あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

第54回いけばな協会展に参加してきました。

2015-03-11 22:36:31 | 

 いけばな協会は超党派の団体として、いけばなの普及発展と
 会員の親睦、福祉の充実を目的として昭和33年に設立されました。
 今回は、60流派670名の作品が展示され会場は春満載の花色に染まりました。

 開催は 3月4日~9日までの6日間を2日に区切り3次にわたり、
 私は第1次、4日、5日に出品しました。
 場所は新宿タカシマヤ11階
 晴れやかな場所に、様々ないけばなが展示され、
 それぞれの花の解釈の立場で春爛漫を披露されました。

 今年になって、様々な事が重なって
 静かに花と向き合える時がなかったのですが、
 ようやく愚息の浪人生活から卒業し、大学入学が決まったので
 春、おめでたいことがあった人、お祝いしたくなった人、
 そんな方を思い描いて、祝い花として
 沢山の花々で華やかな作品にしたいと考えました。

 花器は友人の店で展示会を開いていた、綿貫哲雄さんの
 黄瀬戸の可愛らしい陶器にしました。

 展示する場所、広さ、高さ、バックの色合い、などが指定されています。
 その限られたスペースをお隣に迷惑がかからないようなサイズで
 仕上げなければなりません。

 今回は45センチ四方の小さな台ということもあり、
 小品ながらも春らしい花々で飾ろうと考えました。

 自宅で何度もその花器を使い、
 色々な花材で試しいけをしてみました。












 花材の手配はいつもお世話になっている花屋さんにお願いします。
 いけこみ当日に入荷している旬のものをみたいと思いましたが、
 黄色の花を付けている、花木を骨組にしてみようと思いました。
 レンギョウ、マンサク、サンシュユなどです。
 それに白い花を付けている、コデマリ、ユキヤナギを加えたいと思いました。

 そして、本番の日がやってきました。

 花屋に行って、その日の自分とフィットする花との出会いが大切だと感じます。
 
 こうして選んだ花材は
 サンシュユ(黄色)コデマリ(白)
 レースフラワー(白)
 スイートピー(黄色)フリージア(黄色)ラナンキュラス(オレンジ)
 ゴッドセフィアナ(斑入りの緑葉)
 トルコキキョウ(ピンク、薄緑)

 会場には既に沢山の花を抱えた人たちが集合し、
 限られた時間内にいけこみを終了しないとなりません。
 ほぼ2時半頃に自分の席の前に座り込み、
 いけこみを始めました。

 今回は先生のチェックをして頂けるのが
 翌朝だったので、自分の判断で完成させなければなりませんでした。

 これでいいだろうか、という思いもありながら、
 なんとか完成させて、後は先生にOKを頂けるか、
 ドキドキしながら翌朝、8時を待つことにしました。

 いけばなの展示は開場される前にお手入れを終了させなければなりません。
 開場は10時の予定なので、 
 朝、8時に開場入りしてお手入れを始めます。
 お陰様で、先生のOKを頂戴できたので、
 安心して水替えなどの作業に入ることができました。
 毎回花器に入った水をきれいに取り替えます。
 花材もちょっとくたびれた花は水切りして元気を取り戻してもらいます。
 最終チェックして、周囲を掃除して終了となります。

 いよいよ、開場です。

 今回は友人知人達が急な風邪、怪我に合う人続出で心配しましたが、
 初めてお目にかかる方や、同じお稽古に通う方、
 いつも私を応援してくれる方々が多忙な中、新宿までお出かけ下さいました。
 応援されている、という実感がこれほどありがたいと思うことは
 ありません。
 ありがたい時間でした。

 遠く、伊豆高原から母も見に来てくれました。
 
 賑やかな非日常を過ごすことができて、
 実に嬉しい2日間でした。

 会場内は様々な流派のいけばながひしめきあって、
 花の力が溢れていました。

 すこしだけ会場内の画像をアップします。
 また、来年、参加できればと思いますが、他の方々の参加など
 今後の事はわかりませんが、ささやかなことでも
 チャレンジすることで、沢山の学びに出会えます。
 
 花の一期一会、そして消えてゆく花々。
 あげばな(いけばなを片付けること)はあっという間の30分程度で終了し、
 次期に出品する方へ早くその場所を綺麗にして
 明け渡さなければなりません。
 あの絢爛な花々はあっという間に姿を消してしまいました。
 
 作品が残らないとこの潔さもいけばなの醍醐味のように思います。
 ほんの少しでも誰かの胸が華やいでくれた瞬間があれば
 なにより嬉しい事だと感じました。
 
 いけこみ初回の作品


 初日の展示の様子


 初日の作品


 2日目の作品


 草月流 勅使河原茜家元作品







 まだまだ修行は続きますが、
 何かを想像する、創造する、造形する、そのことの楽しさを
 もっと学んでいきたいと改めて感じたのでした。

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2 コメント

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Unknown (ken)
2015-03-16 00:05:17
いけばな協会展、拝見いたしました。ご子息の合格おめでとうございます。我が家の近くにもいけばなをされている方があり、いけばな展にも行ったことがありますが、本番の展示までにこのような大変な準備があることは知りませんでした。いけばなの素人が言うのもなんですが、あべまつさまのいけばな、サンシュユがポイントですね。お家元の作品はさすがすごいですね。豪放な感じです。偉そうなことを申してすみません。今回もありがとうございました。
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ken さま (あべまつ  )
2015-03-16 21:29:37
こんばんは。
いけばな展記事を読んで下さりありがとうございます。大作や、組み立てなどする作品などはもっと緻密な計画を立てて準備はもっと大変なようです。ほんの一瞬のための稽古が積み重ねられるというのはどの世界でも通じることかも知れません。
やっと一息付けるようになりました。
こころ細やかな応援、励みになります。
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