*アート好きのためのアート好きによる図録放出会
東北芸術大学信濃町学舎 6月1日
詳しいレポがこちらに。アートブロガーのTakさんのブログです。
この図録放出会には初回からお邪魔しています。
今回も図録バッグを使っていない布を使って拙作をほんの少し提供のお手伝いしてきました。
図録の保管場所に悩んでいながらもまたまたお手頃価格にほだされて
供出してもまた仕入れてしまう、というスパイラルにはまるわけでした。
その活動をささえる情熱と、活動と、その後、震災復興へ差し出す精神と
すべてにおいて喜べる形が現実となった希有な活動で、
ささやかながらも続けて応援したいと思っています。
今回ゲットした図録はこれらで、大満足です。
*草月いけばな展 みどりの瞬間 新宿高島屋 6月5日~10日
我が先生も出品されました。
会場内は若葉の瑞々しい緑色に染められ、
渓流に散歩しに出かけたような、さわやかな気持ちになりました。
与えられた課題に果敢かつ自由に挑戦した作品群は
植物を使ったアート造形表現です。
いけばなの家元、諸先輩達の情熱にはいつも敬服するばかりです。
*オランダハーグ派近代自然主義絵画の成立展 損保ジャパン東郷青児美術館
4月19日~6月29日
オランダの絵画はフェルメールで終わっているのではなくて、
続くゴッホへの道のりが継承されていました。
そんなことを知らされた、ハーグ派という存在。
フランスのバルビゾン派の影響を受けながら
豊かな自然と海と風の近代自然主義の成立を
高層損保ビルから見てきました。
ゴッホの「ガシェ博士」
モンドリアンの風景画、「夕暮れの風車」にとてもひかれました。
不勉強だったので、図録を求めてきました。
ついでに、3Dで生まれたゴッホ消しゴムもついつい買ってしまったのでした。
*超絶技巧!明治工芸の粋 三井記念美術館
4月19日~7月13日
この展覧のために開かれたトークショーに参加してきたのですが、
本展を見るのが遅くなってしまいました。
大体どんな作品群が登場するのか、トークショーでスライド画像で
紹介されていたので、想像できていましたが、
図版や画像で納得している場合ではありません。
こういうものこそ、しっかり現物、本物を目の前にしないと、
超絶の息づかいが伝わらないこと実感しました。
本物を写し取る、その技巧も果てしないのですが、
そのものと対峙する情熱と執念に胸が焦げる思いがします。
7月13日まで、まだの方はぜひに。
*第43回伝統工芸日本金工展 石洞美術館
5月3日~6月15日
草月の教室が終わってから、石洞美術館を知らない方をご案内しながら
北千住からバスで行ってきました。
京成の千住大橋駅前がすっかり開発されて驚く激変ぶりでした。
駅から寺院のような屋根をもつ建物なので,すぐにわかると思います。
ここで、伝統工芸、日本金工展が開催中でした。
金属から生まれた様々な技法での造形に感嘆してきました。
まるで室芸のようであったり、陶芸のようであったり、
小さな帯留めサイズのものから、茶釜や、大きな花器まで
落ち着いた雰囲気の中、じっくり鑑賞できました。
館に併設されたミニカフェで一服してまた
バスで北千住に戻ったのでした。
ここはちょっとしたご近所美術館の穴場です。
夏には古伊万里が並ぶそうで、楽しみです。
*4METAL 新生堂 5月28日~6月13日
金工展を見た、石洞美術館で以前の展示でたまたま知った作家さん、
吉田康平さんが青山表参道の
新生堂で金工作家4人での展覧があると伺って行ってきました。
どこでどんなご縁が繋がるか不思議なものですが、
Twitterというツールでのご縁です。
こちらの新生堂さんからみの作家さんとの出会いがよくあるのも面白いことです。
吉田康平さんはメタリックな歯車滑車などを使う仕掛けがお得意。
ギィーと動き出す音もわくわくします。
石洞美術館で初めて見た作品も金沢のからくり人形のような
可愛らしい中にもムーブメントが見える作品だった様に思います。
江戸川乱歩のパノラマ島のタイトルが印象的でした。
仕掛け人形が金属になったような世界観です。
今後のご活躍、楽しみにしています!
