特に印象に残ったのは、芸大の「線の巨匠たち」
よく知らないで入ったのだが、
これがとても良かった。
チラシの片隅にミッフィーのようなキャラクターが
日本とオランダの国旗を持っている。
今年から、来年にかけて、「日本オランダ年」という
記念すべきイベントを企画しているのだそうだ。
フェルメールがわざわざ来日する記念の年なのだ。
さて、この展覧は、
アムステルダム歴史博物館所蔵の素描・版画展。
「素描」というのは、単なる下描きではなく、
「建築、彫刻、絵画の父」とヴァザーリが表したように
考えられ、造形の基礎を成すものとして重視され、
その事によって練習本、型見本としても活用されてきた。
一方で、独立した芸術として愛好家のコレクションともなった。
(チラシから要略)
・・・とのことで、
できあがる過程には、この様な素描がしっかり
組み立てられていたことが知れた。
実存をつかむ、線の力。
16~17世紀の緻密精密な素描には、ただただ感心。
まるで彫刻のように立体的で、3次元で、リアル。
何気ない仕草や、表情、衣装の襞、光の当たり具合、
それをペンで丁寧に描く。
レオナルドの素描の茶色の線が、そのまま引き継がれているようだ。
驚いたのは、
かのレンブラントの素描、エッチングが13点もあったことだ。
まったくすばらしい線の表現。
魔法のようだ。
このオランダの素描がやがて日本にも伝わり、
西洋画を学ぶ画家達の恰好の手本となったことだろう。
日本に筆ではなく、ペン文化があったら、
どんな下描きが生まれただろう。
亜欧堂田善、浦上玉堂、谷文晁、司馬江漢、
高橋由一、浅井忠、などの絵が並び、
日本では考えられない線の表現に驚き、震えたことだろう。
目の前の大地、山、木々、人々の営みが
まったく違う世界であったし、
立体をつかむ、生態をつかむ、
遠近を光を取り入れて表現する、
空気、風、気温まで取り込み、
生き写し、活写が実感できるのだ。
デッサンの力がその芸術の技術となってゆるぎない表現を
可能にした。
骨格は素描で、肉付きが絵の具ということなのだろうか。
はるかなる遠い景色を、無限の大地を、
天空の空。
異国の地は、どんな風が吹いたのだろう?
静かで、淡々とした中にも
実に有意義で、感嘆させられた素描展だった。
この後、フェルメールを見たが、
あまりにも人が多く、線の巨匠が良かったので、
遠くから、おぉフェルメールよ、といって
あっという間に出てしまった。
都美の空間があまり好きになれない所為も手伝ったかもしれない。
線の巨匠たち展は、11月24日まで。
よく知らないで入ったのだが、
これがとても良かった。
チラシの片隅にミッフィーのようなキャラクターが
日本とオランダの国旗を持っている。
今年から、来年にかけて、「日本オランダ年」という
記念すべきイベントを企画しているのだそうだ。
フェルメールがわざわざ来日する記念の年なのだ。
さて、この展覧は、
アムステルダム歴史博物館所蔵の素描・版画展。
「素描」というのは、単なる下描きではなく、
「建築、彫刻、絵画の父」とヴァザーリが表したように
考えられ、造形の基礎を成すものとして重視され、
その事によって練習本、型見本としても活用されてきた。
一方で、独立した芸術として愛好家のコレクションともなった。
(チラシから要略)
・・・とのことで、
できあがる過程には、この様な素描がしっかり
組み立てられていたことが知れた。
実存をつかむ、線の力。
16~17世紀の緻密精密な素描には、ただただ感心。
まるで彫刻のように立体的で、3次元で、リアル。
何気ない仕草や、表情、衣装の襞、光の当たり具合、
それをペンで丁寧に描く。
レオナルドの素描の茶色の線が、そのまま引き継がれているようだ。
驚いたのは、
かのレンブラントの素描、エッチングが13点もあったことだ。
まったくすばらしい線の表現。
魔法のようだ。
このオランダの素描がやがて日本にも伝わり、
西洋画を学ぶ画家達の恰好の手本となったことだろう。
日本に筆ではなく、ペン文化があったら、
どんな下描きが生まれただろう。
亜欧堂田善、浦上玉堂、谷文晁、司馬江漢、
高橋由一、浅井忠、などの絵が並び、
日本では考えられない線の表現に驚き、震えたことだろう。
目の前の大地、山、木々、人々の営みが
まったく違う世界であったし、
立体をつかむ、生態をつかむ、
遠近を光を取り入れて表現する、
空気、風、気温まで取り込み、
生き写し、活写が実感できるのだ。
デッサンの力がその芸術の技術となってゆるぎない表現を
可能にした。
骨格は素描で、肉付きが絵の具ということなのだろうか。
はるかなる遠い景色を、無限の大地を、
天空の空。
異国の地は、どんな風が吹いたのだろう?
静かで、淡々とした中にも
実に有意義で、感嘆させられた素描展だった。
この後、フェルメールを見たが、
あまりにも人が多く、線の巨匠が良かったので、
遠くから、おぉフェルメールよ、といって
あっという間に出てしまった。
都美の空間があまり好きになれない所為も手伝ったかもしれない。
線の巨匠たち展は、11月24日まで。
上野巡りされましたか!
別に東京新聞主催だからいうのではないですが、渋くて
いい展覧会でしたね。町田の版画美術館からも出ていて
見比べることもできました。
会期終わり近くなり混雑してませんでしたか?
フジタの展覧会もはじまりました。
例の「目の眼」プレゼントでチケット貰いました、よろしかったら一枚いかがですか?
私この展覧会大好きです!
見る前から気合いが入ってガイド借りたし、図録も当然買いました。
どの作家も高い技術を持っていて情緒もあって、素晴らしいコレクションでしたね。
眼の快楽でした~。
やっと上野まで出かけられて、その分欲張って
色々見てきました。
やっぱり美術館は私の栄養。嬉しかったです。
この展覧、なかなか渋くて気に入りました。
意外とゆっくり見られましたよ。
町田に一度行きたいと思っています。
さて、ご配慮のフジタですが、先日友人から回ってきました。お声かけて下さりありがとうです!
ogawamaさんもお気に入りとは嬉しいことです!
デッサンとか、エッチングとか、そういう単色の
世界が好きです。
本当に魔法のような表現。紙の上にリアルな彫像を見た気がします。鑑賞者のため息が会場内に充満しているようでした。
大型展ばかり目立つ上野でしたが、その中でも他に遜色のない見事な展覧でしたね。レンブラントの素描が10点以上も出ていたのは私も驚きました。これだけまとまった数で見たのは初めてのような気がします。
由一あたりと絡めるのも芸大美術館ならではのことなのでしょうね。
図録も買ってしまいました。
こちらにもコメントTBありがとうございます。
琳派が終わった東博は、どうなっているのか、
気になりながら、琳派の記事UPに悩まされています。はろるどさんを見習いつつ、頑張ります!
線の巨匠は、やはり西洋はものを3Dで捉えていると実感できました。
芸大ならではの展覧が成功の秘訣かもしれませんね。
今回の展示は規模は小さいのですが、個人の好みがはっきり出ていて、楽しめました。
とらさんのブログで詳細が書かれているので、
勉強になりました。
ドラマティックな線が実存となって立ち上がってくるようでした。良い企画展だったと思います。