。
丸善の奈良絵本情報、本当に有難うございました。
50点も出ているとは思わず、しかも時代順に
並んでいたので比較しつつ見て行く楽しみも
ありました。
絵もですが、お話の内容を知りたくなる絵本も
沢山あって楽しい世界ですね。
返信する
遊行 さま (あべまつ)
2010-02-03 23:18:22
こんばんは。

年はとりたくありませんねぇ。
首がこりこりで鍼灸院に通ってましたが、なんとか復帰。
目も疲れやすくなってきた感じです。

大学の地道な活動にエール送りたくなります。
益々の充実を願いつつ。
奈良のお土産に奈良絵の扇があって、
今も大事な大好きグッズです。

今年はどこかでぜひぜひご一緒しましょう。
返信する
meme さま (あべまつ)
2010-02-03 23:23:10
こんばんは。

まったくの偶然に通りかかった
奈良絵の企画展でしたが、
お役に立ててよかったでした。

画像はやはり本物に及ばないので、
実物を見ることのが出来た上で参考にする、
そのことも大切と感じました。
紙の質感とか、色の出具合などは
とても画像処理では追いつきませんものね。
あんまりな物語転換にわくわくしてしまいます。
ボーイにそっくりなものぐさ太郎の話があったので、妙に受けたのでした。嫁はんが来るかどうかは別問題として。
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