ようやくご本人ともお目にかかれてウキウキしました。
他、本郷真也さんともお目にかかり、楽しくお話ししました。
本郷さんは日本の仏像系の表現で、迫力ある作品でした。
*カラフル 根津美術館 5月31日~7月13日
東京国立博物館で開催されている、故宮國立博物院展と平行して
中国の明清工芸の精華、カラフル というタイトルの展覧会が
根津美術館で企画されています。
さすがの根津、というラインナップでした。
堆朱の緻密な彫りは目がつぶれそうでしたし、
青花の透明感ある陶器は清々しく、大皿の迫力も、小さな茶碗も
とても透明感あるものでした。
白、赤、青、黄色、緑、等々じつに色鮮やかな、
カラフルな会場となっていました。
それと、交趾、染付、などの小さな香合の集合ケースはとても愛らしい作品群でした。
展示室2には中国絵画の優品ずらり。
2階の展示室5でも明清時代の絵巻が展示されて、
こちらも見応えありました。
絵巻という形はなんとも魅力ある形状です。
展示室6には鳴神月の茶、として、
雷の鳴り響く季節に合わせた茶道具が並びました。
雨や、舟、伏見天皇の様々な雨を歌った広沢切が茶掛けとなっているところも
魅力のひとつでした。
時間があまりなかったのですが、庭園もちらりお邪魔してきました。
茶室前の姫クチナシが可憐に咲いていました。
*縹渺 HYOH BYOH スパイラルガーデン
6月6日~15日
根津美術館の帰りに金工の吉田さんがスパイラル、面白いのやってますよ、
とのことでしたので、電車に乗る前に行ってきました。
が、本当に面白く、金工のテイストもあり、楽しく拝見しました。
これは、春のアートフェアにも参加した作家さん達で、
超絶技巧の潮流があり,けっして日本の芸術技巧は廃れないと
信じたのでした。
虫の自在を作る、満田晴穂さんの作品もここで再会したのでした。
また、超絶技巧の三井記念美術館の放送をしたNHK日曜美術館にも
お出になった、前原冬樹さんのあり得ない腕、しびれました。
ものつくりをする人の突き抜け観はやはり尋常ではないのだと尊敬畏怖します。
超絶技巧のトークで山下先生が前原氏の珍しい経歴とその風貌をお話しされていたことを
思い出しながら、肩から外れた片腕に見惚れたのでした。
*東京国立博物館 東洋館、本館
これについてはブログ記事にしました。
東洋館はこちら
本館はこちら
ずっと超絶技巧の流が中国から続いて、今も尚、日本のどこかで
生息している、うれしい再発見となりました。
*徒然草 サントリー美術館 6月11日~7月21日
会員の継続をかねて、早く行きたかったのですが、
ようやく徒然草、吉田兼好に行ってきました。
と、吉田兼好を書きましたが、どうも吉田さんではないらしいとのこと。
俗名、卜部兼好(うらべかねよし)さんという方なのだそうです。
やんごとなき二条天皇にお仕えし、有望視されていても
30歳あたりで謎な出家をしてしまいます。
それであの俯瞰した達観した名文調子が生まれたようです。
改めてその名文達にお目にかかると、
高校生?学生時代?に触れた
つらつら硯にむかひて的授業的感想は記憶喪失で、
実はとても深く、面白く、諧謔見あふれて愉快なきついご託宣です。
乾山の兼好法師像に地雷を踏んでしまったのですが、
あの兼好さん、大丈夫か?と笑いをこらえながら、
後から現れる海北友松の息子、友雪の力作絵巻に感嘆しました。
友雪の個展的な展示会という側面もあります。
帰路にはショップに並んだ徒然草を電車内で読んでいるという始末。
行き詰まり感のある日々にちょっと休憩、兼好法師のお導きに
胸がスカッとすること請け合いです。
7月21日までの開催で案外早い会期、お気をつけ下さい。
*故宮國立博物院展 東京国立博物館
翡翠の白菜鑑賞記はブログ記事にしましたので、ご参照下さい。
こちら
ともかくは、もの凄い熱狂の2週間でした。
他、女子高校の華道部のお手伝い、総合学習いけばな体験授業コーチや
飯能窯で花器作陶体験など、いけばな関連が多かった一月でした。
飯能窯での画像をのせておきます。
拙作はどんな具合に焼き上がるのか、今から楽しみです。
7月は大型展覧会が次々と開催されます。
台風や、梅雨のじめじめ感に悩まされますが、
少しでも気分が晴れる作品とに巡り会えますように。
あべまつ塾!とは恐れ多いことです。
kenさんが関西在住でしたら、京都の三年坂美術館に超絶技巧の名品が並んでいますので、お時間あればぜひお出かけしてみて下さい。今年は超絶技巧の流をとても感じます。感想を頂けるので、とても励みになります!