あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

6月のアート鑑賞記録 2015

2015-07-15 22:18:52 | アート鑑賞記録

 今年始まってからというもの、気がついたら半年が経とうとは!

 浪人生の愚息の受験に始まり、
 知人夫人の入院、介護、そしてついに冥界への旅立ち。
 その後は相続のお手伝い。納骨。
 合間を縫っていけばなの稽古、展示会、企業の華道部お手伝い、
 女子高校での授業助手、
 そして寸暇をみつけてのアート鑑賞。
 同人誌への寄稿、編集お手伝い。
 主婦の仕事はどうやってきたのか、謎です。
 深く追求しない夫や愚息に感謝です。

 先月は久しぶりに、両親と熱海でランチを一緒にとり、
 その後、両親は伊豆高原へ帰り、私は友人と合流して
 MOA美術館へ移動し、賑々しい岩佐又兵衛の山中絵巻全巻展示に
 参戦してきました。
 いやはや絵の具の鮮やかなこと、線の細やかなこと、緻密なこと。

 熱海までの新幹線往復はちょっとした小旅行気分が味わえます。
 最近の焼身自殺事件にまきこまれるというニュースに
 驚きますが、なにごともない、ということの奇跡にも驚かなければならないことに
 気づかされます。

 東京駅ステーションギャラリーでは
 その生き様にも心揺さぶられる、鴨居玲展を鑑賞。
 すさまじい赤の変遷、自画像からあふれる画力の凄味。
 流浪の旅の果ては自ら命をたってしまうドラマが作品から炸裂してきます。

 人は自分との闘いでしかないのかと暗澹たる思いになりながらも
 凡人の悩み無用な諦めには通用しない闘いでもあるのだと
 安堵もします。




 久しぶりはあちこちに。

 山種美術館にはどのくらいぶりだったでしょう。
 「松園と華麗なる女性画家たち」として、
 知られる機会の少ない、女性画家に焦点が当てられました。
 この企画はご近所の大学、実践女子学園との連携企画で、
 鑑賞後、実践女子学園まで雨模様ではありましたが、
 足を伸ばしてみました。
 学園内に香雪記念資料館を併設していて、
 女子大の立派なこと、綺麗なことに大変驚かされました。



 最終週に、いけばなの先生と清澄白河で深川ランチをご一緒しました。
 その後、せっかくなので、現代美術館まで足を伸ばし、
 山口小夜子展を見ることとしました。
 丁度、小夜子さんがモデルとして活躍されていた時代を
 体験しているので、とても懐かしく、
 今でも先端を突っ走れる洗練された美の伝道師であることに
 改めて容姿から、様々なシーンから感じ取れたのでした。









 現美コレクションも久しぶりに鑑賞。
 ここの展示室の天井の高さと解放感にリフレッシュされながら、
 充実のコレクションとその作家に元気をもらいました。

 夏休みは恒例の子供たちへのメッセージ展が開催されることでしょう。








 そして先月から引き続き、文楽も鑑賞。
 これは文楽若手会といって、
 師匠の足や左手遣いの若手が主役となれる滅多にない機会です。
 お芝居は丁度玉男襲名興行と同じ演目でしたから、
 様子がつかめます。
 それでも、歌舞伎も同じ事が云えますが、
 役者が変わると同じ演目がまた違って見えてきます。
 大夫も三味線も檜舞台です。
 清々しい若い力が感じ取れました。
 しかし、文楽の現役演者のみなさんは
 サラリーマンの隠居のお年頃からが本番です。
 気の遠くなる世界ですが、一生を捧げる芸事の深さも感じ入ります。
 人形遣い、玉佳さんのご活躍祈願です。




 週に一度程度のアート鑑賞となってしまってはいますが、
 ぼちぼち続けていこうと思います。

 夏はどんな展覧を見に行こうか、
 ちょっと情報からも疎くなってしまってますが、
 ふらふら出かける時間を探したいと思います。

 急な暑さに参らないよう、気をつけながら、
 楽しいこと発見できますように。



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